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きゃんぷ、じゅうろく
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腕を背中で組んで拘束されたまま浴場に入ると、既に叔父とその恋人の涼斗が入っていた。涼斗は俺と同じように腕を拘束されている。
「あれ……ここにはペット用温泉は併設されていないよ、悪いね」
湯けむり越しに俺達を見つけた叔父が嫌味を言ってくる。
「悪いな、今の真尋は真尋でポチじゃねぇんだよ」
俺は雪風の恋人の真尋であり、雪兎のペットのポチでもある。態度や口調を変えている。今の俺は真尋だ。
「ふぅん? 拘束しなきゃ危険な奴なんて、人以下の獣だと思うけれど」
「そんなワイルドさがいいんだよ。なぁ真尋ぉ? 抑えられない衝動でぇ……俺をめちゃくちゃにしてくれるんだろぉ?」
雪風は先程俺の陰茎をしゃぶっていた時と同じように蕩けた顔をして俺に抱きついている。発情した顔を俺以外に見せて欲しくなくて、俺は身体をよじった。
「ん? どしたー、真尋ぉー」
雪風に俺の意思は伝わらなかったようだが、俺の方を向いてくれた。
「衝動を抑えられないなんて、縛ってなきゃダメだなんて、軽蔑するね」
雪風はもう意識を向けていないのに叔父はまだ嫌味を言ってくる。その嫌味は俺達ではなく涼斗に刺さった。
「ごめんなさい……」
俺と同じように腕を後ろに回して拘束されている涼斗は三角座りをして叔父に頭を洗われていた。膝に額をつけて俯いたまま、すすり泣きながら謝っている。
「ごめんなさいっ……我慢できない、抑えられないんです……僕、全然ダメで……ごめんなさい」
「あ、いや……涼斗さんに言ったわけじゃないんですよ?」
「僕は衝動を抑えられませんし、縛ってないとダメなんです。凪さんが嫌いなタイプの人間なんです。嫌だっ……嫌だ、凪さん、嫌わないで……お願いします、捨てないで」
「涼斗さん、涼斗さん……落ち着いて聞いてください、俺の話聞いてください。本当に違うんですよ、アレは風をバカにしたくて言った方弁であって……」
叔父が焦っているのは見ていて面白い。しかし雪風は興味がないようで、自分の身体を抱き締めて身悶えしながら俺を見つめている。
「はぁっ……すっごいイイ筋肉。この肉体美最高だよなぁ……ぁー、エッロ……」
「……腕外してくれないか? これじゃ髪も体も洗えない」
「だーめ。真尋のお世話は俺がするんだよ、全身くまなく洗ってやるから覚悟しろよ?」
雪風に背を押されて座らされ、深いため息をつきながら頭から被せられるお湯に耐える。
「まずは頭からな~」
シャンプーを絡めた白い手が俺の髪の隙間を抜ける。女性的な繊細さを持ちながらも筋張っている大きな手が俺の頭を掴み、柔らかい指の腹で頭皮を擦る。
「……ん」
「痒いところございません~?」
「な、いっ……」
俺の世話をするのに子供のようにはしゃいでいる雪風は俺が頭を洗われて感じているとは知らない。水の音のせいか喘ぎ混じりの返事とは分からないようだ。
「太くて多くてしっかり生えてて……若さを感じる力強い髪だなぁ」
歳を考えれば抜け毛を気にする時期なのかもしれないが、雪風の髪も十分若々しい。雪風も雪兎も元々白髪だからそっちの悩みはなさそうだな、俺は黒髪だし肌も色が濃いから白髪になったら目立つだろうな……何十年後のことを心配しているんだか。
「…………好きだ、真尋」
時が過ぎて白髪が生えたら黒染めしようか、それとも脱色してしまおうか、雪風と雪兎と揃いというのもいいだろう。
歳を取って筋肉が落ちたら雪風と雪兎は嫌がるだろうか。還暦を過ぎてもボディビルダーのような人はいるし、筋トレはやめてはいけないな。
「俺も好きだよ、雪風」
いくつになっても三人で過ごしていたいけれど、時が止まってしまえばいいとも思う。雪兎の成長は見たいけれど、時間が経つのは寂しい。
