610 / 909
第三十四章 美麗なる妖狐は壮大な夢を見た
食肉
しおりを挟む
僕は今翼も角も出さずに実体化している。本質がどうであれ人間のつもりだ。だから、このままベルゼブブが首筋に歯を立てれば簡単に肉が裂けるはずだ。
『……何のつもりです?』
『食べて、いいから……行かないで』
『貴方は食物じゃないって言ってるでしょう?』
『食べれるよっ! 食べられないように僕が透過できるようになったってだけで、僕が食べられたいって思えばっ……多分、大丈夫、だからぁ……お願い、食べてよ……!』
ベルゼブブは深い深いため息をついて、僕の背をポンポンと撫でた。
『……魔物使い様、焼いた革靴皿に盛られたら食べますか?』
『…………食べない』
『それと一緒ですよ。透過がどうとかは問題じゃありません、少し前から出来るようになってたでしょう? 貴方が本質的に人間でなくなったのが問題です、変質ではなく貴方は上位存在に成り代わった。んな気持ちの悪いもん喰えません』
気持ち悪いと言われた経験は多いけれど今ほど傷付いたのは初めてだ。何をやっても解決されない問題がこんなにも悲しいなんて。
『…………究極の二択でよくあるカレー味のクソみたいなことだな?』
『クソみたいな例えしますね貴方、合ってますけどね。数日前までは味も本質も超高級超美味カレーだったんですけどね』
どうしてもダメなら、何をやっても無駄なら、諦めるしかない。気持ち悪いものにいつまでも抱き着かれているのも不快だろうとそっと腕を離した。
ベルゼブブは僕をじっと見ながら立ち上がり、今度は彼女の方から抱き着いてきた。
『…………嫌いになった訳じゃないってのは覚えておいてくださいね。いつか、そのうち、美味しければ革靴でもいいかなって気分になれたら戻りますから。魔王補佐の座は開けておいてください。私以上に補佐が上手い悪魔は居ませんからね』
『……戻ってきてくれるの?』
『誰が二度と会わないなんて言いましたか? 喰えないと分かってても齧りついちゃうくらい美味しそうになってくれたら、早めに戻れますよ』
『分かった……美味しく、なるから…………絶対戻ってきてね』
そんな不思議な会話を終えて、目の前で飛び回り柱を作る無数の蝿を見つめる。最後の一匹が消え、手を振るのをやめ、床にペタンと座り込む。
『……なんだよそれっ……嫌いな訳じゃないなら、美味しそうなら、居てくれてもいいじゃん……食べていいのにぃっ……』
『ああいう奴だから気にすんなよ』
『マンモンさん……マンモンさんは…………僕のこと嫌いになったりしてませんよね?』
ベルゼブブも嫌いになってはいないなんて言っていたけれど、食欲が基礎として強固過ぎると言うべきか意味の分からない思考を披露されて、僕は勝手に彼女に嫌われた気分になっていた。
『はぁ? はぁ……ったく……変質じゃなく成り代わりだから忌避する悪魔は相当増えるが、人格としては変わってねぇんだからさ、関係ねぇだろ。ずっと変わらず、息子にしたぁいって思ってるわ?』
『……マンモンさん』
『娯楽の国とこの国の呪い、兼業でかなり忙しいけどよ、何かあったら相談くらいにゃ乗ってやるぜ? 鞄も使ってあげるからぁ、遠慮しないでね、魔物使いくん』
『…………声変わりすぎて話に集中できません』
『悪かったな、癖なんだよ』
集中は出来なかったが、励ましてくれているのは伝わった。
兄が居なくなって家が燃えてベルゼブブもどこかへ行ってしまって──悪いことが続くけれど、きっと皆この手に戻ると信じて力を付けよう。
「おはよぉー……あー寝過ぎた……ぁ? 何この墓場みたいな空気」
『……おはよ、アザゼル』
乱れた寝間着とボサボサの髪に、グロルならある程度整えてから来るのにな……と笑みが零れた。
「あれ、ベルゼブブ様居ねぇじゃん。もう出かけたのか」
『うん……結構長いみたい。しばらく戻らないって』
「は? マジで? 何しに行ったんだよ……戦力激減じゃね? やべぇなー」
ベルゼブブが座っていた椅子に座り、アザゼルを抱き上げ膝に乗せる。フェルが朝食を作ってくれているはずだ。
『ぁ、お兄ちゃん達今から食べる? 待ってね、今…………あれ?』
