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ふたまた、よん

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このところほぼ毎日雪風を抱いている。だからだろう、挿入への抵抗が少なかった。以前までなら数日、いや、数週間触れられないこともあったから念入りに解さなければならなかったが、もはやその必要はない。

「ん、ぁ……あぁっ、太いのっ、きてっ……んぁあっ! ぁ、はっ、はぁっ……真尋ぉ? 全部入ったぁ?」

「もうちょい……」

細い腰を掴んで持ち上げると射精したばかりで萎えている陰茎が揺れ、白濁にまみれたまま硬さを取り戻していく。ふと悪戯心が湧いてその亀頭を指で弾いた。

「ぁんっ! 真尋っ……もぉそっちいいから、全部入れて……」

きゅうっと締め付けが増し、雪風の足が俺の腰に回る。

「……なぁ雪風、硬い床なんかでしちゃ腰や背痛めるよな」

「いいってそういうの……気にするなよ」

雪風の腰は胡座をかいた俺の足の上に乗っており、背は床についている。いくら若々しいとはいえ四十手前の肉体にはキツい体勢だろう。

「んっ……!? ぁ、あぁっ、ひぁっ……!」

腰を掴んでいた手を離し、雪風の腰と背に腕を回す。ぐっと力を入れて持ち上げれば対面座位の完成だ。

「は、ぁっ……やばい、ちょっとイったかも……真尋、しばらく動くなよ」

まだ俺の陰茎は全て入っていない。しかも今度は俺の体勢がキツくなった。背もたれが欲しい……いや、立ち上がるか。

「雪風、ちょっと首に腕回してくれ」

「ん……このしっかりした肩と首好き」

雪風がしっかり抱き着いたのを確認して彼の背から腕を離し、曲がった膝の下に腕を差し込み、腰の後ろで手を組んだ。

「真尋……?」

これで雪風は足が引っかかって自力で俺から逃げ出すのが難しくなった。

「んっ……!? 待っ、待て待てまっ……ぁああっ!? ひぁあっ、ぁ、ああぁっ……ひっ、ぁ、あっ……」

立ち上がると雪風の身体が重力に引かれて深くまで挿入出来た。俗に駅弁なんて言われる体位は前にもやった覚えがあるが、これはまぁまぁキツい。

「お、前っ……何考えてんだよ、立ち上がるとか……ぁ、あぁっ……やばい、これやばいってぇ……」

俺の首に絡めた腕も、俺の腰に絡めた足も、力が入っていない。それでは雪風の体重を支えているのは挿入されている部分、そして俺の手に支えられている腰の下の方だけだ。

「やっぱり寝てるのとは違うよな、どんな感じだ?」

「は、腹側……すっごい、押し付けられてる。自分の体重かこれ……奥まできてるし……ひっ、ぁ……なんかっ、もぉ……何もなくても、気持ちいのくるぅ……」

とろんとした赤い瞳が可愛くて、ふるふる震える唇が愛しくて、顔を寄せる。

「真尋? ん……好き、真尋ぉ……ん、ぅっ、んむ……」

雪風はようやく腕に力を入れて顔を近付けキスに応えてくれた。幸せそうに大人しいキスを楽しむ雪風にしばらく付き合い、不意に突き上げた。

「んぅっ!? んっ、ぁああっ! ぁっ、あっ、まっ……ひぁあっ!」

掴まる気がほとんどない雪風の身体を落とさないように彼の腰の後ろで組んだ手にしっかりと力を込め、雪風が好きな乱暴さと痛みを与えない慎重さの境界線を探っていく。

「ぁんっ! あぁっ、まひろっ、んぁっ、まひろぉっ! これっ、しゅごいっ……奥、ごりごりきてっ……イくっ、すぐっ、イくぅっ!」

自分の中の獣性を押し殺し、愛しい恋人の淫らな様を目に焼き付けながらも心は逸らし、理性的に彼の快感の限界を探っていく。

「ぁ、あっ、はぁあっ……イってるっ、のにぃっ! がんがんきてっ、またイくっ……! まひろっ、まひろぉ……すき、しゅきっ、まひろぉっ」

粗暴なのが好きならいくらでも演技してやるから、頼むからそう俺を煽らないでくれ。理性が飛んでしまう、本当に乱暴になる、俺は今まで雪風を玩具にしてきた男達のようにはなりたくないんだ。

「…………雪風、もう、出すから……」

「んっ、ぅんっ! いっぱい、出してっ、まひろぉ……!」

悦びに満ちた笑顔を浮かべた雪風は唇を重ねてきた。舌を絡ませながら精液を流し込み、自分の獣性を押し殺しきった達成感も愉しんだ。
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