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君が思うより君が好き
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駅のトイレの個室で便器に座らず、壁にもたれてしゃがんで虚ろな目をする金髪少年。開いたままの口からは白濁液が垂れ、頬はほんのりと赤らんでいる。
「ねぇ……シンヤくんっ、写真撮っていい? いいなら、そのままで……瞬き二回して」
恐る恐るスマホを構えるとシンヤは表情を一切変えずに瞼だけを動かした。
「ほんとごめん……個人で楽しむだけだから」
数秒間連写し、カメラロールを確認した後で生のシンヤを見る。頬にうっすらと見える涙の跡は写真に残っただろうか。
「ん……」
「あっ、待ってシンヤくん。動画もお願い。もちろんネットとかには絶対上げないし念のためクラウドにも保存しないしこのスマホ二度と公共WiFiに繋げないからっ……」
言いながらスマホを構え、息を殺して動画を撮る。
「…………動いていいの?」
僕の音が入らないように慎重に頷く。シンヤは僕を見上げて微かに笑い、喉にまで垂れた僕の精液を手のひらで拭う。指ですくうのではなく、手首近くで拭うのだ。何故シンヤは僕のフェチを理解しているんだ?
「ん、ん……シンヤくん、いっぱい出たな♡ 溜まってた? あはっ♡」
まだ白い汚れの目立つ赤い舌を見せつけるように大きく口を開けて笑う。
「また俺の口に出したくなったらいつでも言えよ♡ ヒ、ロ、くんっ♡♡」
そう言うとシンヤは手や指についた精液を舐め、ごくんと動く喉仏で僕を挑発する。指をしゃぶってちゅぽんっと離す仕草も僕の股間に効く。
「あはっ♡ にっが……♡ 濃いなぁ♡ 何日分? 他に出させてくれる人居ない感じ? お手手が恋人? これからは俺が搾ってやるから感謝しろよー?」
まずい、呼吸が荒くなってきた。動画に音を入れてはいけない、息を止めよう。
「んー? 顔真っ赤だぞヒロくぅん♡♡ いつまで撮ってんだよ、スマホなんか持ってないでさぁ……俺に触ったら?」
もう動画に撮らせてくれる仕草のネタがない、と示しているのだろうか? ならもう撮影をやめよう。
「……ありがとう、シンヤくん。絶対個人用にするから」
「うん♡ そんなに言わなくっても俺ヒロくん信じてるよ♡♡」
唇を舐めたシンヤは真剣な顔をする。思わず身構えたが、外の様子を伺っているだけだったようで無人を悟るとすぐに外に出た。
「早く行こ♡ 遅刻確定だけど」
「……ちょっと待って、その前に」
昂った感情をどうにかしたい。しゃぶるどころか喉を犯すことも許容してくれたシンヤの僕への気持ちを確かめたい。その二つの衝動のまま僕はシンヤの頬に触れた。
「ヒロくん……♡ なぁに?」
下を向いてくれたシンヤの唇を目指して背伸びをする。ぎゅっと目を閉じて口を突き出して、生まれて初めてのキスを試みた僕の唇はシンヤの手の甲に触れた。
「シ、シンヤくん……?」
キスを嫌がられた? 僕のことが好きだと言うからキスしてみたくなったのに……しゃぶったのは痴漢されたことへの口止めか何かだったのか?
