俺の名前は今日からポチです

ムーン

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しゃないでいたずら、に

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乳首を抓られ、指で弾いて虐められていた陰茎から精液を溢れさせる。それも車内で全裸で拘束されていなかったのに自分で手首をシートベルトに絡め、運転手や助手席の者に見られているかもしれないのに脚を限界まで開いて……こんな淫らな生き物、人間とは呼べないな。

「ん……なぁに、キスしたいの? 急に来たのはダメだけど、可愛いから許してあげる」

唇に舌を押し付けたけれどすぐに離れられた。しかし顎を引かれて雪兎を真っ直ぐ見つめれば、少し開いた口が俺の舌を咥えた。

「ん、んぅうっ、ん、くぅんっ……」

輪を咥えさせ口を閉じるのを禁止する口枷、その輪によって突き出すことを強要された舌をしゃぶられる。雪兎の薄桃色の唇が俺の舌を挟み、小さな口が俺の舌を吸い、器用な舌が俺の舌を擽る。

「ふぅ……ふふ、満足した? ポチ」

口内に収納できない舌を弄ばれ、疲れ、今まで以上に声が言葉にならない。
荒い呼吸に音を混ぜて開きっぱなしの口から漏らしていると、雪兎の人差し指が俺の太腿をつぅっとなぞった。

「ねぇ見て、綺麗だよ。分かる? このコントラストの良さ」

褐色の肌に白濁液は映える。肌が精液を、精液が肌を、互いに引き立て合う。その感覚は分からなくもないが俺は自分自身にそんな感想は抱けない。

「どうせまた「俺のどこがいいんだ」とか考えてるんでしょ? ポチのバカ」

俺としては白く細い指先に精液が絡んでいる光景の方が余程扇情的に見える。雪兎の人差し指が精液を掬っているのを見て、そう思った。

「んっ、ん……んんぅっ!」

精液を掬った雪兎の人差し指が俺の舌を撫でた。

「性器になっちゃったポチの長ぁい舌に、こんなのが絡まってるなんて……最高だよね?」

体内らしく赤い舌に白濁液が絡むのもまた色のコントラストとしては良いかもしれない、けれど俺に俺の魅力は永遠に理解できない。

「ポチ、ポチはね、とっても可愛くて、かっこいいんだよ。爪先から頭のてっぺんまで、どこをどう見てもえっちなの。ポチは全部が性的なんだよ」

そんな限界のオタクみたいな台詞を吐かれても困る。

「僕と違って黒い髪も肌も、小さい黒目も……」

シートベルトを掴んでいた手を引っ張られ、仕方なく右手を雪兎に明け渡す。俺の身体の所有者は雪兎なのだから仕方ない。

「この、太い腕も、おっきな……ぁ、手もぉ……」

渡した右腕が柔らかい太腿に挟まれたかと思えば硬くなったモノを押し付けられる。俺の手に性器を擦り付けている……?

「かっこいいのっ、好きなの……ポチっ、ポチぃ、好き、好きだよ、ポチ……」

手を動かせば雪兎は怒るだろうか、お仕置きだと言って苛烈な快楽を注ぐだろうか。どう転んでも俺は愉しめるので、俺はそっと手に力を込めて雪兎の性器を布越しに揉んだ。

「ぁ……んっ、ポチ……ポチ、好き……好きなの、好きだからぁ……行かないで、どこにも……」

予想に反して雪兎は怒らず、俺の腕を爪を立てて掴み、潤んだ瞳で俺を見上げている。
きっと不安になったのだ、俺を雪風と共有すると決めたから、俺が雪風に取られないかと不安なのだ。なんて可愛い主人だろう、自分の所有物に「行かないで」なんて……なんて、可愛い。

「ポチは僕のなの、僕のなのぉ……ポチぃ、大好き……ねぇポチ、ポチはゆきのこと好き?」

また一人称を名前にして俺を煽る!
好きかと聞かれても俺は言葉を返せない、俺から言葉を奪ったのは雪兎だ。しかし感情を伝える手段はいくらでもある。

「ポチ……? えへへ…………大好き」

俯いた雪兎の頬を舐めると涙の味がした。けれど顔を上げた雪兎は子供らしい笑顔で、俺の舌を咥えてキスをした。
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