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第三十六章 怠惰の悪魔と鬼喰らいの神虫
揚羽の審美
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石を投げたのは少女と同じ種族の者達だった、いつの間にか集まっていたのだ。翅の模様や色は違うが仲間意識はあるのだろう。
『やめろ!』
アルの一喝に集まった者は皆木の影に隠れた。
『おい、貴様……海賊に囚われていた娘だな?』
「……ぁ、はっ、はい……狼さんが人間達倒して、私の手首の縄噛み切ってくれて……」
『貴様が今怯え、貴様の仲間が石を投げつけたのは私の主人だ』
「え……えっ? でっ、でも、あの人はもっと髪短くて、生え際の方黒くて……」
海賊に捕まって……そうか、少女はシュメッターリング族か。ナハトファルター族は科学の国まで運ばれてしまったが、彼女達はここで助けていた。あの時に居たのは僕とアルとベルゼブブ、それ以外はこの島の者だ。最も覚えやすく格好良かったのはアルだろう。
『顔は覚えていないか? いや……近頃ヘルは隈が薄くなったし頬も膨らんだ、かなり健康的になったからな……だが、私の主人だとは私が証明する。他の者も私の仲間だ。この島に居る者の助けを聞いて来たのだが……』
「……ご、ごめんなさいぃっ!」
『あぁ、気にするな。いや……ヘルに石をぶつけた者には謝ってもらおうか?』
他のシュメッターリング族の者達にもアルに見覚えがあった者は多いようで、僕達があの時の「救世主」の一団だと知ると態度は一変した。
「ごめんなさいっ、本当に……」
『いえ、それより翅は?』
「ぁ、大丈夫……です、飛べそう……元通りです。綺麗に治してもらって、本当に……」
透明の翅の少女は何度も僕に謝っていた。そして僕達がシュメッターリング族にとって安全だと分かると、どこかに隠れていたらしい族長が現れた。
「……あぁ、見覚えがあるわね。その獣。あなたがあの薄汚かった人間かしら? 人間にしては美しくなったわね、でも所詮は人間よ」
相変わらず嫌な感じの人だ。何にかは知らないが自信満々といった雰囲気がある、苦手だ。名は瑠璃と言ったか。黒を基調とした翅を持つ彼女は順々に僕達を品定めするような目で見て、ライアーを捉えて目を見開いた。
「……っ!? ま、まぁ……理由によっては協力も考えてあげるわ。恩もあるし……」
怯えているような、見惚れているような、どちらとも判別し難い目をして触角を揺らし、ライアーに歩み寄る。
「…………こんな美しい人間が居るなんてね」
浅黒い肌を触角で撫で回し、ぼそっと呟く。
「……あなたが話すなら聞いてあげる。何?」
安易に「惚れた」と言うのは正しくない。せいぜい「認めた」程度だろう。僕は彼女がライアーの話以外は聞く気がないことを察し、ライアーに話して欲しいことをこっそりと伝えた。
『えっと……まず国王の居場所。それにベルフェゴールの居場所も分かれば教えて欲しい』
「国王なら今は大穴近くに巣を作ってたはずよ。ベルフェゴール? とかいうのは知らないわ。何族?」
『知らないならいいよ。でも、大穴近くか……居なかったよね?』
「何よ、私が嘘ついてるって言いたいの?」
『いや、情報古いんじゃないかなって』
その可能性はある。神虫とかいう巨大な化け物の出現や、アーマイゼがウェナトリアは急務だと言っていたことから、彼の急務が神虫に関するものだということは明白だし、彼はベルフェゴールの契約者だ、一緒に居るのかもしれない。
あの二つの兵隊と争うのは避けたいが、やはり大穴付近に向かうべきだろうか。
「……あの、瑠璃様……恐れながら」
「何よ、グラス。自分から翅を破るような子、シュメッターリング族じゃないわ。ナイフを使うなら翅ではなくて胸を刺しなさい。奴隷として弄ばれることはないわ、標本になって飾られるならそれは美しいということよ?」
