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第三十六章 怠惰の悪魔と鬼喰らいの神虫
原因不明
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ウェナトリア達は食堂に戻り、それを見送った僕はアルが待つ部屋に入った。アルは薄いシーツの上で静かに眠っており、気分が悪そうな様子はない。
『……ただいま、アル』
家ではないけれど──なんて。
銀色の毛皮が呼吸によって上下し、黒翼も微かに揺れ、前足を揃えた上に黒蛇を乗せてその上に頭を乗せて……伏せの体勢で眠るアルは可愛らしい。
『…………ア、ル……?』
眠っているだけ。
『………………ぁ』
アルは無傷。
『……ゃ』
寝息も聞こえる。それなのに、どうして。
『……い、ゃ…………ぁああぁぁあっ!?』
どうして僕の目にはバラバラにされたアルに映るの。
『……ぅ、ん……何だ、騒がしい。あぁ、ヘル、戻ったか』
『ぁ、あっ、あぁ……アルっ、アル……アルぅっ!』
アルは下半身を横にしたまま前足を伸ばし、身体をひねって頭を持ち上げる。牙を見せびらかすように大きく口を開けて欠伸をして、顔を振った。
『アル……? アル、大丈夫……なの?』
『どうしたんだ、ヘル。何かあったのか?』
『………………ぁ、そっ……か、そう……アルは、なんとも……ないよ、ね』
恐る恐る手を伸ばせば頬が寄る。もふ、と指が毛の中に沈んでいく。銀毛をかき分けて触れた皮には確かな体温があった。
『…………ごめん、ねぼけた』
『寝惚けた? 貴方も眠っていたのか?』
『……うぅん、アルが……眠ってるところ見ると、たまに、ぼけるんだよ……僕』
『……よく分からんが、何も無かったんだな?』
『………………うん』
ウェナトリアとモナルヒの話は今はいいだろう。また明日にでもしよう。
『アル、体調悪いとか言ってたの大丈夫?』
『ん? あぁ、そういえばそうだったな。寝たら治ったようだ』
やはり急な運動で体内時計だとかが狂っただけだったのだろうか。心配はやはり無用だった、アルは元気そうだ。
『……元気なら、いいよね、アル』
アルの背に跨って膝を床につき、不思議そうに僕を見上げるアルの首に腕を回す。
『…………愛してる』
自重しろなんて言われたけど、彼が言った心配事は僕達にはない、生物として離れ過ぎている。左腕を首に残し、右手でアルの太腿を撫でる──と、尾で手を払われた。
『気分じゃない』
『え……』
『それより喉が乾いた。水か何か貰って来てくれないか』
『あ、あの、アル……』
『吐き気だとかは治まったがまだ身体が怠くてな、動きたくない。頼んだよ、旦那様』
そう言うとアルは尾を揃えた前足の上に乗せ、顎を置き、目を閉じた。僕は渋々部屋を出て食堂に向かった。
そして迷った。
『…………誰か』
啜り泣きながら迷路のような廊下を歩き回り、門番の交代に行く途中のアルメーの少女達に拾われ、数十分かかって食堂に辿り着いた。
『アルが喉乾いたって言ってるんだけど、水とかある?』
『喉乾いたぁ? せやったらこれ一択や頭領』
水はないかと尋ねればスキットルを投げ渡してくる、それが酔っ払いという生き物。
『嫌やわぁ酒呑様、それアルコール九割超え』
『火ぃ付けたら燃えるわ! っはははは!』
『それ飲んどったら死んでも腐りまへんわ! あはははっ!』
『…………なんにも面白くない』
酔っ払いって怖い。凪模様の心に浮かんだのはそんな言葉だった。
『セネカさん……潰れてる、ベルフェゴールも寝てる。兄さん……兄さん?』
ベルフェゴールと同じ姿勢ながら目を開けているライアーを発見、少し怖い。
『……起きてるってバレたら鬼に絡まれる』
その判断は正しい。ウェナトリアが絡まれている真っ最中だ。
『ぁ、うん……水は』
「水欲しいのか?」
『ぁ、ツァールロスさん』
鬼達から離れた席で遅い夕食をとっていたツァールロスが一定の距離を保ったまま僕の顔を覗き込む。
「砂糖水か果汁か花の蜜しかないぞ」
