902 / 909
終章 魔神王による希望に満ち溢れた新世界
方舟
しおりを挟む
希少鉱石の国に到着、目の前の家はセツナの家だ。
『……な、何だ? この惨状は。ここに戦争の影響があったのか?』
セツナの家以外、辺り一帯何もない。建物もなく道路も剥がされ、茶色い土がどこまでも続いて地平線が見えている。
『あぁ、ハスターだよ。この辺りから文明を排除して、希少鉱石の国の跡地を大陸から切り離して、羊を飼える高原だけの島にするって』
『貴方はそれを許容したのか!?』
『……うん。いや、だってさ……あの、ハスターってなんか怖いんだよね。そりゃ彼は僕みたいに魔力や神力を無限に生成したり出来るわけじゃないし、邪神でもなくなった。善性の土地神だよ、でもさぁ……怖いんだよね、彼と話してるといつも思うんだ、裏がありそう、まだ何かありそう、絶対逆転の一手を隠し持ってる……って』
この世界の絶対神の座についたくせに、アルはそう思ったのだろう。僕の恐怖を鼻で笑って早く行こうと顎を上げた。
目の前にあるただ一軒だけの家の呼び鈴を鳴らすとメイラが出てきた。
「お、えっと……魔神王? ってのになったんだっけ、お前名前ころころ変えんなよな」
『すいません、多分もう変えませんから。刹那さん居ますか? お二人に挨拶に来たんですけど』
黒髪に赤いメッシュを入れた少年、メイラは手招きをして家に戻った。僕は後ろ手に鍵を閉め、靴を脱いでアルの足の裏を拭いてから上がった。
「刹那ぁー、お客さん、魔神王」
「え? あぁ……! 魔神王、是非体液を提供願いたい」
白髪で眼窩に赤い石を瞳として入れている少女、セツナは僕の方へ来ようとしてメイラに止められた。
「止めないでくれないか謎羅!」
「変なもん舐めちゃダメだって!」
セツナは趣味であるホムンクルス造りのため、人間の体液を集めている。良い材料を探すためなのか人の頬を舐める癖があり、よくメイラが注意している。
『まぁ、血くらいならいくらでもあげますけど……』
「本当かい? ならこれを」
羽交い締めにされているセツナは僕に注射器を投げ渡した。
『えっと、血管……どこだっけ』
僕は肌が白く薄く脂肪も少ないので血管は見つかりやすいはずなのだが、腕を探しても太い血管が見つからない。
『……ここでいいや』
手首には血管が浮いて見えたのでそこに刺し、血を抜き取り、セツナに投げ返した。
「ありがとう! これで最高傑作が出来るだろう……」
『……ところで、セツナさん達の家だけ残ってますけど、引っ越ししないんですか?』
希少鉱石の国の一帯はハスターが管理し、作り直すと宣言したため、それに賛同出来ない者は引っ越している。ちなみに海を越える引っ越しは竜達が手伝っている。賛同出来ないが引っ越したくない者? ハスターは「居なかったよ~」と言っていた。怖い。
「するよ。君には以前聞かせたと思うけれど、僕達は方舟を作っていただろう?」
羽交い締めから解放されたセツナが懐から魔石を取り出す。立体映像を映し出す物だ、方舟の設計図が何もない空間に投影されている。
「この方舟が完成したんだ。ハスター、という神が手伝ってくれてね。メイラは彼が嫌いなようだけれど」
「だって、スメラギ……いや、なんでもない」
ハスターがスメラギに取り憑いていたとは分からなくても、黄色い衣に白い仮面という共通点だけでメイラには察せたのだろう。スメラギが精神を壊した原因がハスターであることを。
「……なんでも、これからのこの土地に石は必要ないらしい。彼は採掘済みの魔石を全て僕に渡した。土を隠していたコンクリートを剥がし、空き家を破壊し、その廃材を全て僕に渡した。おかげで完成したのさ」