厳しい決まりのようなものがあるようだ。僕は彼女達の歴史も何も知らないから何も言えないけれど、この先外敵がいなければきっとこんな因習も廃れるだろう。僕が口や手を出していいのは彼女達を取り巻く環境に対してだけだ。
「ウェナトリア国王様は……急務でファングホイシュレッケ族の方へ行っていたかと。し、失礼しました、瑠璃様……」
ファン……何て? 聞き取れなかったが、ウェナトリアの急務は神虫関連ではなかったらしい。自信満々だった予想が外れて少し恥ずかしい、口に出していなくてよかった。
「え……? あ、あら……そうだったかしら。そうね、そう言っていたわ。あんな醜い男のことなんて考えたくもないから失念していたわ。聞いたわねあなた達、集落の場所は教えるからもう行ってちょうだい」
非を恥じてか瑠璃はだんだんと早口に、小声になっていく。簡略地図をもらい、僕達はファン何とか族の集落へ向かった。空間転移なので移動は一瞬だ。
『ここがなんちゃら族が居るとこで、頭領の知り合いやっちゅう王さんはここ来てんねんな?』
『……そのはずだけど、何か……静かだね』
『頭領はん、この辺生体反応二つしかあれへんわ』
『え……? わ、分かった。とりあえずそこに行ってみよう』
片方はウェナトリアでもう片方は集落の者だろう。何故他に人が居ないのかは気になるが……神虫に襲われたのかなんて不穏な考えは今はよそう。
僕は見た目が変わっていて気付かれないかもしれないからとアルを一番に見せたのが功を奏し、ウェナトリアとは平和な再会を迎えることが出来た。
「そうかそうか……変わったな、君。で、えぇと……ホルニッセ族とアーマイゼ族の誤解を解いて欲しいか、前も似たようなことになっていたな」
『ごめんなさい……』
「いやいやいいよ、悪魔様に用事なんだろ? 悪いが今どこに居るかは分からなくてね」
腕などの露出している部分からベルフェゴールとの契約の証である蔦のような模様が伺える。その筋肉や目隠しだけでも異様な雰囲気を放っていたのに、さらに異質さが増した。
『急務って何なのかお伺いしても?』
「あぁ、問題ないと分かったんだがね? この子だよ」
ウェナトリアの背に隠れるようにしていた幼い子供が前に出される。緑色の大きな目と薄緑色の髪が特徴的だった。翅は細長いものが四枚、触角はシュメッターリング族などに比べれば少し短い。その他に気になるところは……腕が、四本ある?
「見ての通り奇け……いや、彼女には人間の腕が四本あるんだ。翅や運動機能のその他の問題はない。この腕は全て思い通りに動かせるようだ」
僕と同じ位置に肩があり、腕が伸びている。そしてその腕の下にも同じ長さの腕が生えている。子供は四つの手を胸の前で組んでまごまごと動かしている。
「で、ファングホイシュレッケ族特有の鎌は……この通り一つ目……ぁー、上の方の両腕に付いている」
『鎌……?』
「ロウ君、お兄さん達に見せてあげて」
ロウと呼ばれた子供は右上の腕を持ち上げ、手首から飛び出た細い管のような物と、そこから伸びた板のような物を僕に見せてくれた。ロウが手に力を入れたような素振りを見せると管が動き、腕の側面にピッタリと寝かされていた板が起き上がって持ち上がり、手の延長のように鎌が現れた。
『……すごい』
「これはファングホイシュレッケ族の特徴だよ。戦闘力が高くてね、各種族の用心棒や狩猟手伝いとして駆り出されることが多くて……今親御さんは出ていてね。だからちょっと緊張しているみたいだ」
「きっ、緊張なんてしてないぜ! 俺は誇り高きファングひょっ……ファングほっしゅ……ふぁんぎゅ…………誇り高いんだぜ!」
鎌そのものではないが鎌と同等の機能はあるということか。そんな物が腕から生えているなんてつくづく亜種人類には驚かされ──腕から鎌? まさかカマキリ……いや、彼らと虫を関連付けるのはやめておこう。
「親御さんは下の腕を切り落とすと言っていてな、切るとなったら大手術だからな、様子を見に来たんだ。切るか切らないかの判断基準は動くかどうか、感覚があるかどうか、だ。感覚がなく動かせないものがぶら下がっているのは怪我や病気の原因になる。しかし彼女は四本の腕を自在に動かして見せた、何の問題も無いよ」
