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むちうち、に
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俺は最初、普通にうつ伏せになっていたはずだった。しかし、鞭で叩かれ始めて数分、猫が伸びをするように腰だけを高く上げていた。
「……ねぇポチ、真っ赤だよ? まだ欲しい?」
雪兎は鞭を置き、痛みを求めて上げた尻を素手で撫でる。ヒリヒリと焼けるような痛みが叩かれた場所にあって、そこに冷たい手が触れる度に沁みるような痛みがあって、俺はその痛みも求めて腰をくねらせる。
「尻尾揺れてる……ふふ、犬って感じするねぇ、いいよ、可愛い」
「ふっ……ふぅっ……ゆき、さま……もっとぉ」
「もっと、なぁに? 褒めて欲しい? 罵って欲しい? 撫でて欲しい? 叩いて欲しい?」
全部、と言いたいところだが、そんな欲張りな真似をすれば雪兎はお預けを食らわすだろう。
「たたいてぇ……」
更に腰を持ち上げると、胸の辺りが圧迫されて、呼吸が更に乱れる。早くして欲しいと腰を振ると、尻尾飾りの毛が太腿を擽る。
「むち、欲しいっ……痛いの、欲しいんです……ユキ様早くぅ、お仕置きしてください……」
「……そんな腰の振り方して。本っ当に変態なんだから」
撫でていた手が止まり、離れ、俺の心と身体は鞭を期待する。しかし、与えられたのは平手打ちだった。
「鞭欲しいって言ってたけど、僕の手はどうなの? 足震えてるよ? イったんじゃない?」
「は、ぁっ……あ…………はい、イきましたぁ……」
「手の方がいい? やっぱり鞭?」
どっちでもいい、という答えでは納得しないだろう。どちらの方が雪兎好みかと頭を悩ませていると、今度は鞭で叩かれた。
「これが鞭ね? 覚えてた? じゃあ比べて」
手のひらとは違って狭い範囲への鋭い痛みは鼓動と呼吸を速め、返答を遅らせた。
「あれ? 手の感触忘れたかな? これだよっ!」
「ひぅぅんっ!? ま、まって……わすれて、ないっ、ぁあぁああっ!?」
「鞭の方が声大きい気がするけど……手の方が甘えてる感じするなぁー? よく分かんないから、もう一回ずつやろっか」
「ま、まって……ゃああっ! 今叩かれたらイっちゃ、あぁんっ! や、やだっ、いまイっ……ひぁあっ!?」
手と鞭で交互に叩かれ、短時間で絶頂を繰り返す。もはやイっている時間の方が長い。嬌声はすぐに意味を失い、叩かれる度に甲高い声を上げるだけの生き物になる。鳴き声と言うに足りる、ペットと呼ばれるに相応しい。
「可愛い……イイ、イイよポチ……めちゃくちゃ可愛いっ!」
可愛いと呼ばれて喜ぶような性格ではない。けれど、雪兎が喜んでいると、雪兎に褒められていると思うと、感度が上がる気がする。
「あはっ、本当に真っ赤っか……これ以上やったら血出ちゃうかも」
鞭も手もやって来なくなり、呼吸を整える時間を与えられる。脳に渡る酸素が増え始め、思考がクリアになっていく。しかし、ヒリヒリと焼けるような痛みもより感じるようになって、腰は勝手にくねくねと動いた。
「……ねぇポチ、真っ赤だよ? まだ欲しい?」
雪兎は鞭を置き、痛みを求めて上げた尻を素手で撫でる。ヒリヒリと焼けるような痛みが叩かれた場所にあって、そこに冷たい手が触れる度に沁みるような痛みがあって、俺はその痛みも求めて腰をくねらせる。
「尻尾揺れてる……ふふ、犬って感じするねぇ、いいよ、可愛い」
「ふっ……ふぅっ……ゆき、さま……もっとぉ」
「もっと、なぁに? 褒めて欲しい? 罵って欲しい? 撫でて欲しい? 叩いて欲しい?」
全部、と言いたいところだが、そんな欲張りな真似をすれば雪兎はお預けを食らわすだろう。
「たたいてぇ……」
更に腰を持ち上げると、胸の辺りが圧迫されて、呼吸が更に乱れる。早くして欲しいと腰を振ると、尻尾飾りの毛が太腿を擽る。
「むち、欲しいっ……痛いの、欲しいんです……ユキ様早くぅ、お仕置きしてください……」
「……そんな腰の振り方して。本っ当に変態なんだから」
撫でていた手が止まり、離れ、俺の心と身体は鞭を期待する。しかし、与えられたのは平手打ちだった。
「鞭欲しいって言ってたけど、僕の手はどうなの? 足震えてるよ? イったんじゃない?」
「は、ぁっ……あ…………はい、イきましたぁ……」
「手の方がいい? やっぱり鞭?」
どっちでもいい、という答えでは納得しないだろう。どちらの方が雪兎好みかと頭を悩ませていると、今度は鞭で叩かれた。
「これが鞭ね? 覚えてた? じゃあ比べて」
手のひらとは違って狭い範囲への鋭い痛みは鼓動と呼吸を速め、返答を遅らせた。
「あれ? 手の感触忘れたかな? これだよっ!」
「ひぅぅんっ!? ま、まって……わすれて、ないっ、ぁあぁああっ!?」
「鞭の方が声大きい気がするけど……手の方が甘えてる感じするなぁー? よく分かんないから、もう一回ずつやろっか」
「ま、まって……ゃああっ! 今叩かれたらイっちゃ、あぁんっ! や、やだっ、いまイっ……ひぁあっ!?」
手と鞭で交互に叩かれ、短時間で絶頂を繰り返す。もはやイっている時間の方が長い。嬌声はすぐに意味を失い、叩かれる度に甲高い声を上げるだけの生き物になる。鳴き声と言うに足りる、ペットと呼ばれるに相応しい。
「可愛い……イイ、イイよポチ……めちゃくちゃ可愛いっ!」
可愛いと呼ばれて喜ぶような性格ではない。けれど、雪兎が喜んでいると、雪兎に褒められていると思うと、感度が上がる気がする。
「あはっ、本当に真っ赤っか……これ以上やったら血出ちゃうかも」
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