俺の名前は今日からポチです

ムーン

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めいどこす、ご

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肩甲骨の下辺りまで背中を覆った黒革は当然側面も脇腹程度しか隠しておらず、脇を覆う物はない。エプロンは身体の前面を頼りなく隠し、レース付きの肩紐で肩周りの肌が露出していることを強調している。

「ぁっ……ま…………ご、ご主人様ったらぁ、早速胸だなんて童貞臭いですよぉ?」

まだメイドを演じる余裕はある。当然だ、俺は胸を手のひらで優しく覆っているだけだ。胸元にも傷は無数にあった、薄い胸板を揉みしだいたり乳首を抓ったりなんて、易々とは出来ない。だからとりあえずは覆うだけ。

「……ご主人様? どうされたんですか? まさかブラジャーになりたい願望あったりしたんですかぁ?」

「ま、なくはないけど」

「マジで……? ぁ、そ、そうなんですかぁ? 気持ち悪いですねぇ。ご主人様みたいに考えてる奴らがいると思うと、おちおち下着も着けられませんねぇ」

「だから着けてないの?」

手ではなく手首に力を入れ、きゅっと引き寄せる。ただ胸に圧迫感を与えるだけの行為だが、傷が痛むようならこれに反応するはずだ。

「……っ、ん……ぅ、こ、これはぁ、違いますよぉ。ふとした時に、チラチラって……見せて、ご主人様誘惑しようって……」

「ふーん? じゃあ覗いていい?」

「…………いい、ですよぉ? 童貞臭いご主人様には刺激が強過ぎるかもしれませんけどぉ」

少し後ろに下がって雪風を──いや、メイドを浅く座らせる。吸い付くような肌から手のひらを離し、余裕を持って着けられたエプロンを押し、メイドの肩に顎を乗せて胸元を覗く。

「……本当、刺激強すぎ」

白いレース付きエプロンを引っ張られて解放感を与えられているであろう胸元。手や顔と同じく陽光を知らない透き通るような白い肌、無数の痣に爪の跡。

「すっごくエロいよ、メイドさん。作戦成功だね」

「……っ、み、耳っ……その声で、耳元で話すな……」

「メイドさんはご主人様の声が嫌い?」

耳の縁に唇を当てて、演技がかった低い声を出す。わざと吐息を多くして、ゆっくりと鼓膜に届けた。

「す……きぃ……」

逃げるように首を傾けて震えながらもメイドは──いや、これは雪風か? 雪風は正直に答えた。

「じゃあ、メイドさんの作戦がどんな成果を出したのか教えてあげるから、耳、こっちに寄せなさい」

「ぅ……」

首が元の位置に戻り、唇に耳の縁が触れる。そっと舌を出して耳たぶから舐め上げて、少し濡らして吐息による反応を良くしてやった。

「……まず、上からと横からの防御力が低いのがイイよね。前から見てもふわっとさせてるのが分かるから、上から覗けば見えるかな、横に回ったら見えるかなってワクワクを与えてくれるのが最高だよ」

「んっ……ぅ、ふぅ……耳、耳っ、だめ……」

「黒い皮の上に白い肌があるってのは最高だし、それが可愛いレースの下に隠れてるなんて、もう、悪い男としては暴いてやるしかない……けど、紳士としてはメイドさんからエプロンを奪う訳にはいかないし、コソコソ覗くのも品が無い」

エプロンを手の甲で押して胸元を晒させている両手の中指を曲げ、痛そうなくらいに尖った乳首に指先を触れさせた。

「んゃっ! ま、まひ……ぁ、ご主人様……」

深爪にしてあるから爪が触れることはない、痛がっている声ではない、今のところ順調だ。

「メイドさんの同意を得た上でエプロンを堂々と覗かせてもらうのが紳士だよ。で、とうとう見えてしまったエプロンの向こう側……本当に綺麗だよ。白い肌に可愛いピンクがよく映える……いや、もう随分膨らんで赤くなってきていて、ショートケーキみたいだ」

赤く膨らんだ乳首の先端に指先を当てたまま、ゆっくりと指を回す。くる、くる……と乳首が微かに円を描いて曲がる。

「ぁ、あ、ぁ……はぁっ……」

「メイドさんの誘惑作戦はご主人様を完璧に欲情させたよ。果実みたいなこの膨らみを口に含みたいし、そうしながらこれをメイドさんに包ませたい」

耳を吐息で刺激するという狙いではなく、本当に息が荒くなってきた。自分がどう感じているかを口に出すとその思いが強くなるようだ。
エプロンを戻すように手を胸に近付け、中指の先で乳首を押していく。そうしながら腰を揺らして破裂しそうなほどに勃起した陰茎を布越しに尻に押し付ける。

「し、て…………乳首、しゃぶって、なか、掻き回して……」

「…………誘惑作戦、自爆だったみたいだね」

「ん……ふっ、早く……してっ……」

雪風はもう耳まで真っ赤にして、目に涙を溜めていた。
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