「石や砂なら砕いて成型し直せばいいし、金属は溶かせば成型し直せる。大半はリサイクル出来たぜ。おかげで一番の課題だった船体があっさり出来上がった」
「船体の各所に魔石を埋め込み、浮遊や船内の温度管理、船内の様々な装置の動力として扱う……その魔石にエネルギーを供給するのに賢者の石を使おうと思っていたのだけれど、それが出来ないんだよねぇ」
賢者の石はアル達合成魔獣のコアとして扱われている物だ。魔石は力を溜め込むことと放出することしか出来ないが、賢者の石は無限に力を生成する。賢者の石から魔石に力を送り、魔石を半永久的に使うというのは良いアイディアだと僕も思う。
『賢者の石が出来ないってどういうことですか?』
「……賢者の石はね、そもそも奇跡の産物なんだよ。作り方が分かっているからと何度も作れる代物ではない。一度目の賢者の石は人生全ての運を使い果たし、二度目以降は他人の命を奪う……そう云われているのさ」
「ただの迷信だけどな。まぁつまり、制作の手間の割に成功率低いんだよ」
『…………なら、アルが生き返ったのは本当に奇跡なんですね』
首元の毛を撫でるとアルは甘えた鳴き声を上げて僕の太腿に頭を擦り寄せた。
「あぁ……確か、あの時は誰かが奇跡を分けてくれたんだよ。それも三つ分……相当、消耗しただろうね。彼女が誰かも思い出せない……きっと身を削ってくれたんだろう」
砕け散ったアル達のコアを本物の賢者の石として作り直してもらった時、僕の隣には『黒』が居た。賢者の石が完成したのは僕がセツナの家を離れていた時で、『黒』は家に残っていた。家に戻るとアルが居て『黒』が居なくて──
『…………そっ、か……君が、アルを』
薬指の二つの指輪を眺める。もうどちらが『黒』の物かは分からないけれど、二つともに唇を触れさせた。
『……ありがとう、愛してる』
彼女が融けているだろう僕の魂を意識して胸元を撫で、僕の記憶にしかない彼女の姿を瞼の裏に思い浮かべる。
『……ヘル? 今のは誰に向けた言葉だ?』
目を開ければアルが僕を睨み上げていた。
『…………自分だよ』
『そ、そうか……珍しいな。だが、良い傾向だ。貴方は自分を嫌い過ぎていたからな』
アルの前に屈むとアルは僕の頬を舐めてくれる。その優しい仕草は仔にするもので、アルの瞳は母親のような慈愛に満ちている。
『……ありがとう、アル。僕のお母さん』
『な、ぁ……もう、仕方の無い子だ』
首元の毛皮に顔を押し付けて黒翼に包まれる。その温かさは胎内よりも素晴らしい。
『ふぅ……それで、えっと、賢者の石がないならどうするんですか?』
「……賢者の石でなくてもまかないきれると思うから、定期的に魔力を補充するよ」
『そうですか、解決策があるならよかった』
セツナとメイラの表情が硬くなったように見えるのは気のせいだろうか。
「えぇと、それで……君に許可をもらいたいことがある、外に出てもらえるかい?」
先導されるままに外に出て地平線まで荒野となった景色から目を逸らす。セツナは懐から出した笛を吹くが、音は出ない。
『……っ!?』
アルが突然その場に伏せて不器用な前足で耳を触り始めた。
『アル? どうしたの? 耳痒いの?』
『それなら後ろ足を使う。煩かったんだ、急に、キィインと音が……聞こえなかったのか?』
前足を下ろさせて耳を触り、額にキスをして機嫌の回復を狙う。
「あぁ、すまない。この笛の音は周波数が高くて人間には聞こえないけれど、君には聞こえたんだね」
何故突然笛を吹いたのかと聞く寸前、僕達は影に隠された。見上げれば竜が僕達の前に着地する寸前だった。
『ぎゃるるるるっ! せつ、な……きた!』
『きた、ぞ! せつなー、ぎゃうっ!』
