909 / 909
終章 魔神王による希望に満ち溢れた新世界
終劇
しおりを挟む
科学の国跡地、現在は合成魔獣の楽園である小島。走り回って遊んでいたアルが戻ってきた、機嫌はかなり良いようだ。
『兄弟、もう帰ってしまうのか?』
『うん、今日はもう帰るよ。ありがとう、カルコス、クリューソス、また今度ね』
『……ふんっ』
手を振るとカルコスは前足を上げて返事をしたが、クリューソスはそっぽを向いた。相変わらずの彼をクスッと笑い、アルを抱き締めてカヤを呼んだ。
『うわ……すごい』
『ヘル? ここは?』
カヤに連れてきてもらった先は立派な城の中だ。
『にいさまに会いに来たんだけど……まさかこんなお城造ってるなんて』
兄は正義の国跡地に生やした大樹の管理を申し出てくれた。この大樹だけは天界に繋げているから、きっと僕に好きな時に会いたいと思っているのだろう。
『おとーと? おとーとっ、どうしたの? もしかして遊びに来たの? お兄ちゃんに会いたかったの?』
城の内装を見て回っていると突然壁が蠢き、ぐにゅぐにゅと歪んで兄の形になり、壁から分離して僕の前に立った。
『に、にいさま? うん……遊びに来たんだけど、その……何、今の。壁から出てきたよね、にいさま……』
『あぁ、建材は僕だからね』
兄はそう言って壁掛けの燭台を掴み、金属に見えたそれをスライム状の黒い物体に戻してみせた。
『ひたすら増殖して、石にして、作っていったんだよ』
『そ、そうなんだ……すごいね』
有事の際には城ごと動き回ったりするのだろうか。見たいような見たくないような……
『えっと、にいさま最近どう? 大樹の管理とか、このお城の住み具合とか?』
『最近……そうだね、おとーとに会う機会が減って寂しいよ』
兄は僕の頬を両側から挟むようにして掴み、むにむにと弄び始めた。
『あの大樹を辿れば天界に入れるようにはしてあるけど……』
『そうなんだけどねぇ、僕も色々忙しくって……天界、空間転移を弾くようにしてるだろ? だから行くまでかなり時間がかかるんだよねー。ちょっとした休憩時間にこのほっぺたを楽しみたいんだけど』
『あんまりひっぱらにゃいでよ、にーひゃま……』
『あの大樹に僕を巻きつけようと増殖を頑張っているんだよ、それなら管理も楽だし、分身がすぐに天界に行けるからね』
未だに人間の感覚が残っている僕には兄のスライム的行動が気持ち悪くて仕方ない。けれど顔には出さずに褒めておく。機嫌を損ねたからと殴られることはなくなったが、拗ねられたらそれはそれで厄介なのだ。
『アルちゃんも久しぶり、相変わらずいい毛並みだね』
『兄君と会わない間に換毛したのだが……』
『……あ、あぁ、それでちょっとほっそりしてたんだね』
きっと兄はアルの変化には気付いていないのだろう。夏毛と冬毛の変化はかなり分かりやすいと思うのだが、それは僕がアルばかり見ているからだろうか。
『にいさま、フェルは?』
『フェル? 待ってね、呼ぶよ』
兄は壁に手を当てて目を閉じた。兄が壁から手を離してしばらくすると少年が走ってくる。
『にいさま、用って何……あ、お兄ちゃん! お兄ちゃんだ! お姉ちゃんも……久しぶりだね!』
フェルは昔の僕のような見た目をしていなかった。虹色だったはずの右目は黒に、毛先から白くなっていたはずの髪は黒く、目を隠すほど長かった前髪はバッサリと切られ、うなじを隠していた後ろ髪も刈り上げられている。
『フェル? なんか……雰囲気変わったね』
『う、うん……首涼しくて、違和感あるけど』
『……なんというか、パンクだな。服装も』
アルが呟いた感覚はよく分からないが、僕やフェルの趣味ではなさそうな服を着ている。
『僕が選んだんだ、可愛いだろ?』
『にいさまは僕を着せ替え人形だと思ってるんだよ……でも、僕は別に服の趣味とかないし、ずっと城の中にいるから誰に見られる訳でもないし、にいさまが可愛い可愛いって言ってくれるから楽しいんだ』
着せ替え人形扱いを嫌がっていないのならよかった。僕とは造形以外が全く変わってしまったけれど、フェルが満足しているならそれでいい。
『仲良さそうでよかったよ』
『まぁね。そっちはどうなの? アルちゃんとは仲良くしてる?』
『うん。ね、アル』
『あぁ、雑音のない空間でヘルと二人きりで居られる、これ程素晴らしい事は他に無い』