『そっか……良かった、ね?』
イマイチよく分からないがウェナトリアは嬉しそうだしロウも笑顔だ。僕も笑顔を作って祝福しつつロウの頭を撫でると、ロウは恥ずかしそうに四つの手で顔を覆った。
『やめろ!』
アルの一喝に集まった者は皆木の影に隠れた。
『おい、貴様……海賊に囚われていた娘だな?』
「……ぁ、はっ、はい……狼さんが人間達倒して、私の手首の縄噛み切ってくれて……」
『貴様が今怯え、貴様の仲間が石を投げつけたのは私の主人だ』
「え……えっ? でっ、でも、あの人はもっと髪短くて、生え際の方黒くて……」
海賊に捕まって……そうか、少女はシュメッターリング族か。ナハトファルター族は科学の国まで運ばれてしまったが、彼女達はここで助けていた。あの時に居たのは僕とアルとベルゼブブ、それ以外はこの島の者だ。最も覚えやすく格好良かったのはアルだろう。
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「……ご、ごめんなさいぃっ!」
『あぁ、気にするな。いや……ヘルに石をぶつけた者には謝ってもらおうか?』
他のシュメッターリング族の者達にもアルに見覚えがあった者は多いようで、僕達があの時の「救世主」の一団だと知ると態度は一変した。
「ごめんなさいっ、本当に……」
『いえ、それより翅は?』
「ぁ、大丈夫……です、飛べそう……元通りです。綺麗に治してもらって、本当に……」
透明の翅の少女は何度も僕に謝っていた。そして僕達がシュメッターリング族にとって安全だと分かると、どこかに隠れていたらしい族長が現れた。
「……あぁ、見覚えがあるわね。その獣。あなたがあの薄汚かった人間かしら? 人間にしては美しくなったわね、でも所詮は人間よ」
相変わらず嫌な感じの人だ。何にかは知らないが自信満々といった雰囲気がある、苦手だ。名は瑠璃と言ったか。黒を基調とした翅を持つ彼女は順々に僕達を品定めするような目で見て、ライアーを捉えて目を見開いた。
「……っ!? ま、まぁ……理由によっては協力も考えてあげるわ。恩もあるし……」
怯えているような、見惚れているような、どちらとも判別し難い目をして触角を揺らし、ライアーに歩み寄る。
「…………こんな美しい人間が居るなんてね」
浅黒い肌を触角で撫で回し、ぼそっと呟く。
「……あなたが話すなら聞いてあげる。何?」
安易に「惚れた」と言うのは正しくない。せいぜい「認めた」程度だろう。僕は彼女がライアーの話以外は聞く気がないことを察し、ライアーに話して欲しいことをこっそりと伝えた。
『えっと……まず国王の居場所。それにベルフェゴールの居場所も分かれば教えて欲しい』
「国王なら今は大穴近くに巣を作ってたはずよ。ベルフェゴール? とかいうのは知らないわ。何族?」
『知らないならいいよ。でも、大穴近くか……居なかったよね?』
「何よ、私が嘘ついてるって言いたいの?」
『いや、情報古いんじゃないかなって』
その可能性はある。神虫とかいう巨大な化け物の出現や、アーマイゼがウェナトリアは急務だと言っていたことから、彼の急務が神虫に関するものだということは明白だし、彼はベルフェゴールの契約者だ、一緒に居るのかもしれない。
あの二つの兵隊と争うのは避けたいが、やはり大穴付近に向かうべきだろうか。
「……あの、瑠璃様……恐れながら」
「何よ、グラス。自分から翅を破るような子、シュメッターリング族じゃないわ。ナイフを使うなら翅ではなくて胸を刺しなさい。奴隷として弄ばれることはないわ、標本になって飾られるならそれは美しいということよ?」
厳しい決まりのようなものがあるようだ。僕は彼女達の歴史も何も知らないから何も言えないけれど、この先外敵がいなければきっとこんな因習も廃れるだろう。僕が口や手を出していいのは彼女達を取り巻く環境に対してだけだ。
「ウェナトリア国王様は……急務でファングホイシュレッケ族の方へ行っていたかと。し、失礼しました、瑠璃様……」
