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りょかんのよる、ろく

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何度絶頂したのか分からない、今が何時なのかも閉め切ったこの部屋では分からない。鳥の声でも聞こえてくればいいのだが、俺は自分の情けなく上擦った声しか聞こえない。

「ポーチー?  ねぇ、聞こえてるー?」

雪兎が何か言っているような気がするが、よく分からない。その原因が俺が大声を上げているからなのか、脳が焼き切れそうな快楽に酔っているからなのかすらも分からない。

「あと二時間だよ。後から「もっとしたかった」なんて言わないように、もっともっとイかせてあげるからね」

雪兎はその細い指先で裏筋を撫で上げて、亀頭をキュッと摘む。その繊細な愛撫の間にも、尿道を犯す手は休まらない。俺はまた何度目かの絶頂を迎えた。

「わ、なんか透明の出たね。流石にキツイのかな?  それとも潮吹きってやつ?  まぁ、どっちでもいいけど……ポチ?  あれ、ちょっとポチ!」

雪兎は陰茎を扱く手を止めて棒を引き抜き、立ち上がってポチの顔を覗き込む。

「え……気ぃ失っちゃった?  うそー……そんないきなり……」

雪兎は予兆を見つけられていなかった。残念そうな顔をして、細長い歪な棒をウェットティッシュで雑に拭って鞄に放り込むと、また別の物を取り出す。

「雪風は明後日から居ないけど……誰にも盗られないように、ちゃんとしておかなきゃ」

それは革製の貞操帯だった。彼専用に作らせた特注品で、様々な仕掛けがある。雪兎は懐中電灯の光で説明書を読み、数分で完全に理解した。

「まず腰を上げさせてベルト付けさせないとなんだけど……重っ!  大丈夫かな……」

理解は出来ても雪兎の力では意識の無いポチの足や腰を持ち上げるのは困難だ。それでも執念でベルトを回すと、次に足を開かせた。

「他の人から守る用とか、自慰禁止用とか、そんなんだけじゃつまんないよねー。ポチも喜ぶだろうし、僕って本当良い飼い主」

後ろの穴の周りにローションを塗り付け、貞操帯とセットで作らせたバイブにも塗り込む。

「僕のよりちょっと小さくてぇ、イイとこにはギリギリ届かない、とってももどかしくなっちゃう……ふふふっ、いいなぁ、早く見たいなぁ……」

ローションとそのサイズから、すんなりとそれは受け入れられた。

「…………ちょっと動かしてみちゃったり」

リモコンを弄り、微弱な振動を設定する。

「……んっ、ぅん……ぁ……」

意識を失っているにも関わらず、彼は足をビクビクと震えさせ、小さく悩ましげな声を上げた。雪兎はその反応に満足して振動を止め、別の器具も取り付ける。陰茎を包むようなそれにもまた、リモコン操作で振動するように出来ている。根元や亀頭の下のくびれにあたる部分には小さなベルトがあり、雪兎はそれをぎゅうぎゅうと締めていく。

「んんっ……ん……?」

「…………起きないよね?  まぁ、起きてもいいんだけどさぁ……」

平常時なら問題は無くとも、勃起すればベルトの締め付けは痛みを与える。雪兎はそんな具合にベルトを締め終わると、一度ポチの顔を覗き込み頬を揉む。

「……寝てるよねー?」

作業はもう終盤、これが終われば自分も数十分は眠れるだろう。
腰に巻いたベルトの後ろにクロッチを取り付け、そのクロッチとバイブに付いた留め具を填める。もちろん陰茎を包むものにも同じ留め具が付いており、ベルトの前部分には鍵穴がある。

「カチャッとして……おしまい!  はー疲れた、おやすみポチ……」

雪兎はポチの上に寝転び、布団を頭から被ってすぐに寝息を立て始めた。
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