甘いラインナップだな。
『んー、じゃあ果汁』
「リンゴ、梨、柿、どれがいい?」
『リンゴかなぁ。あ、実もあったらちょうだい』
ツァールロスは空の酒瓶を持って食堂を出て行き、数分後に酒瓶に半分ほど黄色く濁った液体を入れて持ってきた。
「実はこれだけだ」
先を尖らせた短く細い木の棒に刺さった八分の一のリンゴ。
『ありがと』
「狼体調悪いんだってな。明日牧場やってる種族のとこ連れてってやるよ、弱ってるなら卵とか牛乳とか欲しいよな」
『ぁ、うん、だいぶ良くなったけどまだ怠さがあるみたいでさ』
「ちゃんとバランス良いもん食わせてんのか? しっかり面倒見てやれよ、飼い主の役目だぞ」
ツァールロスも随分と明るくなったな。前髪は相変わらずの長さで目は見えないが、口元の表情はよく変わる。この変化が人質として使うために関わっていた者達のおかげだと思うと何だか切なくなる。
『……飼い主。あ、あのさ、実は……』
ウェナトリアは何の忌避感も示さず祝福してくれた。それならツァールロスも……と期待を胸に、僕はアルとの関係を素直に話した。
「……そ、そうだったのか……ぁ、じゃあっ、明日絶対牧場行こうな、私は牧場閉め出されるかもしれないけど、ケーキには牛乳とか卵とか絶対要るし」
『…………ケーキ?』
「お祝いならケーキってモナルヒが言ってたぞ。大丈夫、しっかり手を洗うから食中毒になんてさせない。美味いもん作ってやるからな」
『……ありがとう。ツァールロスさん……なんか、明るくなったっていうか優しくなったっていうか、なんか余裕出たみたいだね』
少しズレた反応だったが祝福の気持ちはたっぷりと伝わってくる。
「…………だるいならケーキとかダメか? ぁ、そっ、そもそも狼って卵とか牛乳大丈夫なのか?」
『アルは魔獣だからチョコでもネギでも大丈夫。甘いのはそんなに好きじゃないみたいだけど、お祝いならきっと喜ぶよ』
「ん……じゃあ甘さ控えめで…………んー、考えとく。明日寝坊するなよ!」
『……うん、ありがとう』
牧場、か。神虫だとか結界だとか、やるべき事はまだあるけれど、どちらも神虫の出方次第でそう急ぐことではない。アルも怠さが残っているようだし、明日半分くらいなら自由時間はあるだろう。
僕はリンゴ果汁とリンゴ八分の一を持って温かい気分でアルが待つ部屋に向かった。そして──
『…………ここどこぉ……』
──迷った。
啜り泣いて歩き回り十数分、見回り中のアルメーの少女達に拾われ、ようやくアルの元に辿り着いた。
『遅かったな』
扉の開閉音にアルは片目を開け、ぶっきらぼうに言った。
『ごめんね、道に迷ってた。水はなくて……リンゴ果汁なんだけど』
『喉が潤うならなんでもいい』
酒瓶を水平に持ち、蓋を開け、アルに咥えさせる。口の先端ではなく端から瓶の口を差し込むのがコツだ。ゆっくりと傾けて零れないように、アルが飲み込むタイミングを見つつ、飲ませていく。
『……はぁっ、美味かった。ありがとう、ヘル』
『ちょっとだけだけど実もあるんだ、食べる?』
『あ』
一音だけで口を開ける。そっと舌の上に一切れのりんごを置いた。
『む……酸っぱいな』
『うろうろしたからかな……ごめんね』
『いや、いいよ、目が覚めた』
真夜中なのに目が覚めてはいけないだろう。いや、これは──
『……じゃ、じゃあ、アル…………今から、いい?』
『嫌だ。気分じゃない』
『ぅ……ご、ごめんね?』
──そういう訳ではなかったか。がっついているとは思われたくないし、もう言わない方がいいのかもしれない。
『…………そうだ、明日牧場行くんだよ。朝早くだし、だるいなら待っててもいいけど、どうする?』
気まずさを解消しようと話題を無理矢理変える。
『待ってる』
『そっ……か』
行く、と言うと思っていた。僕に水を持ってこさせたり、何かと誘いを断ったり、いつもと様子が違うのは倦怠感のせいなのだろうか。
『……背中撫でるよ、ゆっくり休んで』
『ん……』
僕の伸ばした足の上に頭を乗せて、アルは再び寝息を立て始めた。僕に身体を預けて撫でさせてもくれるから、嫌われてはいないと分かって一安心だ。
