俺の名前は今日からポチです

ムーン

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へやでゆっくり、ご

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背に痛みを感じるが、まさか引っ掻かれてはいないだろうか。傷が残れば流石に誤魔化せない。だが、ぐったりとして甘い声を漏らすだけの雪風を問い詰める気は起きない。

「ぁ、はぁっ……ぁ、んっ、まひろ……も……むりぃ」

腰を振る度に腹にぴちゃぴちゃと生温い液体が触れる。確認する気はないが雪風が出したものだろう。奥を突く度に浅い絶頂を繰り返している雪風は反応も薄く、抱き着いてもくれなくなった。だが、痙攣するナカは飽きの来ない新感覚で、反応が弱まった程度では萎えない。

「はっ、ぁ、あぁ……あぁあっ! ぁ、あっ……まひろぉ……も、やめ……んっ、んん……んぅ……」

蕩けた声で終わりを促す口を塞げば締まりが良くなる。ろくに絡めてくれない舌を弄びながら、何度目かの射精を果たした。ほとんど動かない細い肢体を腕の中から解放し、柔らかくなった性器を抜いて、見下ろす。

「…………ゆーきーかーぜー……?」

白い肌は紅潮がよく分かる。白いシーツの上でも輪郭を保って、白濁液の汚れも引き立っている。中途半端に開いた足の間から溢れてくる自分の精液を見るのはこの上ない愉悦だ。

「雪風、意識あるか? 起きてる?」

ぼうっと開いたままの瞳の前で手を振っても瞬きもしなければ微かな眼球の揺れもない。人間離れした美貌も相俟って人形に見えて、背筋を冷たいものが走った。

「…………分かったと思うけど、お前、俺のモンな。今度あのクソ野郎誘ったらアイツ刺してやる」

触れれば確かな体温が返ってくるから、何とか声は震えずに済んだ。
あの事故の日から空っぽだった心が埋まっていくのを感じる。消えてしまった腕の中のモノが別のモノで代えられた気がする。

「じゃーな、雪風。また今度……」

動かない雪風に薄い毛布を被せ、寝室を出てシーツを頭から被り、医務室に戻った。様々な体液をシーツで適当に拭い、脱ぎ散らかした服を着て、雪兎が寝て待つ部屋に戻った。

「ユキ様ー? ユーキーさーまー……ぃよしっ、寝てる……!」

部屋を開けた間に起きて──という展開は俺が一番恐れていたものだ。それが訪れなかったことに安堵し、俺はシャワーを浴びに行った。この音で起きたとしても言い訳はいくらでも出来る。鼻歌を歌いながら念入りに証拠を流し、鼻歌はそのままに別の服に着替える。今まで着ていた服は一応風呂場で洗ってから洗濯籠に投げ入れたから、証拠は無い。
だから大丈夫。脱衣所の扉を開けた瞬間、雪兎に出迎えられても、何も心配することはない。
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