俺の名前は今日からポチです

ムーン

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おめざめ

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青い海に青い空、水平線は曖昧だ。真っ青な景色を見てそう思った。どうやら別荘とやらに到着したらしい、目の前にはプールがあって、その奥に前述の美しい景色がある。

俺はプールサイドで椅子に座らされていた。デッキチェアとかいう、肘掛けのない半ば寝転がるような座り方をする椅子だ。

そのデッキチェアの上で俺は縛られていた。腕を曲げた状態で固定、つまり手首と二の腕を引っ付けてぐるぐる巻きにされている。そしてその縄は曲げた膝に引っ掛けられている。
そう、いつものように……というのも嫌だが、いつものようにM字開脚、腕を伸ばせないおまけ付き。

「んっ……ふ、ぅあっ……?  ゆ、きっ……ゆきー!  ゆきさまーっ!  はぁ……ぁ、あっ、ん、んん……」

雪兎は目に見える範囲には居なかった。何故か痛む喉で雪兎の名を叫んで、弱い振動で俺を攻め続けているローターに喘ぐ。
まさか眠っている間ずっと動かされていたのか?  少し目線を下ろせばテントのようなズボンが見えた。何日も前から射精を禁止され、もう破裂寸前だ。

「あ、ポチ、起きた?  ちょうど良かった」

雪兎の声が聞こえる。背後だ、まともに身体を動かせない今、振り返ることは出来ないけれど。

「ゆきっ……ぁ、ゆきっ、ゆきさま、これ止めてっ、とめてぇっ!」

腰が勝手に揺れてチェアをガタガタ鳴らしている。吊りそうな程に足の指が開かれてしまう。
もはや喜べない快楽に身を捩り、前に回ってきた雪兎を見て、俺は言葉を失った。
雪兎は白いシースルーのワンピースを着ている、胴の部分は鎖骨周りしか透けていないけれど、それでもひらひらと揺れるスカート部分やチラッと見える膝、透けて見える太腿の破壊力たるや恐ろしい。何の破壊力だって?  俺の理性だ。元から壊れてる?  うるさい。

「見て見て、可愛いでしょ。ポチ、僕の女装好きみたいだから買ってみたんだよ。ひらひらするの落ち着かないけど……デザイン好きだし、ポチ喜ぶかなって思ったら着るしかないよねーって……えへへ、どう?」

被っているのは麦わら帽子。袖無しや絶妙な長さの丈、シースルーなどで俺の劣情を煽っておいて、帽子や白という色で清楚さをアピールする。
今すぐ襲いかかりたいが、それを考えることすら罪悪感が凄まじい。しかしその背徳感がまた、イイ。

「返事してよポチ、恥ずかしいの我慢して着てるのに。脱いじゃうよ?」

「……ゃ、やだっ!  着てて……そのままっ……」

「お願いするか喘ぐかどっちかにしなよ」

ならローターを止めろ。

「ゆきさまぁっ……これ止めて、ほどいてっ!」

「んー……うん、いいよ。遊ぼ。あ、待って、その前に僕に変なことしないって約束して」

守れないと分かっている約束は出来ない。そんな男らしい事を言っていたら男の夢は叶わない。
俺は必死に首を縦に振り、雪兎はリモコンを取ってくるとどこかに行った。
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