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びょういん、さん

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座椅子のように曲がったベッドに背をぴったりとつけて、ずり落ちていく枕を首で挟む。膝の上に乗った雪風と舌を絡ませ合い、静かに興奮を高めていく。

「ん……まひろ、早く脱がして」

「だーめ」

せっかくのコスプレだ、脱いでは意味がない。

「真尋ぉ、早くっ、早く触って、早くぅっ」

足を揃えて体を横にして座っていた雪風は九十度回転して俺と向かい合うように座り直した。ミニスカートなのに膝を立てて開脚し、俺の太腿の上に座り、俺の首に腕を回し、胸や腹を擦り付けてきている。

「大胆なナースだな……」

「溜まってるんだよ、早く……真尋…………患者さん、って呼ぼうか? いや、呼びましょうか?」

「……そうだな、せっかくのコスプレだし。旅行の時のメイドみたいにしてくれよ、看護師さん」

右手を背に回して密着した体を更に強く抱き寄せ、左手で太腿を撫で回す。ガーターベルトなどがなくても落ちないようキツいゴムのニーハイソックスは雪風の健康的な足を締め付けていて、靴下と太腿の境の僅かな段差にそれが現れていた。

「靴下、かなりキツいんだな。跡残るだろこれ」

「ん……脱ぐのも、大変で……ぁ、そこっ、摘まないで……太ってるって言われてるみたいな気分になる……」

「どこが太ってるんだよ。確かに太腿と……ここは、 むちっとしてるけど」

まだスカートの下にある尻を軽く撫でる。コスプレ用の安物のナース服は薄っぺらく、レースだろう下着の位置がよく分かる。

「医者と不倫してるってたまに聞くけど、本当?」

「してたら患者さんとこんなことしませんよ……そんなこといいから、早く、しましょう?」

入院生活で溜まってるだろうから抜いてあげる──なんてエロ本でよく見る展開かと思っていたが、それでは雪風が焦れったさに耐え切れないのか欲求不満なナースという設定のようだ。

「患者の上乗っかって誘うなんてとんでもないナースだね」

「だって……患者さんカッコいいから。そんな目で見られたら……我慢できません」

どんな目だよ。ナースを視姦していた変態患者とかそんな設定なのか? 俺は。

「切れ長で、黒目ちっちゃくてぇっ……もう三白眼っていうか四白眼で……なのにどこ見てるのかよく分からないし、何考えてるのかも分からないし、見つめられるとゾクゾクするしっ……!」

それは俺の話か? 患者としての設定か?

「この色黒な肌もたまんないっ……! シミのひとつもなくて、若いからかキメ細かいし、何よりこの肉体美……!」

脇腹の辺りで結ばれていた紐を解かれ、入院着の前を開け放たれる。露わになった褐色の肌に雪風は目を輝かせてその真っ白な手を這わせた。

「好みぴったりのすっごいちょうどいい筋肉……意外と柔らかいし……」

「力入れなきゃそんな硬くは……て、ちょっと、揉むなっ……!」

胸筋を揉みしだかれて甘い吐息が漏れる。そういえばカーテンの向こうには何人もの使用人が控えているはずだ、あまり声を出しては彼らに聞かれかねない。

「力入れないと硬くはならないんですね? じゃあ……ここだけ力入れてるんですか?」

今まで胸の周りから持ち上げるように揉んでいた手が平らな部分に移動し、左右同時に乳首を摘まれた。

「んっ……!」

「どんどん硬くなって、コリコリして……ねぇ、力入れてるんですかって。力抜いてみてくださいよ」

クスクスと笑う雪風に煽られた俺は彼の背を支える手を腰まで下ろし、太腿を撫でていた手を太腿の間からミニスカートの中に入れた。

「ひぁっ!? ゃ、そこっ……そこ、はぁっ……」

「こっちもだいぶ硬くなってるみたいだけど? 黒のレースなんて履いちゃってさ」

しっかり勃起して女物の下着の中で窮屈そうにしている陰茎を下着の上から握り、親指でゆっくりと強く裏筋を押すように擦る。

「ん、ぁ、あぁっ……そこっ、だめ……」

「ダメ? ならやめようかな」

「……っ!? ダメっ!」

手をスカートの中から抜こうとすると雪風は両手で俺の左手首を掴み、引っ張った。

「やめないでください……ダメじゃないです、もっとして欲しい……」

先端の方を緩く握り、亀頭をカリカリと引っ掻く。

「ん、ひっ、ぃいっ……!」

下着の中がぬるぬるとしてきたのが分かる、先走りの汁を溢れさせ始めたのだろう。
俺は雪風の腰に回した右手に力を入れ、少し抱き寄せ、腰を離して左手と同じ場所からスカートの中に入れた。
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