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あさになって、ろく

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仰向けになった俺の腹の上に雪兎が座っている。いくら雪兎が軽くとも息苦しくはなるし、それは快感だし、苦しさや単なる圧迫で締め付けを増してしまうのも快楽だった。

「……ポチ、出が悪くなってるよ? ほら、もっと出して」

後ろ手に乱雑に性器を揺らされ、俺は無意識に雪兎の足を掴んでいた。搾乳器のカップが被せられている上から指で弾かれれば性器全体に揺れが伝わり、射精のない絶頂を迎えた。その快感に背を反らしたり腰を揺らしたりすれば尻尾飾りの張形を床に叩きつけることになって、また絶頂へと押し上げられる。

「もう無理なんじゃないか? ちょっと前からかなり色薄くなってるし、こんだけ出せば枯れるだろ」

「…………早く飲みなよ」

「貯蔵ボトル取ってる間にチューブから新しいの来て一滴でも落ちたらアウトって言われて外せるかよ。出尽くすまで待ってる」

見上げれば駆動音を鳴らす機械の上に白濁液が溜まったボトルがあり、雪風はそのボトルの側面を指で叩いて楽しそうに笑っている。俺の視線に気付くと優しい笑みを返してきて、その反応に喜んだ俺も笑みを返す。
絶頂の隙間の温かな時間は胸の突起を抓られたことで終わりを迎える。俺と雪風が目を合わせて微笑み合っていたのが余程気に入らなかったのか、雪兎は怒りに満ちた瞳で俺を睨んでいた。

「ひっ、ぁ、あっ……!」

ぎゅうぅっ……と強く摘まれて指の間でぐりぐりと回されたかと思えば、力任せに引っ張られる。

「ぁ、ひっ……イっ、くぅぅんっ!」

引っ張られる強さに比例するように背を反らしていた俺は絶頂直後の脱力で背と腰を畳に打ち付け、その衝撃を張形と雪兎の体重で押し潰されている前立腺に伝える。

「お……出たな。薄いけど来たぞ」

「本っ当に絶倫だよねー……でも、ちょっと胸弄られただけで出しちゃうんだから、絶倫じゃなきゃ間に合わないか」

絶頂の余韻に浸る俺を見て機嫌を戻した雪兎は手慰みに尖った乳首をくにくにと弄り回している。当然それも俺にとっては強い快感で、しかし絶頂に至るほどではないもどかしいもので、俺は自然と身体をくねらせていた。

「……まぁ、出してもこんなものならチューブ咥えながら飲めばいいか」

ガタガタという物音に上を見れば雪風が搾乳器からボトルを外していた。チューブを唇の端に挟み、おそらく奥歯で軽く噛んで固定した。

「さ、真尋。今からお前の精液ぜーんぶ腹に収めてやるからな。どうせならわざと零して煽ってやりたいところだが……零したらアウトだ。仕方ないよな」

ボトルとチューブが繋がっていた穴に唇を押し当て、ボトルを傾ける。きっと良い味とは言えない精液を、尿も混じっているかもしれない白濁液を、雪風は躊躇いなく食道に落としていく。ボトルを持つ手の浮き出た骨や上を向いた顎から首のライン、ごくごくと動く喉仏などに夢中になっていると、それまで緩く弄られていた乳首を先程のように強く抓られた。

「ポチ、ほら、もっといっぱい出して雪風を失格にさせないと、雪風のしゃぶらされちゃうよ。そんなの嫌でしょ? 嫌じゃなきゃダメだよ」

「無理っ……むりぃっ! もぉ出ない! もぉ出ないからぁっ……もう、これっ、止めて! 何もないのにっ、ずっと吸われるの……キツいっ」

雪兎は俺の乳首を力任せに引っ張る手のまま上体を倒し、俺の耳に唇を触れさせた。故意ではなくかかる吐息がくすぐったくて、快感で、四肢が震える。

「……縛ってないんだから僕を無理矢理どかせて自分で外せばいいだけでしょ? そんな発想もできない本物のワンちゃんは、僕だけのポチは、僕の命令にちゃんと従ってよ」

「ひっ、ぃ……らめ、耳っ、らめぇ! ユキ様ぁっ、息っ、ひっ……声ぇ……!」

そういえば手足は拘束されていなかった。しかし、雪兎に案を聞いた後も雪兎をどかす気にも自力で搾乳器を止める気にもなれない。雪兎もそんな俺の被虐趣味を分かって、ただ快楽を受けて震えるだけの俺を愛おしく思ってくれて、耳元で笑みを零す。

「ひぁぅっ! ふぁ……あぁ」

「可愛い……ポチ、可愛いよ、大好き。誰にも渡さない……僕だけのポチ」

「ぁ、あっ、ぁあ……だめ、だめっ、イっちゃう……!」

「へぇ? じゃあイって。イって見せて。僕に命令されてイっちゃう可愛い忠誠心見せて」

「ぁっ…………あぁあっ! はぁっ、ふあ……は……」

耳元で囁かれて一際深い絶頂を迎え、きっと薄くなっているだろう精液をとろとろと溢れさせた。雪兎の声は快楽とは別に多幸感を俺に与え、脳に霧をかけて、ゆっくりと意識をぼやけさせていった。
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