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第三十六章 怠惰の悪魔と鬼喰らいの神虫
理性と本能
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ヘルがアルから少し離れて椅子に座り、仔犬を膝に乗せて食事を始めた頃。アルは机の下で小さく丸まり、翼で自分を包んでいた。しばらくするとクリューソスが隣に寄り添った。
『……おい雌犬、アレはどうだ?』
『…………見れば分かるだろう』
『……だな。だが、お前の夫がああやって尽くしていれば育つかもな』
机の上で惰眠や鹿肉を貪っている連中に聞こえないように、アルとクリューソスは額を寄せて小さな声で話した。
『………………無理だ』
『……多少の疾患なら術でなんとでもなる』
『…………かもな。だが、私はあの子を愛せない。見ていると頭の中で『殺せ』と何かが叫び続ける』
『俺もカルコスも同意見だが、そこまで強くはない。母だから、とでも言うか?』
アルは答えを返さず、縞模様の額にコツンと頭をぶつけた。
『……ヘルはあの子が立派に育つと信じている。けれど、きっと、あの子は、ヘルの腕の中で原因もなく冷たくなる』
アルが危惧しているのは我が子の死の直感よりもそうなった後のヘルだった。
『名前を付けるな、可愛がるな…………無理だ、ヘルには。溺愛するだろう……そして、あの子が死んだ時、ヘルはきっと自分を責める』
『……お前は我が子を愛しくは思わないのか?』
『思うさ! 思うとも……我が子を愛さない親など居るものか! だからどうすればいいか分からない、喰らってしまえばいいのに、もしかしたら育つかもと希望を捨てられない』
『……森で生きている訳でもない、勝手に死ぬまで放っておけ』
『………………私はどうするべきだろう』
死ぬと直感している我が子を手放しで愛することは出来ない。けれど母親の愛情を一度も知ることなく死ぬのは不憫だ。
『餞として愛するか、自分の心を守る為に愛さないか、好きに選べ』
『……既に愛している』
『…………なら傍に居てやれ』
『喰わなければと、殺せと……』
『本能程度理性で捩じ伏せろ、出来なければお前はただの獣、知性が少しでもあるなら努力するんだな』
厳しい物言いながらクリューソスはアルから離れようとはしない。天使を模した存在として忌むべき魔性を持ち、情けない男と欠陥品を作った馬鹿女、そう考えていようとも守るべき妹だった。
『それに、牙を剥けばお前の夫が止めるだろう』
『……それ以降、ヘルは私を愛さなくなる』
『子に目も向けないような態度を取っていれば同じことだ。しかし……そうか、お前、自分の子よりも男が大事か』
『………………ヘルも私の子だ。愛しい、可愛い、幼子だ』
アルはクリューソスの翼に顔を埋め、それきり黙った。
右手は鹿の干し肉を持ち、左手は仔犬の顔の前で揺らす。人差し指だけを立てて動かしたり、握って開いてを繰り返したり、そうしているうちに仔犬の不審点に気が付く。昨日薄暗い中で抱いていた時には分からなかったことだ。
『ガキ! 隣に座るぞ!』
耳の傍で大声。目付きを悪くして振り向けば赤銅色の鬣。
『……カルコス、ちょうど良かった。この子ちょっと見て欲しいんだ』
『なんだ自慢か? 可愛いことは知ってるぞ!』
僕以外の者がこの子を真っ直ぐに褒めてくれたのはこれが初めてではないだろうか。嬉しさを噛み締めつつ仔犬を机の上に乗せる。まだ震えてしまうが四本足で立つことは出来た。
『……指、揺らすでしょ』
仔犬の顔の前、握り拳三つ分離れた位置で指を揺らす。仔犬は鼻をひくひくと動かし、震える足で僕の指の元に来て、噛み付いた。
『はぁっ、可愛い……じゃなくて、分かった? 今ちょっと変だっただろ?』
『……む?』
『いい、この子の目見て。目の前で指を揺らしても、匂い嗅ぐだけで目で追っかけないんだよ』
『ふむ……そこまで不自然でもないように思えるが』
僕の考え過ぎだろうか。仔犬を抱き上げてその真っ白な瞳を観察する。
『…………見えてないのかな』