「ありがとう。この子達は住人の引っ越しを手伝ってくれた子なのだけれど、休憩時間に話して仲良くなってね、船に乗りたいと言い出したんだ。構わないかな? この子達が方舟に住む許可が欲しいんだ」
竜達は揃いも揃って大型種だ、竜の中でも体が大きい方なのだ。僕が引っ越しは荷物が重いからという単純な理由で大型種ばかりを任命したからだ。
『僕は別に構いませんけど……乗るんですか? 方舟ってそんなに大きいんですか?』
「科学の国にあった空母という船を参考にしているからね、広い甲板がある。航空機を乗せるつもりはないから人工芝を引いて公園にでもしようかと思っていたんだ、そこに住まわせようと思う」
『はぁ……別に、可能なら僕は構いませんよ』
「甲板にはちゃんと屋根を張れるようにしてあるから安心してくれ、科学の国にあったオープンカーのような物さ」
さてはセツナ、自分の傑作を説明したいだけだな?そう僕が察したのに気付いたのか、セツナは咳払いをして早口で捲したてるのをやめた。
「……じゃあな、魔神王。俺達は空で暮らすよ」
「時々会って話をしようね、血だけでなく君の他の体液でも人形を作ってみたいから」
再び僕達は影に隠される。見上げれば今度は巨大な鈍色の何かが空をゆっくりと移動していた。メイラが手を挙げて巨大な何かに向けて合図をするとセツナの家が光に包まれて消え、その光は巨大な何かへと吸い込まれた。
「物質転送は成功みたいだね。僕達も行こうか」
「あぁ。魔神王、またなー!」
竜達とセツナとメイラも同じように光に包まれて消えていった。巨大な何かはゆっくりとどこかへ飛んでいく……まさかアレが方舟か、下手な島より大きいぞ。
『すごいなぁ……アル、今度中見せてもらいに行こうね』
『あぁ、いつか見たいと思っていた。約束だぞ、ヘル』
アルの前足を握り、二人きりで方舟の橋に腰を下ろし、雲海を共に眺めることを誓い合った。
『……な、何だ? この惨状は。ここに戦争の影響があったのか?』
セツナの家以外、辺り一帯何もない。建物もなく道路も剥がされ、茶色い土がどこまでも続いて地平線が見えている。
『あぁ、ハスターだよ。この辺りから文明を排除して、希少鉱石の国の跡地を大陸から切り離して、羊を飼える高原だけの島にするって』
『貴方はそれを許容したのか!?』
『……うん。いや、だってさ……あの、ハスターってなんか怖いんだよね。そりゃ彼は僕みたいに魔力や神力を無限に生成したり出来るわけじゃないし、邪神でもなくなった。善性の土地神だよ、でもさぁ……怖いんだよね、彼と話してるといつも思うんだ、裏がありそう、まだ何かありそう、絶対逆転の一手を隠し持ってる……って』
この世界の絶対神の座についたくせに、アルはそう思ったのだろう。僕の恐怖を鼻で笑って早く行こうと顎を上げた。
目の前にあるただ一軒だけの家の呼び鈴を鳴らすとメイラが出てきた。
「お、えっと……魔神王? ってのになったんだっけ、お前名前ころころ変えんなよな」
『すいません、多分もう変えませんから。刹那さん居ますか? お二人に挨拶に来たんですけど』
黒髪に赤いメッシュを入れた少年、メイラは手招きをして家に戻った。僕は後ろ手に鍵を閉め、靴を脱いでアルの足の裏を拭いてから上がった。
「刹那ぁー、お客さん、魔神王」
「え? あぁ……! 魔神王、是非体液を提供願いたい」
白髪で眼窩に赤い石を瞳として入れている少女、セツナは僕の方へ来ようとしてメイラに止められた。
「止めないでくれないか謎羅!」
「変なもん舐めちゃダメだって!」
セツナは趣味であるホムンクルス造りのため、人間の体液を集めている。良い材料を探すためなのか人の頬を舐める癖があり、よくメイラが注意している。
『まぁ、血くらいならいくらでもあげますけど……』
「本当かい? ならこれを」
