858 / 909
第四十五章 消えていく少年だった証拠
まず一柱
しおりを挟む
魔界最深部、サタンの城の一階の広間に集う。テレパシーの影響を濃く受けた者達は頭痛を訴えたりしていたがそれだけだ、後遺症はない。
『──つまり、クトゥルフの人界追放は出来てないって事ですよね』
人界であったことを報告し、悪魔達に意見を求めるとベルゼブブが一番に応えた。僕が「分からない」と返すと深いため息をつき、アスタロトに視線を送った。
『顕現候補の人魚は凍結、代わりは見つけからない。テレパシーはこれまで通り海水に遮られるでしょう』
『復活の未来は視えないんだな?』
『はい、サタン様』
サタンは満足そうに口元を歪めたが、ベルゼブブは不満そうに僕を睨む。しかし彼女が文句を言う前にアスタロトが続けた。
『クトゥルフは肉体まで完全に人界に顕現しておりますし、信者を皆殺しにしたとて人界への干渉権抹消は難しいかと』
『あぁそうですか……ニャルラトホテプはどうなんです?』
『あまり見たくないのですが……アレは明確な実体、本体、肉体などが存在しません。力を使い果たさせられたなら追放は可能かと』
普段相手にする分には厄介な性質だが、完全に追い出すなら存在の不安定さは逆手に取れる。存在が不安定なのは僕も同じだ、この肉体は人界に留まる錨になってくれるだろうか。
『……その邪神に此方から仕掛けるのは困難と見た。此方は正義の国並び天界との戦争に尽力する。作戦決行はリリスからの暗殺成功の連絡があってから二百四十分以内とする』
異論はあるか、と異論を認めそうにない雰囲気を醸し出しながら聞き、静寂を数秒待つと決定を宣言した。
『魔物使いは人界に残る天使共を可能な限り吸収しておけ。悪魔は門作り。その他は適当に英気を養え。解散』
一方的に解散を告げたサタンはリリスの腰に腕を回して奥の部屋へと帰っていくが──
『待ちぃや、そんなさっさかせんでええやろ』
──酒呑が彼らの前に割り込み、朗らかな声色とは正反対の鋭い瞳を向けた。
『……何か用か』
『最近、頭領の気配がえらい変わっとる。もう別人みたいや。聞けば天使やら取り込んどるそうやなぁ、それやらせとってええんか自分』
『…………何が言いたい』
『どんどんどんどん取り込んでったら頭領は頭領やなくなるんとちゃうんか言うてんねん』
僕の心配をしているのか? それはありがたいが喧嘩を売るような態度はどうにかならないのか、相手は悪魔の王だぞ。
『支配属性は遍く属性を支配下に置く。しかし主力として使う属性が見えやすくなるのは、貴様がそれを見て別人と認識するのは、致し方ないことだ。不安になる必要はない、根幹は揺るがん、魔物使いは魔物使いだ』
『……せやったらええわ』
納得なんて一切していなさそうな目付きでそう言うと、わざと肩をぶつけてサタンの前から去った。
『酒呑! 何やってるんだよ、サタンは一番強い悪魔なんだよ? もうちょっと態度気にしてよ、サタンは温厚だから良かったけど喧嘩とか嫌だよ僕』
ライアーが描いた空間転移の魔法陣の中に入ろうとしていた酒呑を呼び止めて注意すると、彼は大きな舌打ちをした。
『……怪しいんや、あのオッサン。気付けへんのか頭領、頭領見とる時のあの気っ色悪い目ぇ』
舌打ちに面食らったが、その後続けた言葉にも驚いた。
『どこが気持ち悪いのさ、酒呑って爬虫類苦手だっけ? 苦手でもそんなこと言っちゃダメだよ』
酒呑もサタンも金色の瞳をしている。酒呑は極度に小さな瞳孔を、サタンは蛇に似た瞳孔を持っている。膨らみや萎みが分かりやすい縦長の瞳孔が苦手というのは分からなくもないが、酒呑の眼も大して変わらないだろう。
『そういうんとちゃうわ、頭領見る目がおかしい言うてんねん』
『どうおかしいの?』
『……なんて言うんやろな、まぁ蛇に似とる言うたら似とるわ。獲物ねろてる時の蛇やな、けったくそ悪い』
獲物? 僕が? サタンの?
