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したじゅんび、なな

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セーラー服の上、側面にあるらしいファスナー。伸びる素材ではなく余裕がある訳でもないので、そこを外して着脱を行うらしい。
雪兎はそこを開けて、橋を摘んで捲って、白い肌を俺の淫欲に満ちた視線に曝した。

「……どう? 似合う? 似合ってなかったら僕バカみたいだけどさ、似合ってたら似合ってたで嫌なんだよね……僕雪風と違って女装癖とかないしさ」

半分ほど見えた胸部、意味の無い下着。白いレースのそれに意味が無いと言うのは雪兎に胸部の脂肪が無いからではなくて、その作り。背中まで一周しているであろう本来なら乳房を支える部分であるレースに、肩紐──こちらもレース……が繋がって──の基本的な形。男であり彼女居ない歴イコール年齢な俺には基本的なのかどうかも何となくしか分からないけれど。

「…………ポチ? 早く感想言ってよ、不安になるよ……やっぱり変なの?」

支える乳房が無くてももう一つ大切な役割がある、乳首の保護だ。多分……ほら、中学生頃走って擦れたら痛かったし、多分女性にもあるだろ……多分。
まぁとにかくシャツに透けたりしたら大変な部分だ、それを隠し摩擦から守る役目もあると思う。でも雪兎が着けているものにはそれすらない。
肩紐に繋がる部分を頂点に三角になった中心に布はない、乳首が露出している。三角のレースに中心の薄桃色はショートケーキを思わせ──何かこの喩え気持ち悪くない? そうだな、よし、正直にしゃぶりつきたいと言っておこう。気持ち悪さの方向性を変えておこう。

「……ねぇポチ、止まってるよ? ポチは犬でしょ? モルモットやハムスターじゃないんだから止まんないでよ、感想言ってよぉ……」

繊細なレースに囲われた薄桃色の突起、白い肌を飾り立てるだけでも素晴らしかったのにこんなサプライズまであった、全く雪兎は本当に素晴らしい飼い主だ。
下着周りに釘付けになってしまっていた目を不安に泣き出しそうな雪兎の顔に移す。そして一言。

「…………ありがとうございました」

マネキンの鎖骨あたりに手のひらを置いて、両の親指と人差し指で三角を作って、そこに額を近付ける。ディルドとマネキンを除けば完璧な土下座だ。

「なっ、何それ! どういうっ……どういう何なのさ!」

雪兎はかなり混乱しているようだ。ゲームなら味方に攻撃するアレだ。

「どうなの! 似合ってるの、似合ってないの、どっち!」

「素晴らし過ぎる……」

「に、似合ってるってことでいいんだね? えっと……どう? ポチ……気に入った?」

「死んでもいいわ……」

「それは何なの!? 近代リアリズムの先駆者的な意味なの!?」

俺もかなり混乱しているようだ。まぁそもそも意識が朦朧としていたのだから仕方ない。ゆっくりと顔を上げ、服を戻した雪兎をじっくり眺める。特に扇情的なポーズを取っていなくとも、美少年がセーラー服着てる時点でもう煽ってるよね。セーラー服の紺色と肌の白の対比も、赤いリボンと赤い瞳の共通も、色合いだけの美しさでも美術館が走って来そうだ。

「ユキ様、本当に……ありがとうございます……言葉通りの意味でも死んでもいいです……ぁ、でもしゃぶりつきたいのでやっぱりまだ生きていたいです、あいらぶゆーの方でお願いします」
 
「……ま、まぁ、喜んでくれたなら良かったよ。うん……約束通り抱いてあげる、けど、何か冷めちゃった気がするからもう一回イってくれる? 僕も何か萎えてきたから、口でしながら腰振って?」

下着は脱がないでと懇願してから口を開け、姿勢を整える。雪兎は悪戯っ子のような笑みを浮かべて再びスカートを持ち上げた。
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