羽交い締めにされているセツナは僕に注射器を投げ渡した。
『えっと、血管……どこだっけ』
僕は肌が白く薄く脂肪も少ないので血管は見つかりやすいはずなのだが、腕を探しても太い血管が見つからない。
『……ここでいいや』
手首には血管が浮いて見えたのでそこに刺し、血を抜き取り、セツナに投げ返した。
「ありがとう! これで最高傑作が出来るだろう……」
『……ところで、セツナさん達の家だけ残ってますけど、引っ越ししないんですか?』
希少鉱石の国の一帯はハスターが管理し、作り直すと宣言したため、それに賛同出来ない者は引っ越している。ちなみに海を越える引っ越しは竜達が手伝っている。賛同出来ないが引っ越したくない者? ハスターは「居なかったよ~」と言っていた。怖い。
「するよ。君には以前聞かせたと思うけれど、僕達は方舟を作っていただろう?」
羽交い締めから解放されたセツナが懐から魔石を取り出す。立体映像を映し出す物だ、方舟の設計図が何もない空間に投影されている。
「この方舟が完成したんだ。ハスター、という神が手伝ってくれてね。メイラは彼が嫌いなようだけれど」
「だって、スメラギ……いや、なんでもない」
ハスターがスメラギに取り憑いていたとは分からなくても、黄色い衣に白い仮面という共通点だけでメイラには察せたのだろう。スメラギが精神を壊した原因がハスターであることを。
「……なんでも、これからのこの土地に石は必要ないらしい。彼は採掘済みの魔石を全て僕に渡した。土を隠していたコンクリートを剥がし、空き家を破壊し、その廃材を全て僕に渡した。おかげで完成したのさ」
「石や砂なら砕いて成型し直せばいいし、金属は溶かせば成型し直せる。大半はリサイクル出来たぜ。おかげで一番の課題だった船体があっさり出来上がった」
「船体の各所に魔石を埋め込み、浮遊や船内の温度管理、船内の様々な装置の動力として扱う……その魔石にエネルギーを供給するのに賢者の石を使おうと思っていたのだけれど、それが出来ないんだよねぇ」
賢者の石はアル達合成魔獣のコアとして扱われている物だ。魔石は力を溜め込むことと放出することしか出来ないが、賢者の石は無限に力を生成する。賢者の石から魔石に力を送り、魔石を半永久的に使うというのは良いアイディアだと僕も思う。
『賢者の石が出来ないってどういうことですか?』
「……賢者の石はね、そもそも奇跡の産物なんだよ。作り方が分かっているからと何度も作れる代物ではない。一度目の賢者の石は人生全ての運を使い果たし、二度目以降は他人の命を奪う……そう云われているのさ」
「ただの迷信だけどな。まぁつまり、制作の手間の割に成功率低いんだよ」
『…………なら、アルが生き返ったのは本当に奇跡なんですね』
首元の毛を撫でるとアルは甘えた鳴き声を上げて僕の太腿に頭を擦り寄せた。
「あぁ……確か、あの時は誰かが奇跡を分けてくれたんだよ。それも三つ分……相当、消耗しただろうね。彼女が誰かも思い出せない……きっと身を削ってくれたんだろう」
砕け散ったアル達のコアを本物の賢者の石として作り直してもらった時、僕の隣には『黒』が居た。賢者の石が完成したのは僕がセツナの家を離れていた時で、『黒』は家に残っていた。家に戻るとアルが居て『黒』が居なくて──
『…………そっ、か……君が、アルを』
薬指の二つの指輪を眺める。もうどちらが『黒』の物かは分からないけれど、二つともに唇を触れさせた。
『……ありがとう、愛してる』
彼女が融けているだろう僕の魂を意識して胸元を撫で、僕の記憶にしかない彼女の姿を瞼の裏に思い浮かべる。
『……ヘル? 今のは誰に向けた言葉だ?』
目を開ければアルが僕を睨み上げていた。
『…………自分だよ』
