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にじげんめ

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俺の私物の話は早々に切り上げ、雪兎は俺の顔の説明に戻る。自分の顔は自分が一番良く分かっていると思っていたが、泣きぼくろなんて大きな特徴を見落としていたからにはその自信は捨てた方が良さそうだ。

「目が死んでてぇ、目の下に小さなホクロあってぇ、これだけでもかなり……えっちだよね」

「いやその感覚分かりませんね」

雪兎の手が頬を擦る。

「ふふ、ちょっと口開けてみて?」

言われ通りに口を開けると、白く細い指が下唇をなぞった。

「……こんなにキスしたくなる口、そうそうないよ」

その指はゆっくりと口内に侵入する。
分からないと告げるため、俺はそっと首を横に振った。
前髪を押さえていた手が離れ、首元を愛撫し始める。

「長めの前髪から少し覗く細くてちょっと釣った眉に、切れ長の目と泣きぼくろ。何かを咥えても顔のバランスが崩れなくて、唇は薄過ぎず厚過ぎず僕の好みピッタリで──」

口内を弄んでいた手が舌を掴み、外に引き出そうとする。俺は嗚咽を我慢しつつ舌を突き出した。

「──舌が長くて、ちょっと巻いた喋り方になっちゃってて、とっても可愛い」

舌が解放されたかと思えば濡れたままの手が胸元をまさぐる。薄い布の隙間に手を入れて、口内への刺激に反応した先端を摘む。

「あっ……」

思わず声が漏れる。首元を撫でていた手が口を塞ぐ。

「んっ、んん……んっ……」

そのまま乳首を弄られて、俺は目を閉じて快楽に喘いだ。

「ちょっと触っただけですぐに反応して可愛い声出しちゃう。気持ち良くなると目を閉じちゃう。すぐに目を潤ませて、後ろに物を入れたりなんかしたら泣いちゃうんだよ……可愛いでしょ?」

自分の感じやすさを、感じ方を耳元で囁かれ、羞恥で身体が熱くなる。

「ポチ、ほら身体起こして。もっと可愛いところ教えてあげる」

雪兎に言われるがままに蹲るようになっていた体勢を正座に変え、鏡に躙り寄る。

「……ちょっと顔傾けて……そうそう、ほら見て、この首の筋…………綺麗だよね」

雪兎の手は愛撫をやめ、俺の首筋を指し示す。金の首輪に隠されていて半分以上見えない。

「喉仏もおっきくて、鎖骨も出っ張ってて……肩の筋肉もすごいね?」

雪兎は首輪や布の隙間に手を差し入れ、俺の骨と筋肉の具合を確かめる。

「ふふ、顔戻していいよ。それでね、次ここ……」

手が引き抜かれたかと思えば、今度は布の上から胸を鷲掴みにする。

「やだポチ巨乳ー、なーんて。あははっ」

「……ユキ様よりはありますよ」

「うん、まぁまぁな筋肉……ふふ」

脂肪ならともかく筋肉の塊を揉んで何が楽しいのか、雪兎は上機嫌に手を動かしている。先端には触れないが、その刺激は少しずつ俺の息を乱す。

「胸揉まれて感じちゃう、可愛いポチでしたぁー。なんてね、まだあるよ」

突然先端を強く摘まれ、俺は大きな嬌声を上げた。

「ひっ、ぁ、あぁっ……ゃあっ……」

「ここなんてもうすっごい感度」

くりくりと抓って、くすくすと笑う。

「ふふ、見てみる?」

雪兎は手を離し、胸元の布を整えて背中の方に引っ張る。胸にぴったりと引っ付いた布は尖った乳首を目立たせる。

「……分かる?」

「やめてっ……くださいよ」

「なんで?  可愛いよ?」

「恥ずかしい……」

「恥ずかしいことされるの好きでしょ?  庭で入れられて悦ぶ変態なんだから」

間違ってはいないし、頭が回らないしで何も言葉を返せない。俺が黙っていると雪兎は更に楽しそうに笑う。

「こーんなに鍛えてるのに、胸弱いんだよねぇー?  しかもほら、この首筋と鎖骨!  もう誘ってるとしか思えないよね!  ふふ……なんて、ね」

前者は雪兎のせいだし、後者に関しては意味が分からない。
自分の痴態は見たくはないが、それで悦ぶ雪兎の顔は好きだ。俺は鏡越しにじっと雪兎の顔を見つめていた、そのうちに雪兎もそれに気が付いて鏡越しに微笑み返した。
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