『気のせいだよ』
『…………頭領、何かあったらあのオッサンより先に俺に言いや』
『え……? あぁ、うん……まぁ酒呑の方が付き合い長いし、信頼してるし、言われなくてもそうするよ』
不機嫌そうに細められていた金色の瞳が丸く見開かれ、への字に近くなっていた口の端が吊り上がる。
『さよか! ほんならええわ、すまんな頭領』
『え? あ、うん……別に』
どうして喜んだのか、何に対する謝罪なのかは分からないが、彼とサタンは相性が悪いということは分かった。
『……旦那様、帰ろう』
『おとーたぁ、かえりゅー?』
アルに擦り寄られ、クラールに指を甘噛みされ、考え事は全て吹っ飛んだ。
会議の翌朝、港に戻っていたシェリーに頼み、ライアーと共に竜の里に視察に行った。正義の国に囚われていた獣人達がライアーが意地で間に合わせた仮住居に住んでいるはずだ。
好奇心旺盛ながら臆病な竜達は彼らを遠巻きに眺めているらしく、また近寄られると隠れたり逃げたりしているようで、接触には至っていないようだ。両種族には互いの存在を説明しているから好きに交流してくれて構わないのだが、なかなか上手くはいかないらしい。
『じゃあ兄さんはそっち見てきてね』
『分かった。二時間くらいしたら合流しようね』
家の数は十分過ぎたが家具や服などは足りていないようで、ライアーにはその調査とその他要望の聞き取りに行ってもらった。
『魔王様、正義の国との戦いはいつですか? 我々も死力を尽くします!』
手頃な広場を探していると茶髪の青年が話しかけてきた。人間寄りの獣人のようで、何の獣が混じっているのかは分からない。
『ありがとう。でも天使との戦いになるから君達は前線には出てもらえないんだ。だから君達には後方支援をしてもらいたい。戦時中、戦後、減るだろう食料だとか、衣類だとか……そういうの』
『……我々は戦いのお役には立てないんですね』
『うん、でも、戦う人達はその他のことに不器用なことが多いから、その他のことを助けて欲しい。戦争が終わったら君達には色々なところに住んでもらいたい、竜の里に留まってもいいけどね。兄さんに場所を移してもらうから、色んな施設を作って欲しい。教育被服医療食事その他諸々……娯楽でもいいからね。戦争中も君達みたいな避難民や怪我をした僕達が来るかもしれないから、その人達の世話をしてあげて欲しい。不満……かな、こういう役割は』
『…………いえ! お任せ下さい、我々獣人は魔王様のお役に立てるのなら何でも致します!』
『ふふ……ありがとう。でも、強制はダメだよ? ぁ、ごめん、ちょっと下がってくれる? この辺りが良さそうだ』
家や川がない草原、町から少し離れた高台、僕と青年はそこで止まり、僕達に着いてきている獣人達もその場で止まった。
『何をするのですか?』
『木を生やすんだ。シンボルとして、そして、竜の里の魔力を効率的に使えるように、この土地が栄えるように……大樹を与える』
打ち紐を解いて髪を下ろし、地面に引き摺る。草や土に触れる白い長髪が一部持ち上がる。耳の上辺りから生えた篦鹿の角に絡まって持ち上がっているのだろう。
『……ま、魔王様……魔王様は、鹿の……?』
角の重みにグラグラと揺れながら地面に膝を着き、両の手のひらを地面に触れさせる。魔力を流し込むように意識すれば草原の真ん中に芽が出た。その芽はどんどんと成長して若木になり、大木になり、何十人もが手を繋がなければ太さを計れない大樹となった。
『な、な…………こ、これはっ……一体……』
角がカランと抜け落ち、髪をまとめようと手を頭の横に上げると、バランスを崩して倒れた。