『そ、そうか……珍しいな。だが、良い傾向だ。貴方は自分を嫌い過ぎていたからな』
アルの前に屈むとアルは僕の頬を舐めてくれる。その優しい仕草は仔にするもので、アルの瞳は母親のような慈愛に満ちている。
『……ありがとう、アル。僕のお母さん』
『な、ぁ……もう、仕方の無い子だ』
首元の毛皮に顔を押し付けて黒翼に包まれる。その温かさは胎内よりも素晴らしい。
『ふぅ……それで、えっと、賢者の石がないならどうするんですか?』
「……賢者の石でなくてもまかないきれると思うから、定期的に魔力を補充するよ」
『そうですか、解決策があるならよかった』
セツナとメイラの表情が硬くなったように見えるのは気のせいだろうか。
「えぇと、それで……君に許可をもらいたいことがある、外に出てもらえるかい?」
先導されるままに外に出て地平線まで荒野となった景色から目を逸らす。セツナは懐から出した笛を吹くが、音は出ない。
『……っ!?』
アルが突然その場に伏せて不器用な前足で耳を触り始めた。
『アル? どうしたの? 耳痒いの?』
『それなら後ろ足を使う。煩かったんだ、急に、キィインと音が……聞こえなかったのか?』
前足を下ろさせて耳を触り、額にキスをして機嫌の回復を狙う。
「あぁ、すまない。この笛の音は周波数が高くて人間には聞こえないけれど、君には聞こえたんだね」
何故突然笛を吹いたのかと聞く寸前、僕達は影に隠された。見上げれば竜が僕達の前に着地する寸前だった。
『ぎゃるるるるっ! せつ、な……きた!』
『きた、ぞ! せつなー、ぎゃうっ!』
「ありがとう。この子達は住人の引っ越しを手伝ってくれた子なのだけれど、休憩時間に話して仲良くなってね、船に乗りたいと言い出したんだ。構わないかな? この子達が方舟に住む許可が欲しいんだ」
竜達は揃いも揃って大型種だ、竜の中でも体が大きい方なのだ。僕が引っ越しは荷物が重いからという単純な理由で大型種ばかりを任命したからだ。
『僕は別に構いませんけど……乗るんですか? 方舟ってそんなに大きいんですか?』
「科学の国にあった空母という船を参考にしているからね、広い甲板がある。航空機を乗せるつもりはないから人工芝を引いて公園にでもしようかと思っていたんだ、そこに住まわせようと思う」
『はぁ……別に、可能なら僕は構いませんよ』
「甲板にはちゃんと屋根を張れるようにしてあるから安心してくれ、科学の国にあったオープンカーのような物さ」
さてはセツナ、自分の傑作を説明したいだけだな?そう僕が察したのに気付いたのか、セツナは咳払いをして早口で捲したてるのをやめた。
「……じゃあな、魔神王。俺達は空で暮らすよ」
「時々会って話をしようね、血だけでなく君の他の体液でも人形を作ってみたいから」
再び僕達は影に隠される。見上げれば今度は巨大な鈍色の何かが空をゆっくりと移動していた。メイラが手を挙げて巨大な何かに向けて合図をするとセツナの家が光に包まれて消え、その光は巨大な何かへと吸い込まれた。
「物質転送は成功みたいだね。僕達も行こうか」
「あぁ。魔神王、またなー!」
竜達とセツナとメイラも同じように光に包まれて消えていった。巨大な何かはゆっくりとどこかへ飛んでいく……まさかアレが方舟か、下手な島より大きいぞ。
『すごいなぁ……アル、今度中見せてもらいに行こうね』
『あぁ、いつか見たいと思っていた。約束だぞ、ヘル』
アルの前足を握り、二人きりで方舟の橋に腰を下ろし、雲海を共に眺めることを誓い合った。
0
お気に入りに追加
438
あなたにおすすめの小説
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
無能と蔑まれた七男、前世は史上最強の魔法使いだった!?