ヴェーン邸に居た頃は何かと騒がしく、忙しかったのもあってアルとの時間を大切にできていなかった。けれどこれからは永遠にアルを愛していられる。
『じゃあ姪っ子に会える日も近いかな? 僕はおとーとそっくりな姪っ子二人と甥っ子一人が欲しいんだ、多少は羽とか尻尾とかあっていいけど、人型のね』
『注文つけないでよ……どんな姿になるかなんかコントロールできるわけないだろ』
兄は未だに他人を物扱いする悪癖が治っていない。精神性なら治らないのかもしれない。娘や息子が生まれたとしても兄に会わせるのは短時間にしておくべきだろう。
『お兄ちゃんお兄ちゃん、赤ちゃん生まれたら僕にも抱っこさせてね』
『分かってるよフェル、君に一番に知らせる』
フェルになら安心して預けられる。たまにはこの城に泊まらせてもいいかもしれない。いや、気が早いな、まだ娘も息子も生まれていないのに。
『それじゃにいさま、そろそろ行くね』
兄が僕に抱きついてきた、床に膝をついて僕の腹に顔を押し付けている。
『嫌だ……』
『……また来るから。今日はちょっと寄っただけなんだ、また今度ちゃんと遊びに来るって。ね? 来てくれてもいいし』
涙を溜めた上目遣いはフェルよりも幼い、髪型のせいで丸っこい頭を撫でていると兄だという実感が薄れていく。
『おとーと……』
『なぁに、にいさま』
『…………ごめんね。お兄ちゃんなのに、名前覚えられなくて』
まだそんなことを気にしていたのか。優位に立って初めて兄の可愛げに気付けた、もはや僕は兄を弟として扱っている。
『いいよ、大丈夫。仕方ないもん。ほら離して、また来るから……ばいばい、おやすみにいさま』
一瞬の寒気と共に天界に戻り、実体化させたカヤに「自由にしていい」と命令して放つと天界中を走り回った。
『…………犬だな』
『あはは……アルは走るの好き?』
『人並みには』
科学の国跡地でカルコス達と追いかけっこをしていた時はとても楽しそうだった。僕は動くのがあまり好きではないから、あのやり方ではアルを楽しませられない。
『…………ねぇ、アル。好きだよ』
アルは寝転がって怠惰に過ごすのも好きだ。
『私も同じ気持ちだ、ヘル』
だから寝室に戻り、ベッドに横たわった。また何日もここから動かないかもしれない。
『……僕はもう、ヘルシャフト・ルーラーじゃなくなったのかもしれない。でも、君を愛してるよ。初めて会った時からずっと大好き、誰よりも信頼してる。ずっと一緒に居てね』
『あぁ、ヘル。貴方は随分成長した。それでも貴方は私の愛しいヘルのままだ。旦那様……貴方はよく留まった』
全ての天使を取り込んだ僕の人格は一時期壊れかけていた。けれどアルが居てくれたから留まれた。
きっとこの先も何かある度に僕の人格は揺らぐのだろう。けれどアルが居てくれる限りは僕は完全に壊れることはない。
『あぁ……ヘル、愛している。永遠に貴方の傍に』
僕を見つめる僕だけの狼。輝く銀色の毛に大きな黒い翼、黒蛇の尾が揺れている。
どんな状況でも見蕩れてしまう程に美しい。彼女は僕の妻だ。
『…………僕も愛してる、アル。永遠に君の傍に』
魔物使いとしての人生は終わった。この世の全てを掌握し、愛する人に心身を捧げ、愛する人の心身を手に入れられた。
これからは魔神王としての終わることのない人生が始まる。子供達に囲まれ、仲間に囲まれ、幸せな日々が積み重なっていくのだ。
『兄弟、もう帰ってしまうのか?』
『うん、今日はもう帰るよ。ありがとう、カルコス、クリューソス、また今度ね』
『……ふんっ』
手を振るとカルコスは前足を上げて返事をしたが、クリューソスはそっぽを向いた。相変わらずの彼をクスッと笑い、アルを抱き締めてカヤを呼んだ。
『うわ……すごい』
『ヘル? ここは?』
カヤに連れてきてもらった先は立派な城の中だ。
『にいさまに会いに来たんだけど……まさかこんなお城造ってるなんて』
兄は正義の国跡地に生やした大樹の管理を申し出てくれた。この大樹だけは天界に繋げているから、きっと僕に好きな時に会いたいと思っているのだろう。
『おとーと? おとーとっ、どうしたの? もしかして遊びに来たの? お兄ちゃんに会いたかったの?』
城の内装を見て回っていると突然壁が蠢き、ぐにゅぐにゅと歪んで兄の形になり、壁から分離して僕の前に立った。
『に、にいさま? うん……遊びに来たんだけど、その……何、今の。壁から出てきたよね、にいさま……』