虹彩と瞳孔の境目が薄らとしか分からない、穢れのない純白の瞳……それを見て篦鹿の女神を思い出しつつ鹿の干し肉を食いちぎり、噛みながら思考する。
『試してみるか。少し……そうだな、貸せ』
『え……? て、丁寧に扱ってよ?』
カルコスの顔の前に仔犬を持っていくと、カルコスは仔犬の首根っこを咥えて長机の端まで走った。
『……っ!? カルコスっ!』
椅子を蹴り倒して立ち上がる。カルコスは床に仔犬を下ろし、少し離れた。
『呼んでみろー! そっちにまっすぐ言ったら見えているということになるー!』
『え? えっと……』
呼ぶ……名前はまだ付けていない。今付けても自分のことだとは思わないだろうし、何より僕が思い付かない。
『お、おいでー……おとーさんここだよー!』
座り込んでいた仔犬は耳を動かし、前に向け、震える足で立ち上がる。数歩動いて立ち止まった。
『ここだよー! おとーさん、こっち!』
今度は身体を跳ねさせて走る。途中バランスを崩したのか顔から床に突っ込んでいたが、それでも僕の方へ走ってきた。
『……おかえり、ごめんね……わっ!? カ、カルコス?』
屈んで手を伸ばしているとカルコスにベルトを咥えられ、引っ張られる。
『何も言わず円を描くように歩いてみろ、普通なら追いかける』
ベルトを離され、言われた通り仔犬の進行方向から逸れて、回り込むように動いてみる。仔犬は僕が居た場所の近くで座り込み、耳を動かし鼻を鳴らしている。だが、首を回して目で探すということはしていない。
『…………やっぱり、見えてない』
『犬は生後二週間もすれば目が開くはずだ。アレは……一ヶ月程度か?』
『……魔法で促進させたから正確には分かんないよ。見た目には目は開いてるけど……』
体毛も白いし、魔力属性の関係で虹彩に白色が出ているだけかと思ったが、瞳孔まで色が変わることはほとんどない。僕がその例外だし、その僕の子供だからなんとも言えないけれど。
『…………わぅ、あぅ、ぅー……ぁうーんっ!』
『……遠吠えし始めた?』
『呼んでいるな、行ってやれ』
すぐに仔犬の元に行って屈み、手を伸ばす。仔犬は僕の手の匂いを嗅いだ後、安心したように手のひらに乗ろうとした。
『……ごめんね、おとーさんちょっと意地悪だったね。ごめんごめん……もうどこにも行かないからね』
抱き上げて、撫でて、その瞳を見つめる。焦点は合っていない。
『…………全く見えないの? ぁ、そうだ……あんな実験しなくても、視覚借りればいいんだ』
目の前の仔犬に意識を集中させ、視界を借りる。暗い──いや、黒い。闇だ。いつか目を潰した時と同じ景色だ。どこまで行っても何もない、恐れるべき暗闇。誰かの体温を求めて手探りで進んだ、懐かしい暗闇。誰かに包まれた時にだけ訪れる、優しい暗闇。
『……ふぅ』
『む……我のアイデアは無駄だったか。で、どうだった』
『何も見えなかった。真っ暗、真っ黒、光も分からない。目を潰された時と同じだったよ』
『そうか……光すらも』
『カルコス、治せない?』
『外傷や病気というなら治せるが……』
治癒魔法は時間を遡り正常だった時期に戻すもの。見えていた時期がなければ無意味だし、病気なら原因を取り除かなければやがて同じことになってしまう。
『生まれつきなのかな』
『先天性でも遺伝子に正常な設計があるなら治せると思う、試したことはないがな。だが、これはそうではない。我が癒すべき不調ではないのだ。この状態がこの子にとっての正常なのだ』
『そっか、分かった』
見えたことがないのなら分からないかもしれないが、真っ暗闇は心細いだろう。何処に誰が居るのか分からない、傍に居ても気付けない。常に触れていなければ。
『もう少しこの世界に慣れたら、おとーさんの目を一緒に使おうね』
視界は僕が一方的に借りるだけでなく、僕が見たものを相手に見せることも出来る。耳も鼻も、五感全て共有出来る。仔犬が自分の目が見えるようになったのではなく僕と共有しているのだと理解出来るまで成長するのを待とう、他人の視界で自分の身体を動かすのは事故の元だ。
『……その純白の目が濁らないように綺麗なものだけ見せてあげる、おとーさんの顔なんか見えなくていいよね。そうだ、一番はおかーさんにしよっか、君のおかーさんより綺麗なものはこの世にないんだよ』
