俺の名前は今日からポチです

ムーン

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じっかん

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腕は椅子の背もたれの後ろで拘束され、腹部にもベルトが巻かれて同じく背もたれに固定されている。足は膝を曲げて開脚した状態で肘掛けに固定。
そんな拘束を受けて一切身動きが取れない俺を容赦なく貫く熱いもの。

「ぃ、やぁああっ! やぁっ、やだっ……」

媚薬なんて使っていないと言われて、混乱する暇もなく犯される。雪兎に抱かれるのは確かに俺にとって無上の幸福で、待ち望んでいた快楽だ。けれど、これで以前より乱れたとしたら俺は思い込みで発情する淫乱だと証明されてしまう。

「イっ……ぅ、ぁあっ! ひっ……」

「ポチ? 何首振ってるの、僕に抱かれるの嫌なの?」

雪兎は腰振りを止めて返答を求める。入ったままだが圧迫感と熱だけなら言葉を紡ぐことは出来る。

「くっ、薬っ……使い、ましたよね……? 嘘って、嘘なんですよね? 俺っ、俺……薬のせいで、こんなに……」

「薬、使ってないよ? ほら」

頬に添えられていた右手が胸に下り、ピンと尖った乳首を抓る。その鋭い快感に簡単に絶頂させられ、無意識に雪兎のものを締め付けてその快感にも襲われる。

「ぁああっ! ちっ、乳首っ……だめっ、今らめぇっ! 薬っ……効いてるからぁっ!」

「薬なんて使ってないよ?」

優しく摘んでくりくりと転がしながら、腰をゆっくりと引く。

「ぁ、はっ、あぁっ!? ゆき、ユキ様ぁっ! 一緒にしちゃやぁあっ!」

「ポチは薬無しでこんなに感じるくらい淫乱なの、分かった?」

「ち、が……うっ! 俺っ……」

胸から手が離れて安心する暇などなく、奥まで突き上げられる。雪兎は椅子の背もたれを掴んで激しく腰を打ち付ける。

「ぁんっ! やぁっ、今イったぁっ! イった、からっ……あっ、はぁ、あんっ! やらぁっ、イった、イってる! これ以上むりぃっ!」

「何言ってるのさポチ……まだ、喋れてるじゃん」

「あ、ぁーっ! ゃあぁああっ! ぁ、あっ……止まって、やだぁっ! ずっとイってるからぁっ! もうっ、もうゆるしてっ……薬、薬なかった、なかったでいいからっ!」

前立腺を押し潰す位置で腰を止めて、俺の懇願を恍惚とした顔で聞く雪兎。動いていない今も溢れている薄くなった精液を見て、媚薬を使われていないのにと自分の身体が怖くなる。本当に狂うから、本当に壊れてしまうから、それがとても怖いから、そう喘ぎ喘ぎ伝えて中止を懇願する。

「……やめて欲しいの?」

「もう……もう許してください。こわい……これ以上されたら、おかしくなっちゃいます……」

「ポチ……僕ね、ポチをおかしくしたいんだよ。人間に戻したくないの、お願いだからこのまま壊れて? ね? いいでしょ?」

ゆっくりと抜けていく感覚、めくれていくような快感、それに落ちていく恐怖。雪兎は俺が感じ訴える全ての感情をわざとらしく無視する。

「あっ……はぁっ、やぁんっ! あっ!? ふぁあっ……」

「激しいのがいい? ゆっくりも好き? 混ぜてあげるね、その方が早く壊れてくれるよね?」

「ゆ……き、様ぁ……ぁんっ! ぁ、ひぁあっ! まだ、イってるっ……やぁあっ! またっ、またイくっ、ずっとイってるぅっ!」

「ポチ、ねぇ、ポチ? 僕のこと好き?」

背もたれを掴んでいた小さな手が首に添えられる。途切れのない絶頂に思考を溶かされた俺は何も考えず、雪兎の質問の答えを叫んだ。

「好きっ! ユキ様すきぃっ! 大好きっ……ぃ、はっ……ぁ」

叫んだ直後、恐らく雪兎にとっての全力で首を絞められる。いくら小さな手と言っても、いくら雪兎の力が弱いと言っても、身動きが取れず呼吸も乱れていた俺には十二分の効果がある。

「………………ねぇ、このまま死んじゃったら僕のこと嫌いになる?」

首を絞められていて醜い声が漏れるだけで言葉にならない。けれど自然と変化した表情は回答に値したようで、雪兎の手は離れた。
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