「……ずっと一緒に居ような」
どうしてこの世には永遠が存在しないのだろう。
「あれ……ここにはペット用温泉は併設されていないよ、悪いね」
湯けむり越しに俺達を見つけた叔父が嫌味を言ってくる。
「悪いな、今の真尋は真尋でポチじゃねぇんだよ」
俺は雪風の恋人の真尋であり、雪兎のペットのポチでもある。態度や口調を変えている。今の俺は真尋だ。
「ふぅん? 拘束しなきゃ危険な奴なんて、人以下の獣だと思うけれど」
「そんなワイルドさがいいんだよ。なぁ真尋ぉ? 抑えられない衝動でぇ……俺をめちゃくちゃにしてくれるんだろぉ?」
雪風は先程俺の陰茎をしゃぶっていた時と同じように蕩けた顔をして俺に抱きついている。発情した顔を俺以外に見せて欲しくなくて、俺は身体をよじった。
「ん? どしたー、真尋ぉー」
雪風に俺の意思は伝わらなかったようだが、俺の方を向いてくれた。
「衝動を抑えられないなんて、縛ってなきゃダメだなんて、軽蔑するね」
雪風はもう意識を向けていないのに叔父はまだ嫌味を言ってくる。その嫌味は俺達ではなく涼斗に刺さった。
「ごめんなさい……」
俺と同じように腕を後ろに回して拘束されている涼斗は三角座りをして叔父に頭を洗われていた。膝に額をつけて俯いたまま、すすり泣きながら謝っている。
「ごめんなさいっ……我慢できない、抑えられないんです……僕、全然ダメで……ごめんなさい」
「あ、いや……涼斗さんに言ったわけじゃないんですよ?」
「僕は衝動を抑えられませんし、縛ってないとダメなんです。凪さんが嫌いなタイプの人間なんです。嫌だっ……嫌だ、凪さん、嫌わないで……お願いします、捨てないで」
「涼斗さん、涼斗さん……落ち着いて聞いてください、俺の話聞いてください。本当に違うんですよ、アレは風をバカにしたくて言った方弁であって……」
叔父が焦っているのは見ていて面白い。しかし雪風は興味がないようで、自分の身体を抱き締めて身悶えしながら俺を見つめている。
「はぁっ……すっごいイイ筋肉。この肉体美最高だよなぁ……ぁー、エッロ……」
「……腕外してくれないか? これじゃ髪も体も洗えない」
「だーめ。真尋のお世話は俺がするんだよ、全身くまなく洗ってやるから覚悟しろよ?」
雪風に背を押されて座らされ、深いため息をつきながら頭から被せられるお湯に耐える。
「まずは頭からな~」
シャンプーを絡めた白い手が俺の髪の隙間を抜ける。女性的な繊細さを持ちながらも筋張っている大きな手が俺の頭を掴み、柔らかい指の腹で頭皮を擦る。
「……ん」
「痒いところございません~?」
「な、いっ……」
俺の世話をするのに子供のようにはしゃいでいる雪風は俺が頭を洗われて感じているとは知らない。水の音のせいか喘ぎ混じりの返事とは分からないようだ。
「太くて多くてしっかり生えてて……若さを感じる力強い髪だなぁ」
歳を考えれば抜け毛を気にする時期なのかもしれないが、雪風の髪も十分若々しい。雪風も雪兎も元々白髪だからそっちの悩みはなさそうだな、俺は黒髪だし肌も色が濃いから白髪になったら目立つだろうな……何十年後のことを心配しているんだか。
「…………好きだ、真尋」
時が過ぎて白髪が生えたら黒染めしようか、それとも脱色してしまおうか、雪風と雪兎と揃いというのもいいだろう。
歳を取って筋肉が落ちたら雪風と雪兎は嫌がるだろうか。還暦を過ぎてもボディビルダーのような人はいるし、筋トレはやめてはいけないな。
「俺も好きだよ、雪風」
いくつになっても三人で過ごしていたいけれど、時が止まってしまえばいいとも思う。雪兎の成長は見たいけれど、時間が経つのは寂しい。
「……ずっと一緒に居ような」
どうしてこの世には永遠が存在しないのだろう。
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