青空一夏
ファンタジー
ケアニー辺境伯爵家の七男カイルは、生まれつき魔法を使えず、家族から蔑まれて育った。しかし、ある日彼の前世の記憶が蘇る――その正体は、かつて世界を支配した史上最強の大魔法使いアーサー。戸惑いながらも、カイルはアーサーの知識と力を身につけていき、次第に自らの道を切り拓く。
魔法を操れぬはずの少年が最強の魔法を駆使し、自分を信じてくれる商店街の仲間のために立ち上げる。やがてそれは貴族社会すら揺るがす存在へと成長していくのだった。こちらは無自覚モテモテの最強青年になっていく、ケアニー辺境伯爵家の七男カイルの物語。
※こちらは「異世界ファンタジー × ラブコメ」要素を兼ね備えた作品です。メインは「異世界ファンタジー」ですが、恋愛要素やコメディ要素も兼ねた「ラブコメ寄りの異世界ファンタジー」になっています。カイルは複数の女性にもてますが、主人公が最終的には選ぶのは一人の女性です。一夫多妻のようなハーレム系の結末ではありませんので、女性の方にも共感できる内容になっています。異世界ファンタジーで男性主人公なので男性向けとしましたが、男女関係なく楽しめる内容を心がけて書いていきたいです。よろしくお願いします。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
魔力無し転生者の最強異世界物語 ~なぜ、こうなる!!~
月見酒
ファンタジー
俺の名前は鬼瓦仁(おにがわらじん)。どこにでもある普通の家庭で育ち、漫画、アニメ、ゲームが大好きな会社員。今年で32歳の俺は交通事故で死んだ。
そして気がつくと白い空間に居た。そこで創造の女神と名乗る女を怒らせてしまうが、どうにか幾つかのスキルを貰う事に成功した。
しかし転生した場所は高原でも野原でも森の中でもなく、なにも無い荒野のど真ん中に異世界転生していた。
「ここはどこだよ!」
夢であった異世界転生。無双してハーレム作って大富豪になって一生遊んで暮らせる!って思っていたのに荒野にとばされる始末。
あげくにステータスを見ると魔力は皆無。
仕方なくアイテムボックスを探ると入っていたのは何故か石ころだけ。
「え、なに、俺の所持品石ころだけなの? てか、なんで石ころ?」
それどころか、創造の女神ののせいで武器すら持てない始末。もうこれ詰んでね?最初からゲームオーバーじゃね?
それから五年後。
どうにか化物たちが群雄割拠する無人島から脱出することに成功した俺だったが、空腹で倒れてしまったところを一人の少女に助けてもらう。
魔力無し、チート能力無し、武器も使えない、だけど最強!!!
見た目は青年、中身はおっさんの自由気ままな物語が今、始まる!
「いや、俺はあの最低女神に直で文句を言いたいだけなんだが……」
================================
月見酒です。
正直、タイトルがこれだ!ってのが思い付きません。なにか良いのがあれば感想に下さい。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
黒の瞳の覚醒者
一条光
ファンタジー
あらすじ
普段通りに眠りに就いたはずが朝を迎えたのは一面に広がる草原の中だった。
何も分からないまま航は彷徨い、日本ではありえない町に辿り着き情報を得る為に町に入るがそこでは異界者は蔑みと恐怖の存在だった。
恐ろしい異世界人の仕打ちに怯え放浪する中、餓死寸前で優しい女性に出会う――。
現在フィオ編の更新は現在止まっています。
小説家になろうに投稿されているものと同じものになります。
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる