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すーつ、ろく

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二度目に雪風が選んだのは、前後の揺れではなく上下の揺れだ。先程のは本当に軽く動いただけだったのだろう。
ぐちゅぐちゅと鳴る淫猥な水音をかき消すように、俺は途切れ途切れに声を上げる。

「全っ然、ダメだなぁ、真尋っ!  俺が動くとは言ったが、お前は何もしなくていとはっ……言って、ないぞ!」

流石に雪風も声が上擦って語尾が跳ねている。少しずつ雪風の足から力が抜けて、腰を振る動作が乱暴になっていく。

「ゆきかぜっ……俺、やるから、止まって……」

雪風は嘲るような笑みを浮かべ、腰を止める。
聞いてくれるとは思わなかった、疲れていたのかもしれない。
俺は力を振り絞って雪風の腰を鷲掴みにした。

「んっ……はは、イイな、そういうの嫌いじゃない」

腕を思い切り手前に引いて、腰も使って亀頭を雪風の中にごりごりと擦り付けた。雪風の身体が微かに跳ねたのを感じつつ、力任せに腕だけで雪風の腰を動かす。当然、前後だけでなく上下にも、なんなら左右にも。円を描くように。

「うまい、な……真尋っ、いいぞ、そのまま、奥に……」

雪風の身体が反り返る。俺は腰だけを掴んで、陰茎を根元まで入れたまま射精した。雪風の手が俺の腹の横に落ち、シーツを掴む。

「…………雪風?」

雪風は黙ったまま、肩で息をして腰を上げ、俺の隣に横たわった。顔は俺の方を向いているが、目は虚ろだ。

「雪風……」

名を呼ぶと首だけが僅かに動く、瞳は何も映していない。
俺は上体を起こし、シャツの中に手を入れて腹を撫でた。

「…………もっかい」

そのまま腹を押して雪風を仰向けにする。膝を立てさせ、開脚させる。
とろとろと俺の精液を溢れさせる穴に指を入れ、わざと音を鳴らす。

「……っ、まひろ?  もう、終わり……」

「…………もう一回だけ」

俺は再び雪風の腰を掴み、引き寄せた。言葉に反して身体はすんなりと俺を受け入れる。その様子には万能感を錯覚した、雪兎もこんな気分だったのだろう。

「まひろ、真尋っ、もっと……」

雪風はまたあの蕩けた笑顔を浮かべ、涙目になって俺を呼ぶ。雪兎によく似たその顔で、そんな表情をされては、残っているかも曖昧な俺の理性なんて容易く吹き飛ぶ。
入れる直前は前立腺がどの辺だったかと雪兎とのプレイを思い出していた、生意気な雪風を懲らしめてやろうと思っていた。けれど、今の俺はもう雪風の事なんて考えていない、自分の欲望のままに腰を振っていた。
熱く柔らかい中で挿入した性器が蕩けてしまいそうな感覚を味わって、俺は全てを忘れて没頭していた。
俺を呼ぶ声も聞こえなくて、肉のぶつかる音も聞こえなくて、ただただ快感を貪った。
人を抱いていると言うよりは、そういうオモチャを使って一人でしている気分だった。
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