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ぺっとせいかつ、じゅうなな

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雪兎の足で身体を洗われ終わると、足だけで完璧に出来た訳がないからと自分の手でも洗わされた。その様子を湯船から見つめる雪兎の視線に微かな快感を覚えつつ、今シャワーを浴びている。

「終わった?」

「はい、残ってませんよね?」

「うん、うん……大丈夫そうだね。じゃあ頭洗って上げるから座って座って」

マットに座り、椅子に座った雪兎を背後に目を閉じる。ほどなくしてシャンプーを絡ませた雪兎の手が髪をかき分けて頭皮を擦り始めた。小さな指の腹が髪の生え際をなぞって、髪を引っ張るように泡を浸透させる。擽ったさに近い快感があった。

「ポチの髪は真っ黒だね、生え際も毛先も、これぞまさに濡鴉! って感じでイイよね」

「濡鴉……それ普通女の人に使いません? 俺髪あんまり長くありませんし」

「……確かに。青っぽい訳じゃないし、鴉って感じじゃないかも。漆器みたい」

確かにと言っておいて俺の意見を完全に無視しているのはどういう了見だ。

「髪も目も黒くって、肌の色も濃くって……本当、好きだよポチ」

「なんですか急に……そんな珍しくもないでしょ」

「うちの直系はみんな白っぽいからさ、何か、イイんだよ」

俺はむしろ雪兎のような白っぽい見た目が昔から好きだけれど……これをないものねだりというのだろうか。別に色白になりたい訳でもないけれど。

「ん、髪終わり。次僕だからポチはこっち」

湯船を指す雪兎に従い、リンスを流してから肩まで浸かる。縁に顎を置いて雪兎を視姦して二つの意味で温まった。


意外なことに風呂を出ても犬セットは押し付けられず、ただバスローブを着せられて髪を乾かされた。コックリングも手錠もない、首輪はある。

「髪も一本一本が太いよね」

「ユキ様は髪も細いので柔らかくて気持ちいいんですよね」

「髪に重みがないと寝癖つくとすごいことになるんだよね……」

赤ちゃんが寝て起きるとモヒカンのようになっているアレか。つまり雪兎の髪質は赤子に近いと……? いや、モヒカン風雪兎は見たことがないから、言うほどではないだろうけど。

「椿オイルをうっすら塗ってー」

「俺ツヤツヤにして何が楽しいんでしょう」

「しっかりブラッシングしてー」

「通りが違うってされて分かる」

「はい終わり」

雪兎は手錠もコックリングも付けず、何の玩具も取り付けずにベッドから離れた。首輪の紐の範囲だけれども久方ぶりの自由だ、謳歌しなければ。そう思ってはいたのだが俺はベッドのど真ん中に広々陣取り、とても疲れていたから当然ぐっすり眠った。
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感想 13

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