俺の名前は今日からポチです

ムーン

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はじめてをみたあとで、ご

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膝を曲げて太腿と足首を縛り、その足と胴を縄で繋ぎ、開脚した状態で固定。腕は後ろに回して肘を掴ませるように縛り、固定。
麻縄で拘束された雪風の目隠しに巻かれたネクタイは落ちかけていて、右目を僅かに覗かせていた。しかしその瞳は焦点が合っていない。

『風、風ー? かーぜー、大丈夫? もう学校終わったよ』

撮影者……雪凪の手が顎に添えられ、白濁液を溜めた半開きの口に親指が入る。しかし雪風は瞬きすらしない。

『……いっぱい来たみたいだね。まぁ、朝からここに置いておいたから……そりゃこうなるか』

雪風は便器の上に座るように乗せられている。学校の男子トイレの個室らしい。雪風はここに拘束されて放置され、不特定多数の生徒や教師の性欲の捌け口になっていたのだ。

『…………いや、流石に要るね、これは』

床や壁まで体液で汚れている。特に酷いのは当然後孔だ。雪凪は精液などで満たされたその穴に軽く人差し指を入れ、こぽっと溢れてきた粘着質な液体にため息をついた。カメラを脇にでも挟んだのか両手でズボンをズラしてコンドームを陰茎に被せると、左手でカメラを持ち直して躊躇なく挿入した。

『ぁんっ……! ん……ぁ、おにぃ……ちゃん……?』

『おはよう、風。何人とした?』

『…………いっぱい』

『おかげで儲かったよ。安心して、ちゃんと客の管理はしてるから変な病気移されたりしてないはずだよ、多分ね』

腰の後ろに回っている縄を掴み、大量に注がれた精液を掻き出すように腰を振る。

『あっ、ぁあっ! お兄ちゃんっ、お兄ちゃん……好きっ、お兄ちゃん……!』

『俺の役に立てて嬉しい? 儲かるし、遊べるし、君は最高の弟だよ』

『うんっ、うれしぃっ……お兄ちゃんっ、お兄ちゃん好きっ、しゅきぃっ!』

ヘッドホンをパソコンに叩きつけてしまいそうだ。自分で自分の手を押さえておいたほうがいいかもしれない。
雪凪は雪風に愛情なんて欠片も抱いていない、それなのに雪風は精神が幼いまま兄を慕っている。あのクズな叔父への殺意と雪風への劣情が溜まるばかりだ、どうしてこんなものを見せられているんだ。
もう嫌だ、もう見たくない、もうたくさんだ。
俺はヘッドホンを外してパソコンの電源を落とし、社長室の隣の部屋に……ベッドルームとシャワールームのある隣室に入った。ネクタイを緩めてシャツのボタンを外し、ベルトを抜き、ぼすっとベッドに寝転がった。枕に顔を埋めて数秒で俺は眠りの中に落ちていった。

「……真尋ぉー、まーひろっ、まーひーろー」

枕から顔を上げてみれば雪風が居た。どうやら彼が帰ってくるまで眠ってしまっていたらしい。

「おはよ、会議終わったからヤろうぜ」

雪風と話すため仰向けになり、上体を起こそうとした俺の肩を押さえ、スラックスの中に手を入れる。そんな雪風の様子は動画で見たものとよく似ていた。

「俺上? 真尋上? どうする?」

スラックスの中で下着越しに陰茎を扱かれ、眠ったとはいえ動画を見て昂っていた俺は簡単に呼吸を熱く甘く変えた。

「……っと、危ない忘れてた」

もう押し倒してしまおうと雪風の肩に手を添えると雪風は俺の手を払ってベッドを降り、隣の部屋に駆けていった。すぐに戻ってきた雪風はカメラと三脚を持っていた。

「……撮るのか」

「嫌いか? ちゃんと送ってやるぞ」

「…………なんであんなの見せたんだよ」

「言っただろ? 真尋がねちっこく激しくしてくれそうだからだって」

カメラの位置などを調整し、録画ボタンを押した雪風は再びベッドに飛び乗った。

「……あいつだけじゃなかったんだな、教師とか、色々……」

「お前の歳の頃には三桁とっくに越してたし、三回以上しない日もなかったぞ?」

それを知らせてどうしたいんだ。俺は過去なんて気にしたくない、経験人数なんて知りたくない、嫉妬も苛立ちも抱えたくないんだ。

「なんで……それを、俺に」

「……俺がどれだけ汚れてるか知って欲しかったんだよ。ごめんな。でも、俺を愛してくれるなら全部知ってくれよ。この汚れた身体を真尋で完璧に上塗りしてくれよ、真尋で染めてくれ、真尋だけの物にしてくれよ」

予想は何となく当たっていた。でも、俺は過去なんてどうでもいい……訳がない。

「当たり前だ。あのクズにモノやテクニックで負けてようが持続力だけは負けねぇ、雪風が仕事に戻るまでぶっ通しでヤってやるよ」

「はは……やっぱり怒ってる。よかった、真尋……捨てないでくれてありがとう」

赤い瞳に涙を浮かべ、綺麗に微笑む。けれど今からそんな整った表情はできなくなる、その美顔は俺によって蕩けさせられだらしなく変わるのだから。
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