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とりっくあんどとりっく (ハロウィン特別編)

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パーティが終わり、俺は一足先に部屋に帰された。
雪兎は見送りがあるとかでまだ一階にいる。

「……自分じゃ脱げねぇ、よな。やっぱり……」

肉球付きの手袋は分厚く、また服に繋げられるボタンが腕の外側にある。
指先がほとんど機能しない今の俺が小さなボタンを外すのは不可能で、手袋が脱げなければ服も脱げない。服のボタンも小さく、隠してあるのだ。

「はぁー……こんなアホみたいな格好、パーティ終わって一人でとか……もうほんとアホ」

ベッドの上で一人嘆いていると、雪兎が帰ってくる。ようやくこの熱くて馬鹿みたいな服が脱げるかと思ったのだが、雪兎の手の杖を見てその期待は萎んでいった。

「僕聞いたんだ。オバケって、えっちなこと嫌いなんだって」

「……ユ、ユキ様?  ほら、いい子ですから杖を片付けましょうね。もうそろそろ日付も変わりますし、着替えましょうよ」

雪兎は指揮棒のように杖を振る。

「ひっ……ぁ、んっ」

「ね、どこしてほし……あ、そうだ」

雪兎は三角帽子を被り直し、マントを翻す。
杖を振りながらベッドの周りを気取って歩き、立ち止まってはポーズを決める。

「人に化けた魔物め、今この正義の魔法使いユキ様が退治してやる!」

「ばっ、ばかなことしてないで、早くこれを止め……っ、ぁぁぁあっ!  ゃあっ、やめろって!」

性器に取り付けられたローターが全て動き出す。
俺は身体を跳ねさせながらも、雪兎から杖を奪おうと手を伸ばす。

「おっと、そうはいかないぞ魔物め!  よし、次は……こっち!」

下のローターが止まると、今度は乳首に当てられたローターが動き出す。それも最初から最強の振動で。

「あっ、やぁ……んっ、ゆき、これ、ぃやだっ!」

「ふふーん、どうだ僕の魔法は!」

「ふざっ……けるなぁっ!  やめろって言って、んっ……ぁ、やめっ、止めろよぉ!」

「…………おへそのどれだっけ。これかな。あれ……違うかな」

後ろの穴の、入口付近に挿し入れられたローターが動き出す。

「いっ……や、ゆき!  ほんとにっ……これ、いやなんだよ!  なぁゆきっ……やめて、くれよぉ……」

まだそこでは感じられない。気持ちよくない。
俺が身体を捩る度にローターは穴の奥へ入っていく。快楽なんて少しもなくて、ただ異物感だけが増していく。

「まだねばるか魔物め、じゃあ魔法使いユキ様のきゅうきょきゅしゃいじゃ……究極最大奥義!  見せてやる!」

今噛んだだろ、なんて言う余裕はない。
臍と性器に取り付けられたローターまで動き出して、九つ全てのローターが最強に設定される。

「やっ、ぁ、ひゃあぁんっ!  まって、ゆきぃ!  これやらぁ、これむりぃ、とめっ、ぁぁぁあっ!」

「どうだ僕の魔法は!  参ったか魔物め!  僕の使い魔になるなら、許してやってもいいぞ!」

「なるっ、なんでもするからぁ……これっ、とめてぇ!」

身を捩り、反らせ、ベッドの上で一人快楽に溺れる。動き回ったせいか縄がどんどんと皮膚にくい込んで、さらなる快楽を生む。

「んー……ダメ!  やっぱ許さない!」

「なんっ、でぇ?  おれ、なんにも……して、ないのにぃ……んっ、ぁぁ……はっ、ぁ、とめて、はやくとめてぇっ!」

雪兎は首輪の紐を引き、俺を起き上がらせる。
だらしなく開いて涎まで垂らした俺の口を雪兎の舌が犯す。

「んっ、ん……ふぅ。このまま、失神するまでしてあげる……」

俺の頭をしっかりと抱き締め、首輪を後ろに引き、深く激しくキスをする。
当然呼吸なんて出来るわけなくて、頭がぼーっと白くなっていく。
雪兎の口が離れても、ローターの振動はそのままで、首を絞める輪もそのままで、気持ちよくて、俺はもう一度雪兎にキスをねだった。
雪兎はそれに応えてくれた──と、思う。俺はその後しばらくして気を失ってしまったからよく分からない。雪兎は俺に何度キスをしてくれたのか、どんなキスをしてくれたのか、何も覚えていられなかった。




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