柔らかく細やかな銀毛、その下の温かな身体、凸凹が伝わる背骨──何もかもが愛おしい。
『……ただいま、アル』
家ではないけれど──なんて。
銀色の毛皮が呼吸によって上下し、黒翼も微かに揺れ、前足を揃えた上に黒蛇を乗せてその上に頭を乗せて……伏せの体勢で眠るアルは可愛らしい。
『…………ア、ル……?』
眠っているだけ。
『………………ぁ』
アルは無傷。
『……ゃ』
寝息も聞こえる。それなのに、どうして。
『……い、ゃ…………ぁああぁぁあっ!?』
どうして僕の目にはバラバラにされたアルに映るの。
『……ぅ、ん……何だ、騒がしい。あぁ、ヘル、戻ったか』
『ぁ、あっ、あぁ……アルっ、アル……アルぅっ!』
アルは下半身を横にしたまま前足を伸ばし、身体をひねって頭を持ち上げる。牙を見せびらかすように大きく口を開けて欠伸をして、顔を振った。
『アル……? アル、大丈夫……なの?』
『どうしたんだ、ヘル。何かあったのか?』
『………………ぁ、そっ……か、そう……アルは、なんとも……ないよ、ね』
恐る恐る手を伸ばせば頬が寄る。もふ、と指が毛の中に沈んでいく。銀毛をかき分けて触れた皮には確かな体温があった。
『…………ごめん、ねぼけた』
『寝惚けた? 貴方も眠っていたのか?』
『……うぅん、アルが……眠ってるところ見ると、たまに、ぼけるんだよ……僕』
『……よく分からんが、何も無かったんだな?』
『………………うん』
ウェナトリアとモナルヒの話は今はいいだろう。また明日にでもしよう。
『アル、体調悪いとか言ってたの大丈夫?』
『ん? あぁ、そういえばそうだったな。寝たら治ったようだ』
やはり急な運動で体内時計だとかが狂っただけだったのだろうか。心配はやはり無用だった、アルは元気そうだ。
『……元気なら、いいよね、アル』
アルの背に跨って膝を床につき、不思議そうに僕を見上げるアルの首に腕を回す。
『…………愛してる』
自重しろなんて言われたけど、彼が言った心配事は僕達にはない、生物として離れ過ぎている。左腕を首に残し、右手でアルの太腿を撫でる──と、尾で手を払われた。
『気分じゃない』
『え……』
『それより喉が乾いた。水か何か貰って来てくれないか』
『あ、あの、アル……』
『吐き気だとかは治まったがまだ身体が怠くてな、動きたくない。頼んだよ、旦那様』
そう言うとアルは尾を揃えた前足の上に乗せ、顎を置き、目を閉じた。僕は渋々部屋を出て食堂に向かった。
そして迷った。
『…………誰か』
啜り泣きながら迷路のような廊下を歩き回り、門番の交代に行く途中のアルメーの少女達に拾われ、数十分かかって食堂に辿り着いた。
『アルが喉乾いたって言ってるんだけど、水とかある?』
『喉乾いたぁ? せやったらこれ一択や頭領』
水はないかと尋ねればスキットルを投げ渡してくる、それが酔っ払いという生き物。
『嫌やわぁ酒呑様、それアルコール九割超え』
『火ぃ付けたら燃えるわ! っはははは!』
『それ飲んどったら死んでも腐りまへんわ! あはははっ!』
『…………なんにも面白くない』
酔っ払いって怖い。凪模様の心に浮かんだのはそんな言葉だった。
『セネカさん……潰れてる、ベルフェゴールも寝てる。兄さん……兄さん?』
ベルフェゴールと同じ姿勢ながら目を開けているライアーを発見、少し怖い。
『……起きてるってバレたら鬼に絡まれる』
その判断は正しい。ウェナトリアが絡まれている真っ最中だ。
『ぁ、うん……水は』
「水欲しいのか?」
『ぁ、ツァールロスさん』
鬼達から離れた席で遅い夕食をとっていたツァールロスが一定の距離を保ったまま僕の顔を覗き込む。
「砂糖水か果汁か花の蜜しかないぞ」
甘いラインナップだな。
『んー、じゃあ果汁』
「リンゴ、梨、柿、どれがいい?」
『リンゴかなぁ。あ、実もあったらちょうだい』
ツァールロスは空の酒瓶を持って食堂を出て行き、数分後に酒瓶に半分ほど黄色く濁った液体を入れて持ってきた。
「実はこれだけだ」