『あ……魔王様! 魔王様、大丈夫ですか』
『ん……ごめ、ん……ちょっと疲れて。平気だよ』
手にも足にも力が入らない。青年に助けてもらい、大樹に背を預けた。少し休んでから周囲に集まっていた獣人達に向けて説明を始めた。
『この木は僕の力で生やしたもの。竜の里を独立した世界として保たせている魔力の循環の手助けや、飢饉や疫病が流行らないように土壌や空気中の魔力濃度の調整の役割を持つ。戦争が終わったら世界中に生やすつもりだから、この木の良いところや悪いところを沢山見つけて言ってくれると嬉しい』
試験という言葉は使わずに説明を終え、大勢からの拍手に頬が緩む。ニヤニヤと笑ってしまう顔を見られないように俯くと青年が僕を心配してか顔を覗き込んできた。
『魔王様……』
『あぁ、ごめんね、ありがとう、大丈夫だから』
『……そんな野望、叶えさせる訳には参りません』
青年の手の中に光が集まり、純白の槍が生成される。しかし疲れ切った僕は全く動けず、彼の頭上に浮かんだ光輪をただ睨んだ。
『──つまり、クトゥルフの人界追放は出来てないって事ですよね』
人界であったことを報告し、悪魔達に意見を求めるとベルゼブブが一番に応えた。僕が「分からない」と返すと深いため息をつき、アスタロトに視線を送った。
『顕現候補の人魚は凍結、代わりは見つけからない。テレパシーはこれまで通り海水に遮られるでしょう』
『復活の未来は視えないんだな?』
『はい、サタン様』
サタンは満足そうに口元を歪めたが、ベルゼブブは不満そうに僕を睨む。しかし彼女が文句を言う前にアスタロトが続けた。
『クトゥルフは肉体まで完全に人界に顕現しておりますし、信者を皆殺しにしたとて人界への干渉権抹消は難しいかと』
『あぁそうですか……ニャルラトホテプはどうなんです?』
『あまり見たくないのですが……アレは明確な実体、本体、肉体などが存在しません。力を使い果たさせられたなら追放は可能かと』
普段相手にする分には厄介な性質だが、完全に追い出すなら存在の不安定さは逆手に取れる。存在が不安定なのは僕も同じだ、この肉体は人界に留まる錨になってくれるだろうか。
『……その邪神に此方から仕掛けるのは困難と見た。此方は正義の国並び天界との戦争に尽力する。作戦決行はリリスからの暗殺成功の連絡があってから二百四十分以内とする』
異論はあるか、と異論を認めそうにない雰囲気を醸し出しながら聞き、静寂を数秒待つと決定を宣言した。
『魔物使いは人界に残る天使共を可能な限り吸収しておけ。悪魔は門作り。その他は適当に英気を養え。解散』
一方的に解散を告げたサタンはリリスの腰に腕を回して奥の部屋へと帰っていくが──
『待ちぃや、そんなさっさかせんでええやろ』
──酒呑が彼らの前に割り込み、朗らかな声色とは正反対の鋭い瞳を向けた。
『……何か用か』
『最近、頭領の気配がえらい変わっとる。もう別人みたいや。聞けば天使やら取り込んどるそうやなぁ、それやらせとってええんか自分』
『…………何が言いたい』
『どんどんどんどん取り込んでったら頭領は頭領やなくなるんとちゃうんか言うてんねん』
僕の心配をしているのか? それはありがたいが喧嘩を売るような態度はどうにかならないのか、相手は悪魔の王だぞ。
『支配属性は遍く属性を支配下に置く。しかし主力として使う属性が見えやすくなるのは、貴様がそれを見て別人と認識するのは、致し方ないことだ。不安になる必要はない、根幹は揺るがん、魔物使いは魔物使いだ』
『……せやったらええわ』
納得なんて一切していなさそうな目付きでそう言うと、わざと肩をぶつけてサタンの前から去った。
