俺の名前は今日からポチです

ムーン

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あさからひるまで、いち

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朝食を終え、俺は座椅子に座ったまま雪風を膝の上に乗せ、深い口付けを何度も交わしていた。互いの味を覚えるくらいに、口内の形を覚えるくらいに、舌が痺れてしまうくらいに。

「……ふぅっ……長いぞ、窒息させる気か。そろそろ……な?」

蕩けた笑顔で俺を誘う雪風の腕は俺の首に回されている。俺は雪風の背に回した手をエプロンの脇からエプロンとチャイナドレスの隙間に突っ込み、胸をまさぐった。同時に足の上に乗せていた腕をスリットからスカートの中に侵入させる。

「んっ……そ、そうそう……俺、焦らされるのは嫌いだからな……」

「失神するまでイかされるのは?」

「嫌いだ。俺はお前と違って若くないんだから、次の日に響く」

昨日それをしたけれど、今響いているようには見えない。二十代前半で通じる見た目で若くないなんて言われても信じられない。

「……じゃあ、何されたい?」

「だから別に俺に好みはないんだって、好きにやれよ。あ、待てよ? 真尋が俺を好きにして興奮してる顔とか、そういうのは好きだな」

可愛いことを言ってくれる。

「お前、俺がメイドの格好してるからってちょっとキャラ作ってるだろ? 俺は真尋に好きにされたいなー?」

メイド服の中に突っ込んでいた手を抜き、背と太腿の裏を支えて雪風を抱き上げる。所謂お姫様抱っこで雪風を運ぶ。

「……場所変えるのか? いや、しかしお前……座ったまま俺抱えて立ち上がるとか……すごいな」

「雪風は軽いからな」

「……俺そんなに痩せてないだろ?」

雪兎のように痩せ過ぎてはいないが痩せ型寄りではある。

「むちむちだもんな」

「……それは太ってるみたいで嫌だな」

好みはないとか言っておきながら我儘だ。こういう我の強いところが好きだ、雪風も雪兎も。二人に魅了されて振り回されて、ボロボロになりたい。

「ドア開けて」

雪風に頼んで雪風の部屋の扉を開け、まだ片付けられていない布団の上に雪風を下ろす。敷布団も掛布団も関係なく、上に。
口を開く間も与えずに覆い被さって唇を重ね、背に腕を回す。

「……ん、ぅ……ふぁっ! だから長いって…………真尋? メイド服脱いでいいのか?」

「キャラ作られずにされたいんだろ? なら、脱げ」

「脱げってお前……脱がせよ、それが男の甲斐性ってもんだろ」

雪風の背に回した手でエプロンのリボンを解き、脱がせた。

「…………分かんないんだよ変則チャイナドレスの脱がせ方とか!」

「おぉ……これが童貞を殺す服だったのか」

「俺童貞じゃねーし!」

「女抱いたことない奴は他の何抱こうが童貞だ」

「お前っ……筆下ろしさせてやるとか言ってヤっただろ!?」

そんなくだらない言い争いをしている間に雪風は服の留め具を一つ外し、二つ目を摘んで俺に挑発的な目を向けた。

「そんなに俺煽って……何、激しくされたいわけ? それともしつこく?」

「……しつこく、激しく……めちゃくちゃにして欲しい」

袖を抜いて上半身裸に、そしてすぐにスカートも脱げて下着一枚に。雪風は仄かに頬を赤くして、俺を潤んだ赤い瞳で見つめる。

「…………激しくはしない、残念だったな? しつこくしつこく……昼飯冷めるまでヤってやるよ」

「……っ、ゾクゾクするな、その顔……」

自分では口角が上がっていることくらいしか分からないから、雪風が喜んだ俺の顔がどんなものか気になって、赤い瞳に映る自分を見つめた。
意地悪く口角を上げて、僅かに開いた口から熱い吐息を漏らして、虚ろな瞳を愛おしそうに細めて──何がいいのか全く分からない。

「真尋……は、早くっ、早くぅ……」

尋常ならざる美顔の横についた浅黒い手に太陽を知らない白い手が絡みつき、右手には美顔の頬まで触れた。
雪風は俺に見つめられて発情している。そう認識すると俺の身体の熱も増した。
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