『あぁ、建材は僕だからね』
兄はそう言って壁掛けの燭台を掴み、金属に見えたそれをスライム状の黒い物体に戻してみせた。
『ひたすら増殖して、石にして、作っていったんだよ』
『そ、そうなんだ……すごいね』
有事の際には城ごと動き回ったりするのだろうか。見たいような見たくないような……
『えっと、にいさま最近どう? 大樹の管理とか、このお城の住み具合とか?』
『最近……そうだね、おとーとに会う機会が減って寂しいよ』
兄は僕の頬を両側から挟むようにして掴み、むにむにと弄び始めた。
『あの大樹を辿れば天界に入れるようにはしてあるけど……』
『そうなんだけどねぇ、僕も色々忙しくって……天界、空間転移を弾くようにしてるだろ? だから行くまでかなり時間がかかるんだよねー。ちょっとした休憩時間にこのほっぺたを楽しみたいんだけど』
『あんまりひっぱらにゃいでよ、にーひゃま……』
『あの大樹に僕を巻きつけようと増殖を頑張っているんだよ、それなら管理も楽だし、分身がすぐに天界に行けるからね』
未だに人間の感覚が残っている僕には兄のスライム的行動が気持ち悪くて仕方ない。けれど顔には出さずに褒めておく。機嫌を損ねたからと殴られることはなくなったが、拗ねられたらそれはそれで厄介なのだ。
『アルちゃんも久しぶり、相変わらずいい毛並みだね』
『兄君と会わない間に換毛したのだが……』
『……あ、あぁ、それでちょっとほっそりしてたんだね』
きっと兄はアルの変化には気付いていないのだろう。夏毛と冬毛の変化はかなり分かりやすいと思うのだが、それは僕がアルばかり見ているからだろうか。
『にいさま、フェルは?』
『フェル? 待ってね、呼ぶよ』
兄は壁に手を当てて目を閉じた。兄が壁から手を離してしばらくすると少年が走ってくる。
『にいさま、用って何……あ、お兄ちゃん! お兄ちゃんだ! お姉ちゃんも……久しぶりだね!』
フェルは昔の僕のような見た目をしていなかった。虹色だったはずの右目は黒に、毛先から白くなっていたはずの髪は黒く、目を隠すほど長かった前髪はバッサリと切られ、うなじを隠していた後ろ髪も刈り上げられている。
『フェル? なんか……雰囲気変わったね』
『う、うん……首涼しくて、違和感あるけど』
『……なんというか、パンクだな。服装も』
アルが呟いた感覚はよく分からないが、僕やフェルの趣味ではなさそうな服を着ている。
『僕が選んだんだ、可愛いだろ?』
『にいさまは僕を着せ替え人形だと思ってるんだよ……でも、僕は別に服の趣味とかないし、ずっと城の中にいるから誰に見られる訳でもないし、にいさまが可愛い可愛いって言ってくれるから楽しいんだ』
着せ替え人形扱いを嫌がっていないのならよかった。僕とは造形以外が全く変わってしまったけれど、フェルが満足しているならそれでいい。
『仲良さそうでよかったよ』
『まぁね。そっちはどうなの? アルちゃんとは仲良くしてる?』
『うん。ね、アル』
『あぁ、雑音のない空間でヘルと二人きりで居られる、これ程素晴らしい事は他に無い』
ヴェーン邸に居た頃は何かと騒がしく、忙しかったのもあってアルとの時間を大切にできていなかった。けれどこれからは永遠にアルを愛していられる。
『じゃあ姪っ子に会える日も近いかな? 僕はおとーとそっくりな姪っ子二人と甥っ子一人が欲しいんだ、多少は羽とか尻尾とかあっていいけど、人型のね』
『注文つけないでよ……どんな姿になるかなんかコントロールできるわけないだろ』
兄は未だに他人を物扱いする悪癖が治っていない。精神性なら治らないのかもしれない。娘や息子が生まれたとしても兄に会わせるのは短時間にしておくべきだろう。
『お兄ちゃんお兄ちゃん、赤ちゃん生まれたら僕にも抱っこさせてね』
『分かってるよフェル、君に一番に知らせる』
フェルになら安心して預けられる。たまにはこの城に泊まらせてもいいかもしれない。いや、気が早いな、まだ娘も息子も生まれていないのに。
『それじゃにいさま、そろそろ行くね』
兄が僕に抱きついてきた、床に膝をついて僕の腹に顔を押し付けている。
『嫌だ……』
『……また来るから。今日はちょっと寄っただけなんだ、また今度ちゃんと遊びに来るって。ね? 来てくれてもいいし』
涙を溜めた上目遣いはフェルよりも幼い、髪型のせいで丸っこい頭を撫でていると兄だという実感が薄れていく。