『酒呑! 何やってるんだよ、サタンは一番強い悪魔なんだよ? もうちょっと態度気にしてよ、サタンは温厚だから良かったけど喧嘩とか嫌だよ僕』
ライアーが描いた空間転移の魔法陣の中に入ろうとしていた酒呑を呼び止めて注意すると、彼は大きな舌打ちをした。
『……怪しいんや、あのオッサン。気付けへんのか頭領、頭領見とる時のあの気っ色悪い目ぇ』
舌打ちに面食らったが、その後続けた言葉にも驚いた。
『どこが気持ち悪いのさ、酒呑って爬虫類苦手だっけ? 苦手でもそんなこと言っちゃダメだよ』
酒呑もサタンも金色の瞳をしている。酒呑は極度に小さな瞳孔を、サタンは蛇に似た瞳孔を持っている。膨らみや萎みが分かりやすい縦長の瞳孔が苦手というのは分からなくもないが、酒呑の眼も大して変わらないだろう。
『そういうんとちゃうわ、頭領見る目がおかしい言うてんねん』
『どうおかしいの?』
『……なんて言うんやろな、まぁ蛇に似とる言うたら似とるわ。獲物ねろてる時の蛇やな、けったくそ悪い』
獲物? 僕が? サタンの?
『気のせいだよ』
『…………頭領、何かあったらあのオッサンより先に俺に言いや』
『え……? あぁ、うん……まぁ酒呑の方が付き合い長いし、信頼してるし、言われなくてもそうするよ』
不機嫌そうに細められていた金色の瞳が丸く見開かれ、への字に近くなっていた口の端が吊り上がる。
『さよか! ほんならええわ、すまんな頭領』
『え? あ、うん……別に』
どうして喜んだのか、何に対する謝罪なのかは分からないが、彼とサタンは相性が悪いということは分かった。
『……旦那様、帰ろう』
『おとーたぁ、かえりゅー?』
アルに擦り寄られ、クラールに指を甘噛みされ、考え事は全て吹っ飛んだ。
会議の翌朝、港に戻っていたシェリーに頼み、ライアーと共に竜の里に視察に行った。正義の国に囚われていた獣人達がライアーが意地で間に合わせた仮住居に住んでいるはずだ。
好奇心旺盛ながら臆病な竜達は彼らを遠巻きに眺めているらしく、また近寄られると隠れたり逃げたりしているようで、接触には至っていないようだ。両種族には互いの存在を説明しているから好きに交流してくれて構わないのだが、なかなか上手くはいかないらしい。
『じゃあ兄さんはそっち見てきてね』
『分かった。二時間くらいしたら合流しようね』
家の数は十分過ぎたが家具や服などは足りていないようで、ライアーにはその調査とその他要望の聞き取りに行ってもらった。
『魔王様、正義の国との戦いはいつですか? 我々も死力を尽くします!』
手頃な広場を探していると茶髪の青年が話しかけてきた。人間寄りの獣人のようで、何の獣が混じっているのかは分からない。
『ありがとう。でも天使との戦いになるから君達は前線には出てもらえないんだ。だから君達には後方支援をしてもらいたい。戦時中、戦後、減るだろう食料だとか、衣類だとか……そういうの』
『……我々は戦いのお役には立てないんですね』
『うん、でも、戦う人達はその他のことに不器用なことが多いから、その他のことを助けて欲しい。戦争が終わったら君達には色々なところに住んでもらいたい、竜の里に留まってもいいけどね。兄さんに場所を移してもらうから、色んな施設を作って欲しい。教育被服医療食事その他諸々……娯楽でもいいからね。戦争中も君達みたいな避難民や怪我をした僕達が来るかもしれないから、その人達の世話をしてあげて欲しい。不満……かな、こういう役割は』
『…………いえ! お任せ下さい、我々獣人は魔王様のお役に立てるのなら何でも致します!』