「ごめん、シンヤくん……今のめちゃくちゃ嬉しかった♡ でも、今は、その……シンヤくんの、したばっかりだから…………俺なら、自分の咥えて飲ませた後の口……ちょっとやだし」
「え……ぁ、フェラの直後だから嫌ってだけ? 僕とのキスが嫌なわけじゃないの?」
「へっ? そ、そう見えた? 違うよっ、キスはしたい……すごく、したい……♡ でも……あっ、ヒロくんのが汚いとかっ、そういう意味じゃないから。俺はヒロくんのどこ舐めても平気だけど、ヒロくんは……どうかなって」
確かについさっきまで自分の陰茎をしゃぶっていた口だと思うとキスしたくなくなってきたな。
「…………そ、それじゃあ、キスは……改めて?」
「う、うんっ♡ また……♡ ちゃんと綺麗にしておくし、お尻も使えるようにしておくから♡ 俺のどこでも使いたくなったらいつでも言ってね♡♡」
「……そんな言い方しないで」
「へっ? 何……?」
「使うとかやめてよ……僕もシンヤくんのこと好きだって言ったよね?」
好きだと言い合って様々な過程をすっ飛ばして口淫をしてくれたのだ、もう恋人同士だと思っていいだろう。それなのに「使う」なんて言わないで欲しい。
「うん♡♡♡ めちゃくちゃ嬉しかったよ♡♡」
「……なら、君のことを僕が使うとか、そういうのじゃないでしょ?」
「…………ごほうし?」
「ちっ、ちがうよぉっ……」
ちょっとキュンときてしまった。それでいいよなんて言わないように気を付けなければ。
「……ほら、君は僕の何?」
「…………せい、どれい? ってやつ」
「は……? な、なんでそうなるのっ? 僕、君のこと好きって言ったよね!」
「え? うん♡♡ めちゃくちゃ嬉しかった♡♡ もっと言って……♡」
性奴隷の言葉の意味が分かっていないだけだろうか。俺はヒロくんの彼氏♡ とか言って欲しかっただけなのに妙なことになってきた。
「好き、なんだよ。僕は君が、好き。好き同士なんだから……ね、あるでしょ」
「うん♡ 俺はヒロくんに惚れてるよ♡♡ 頑張ってヒロくんの好みの見た目になったから、ヒロくん俺を好きになってくれて……♡ 俺のこと、性欲処理に使ってくれるんでしょ? めちゃくちゃ嬉しい♡♡♡」
「え……?」
僕ってそんな男に見られていたのか? いや、僕がシンヤの見た目だけが好きだと捉えられているからだ。きっとそうだ。ちゃんと話せば恋人同士になれるだろう、遅刻上等、今日はシンヤと付き合う日だ。
「ねぇ……シンヤくんっ、写真撮っていい? いいなら、そのままで……瞬き二回して」
恐る恐るスマホを構えるとシンヤは表情を一切変えずに瞼だけを動かした。
「ほんとごめん……個人で楽しむだけだから」
数秒間連写し、カメラロールを確認した後で生のシンヤを見る。頬にうっすらと見える涙の跡は写真に残っただろうか。
「ん……」
「あっ、待ってシンヤくん。動画もお願い。もちろんネットとかには絶対上げないし念のためクラウドにも保存しないしこのスマホ二度と公共WiFiに繋げないからっ……」
言いながらスマホを構え、息を殺して動画を撮る。
「…………動いていいの?」
僕の音が入らないように慎重に頷く。シンヤは僕を見上げて微かに笑い、喉にまで垂れた僕の精液を手のひらで拭う。指ですくうのではなく、手首近くで拭うのだ。何故シンヤは僕のフェチを理解しているんだ?
「ん、ん……シンヤくん、いっぱい出たな♡ 溜まってた? あはっ♡」
まだ白い汚れの目立つ赤い舌を見せつけるように大きく口を開けて笑う。
「また俺の口に出したくなったらいつでも言えよ♡ ヒ、ロ、くんっ♡♡」
そう言うとシンヤは手や指についた精液を舐め、ごくんと動く喉仏で僕を挑発する。指をしゃぶってちゅぽんっと離す仕草も僕の股間に効く。
「あはっ♡ にっが……♡ 濃いなぁ♡ 何日分? 他に出させてくれる人居ない感じ? お手手が恋人? これからは俺が搾ってやるから感謝しろよー?」
まずい、呼吸が荒くなってきた。動画に音を入れてはいけない、息を止めよう。
「んー? 顔真っ赤だぞヒロくぅん♡♡ いつまで撮ってんだよ、スマホなんか持ってないでさぁ……俺に触ったら?」
もう動画に撮らせてくれる仕草のネタがない、と示しているのだろうか? ならもう撮影をやめよう。
「……ありがとう、シンヤくん。絶対個人用にするから」
「うん♡ そんなに言わなくっても俺ヒロくん信じてるよ♡♡」
唇を舐めたシンヤは真剣な顔をする。思わず身構えたが、外の様子を伺っているだけだったようで無人を悟るとすぐに外に出た。
「早く行こ♡ 遅刻確定だけど」
「……ちょっと待って、その前に」
昂った感情をどうにかしたい。しゃぶるどころか喉を犯すことも許容してくれたシンヤの僕への気持ちを確かめたい。その二つの衝動のまま僕はシンヤの頬に触れた。
「ヒロくん……♡ なぁに?」
下を向いてくれたシンヤの唇を目指して背伸びをする。ぎゅっと目を閉じて口を突き出して、生まれて初めてのキスを試みた僕の唇はシンヤの手の甲に触れた。
「シ、シンヤくん……?」
キスを嫌がられた? 僕のことが好きだと言うからキスしてみたくなったのに……しゃぶったのは痴漢されたことへの口止めか何かだったのか?
「ごめん、シンヤくん……今のめちゃくちゃ嬉しかった♡ でも、今は、その……シンヤくんの、したばっかりだから…………俺なら、自分の咥えて飲ませた後の口……ちょっとやだし」
「え……ぁ、フェラの直後だから嫌ってだけ? 僕とのキスが嫌なわけじゃないの?」
「へっ? そ、そう見えた? 違うよっ、キスはしたい……すごく、したい……♡ でも……あっ、ヒロくんのが汚いとかっ、そういう意味じゃないから。俺はヒロくんのどこ舐めても平気だけど、ヒロくんは……どうかなって」
確かについさっきまで自分の陰茎をしゃぶっていた口だと思うとキスしたくなくなってきたな。
「…………そ、それじゃあ、キスは……改めて?」
「う、うんっ♡ また……♡ ちゃんと綺麗にしておくし、お尻も使えるようにしておくから♡ 俺のどこでも使いたくなったらいつでも言ってね♡♡」
「……そんな言い方しないで」
「へっ? 何……?」
「使うとかやめてよ……僕もシンヤくんのこと好きだって言ったよね?」
好きだと言い合って様々な過程をすっ飛ばして口淫をしてくれたのだ、もう恋人同士だと思っていいだろう。それなのに「使う」なんて言わないで欲しい。
「うん♡♡♡ めちゃくちゃ嬉しかったよ♡♡」
「……なら、君のことを僕が使うとか、そういうのじゃないでしょ?」
「…………ごほうし?」
「ちっ、ちがうよぉっ……」
ちょっとキュンときてしまった。それでいいよなんて言わないように気を付けなければ。
「……ほら、君は僕の何?」
「…………せい、どれい? ってやつ」
「は……? な、なんでそうなるのっ? 僕、君のこと好きって言ったよね!」
「え? うん♡♡ めちゃくちゃ嬉しかった♡♡ もっと言って……♡」
性奴隷の言葉の意味が分かっていないだけだろうか。俺はヒロくんの彼氏♡ とか言って欲しかっただけなのに妙なことになってきた。
「好き、なんだよ。僕は君が、好き。好き同士なんだから……ね、あるでしょ」
「うん♡ 俺はヒロくんに惚れてるよ♡♡ 頑張ってヒロくんの好みの見た目になったから、ヒロくん俺を好きになってくれて……♡ 俺のこと、性欲処理に使ってくれるんでしょ? めちゃくちゃ嬉しい♡♡♡」
「え……?」
僕ってそんな男に見られていたのか? いや、僕がシンヤの見た目だけが好きだと捉えられているからだ。きっとそうだ。ちゃんと話せば恋人同士になれるだろう、遅刻上等、今日はシンヤと付き合う日だ。
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