『おとーと……』
『なぁに、にいさま』
『…………ごめんね。お兄ちゃんなのに、名前覚えられなくて』
まだそんなことを気にしていたのか。優位に立って初めて兄の可愛げに気付けた、もはや僕は兄を弟として扱っている。
『いいよ、大丈夫。仕方ないもん。ほら離して、また来るから……ばいばい、おやすみにいさま』
一瞬の寒気と共に天界に戻り、実体化させたカヤに「自由にしていい」と命令して放つと天界中を走り回った。
『…………犬だな』
『あはは……アルは走るの好き?』
『人並みには』
科学の国跡地でカルコス達と追いかけっこをしていた時はとても楽しそうだった。僕は動くのがあまり好きではないから、あのやり方ではアルを楽しませられない。
『…………ねぇ、アル。好きだよ』
アルは寝転がって怠惰に過ごすのも好きだ。
『私も同じ気持ちだ、ヘル』
だから寝室に戻り、ベッドに横たわった。また何日もここから動かないかもしれない。
『……僕はもう、ヘルシャフト・ルーラーじゃなくなったのかもしれない。でも、君を愛してるよ。初めて会った時からずっと大好き、誰よりも信頼してる。ずっと一緒に居てね』
『あぁ、ヘル。貴方は随分成長した。それでも貴方は私の愛しいヘルのままだ。旦那様……貴方はよく留まった』
全ての天使を取り込んだ僕の人格は一時期壊れかけていた。けれどアルが居てくれたから留まれた。
きっとこの先も何かある度に僕の人格は揺らぐのだろう。けれどアルが居てくれる限りは僕は完全に壊れることはない。
『あぁ……ヘル、愛している。永遠に貴方の傍に』
僕を見つめる僕だけの狼。輝く銀色の毛に大きな黒い翼、黒蛇の尾が揺れている。
どんな状況でも見蕩れてしまう程に美しい。彼女は僕の妻だ。
『…………僕も愛してる、アル。永遠に君の傍に』
魔物使いとしての人生は終わった。この世の全てを掌握し、愛する人に心身を捧げ、愛する人の心身を手に入れられた。
これからは魔神王としての終わることのない人生が始まる。子供達に囲まれ、仲間に囲まれ、幸せな日々が積み重なっていくのだ。
0
お気に入りに追加
436
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(4件)
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
御機嫌ようそしてさようなら ~王太子妃の選んだ最悪の結末
Hinaki
恋愛
令嬢の名はエリザベス。
生まれた瞬間より両親達が創る公爵邸と言う名の箱庭の中で生きていた。
全てがその箱庭の中でなされ、そして彼女は箱庭より外へは出される事はなかった。
ただ一つ月に一度彼女を訪ねる5歳年上の少年を除いては……。
時は流れエリザベスが15歳の乙女へと成長し未来の王太子妃として半年後の結婚を控えたある日に彼女を包み込んでいた世界は崩壊していく。
ゆるふわ設定の短編です。
完結済みなので予約投稿しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
最近はこの作品を見るのが日課になっています(^^) 面白い作品ありがとうございますm(_ _)m
感想ありがとうございます! 嬉しいです(*^^*) こちらこそありがとうございます(*´▽`*)
クロ、ポチ……ここはアルですね。
緊張する銀狼さんに、もふりと顔を埋めたい←そこ?
七色に輝く模様入りの虹彩。ペンタグラムとか魔法陣みたいなのを想像しました(*^^*)
アルさんのキャラクター好きです♡
続き楽しみ♪
最ももふもふしているのは首から胸にかけて……
力を使うと輝き方や模様が変わったりします(ほぼ一人称なので描写はありませんが)
期待に添えるよう頑張ります!
こんにちは、早速来ました(*^^*)
やっぱりアルファポリスが読みやすいです。
これから宜しくお願いしますね♪
(おバカさんなピコっぴ、Twitterから飛んでこなくても、1話に🔖貼ってました。いつつけたのか覚えてなかったw)
今日からちゃんと読ませていただきます。
ご両親は残念だったけど、いつか、お兄さまも出て来るかな~
楽しみです。
こんにちは、ありがとうございます!
お兄さん結構後ですけど出てきますよ、あまり良い性格はしてませんが……