『ふふ……ありがとう。でも、強制はダメだよ? ぁ、ごめん、ちょっと下がってくれる? この辺りが良さそうだ』
家や川がない草原、町から少し離れた高台、僕と青年はそこで止まり、僕達に着いてきている獣人達もその場で止まった。
『何をするのですか?』
『木を生やすんだ。シンボルとして、そして、竜の里の魔力を効率的に使えるように、この土地が栄えるように……大樹を与える』
打ち紐を解いて髪を下ろし、地面に引き摺る。草や土に触れる白い長髪が一部持ち上がる。耳の上辺りから生えた篦鹿の角に絡まって持ち上がっているのだろう。
『……ま、魔王様……魔王様は、鹿の……?』
角の重みにグラグラと揺れながら地面に膝を着き、両の手のひらを地面に触れさせる。魔力を流し込むように意識すれば草原の真ん中に芽が出た。その芽はどんどんと成長して若木になり、大木になり、何十人もが手を繋がなければ太さを計れない大樹となった。
『な、な…………こ、これはっ……一体……』
角がカランと抜け落ち、髪をまとめようと手を頭の横に上げると、バランスを崩して倒れた。
『あ……魔王様! 魔王様、大丈夫ですか』
『ん……ごめ、ん……ちょっと疲れて。平気だよ』
手にも足にも力が入らない。青年に助けてもらい、大樹に背を預けた。少し休んでから周囲に集まっていた獣人達に向けて説明を始めた。
『この木は僕の力で生やしたもの。竜の里を独立した世界として保たせている魔力の循環の手助けや、飢饉や疫病が流行らないように土壌や空気中の魔力濃度の調整の役割を持つ。戦争が終わったら世界中に生やすつもりだから、この木の良いところや悪いところを沢山見つけて言ってくれると嬉しい』
試験という言葉は使わずに説明を終え、大勢からの拍手に頬が緩む。ニヤニヤと笑ってしまう顔を見られないように俯くと青年が僕を心配してか顔を覗き込んできた。
『魔王様……』
『あぁ、ごめんね、ありがとう、大丈夫だから』
『……そんな野望、叶えさせる訳には参りません』
青年の手の中に光が集まり、純白の槍が生成される。しかし疲れ切った僕は全く動けず、彼の頭上に浮かんだ光輪をただ睨んだ。
0
お気に入りに追加
436
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
御機嫌ようそしてさようなら ~王太子妃の選んだ最悪の結末
Hinaki
恋愛
令嬢の名はエリザベス。
生まれた瞬間より両親達が創る公爵邸と言う名の箱庭の中で生きていた。
全てがその箱庭の中でなされ、そして彼女は箱庭より外へは出される事はなかった。
ただ一つ月に一度彼女を訪ねる5歳年上の少年を除いては……。
時は流れエリザベスが15歳の乙女へと成長し未来の王太子妃として半年後の結婚を控えたある日に彼女を包み込んでいた世界は崩壊していく。
ゆるふわ設定の短編です。
完結済みなので予約投稿しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
異世界に転生した俺は農業指導員だった知識と魔法を使い弱小貴族から気が付けば大陸1の農業王国を興していた。
黒ハット
ファンタジー
前世では日本で農業指導員として暮らしていたが国際協力員として後進国で農業の指導をしている時に、反政府の武装組織に拳銃で撃たれて35歳で殺されたが、魔法のある異世界に転生し、15歳の時に記憶がよみがえり、前世の農業指導員の知識と魔法を使い弱小貴族から成りあがり、乱世の世を戦い抜き大陸1の農業王国を興す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる