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きらいなはず
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はっきり言って、雪風の顔は好みだ。雪兎の成長予想の楽しみが潰されてしまうほどよく似ている。よくよく見れば雪風の方が色素が薄く、俺の好みにより当てはまっている。
「……んっ」
繋いでいない方の手で背を撫でれば手足がピクンと跳ねて声が漏れる。この感じやすさは雪兎より楽しい。
調子に乗って背中を焦らすように撫でたり、腰を軽く掴んだり、俺の精液が溢れて汚れていく尻を揉んだりしていると、虚ろな赤い瞳が俺を映す。
「起きました? 雪風様。そろそろ部屋帰ってください、雪兎はまだ帰ってきませんけど、証拠隠滅しないといけませんから」
今日はお仕置きを受ける気分ではない。
「……雪風様? 聞いてます?」
背への愛撫をやめ、前髪を頭頂部の方に撫で付ける。形のいい眉が晒され、少しずつ冷たさが戻る赤い瞳が微かに動く。
「…………睫毛透明ですね?」
恐る恐る手を近付けると雪風は片目を閉じる。瞼を親指の腹でゆっくりと撫で、睫毛の擽ったい感触と薄い皮膚一枚下の眼球の危うさを堪能する。
「……優しいな、お前」
瞼を撫でた手を頬に移して数秒後、雪風は俺の手を払い、いつも通りの生意気な話し方に戻った。絶頂している時の甘えた声は好きだが、この軽薄さと冷徹さを兼ね備えた声色は嫌いだ。
今の「優しいな」だって皮肉にしかきこえなかった。あの甘えた声ならきっともっと優しくして蕩かしてやろうという気になったのに。
「お前、人殴るの好きだろ? 昔よくやってたよな」
「……あれは向こうが悪いんですし。俺、もうそこまでガキじゃないんで」
「久しぶりにやったら気持ちいいかもしれないぞ? 一方的に殴るとスっとするんだろ?」
俺は無言で雪風の髪を優しく撫でた。その手に青白く骨ばった手が重ねられ、雪風の頭に押し付けられる。
「……掴めよ、髪」
「…………なんで、そんなのが好きなんですか」
手を引き抜き、繋いでいた手を解いて雪風の両手を腰の前で抑える。その状態で髪を撫でると雪風は睨みはしたが頭を振ったりはしなかった。
「跡継ぎって普通長男だよな? なんで俺が当主やってると思う?」
「……勘当されたとか聞きましたけど」
「そう、あの馬鹿兄貴は勘当された。会社の金使ったり勝手に麻薬開発始めたり……酷かったからな。でも最初は兄貴が継いでた、無かったことにされた歴史だな」
この完璧な一族の唯一の汚点と言うべきか。まぁ、当主がペットに抱かれてよがっているのも汚点と言えば汚点だろうけれど。
「だからまぁ俺は予備だな。子供の頃から兄貴は頭おかしかったから……親父もやばいと思ったんだろ。で、せっかく作ったし将来的にはイカれた長男の補佐にでもしようって念入りな教育を始めた」
両手の拘束は外したが雪風は手を動かすことなく撫でられている。時折頭を動かして撫でて欲しい場所を押し付けてくるから、優しくされるのも相当好きなのだろう。
「家庭教師、居たんだよ。そいつがまたやばくてなー……当時はもう一目見れば全人類がひれ伏すレベルの完成されたショタだった俺は当然手を出された。あ、今ならこの星の生物がひれ伏すぞ? 見ろよこの顔……ひれ伏すだろ? いや、俺の美人っぷりは地球には留まらない、宇宙生物もひれ伏すな」
「…………だから先生って言ってたんですか?」
「……言ってたのか? なら、そうだろ。大嫌いだ、あの変態……」
「トラウマなんですね。いっつもいっつも言動がクズだから雪風様は嫌いですけど、さっきみたいに可愛い声出すなら甘やかしてあげてもいいですよ?」
雪風はそっと身体を起こし、にじりよってまた横になった。俺の腕に頭を置き、胸板に顔を寄せている。
「…………かわい──」
「バブみを感じる」
「──ぃくはないですね」
「なんだよ、可愛い可愛い言って吸わせろバーカ育児放棄ー」
調子が戻ったようで何よりだ、と皮肉を言っておこう。やはり雪兎と違って可愛くはないし、大嫌いな義父だ。
「……んっ」
繋いでいない方の手で背を撫でれば手足がピクンと跳ねて声が漏れる。この感じやすさは雪兎より楽しい。
調子に乗って背中を焦らすように撫でたり、腰を軽く掴んだり、俺の精液が溢れて汚れていく尻を揉んだりしていると、虚ろな赤い瞳が俺を映す。
「起きました? 雪風様。そろそろ部屋帰ってください、雪兎はまだ帰ってきませんけど、証拠隠滅しないといけませんから」
今日はお仕置きを受ける気分ではない。
「……雪風様? 聞いてます?」
背への愛撫をやめ、前髪を頭頂部の方に撫で付ける。形のいい眉が晒され、少しずつ冷たさが戻る赤い瞳が微かに動く。
「…………睫毛透明ですね?」
恐る恐る手を近付けると雪風は片目を閉じる。瞼を親指の腹でゆっくりと撫で、睫毛の擽ったい感触と薄い皮膚一枚下の眼球の危うさを堪能する。
「……優しいな、お前」
瞼を撫でた手を頬に移して数秒後、雪風は俺の手を払い、いつも通りの生意気な話し方に戻った。絶頂している時の甘えた声は好きだが、この軽薄さと冷徹さを兼ね備えた声色は嫌いだ。
今の「優しいな」だって皮肉にしかきこえなかった。あの甘えた声ならきっともっと優しくして蕩かしてやろうという気になったのに。
「お前、人殴るの好きだろ? 昔よくやってたよな」
「……あれは向こうが悪いんですし。俺、もうそこまでガキじゃないんで」
「久しぶりにやったら気持ちいいかもしれないぞ? 一方的に殴るとスっとするんだろ?」
俺は無言で雪風の髪を優しく撫でた。その手に青白く骨ばった手が重ねられ、雪風の頭に押し付けられる。
「……掴めよ、髪」
「…………なんで、そんなのが好きなんですか」
手を引き抜き、繋いでいた手を解いて雪風の両手を腰の前で抑える。その状態で髪を撫でると雪風は睨みはしたが頭を振ったりはしなかった。
「跡継ぎって普通長男だよな? なんで俺が当主やってると思う?」
「……勘当されたとか聞きましたけど」
「そう、あの馬鹿兄貴は勘当された。会社の金使ったり勝手に麻薬開発始めたり……酷かったからな。でも最初は兄貴が継いでた、無かったことにされた歴史だな」
この完璧な一族の唯一の汚点と言うべきか。まぁ、当主がペットに抱かれてよがっているのも汚点と言えば汚点だろうけれど。
「だからまぁ俺は予備だな。子供の頃から兄貴は頭おかしかったから……親父もやばいと思ったんだろ。で、せっかく作ったし将来的にはイカれた長男の補佐にでもしようって念入りな教育を始めた」
両手の拘束は外したが雪風は手を動かすことなく撫でられている。時折頭を動かして撫でて欲しい場所を押し付けてくるから、優しくされるのも相当好きなのだろう。
「家庭教師、居たんだよ。そいつがまたやばくてなー……当時はもう一目見れば全人類がひれ伏すレベルの完成されたショタだった俺は当然手を出された。あ、今ならこの星の生物がひれ伏すぞ? 見ろよこの顔……ひれ伏すだろ? いや、俺の美人っぷりは地球には留まらない、宇宙生物もひれ伏すな」
「…………だから先生って言ってたんですか?」
「……言ってたのか? なら、そうだろ。大嫌いだ、あの変態……」
「トラウマなんですね。いっつもいっつも言動がクズだから雪風様は嫌いですけど、さっきみたいに可愛い声出すなら甘やかしてあげてもいいですよ?」
雪風はそっと身体を起こし、にじりよってまた横になった。俺の腕に頭を置き、胸板に顔を寄せている。
「…………かわい──」
「バブみを感じる」
「──ぃくはないですね」
「なんだよ、可愛い可愛い言って吸わせろバーカ育児放棄ー」
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