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エンジンが近くにあって、流木も先程からガンガンと当たってきて、その上お仕置き宣言までされて──観光を楽しめる訳がない。
「ポチ! ほらほら、魚飛んでるよ!」
俺は自分の膝の上に手を置いて、握り締め、じっと快楽に耐えていた。雪兎はその俺の手を握り、引っ張る。
雪兎が示したのは数匹の魚がボートに驚いて飛び跳ねている微妙な景色だ。どうせなら巨大ワニが見たい、いや、やっぱり怖いから見たくはない……でも魚が飛び跳ねているだけの景色よりはマシだ。
「ねぇポチ聞いてるの!」
「…………聞いて、ますよ……」
「……そんなに気になる?」
手に重ねられていた小さな手が腰に回される。雪兎はベルトを引っ張り、ズボンごと貞操帯をぐいぐいと動かした。
「ん、ゃ……ぁ、あっ……」
「外そうか?」
「……ほんっ、と? ユキ様……」
「だってつまんないもん。いい感じにもじもじしながら観光に付き合ってくれると思ったのに、ポチ自分ばっかり」
誰のせいでここまで感じやすくなったと思っているんだ。
「ボート下りたら外してあげるね。ワニが出ても出なくても、もう少し行ったら終わりだから」
その言葉に俺は顔を上げ、川の先に目を凝らした。船着き場のような場所があり、それはそう遠くない。この距離なら耐えられるだろうと安堵した瞬間、ボートが一瞬水面を離れ宙に浮いた。
「なっ、なになになに!?」
雪兎は慌てて俺の腕にしがみつく。
俺は周囲を見回し、川と同じ色の鱗が並んだ大きな何かを見つけた。
「…………ワニ出ましたよユキ様」
今の揺れで嬌声を耐えたのは褒めて欲しい。
「ひ、ひっくり返らないよね?」
「さぁ……」
ひっくり返そうとしている訳ではなさそうだが、ワニはボートに寄ってきている。息継ぎに丁度ぶつかったのだろうか、ボートに慣れているならじゃれているとも考えられる。
「ひっくり返ったらとりあえず前の人を殴って渡します。で、その間に陸に逃げましょう。追ってきたら俺が食われますから、その隙に」
「淡々と怖い事言わないでよぉっ! ポチのバカ!」
俺だってワニは怖い。けれど、職員の落ち着きようと少し離れて遠巻きにボートを眺めるワニを見ていたら、特に心配は無さそうだと判断出来た。雪兎は俺の腕に抱き着いて何も見ていないからワニがすぐそばに居るとでも思っているのだろう。
『ついたよー、終わりよー』
ボートが船着き場に到着し、職員が何かを言っている。怖がる雪兎を先に下ろし、足に力が入らなかった俺は職員の手を借りて陸地に戻った。
しっかりと地面に立っているのにまだ揺れている気がする……
ワニはまだ居るだろうかと振り返ってワニと目が合い、俺は慌てて奥に向かう雪兎の後を追った。
「ポチ! ほらほら、魚飛んでるよ!」
俺は自分の膝の上に手を置いて、握り締め、じっと快楽に耐えていた。雪兎はその俺の手を握り、引っ張る。
雪兎が示したのは数匹の魚がボートに驚いて飛び跳ねている微妙な景色だ。どうせなら巨大ワニが見たい、いや、やっぱり怖いから見たくはない……でも魚が飛び跳ねているだけの景色よりはマシだ。
「ねぇポチ聞いてるの!」
「…………聞いて、ますよ……」
「……そんなに気になる?」
手に重ねられていた小さな手が腰に回される。雪兎はベルトを引っ張り、ズボンごと貞操帯をぐいぐいと動かした。
「ん、ゃ……ぁ、あっ……」
「外そうか?」
「……ほんっ、と? ユキ様……」
「だってつまんないもん。いい感じにもじもじしながら観光に付き合ってくれると思ったのに、ポチ自分ばっかり」
誰のせいでここまで感じやすくなったと思っているんだ。
「ボート下りたら外してあげるね。ワニが出ても出なくても、もう少し行ったら終わりだから」
その言葉に俺は顔を上げ、川の先に目を凝らした。船着き場のような場所があり、それはそう遠くない。この距離なら耐えられるだろうと安堵した瞬間、ボートが一瞬水面を離れ宙に浮いた。
「なっ、なになになに!?」
雪兎は慌てて俺の腕にしがみつく。
俺は周囲を見回し、川と同じ色の鱗が並んだ大きな何かを見つけた。
「…………ワニ出ましたよユキ様」
今の揺れで嬌声を耐えたのは褒めて欲しい。
「ひ、ひっくり返らないよね?」
「さぁ……」
ひっくり返そうとしている訳ではなさそうだが、ワニはボートに寄ってきている。息継ぎに丁度ぶつかったのだろうか、ボートに慣れているならじゃれているとも考えられる。
「ひっくり返ったらとりあえず前の人を殴って渡します。で、その間に陸に逃げましょう。追ってきたら俺が食われますから、その隙に」
「淡々と怖い事言わないでよぉっ! ポチのバカ!」
俺だってワニは怖い。けれど、職員の落ち着きようと少し離れて遠巻きにボートを眺めるワニを見ていたら、特に心配は無さそうだと判断出来た。雪兎は俺の腕に抱き着いて何も見ていないからワニがすぐそばに居るとでも思っているのだろう。
『ついたよー、終わりよー』
ボートが船着き場に到着し、職員が何かを言っている。怖がる雪兎を先に下ろし、足に力が入らなかった俺は職員の手を借りて陸地に戻った。
しっかりと地面に立っているのにまだ揺れている気がする……
ワニはまだ居るだろうかと振り返ってワニと目が合い、俺は慌てて奥に向かう雪兎の後を追った。
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