俺の名前は今日からポチです

ムーン

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おふろ、こうへん

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泡まみれの手は今、俺の腹を撫で回している。
俺は椅子に座っていて、雪兎は俺の足の間にしゃがみ込んで俺の腹に手を伸ばしてきている。
だから……その、雪兎の腕が通る位置には俺の愚息がありまして、先程から時折に擦れておりまして、えぇ、とてもつらい。

「ゆき……さま、あの」

「何?」

「腕が、当たっていて、もう少し……その、上からになりませんか」

腹を洗われているのもかなり欲を煽っているとういのに、その上今一番敏感なところを擦られては、もう俺の精神は持たない、愚息も持たない。

「僕はこの体勢が一番楽だしなぁ」

「……ふっ……ぁ」

腹の中心、縦長の穴に指を滑り込まされる。ぬるぬると動くその細い指は、決して俺の性感帯そのものには触らない。臍の奥を思い切り押してはくれない。

「じゃあ次、腰と足ー」

する、と雪兎の手が太腿を擦る。下から持ち上げるように、軽く揉む。

「おぉ、ポチ結構筋肉質だね」

「鍛えたらっ、モテると、思って……」

足を触られただけなのに、少し揉まれただけなのに、俺の声は勝手に上擦る。
内腿に進むと、その頻度は跳ね上がる。

「んっ、やっ、まって、まってください……」

「うん、待つよ。何?」

むに、と足の付け根の内側を掴んだまま、雪兎は手を止めて俺を見上げる。
声を抑える為の、赤くなった顔を隠す為の手は背後で手錠に繋ぎ止められている。

「……そっ、そこで止まらないでくださいよ!」

「えー何さもう、ワガママだなぁ。ちょっとお仕置きしようか」

「えっ?  ま、まって!  ひっ……や、ぁ、むり、まって、ゆきさまぁ!  やめっ、や、ゆき……っ!」

激しく揉みしだかれると、もう声は抑えられない。
雪兎は俺の痴態を嬉しそうに眺めて、また俺も「もっと」と言えるようになる直前で手を止めた。
俺にはまだ僅かに理性が残ったままで、続きを求められないでいた。

「ゆきぃ……」

「ユキ様、でしょ。この無礼者!  なんてね」

雪兎はとうとう足の間の、俺の性器に手を伸ばす。
根元を優しく握られただけで、俺はもう達してしまいそうになる。けれど現実はそう上手くはいかず、抑えきれない声を漏らすだけ。
雪兎は手を前後させて擦りながら先端へと向かわせる。早く、先に、もっと強く、なんて願いは届かない。
雪兎は俺の性器も洗い終えたと手を離す、鈴口から彼の手に垂れた液体なんて見もせずに。

「……お願い、お願いですから、最後まで……してください、ユキ様ぁ……お願い」

「何のこと?  僕はちゃんと最後までしてるよ。ちゃーんと洗ってる」

「ちがう……ちがいます、そっちじゃなくてぇ」

泣き声混じりの俺の訴えなんて気にしないで、雪兎は足の先を洗っていく。
膝の裏、ふくらはぎ、撫でられ擦られ揉まれる度に声を上げた。
足の指の間に雪兎の細い指が挟まって、それが前後するなんて、もう、たまらない。

「……もういいね。そろそろ出よっか」

俺の体を完全に洗い終えて、雪兎は俺に頭からシャワーを浴びせる。
俺はそのシャワーの刺激すらも快楽と捉えてしまって、情けなく甘えた声を出し続けた。

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