僕の視界を使うなら僕が鏡を見ない限りは仔犬が僕の顔を知ることはない。見た目には天使が混じって美しくとも、それ以外は醜さしかない僕なんて見なくていい。
『……おい雌犬、アレはどうだ?』
『…………見れば分かるだろう』
『……だな。だが、お前の夫がああやって尽くしていれば育つかもな』
机の上で惰眠や鹿肉を貪っている連中に聞こえないように、アルとクリューソスは額を寄せて小さな声で話した。
『………………無理だ』
『……多少の疾患なら術でなんとでもなる』
『…………かもな。だが、私はあの子を愛せない。見ていると頭の中で『殺せ』と何かが叫び続ける』
『俺もカルコスも同意見だが、そこまで強くはない。母だから、とでも言うか?』
アルは答えを返さず、縞模様の額にコツンと頭をぶつけた。
『……ヘルはあの子が立派に育つと信じている。けれど、きっと、あの子は、ヘルの腕の中で原因もなく冷たくなる』
アルが危惧しているのは我が子の死の直感よりもそうなった後のヘルだった。
『名前を付けるな、可愛がるな…………無理だ、ヘルには。溺愛するだろう……そして、あの子が死んだ時、ヘルはきっと自分を責める』
『……お前は我が子を愛しくは思わないのか?』
『思うさ! 思うとも……我が子を愛さない親など居るものか! だからどうすればいいか分からない、喰らってしまえばいいのに、もしかしたら育つかもと希望を捨てられない』
『……森で生きている訳でもない、勝手に死ぬまで放っておけ』
『………………私はどうするべきだろう』
死ぬと直感している我が子を手放しで愛することは出来ない。けれど母親の愛情を一度も知ることなく死ぬのは不憫だ。
『餞として愛するか、自分の心を守る為に愛さないか、好きに選べ』
『……既に愛している』
『…………なら傍に居てやれ』
『喰わなければと、殺せと……』
『本能程度理性で捩じ伏せろ、出来なければお前はただの獣、知性が少しでもあるなら努力するんだな』
厳しい物言いながらクリューソスはアルから離れようとはしない。天使を模した存在として忌むべき魔性を持ち、情けない男と欠陥品を作った馬鹿女、そう考えていようとも守るべき妹だった。
『それに、牙を剥けばお前の夫が止めるだろう』
『……それ以降、ヘルは私を愛さなくなる』
『子に目も向けないような態度を取っていれば同じことだ。しかし……そうか、お前、自分の子よりも男が大事か』
『………………ヘルも私の子だ。愛しい、可愛い、幼子だ』
アルはクリューソスの翼に顔を埋め、それきり黙った。
右手は鹿の干し肉を持ち、左手は仔犬の顔の前で揺らす。人差し指だけを立てて動かしたり、握って開いてを繰り返したり、そうしているうちに仔犬の不審点に気が付く。昨日薄暗い中で抱いていた時には分からなかったことだ。
『ガキ! 隣に座るぞ!』
耳の傍で大声。目付きを悪くして振り向けば赤銅色の鬣。
『……カルコス、ちょうど良かった。この子ちょっと見て欲しいんだ』
『なんだ自慢か? 可愛いことは知ってるぞ!』
僕以外の者がこの子を真っ直ぐに褒めてくれたのはこれが初めてではないだろうか。嬉しさを噛み締めつつ仔犬を机の上に乗せる。まだ震えてしまうが四本足で立つことは出来た。
『……指、揺らすでしょ』
仔犬の顔の前、握り拳三つ分離れた位置で指を揺らす。仔犬は鼻をひくひくと動かし、震える足で僕の指の元に来て、噛み付いた。
『はぁっ、可愛い……じゃなくて、分かった? 今ちょっと変だっただろ?』
『……む?』
『いい、この子の目見て。目の前で指を揺らしても、匂い嗅ぐだけで目で追っかけないんだよ』
『ふむ……そこまで不自然でもないように思えるが』
僕の考え過ぎだろうか。仔犬を抱き上げてその真っ白な瞳を観察する。
『…………見えてないのかな』
虹彩と瞳孔の境目が薄らとしか分からない、穢れのない純白の瞳……それを見て篦鹿の女神を思い出しつつ鹿の干し肉を食いちぎり、噛みながら思考する。
『試してみるか。少し……そうだな、貸せ』
『え……? て、丁寧に扱ってよ?』