ファン……何て? 聞き取れなかったが、ウェナトリアの急務は神虫関連ではなかったらしい。自信満々だった予想が外れて少し恥ずかしい、口に出していなくてよかった。
「え……? あ、あら……そうだったかしら。そうね、そう言っていたわ。あんな醜い男のことなんて考えたくもないから失念していたわ。聞いたわねあなた達、集落の場所は教えるからもう行ってちょうだい」
非を恥じてか瑠璃はだんだんと早口に、小声になっていく。簡略地図をもらい、僕達はファン何とか族の集落へ向かった。空間転移なので移動は一瞬だ。
『ここがなんちゃら族が居るとこで、頭領の知り合いやっちゅう王さんはここ来てんねんな?』
『……そのはずだけど、何か……静かだね』
『頭領はん、この辺生体反応二つしかあれへんわ』
『え……? わ、分かった。とりあえずそこに行ってみよう』
片方はウェナトリアでもう片方は集落の者だろう。何故他に人が居ないのかは気になるが……神虫に襲われたのかなんて不穏な考えは今はよそう。
僕は見た目が変わっていて気付かれないかもしれないからとアルを一番に見せたのが功を奏し、ウェナトリアとは平和な再会を迎えることが出来た。
「そうかそうか……変わったな、君。で、えぇと……ホルニッセ族とアーマイゼ族の誤解を解いて欲しいか、前も似たようなことになっていたな」
『ごめんなさい……』
「いやいやいいよ、悪魔様に用事なんだろ? 悪いが今どこに居るかは分からなくてね」
腕などの露出している部分からベルフェゴールとの契約の証である蔦のような模様が伺える。その筋肉や目隠しだけでも異様な雰囲気を放っていたのに、さらに異質さが増した。
『急務って何なのかお伺いしても?』
「あぁ、問題ないと分かったんだがね? この子だよ」
ウェナトリアの背に隠れるようにしていた幼い子供が前に出される。緑色の大きな目と薄緑色の髪が特徴的だった。翅は細長いものが四枚、触角はシュメッターリング族などに比べれば少し短い。その他に気になるところは……腕が、四本ある?
「見ての通り奇け……いや、彼女には人間の腕が四本あるんだ。翅や運動機能のその他の問題はない。この腕は全て思い通りに動かせるようだ」
僕と同じ位置に肩があり、腕が伸びている。そしてその腕の下にも同じ長さの腕が生えている。子供は四つの手を胸の前で組んでまごまごと動かしている。
「で、ファングホイシュレッケ族特有の鎌は……この通り一つ目……ぁー、上の方の両腕に付いている」
『鎌……?』
「ロウ君、お兄さん達に見せてあげて」
ロウと呼ばれた子供は右上の腕を持ち上げ、手首から飛び出た細い管のような物と、そこから伸びた板のような物を僕に見せてくれた。ロウが手に力を入れたような素振りを見せると管が動き、腕の側面にピッタリと寝かされていた板が起き上がって持ち上がり、手の延長のように鎌が現れた。
『……すごい』
「これはファングホイシュレッケ族の特徴だよ。戦闘力が高くてね、各種族の用心棒や狩猟手伝いとして駆り出されることが多くて……今親御さんは出ていてね。だからちょっと緊張しているみたいだ」
「きっ、緊張なんてしてないぜ! 俺は誇り高きファングひょっ……ファングほっしゅ……ふぁんぎゅ…………誇り高いんだぜ!」
鎌そのものではないが鎌と同等の機能はあるということか。そんな物が腕から生えているなんてつくづく亜種人類には驚かされ──腕から鎌? まさかカマキリ……いや、彼らと虫を関連付けるのはやめておこう。
「親御さんは下の腕を切り落とすと言っていてな、切るとなったら大手術だからな、様子を見に来たんだ。切るか切らないかの判断基準は動くかどうか、感覚があるかどうか、だ。感覚がなく動かせないものがぶら下がっているのは怪我や病気の原因になる。しかし彼女は四本の腕を自在に動かして見せた、何の問題も無いよ」
『そっか……良かった、ね?』
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