上 下
314 / 667

しっと、じゅうさん

しおりを挟む
慣らす目的だけならもう十分に解れていたとしても、吸い付く肉壁を楽しむために音を鳴らして攻めていく。

「真尋っ、なぁ、真尋ぉ……知ってるか?」

「何が。雪風の弱いとこなら……ここ、かな」

「ゃあんっ! なんで、分かってるんだよ……って、違うっ、その、話じゃなくてっ……」

「じゃあ何の話だよ」

上擦る声を必死に整えようとしているのは滑稽だ。タイミングを見計らってまた弱点を突いてやろうと決め、ひとまず動きを弱めた。

「凪、の……は、な? すっごく……イイって話。硬くってぇ、太くってぇ、長くってぇ……俺ぴったりでさ……完璧っ、なんだよな……」

「…………そんな話しなくていい」

「ぁ、はっ……やっ、ぱり、怒った? 指っ、らんぼ、ぁんっ! でも、本当……凪のは、イイ……あいつ上手いし……惜しかったな、お前、もうちょっと遅く来れば良かったのに」

どうして今こんな話を始めたのか、それを考えたくもない。俺は苛立ち紛れに指を引き抜き、腰を掴んで持ち上げた。その時の雪風の笑顔を見て、俺を怒らせて焦らす時間を短くするための策略だったのだと察してしまった。

「ぁ、あぁっ……! は、ぁっ……きたぁっ、イイ、好きっ……これ、すっごい好き……」

「…………あのクソ野郎とどっちがいいんだよ」

「ん? あぁ……そりゃ……」

紅潮した頬が緩み、真っ赤な瞳が細長く歪む。恍惚とした笑みを浮かべ、余裕のない声でこう言った。

「……モノだけなら、凪だろっ、ぁっ!? ゃあっ、ぁんっ! ぁ、あっ、はぁんっ! あはっ、怒った? 怒っ……た、ぁあぁっ!」

「怒る、にっ、決まってんだろ!」

「ゃんっ! ホントの、ことっ、だろ!」

膝の裏に手を添え、太腿が腹に付くように押さえつける。僅かに浮いた腰に叩き込むように腰を振って、何も考えずに突きまくった。

「ほ、らぁっ! 今だって、てきとぉっ! ちゃんと、考えてないっ……」

「そんなバカに突かれて悦んでんのは誰だよ!」

「俺ぇっ……! えへへ……真尋ぉっ、もっと……」

ふやけた笑いが可愛らしくて、二倍も歳が離れた男に「可愛い」なんて思ってしまう俺自身にも苛立って、更に激しく腰を振る。自然と俺への快感も増えて、電気刺激や口淫で敏感にされたばかりの俺は突きながらも喘ぎ始めた。

「真尋っ、真尋も、気持ちいい?」

「……当たり前、だろ……ぁ、クソっ! カッコ、付かない……んっ、ぁ……雪風、俺そろそろっ……!」

「ん、いっぱい、中にちょうだい、真尋……」

絶頂の瞬間に声を漏らさないように唇を噛み締めて、雪風の心底嬉しそうな嬌声を羨む。

「はぁっ……すっごい良かった、真尋。ありがと」

「……何、これで終わりみたいなこと言ってんの」

「…………え? 嘘、まだ? いや、俺もう無理……」

腰を持ち上げて腕を回し、雪風の身体を完全に浮かせる。体重は全て腰にかかっているだろうし、手の支えは僅かなもので、雪風は今俺の陰茎に持ち上げられていると言っていい……のか? それは流石に……

「よっ……と、このまま立てそうだな。歩くか?」

「駅弁……!? ふざけんなっ、死ぬっ、無理……ゃあっ、あ、無理らって……ゃあぁあっ!」

支え直すためには浮かせて落とすという行為が必要不可欠。しかしそれには雪風に大きな刺激を与える。つまり、一石二鳥。

「雪風の部屋まで行くか。すぐそこだよな」

「階段あるだろ!? 待てっ、ゃ、待って……真尋っ、やめっ、やめろってぇ!」

こんなところを使用人に見られては困る……ことはないかもしれないが、嫌だ。とりあえずシーツを頭から被り、季節外れの仮想のような格好で扉を開けた。
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

モルモットの生活

麒麟
BL
ある施設でモルモットとして飼われている僕。 日々あらゆる実験が行われている僕の生活の話です。 痛い実験から気持ち良くなる実験、いろんな実験をしています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...