先を尖らせた短く細い木の棒に刺さった八分の一のリンゴ。
『ありがと』
「狼体調悪いんだってな。明日牧場やってる種族のとこ連れてってやるよ、弱ってるなら卵とか牛乳とか欲しいよな」
『ぁ、うん、だいぶ良くなったけどまだ怠さがあるみたいでさ』
「ちゃんとバランス良いもん食わせてんのか? しっかり面倒見てやれよ、飼い主の役目だぞ」
ツァールロスも随分と明るくなったな。前髪は相変わらずの長さで目は見えないが、口元の表情はよく変わる。この変化が人質として使うために関わっていた者達のおかげだと思うと何だか切なくなる。
『……飼い主。あ、あのさ、実は……』
ウェナトリアは何の忌避感も示さず祝福してくれた。それならツァールロスも……と期待を胸に、僕はアルとの関係を素直に話した。
「……そ、そうだったのか……ぁ、じゃあっ、明日絶対牧場行こうな、私は牧場閉め出されるかもしれないけど、ケーキには牛乳とか卵とか絶対要るし」
『…………ケーキ?』
「お祝いならケーキってモナルヒが言ってたぞ。大丈夫、しっかり手を洗うから食中毒になんてさせない。美味いもん作ってやるからな」
『……ありがとう。ツァールロスさん……なんか、明るくなったっていうか優しくなったっていうか、なんか余裕出たみたいだね』
少しズレた反応だったが祝福の気持ちはたっぷりと伝わってくる。
「…………だるいならケーキとかダメか? ぁ、そっ、そもそも狼って卵とか牛乳大丈夫なのか?」
『アルは魔獣だからチョコでもネギでも大丈夫。甘いのはそんなに好きじゃないみたいだけど、お祝いならきっと喜ぶよ』
「ん……じゃあ甘さ控えめで…………んー、考えとく。明日寝坊するなよ!」
『……うん、ありがとう』
牧場、か。神虫だとか結界だとか、やるべき事はまだあるけれど、どちらも神虫の出方次第でそう急ぐことではない。アルも怠さが残っているようだし、明日半分くらいなら自由時間はあるだろう。
僕はリンゴ果汁とリンゴ八分の一を持って温かい気分でアルが待つ部屋に向かった。そして──
『…………ここどこぉ……』
──迷った。
啜り泣いて歩き回り十数分、見回り中のアルメーの少女達に拾われ、ようやくアルの元に辿り着いた。
『遅かったな』
扉の開閉音にアルは片目を開け、ぶっきらぼうに言った。
『ごめんね、道に迷ってた。水はなくて……リンゴ果汁なんだけど』
『喉が潤うならなんでもいい』
酒瓶を水平に持ち、蓋を開け、アルに咥えさせる。口の先端ではなく端から瓶の口を差し込むのがコツだ。ゆっくりと傾けて零れないように、アルが飲み込むタイミングを見つつ、飲ませていく。
『……はぁっ、美味かった。ありがとう、ヘル』
『ちょっとだけだけど実もあるんだ、食べる?』
『あ』
一音だけで口を開ける。そっと舌の上に一切れのりんごを置いた。
『む……酸っぱいな』
『うろうろしたからかな……ごめんね』
『いや、いいよ、目が覚めた』
真夜中なのに目が覚めてはいけないだろう。いや、これは──
『……じゃ、じゃあ、アル…………今から、いい?』
『嫌だ。気分じゃない』
『ぅ……ご、ごめんね?』
──そういう訳ではなかったか。がっついているとは思われたくないし、もう言わない方がいいのかもしれない。
『…………そうだ、明日牧場行くんだよ。朝早くだし、だるいなら待っててもいいけど、どうする?』
気まずさを解消しようと話題を無理矢理変える。
『待ってる』
『そっ……か』
行く、と言うと思っていた。僕に水を持ってこさせたり、何かと誘いを断ったり、いつもと様子が違うのは倦怠感のせいなのだろうか。
『……背中撫でるよ、ゆっくり休んで』
『ん……』
僕の伸ばした足の上に頭を乗せて、アルは再び寝息を立て始めた。僕に身体を預けて撫でさせてもくれるから、嫌われてはいないと分かって一安心だ。
柔らかく細やかな銀毛、その下の温かな身体、凸凹が伝わる背骨──何もかもが愛おしい。
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