カルコスの顔の前に仔犬を持っていくと、カルコスは仔犬の首根っこを咥えて長机の端まで走った。
『……っ!? カルコスっ!』
椅子を蹴り倒して立ち上がる。カルコスは床に仔犬を下ろし、少し離れた。
『呼んでみろー! そっちにまっすぐ言ったら見えているということになるー!』
『え? えっと……』
呼ぶ……名前はまだ付けていない。今付けても自分のことだとは思わないだろうし、何より僕が思い付かない。
『お、おいでー……おとーさんここだよー!』
座り込んでいた仔犬は耳を動かし、前に向け、震える足で立ち上がる。数歩動いて立ち止まった。
『ここだよー! おとーさん、こっち!』
今度は身体を跳ねさせて走る。途中バランスを崩したのか顔から床に突っ込んでいたが、それでも僕の方へ走ってきた。
『……おかえり、ごめんね……わっ!? カ、カルコス?』
屈んで手を伸ばしているとカルコスにベルトを咥えられ、引っ張られる。
『何も言わず円を描くように歩いてみろ、普通なら追いかける』
ベルトを離され、言われた通り仔犬の進行方向から逸れて、回り込むように動いてみる。仔犬は僕が居た場所の近くで座り込み、耳を動かし鼻を鳴らしている。だが、首を回して目で探すということはしていない。
『…………やっぱり、見えてない』
『犬は生後二週間もすれば目が開くはずだ。アレは……一ヶ月程度か?』
『……魔法で促進させたから正確には分かんないよ。見た目には目は開いてるけど……』
体毛も白いし、魔力属性の関係で虹彩に白色が出ているだけかと思ったが、瞳孔まで色が変わることはほとんどない。僕がその例外だし、その僕の子供だからなんとも言えないけれど。
『…………わぅ、あぅ、ぅー……ぁうーんっ!』
『……遠吠えし始めた?』
『呼んでいるな、行ってやれ』
すぐに仔犬の元に行って屈み、手を伸ばす。仔犬は僕の手の匂いを嗅いだ後、安心したように手のひらに乗ろうとした。
『……ごめんね、おとーさんちょっと意地悪だったね。ごめんごめん……もうどこにも行かないからね』
抱き上げて、撫でて、その瞳を見つめる。焦点は合っていない。
『…………全く見えないの? ぁ、そうだ……あんな実験しなくても、視覚借りればいいんだ』
目の前の仔犬に意識を集中させ、視界を借りる。暗い──いや、黒い。闇だ。いつか目を潰した時と同じ景色だ。どこまで行っても何もない、恐れるべき暗闇。誰かの体温を求めて手探りで進んだ、懐かしい暗闇。誰かに包まれた時にだけ訪れる、優しい暗闇。
『……ふぅ』
『む……我のアイデアは無駄だったか。で、どうだった』
『何も見えなかった。真っ暗、真っ黒、光も分からない。目を潰された時と同じだったよ』
『そうか……光すらも』
『カルコス、治せない?』
『外傷や病気というなら治せるが……』
治癒魔法は時間を遡り正常だった時期に戻すもの。見えていた時期がなければ無意味だし、病気なら原因を取り除かなければやがて同じことになってしまう。
『生まれつきなのかな』
『先天性でも遺伝子に正常な設計があるなら治せると思う、試したことはないがな。だが、これはそうではない。我が癒すべき不調ではないのだ。この状態がこの子にとっての正常なのだ』
『そっか、分かった』
見えたことがないのなら分からないかもしれないが、真っ暗闇は心細いだろう。何処に誰が居るのか分からない、傍に居ても気付けない。常に触れていなければ。
『もう少しこの世界に慣れたら、おとーさんの目を一緒に使おうね』
視界は僕が一方的に借りるだけでなく、僕が見たものを相手に見せることも出来る。耳も鼻も、五感全て共有出来る。仔犬が自分の目が見えるようになったのではなく僕と共有しているのだと理解出来るまで成長するのを待とう、他人の視界で自分の身体を動かすのは事故の元だ。
『……その純白の目が濁らないように綺麗なものだけ見せてあげる、おとーさんの顔なんか見えなくていいよね。そうだ、一番はおかーさんにしよっか、君のおかーさんより綺麗なものはこの世にないんだよ』
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