鍋を覗き、冷蔵庫を開け、トースターを覗き、フェルは顔をどんどんと青白く変えていく。
『そういや便所蝿さっきその辺でガサガサやってたぞ』
『嘘ぉ! ど、どうしよ……冷蔵庫空っぽだよ、カボチャの皮すらないよ……』
マンモンはため息をついて鞄をひっくり返し、大量の野菜や肉などの食材を床に山盛りにすると部屋を出て行った。鞄の影に丸々と肥えた蝿を隠し持って。
『……ったく、面倒臭ぇよなぁ?』
『ですよねー……ま、仕方ありません』
その蝿はベルゼブブの分身で、全体の三分の一程度の力を持つものだ。彼女はヘルが起きてくる前にいくつかの分身に分かれており、中でも最も強力なのが邸宅に潜む用のコレだ。
『マンモンさん、貴方ちょっと優し過ぎたんじゃないですか?』
『てめぇもな、もっと突き放せよ。なんだそのうち帰ってくるってよぉ』
『……だってあの方、帰るって言っておかないと次会った時に殺しにかかってくるでしょ』
『はぁ……? んなわけねぇだろ』
玉藻を取り逃し、元アシュ邸に戻り、ヘルが部屋に居た間。彼らはアスタロトからサタンの命令を聞いていた。
その内容は「魔物使いの精神を壊さない程度に弱らせること」だ。魔力を支配する魔物使いの存在は悪魔にとって大きい。人界で悪魔の軍が不自由無く動くためには魔物使いが必要不可欠だが、魔物使いが居れば束縛感がつきまとう。いつ魔力を封じられるか、吸い取られるか、そんな可能性が常にあるのだ、安心して動き回ることは出来ない。
だから悪魔は魔物使いを『王』ではなく『道具』として扱いたい。王として持ち上げて力を付けさせ、頃合いを見て自我を破壊しサタンの操り人形とする。それがサタンが前例を鑑みて出した結論だ。
『…………便所蝿、情湧いてねぇだろうな』
『貴方、食材を愛玩します?』
『家畜を可愛がり過ぎて食肉として扱えなくなったって人間の話はたまに聞くぜ?』
サタンは孤独を演出するためにベルゼブブが見限るような演技をすることを命令した。マンモンには無関心を演じることを命令した。人間が孤独を感じるのは嫌悪よりも無関心、そうサタンは考えている。
『……まぁ、情だとかはそもそも悪魔には存在しませんよ。それより、これからの動きを確認しましょう』
『てめぇは気付かれないように警護するだけだろ? 楽だよなぁ、魔物使いくんもそろそろ何に殺されるってこたねぇだろうしよ』
『貴方は裏から手を回して精神的に揺さぶりかけるんでしたっけ?』
『そーそ。そういう細けぇ作業苦手なのよねー』
マンモンは手の上の蝿を床に叩きつけると蝶を模した怪しげな仮面を被った。
『とりあえず娯楽の国帰るわ。じゃあねん、ベルゼブブ様?』
『……お元気で』
身体の割に小さな四枚の翅を震わせ、蝿は柱の影になった壁に止まる。
触角を揺らし、翅を震わせ、腹を不気味に収縮させる。
『…………サタン様、ちゃんと出来たら褒めてくれますかね』
ボソリとそう呟き、数秒後には前言撤回だとでも言いたげに喧しく翅を鳴らした。
『……何のつもりです?』
『食べて、いいから……行かないで』
『貴方は食物じゃないって言ってるでしょう?』
『食べれるよっ! 食べられないように僕が透過できるようになったってだけで、僕が食べられたいって思えばっ……多分、大丈夫、だからぁ……お願い、食べてよ……!』
ベルゼブブは深い深いため息をついて、僕の背をポンポンと撫でた。
『……魔物使い様、焼いた革靴皿に盛られたら食べますか?』
『…………食べない』
『それと一緒ですよ。透過がどうとかは問題じゃありません、少し前から出来るようになってたでしょう? 貴方が本質的に人間でなくなったのが問題です、変質ではなく貴方は上位存在に成り代わった。んな気持ちの悪いもん喰えません』
気持ち悪いと言われた経験は多いけれど今ほど傷付いたのは初めてだ。何をやっても解決されない問題がこんなにも悲しいなんて。
『…………究極の二択でよくあるカレー味のクソみたいなことだな?』
『クソみたいな例えしますね貴方、合ってますけどね。数日前までは味も本質も超高級超美味カレーだったんですけどね』
どうしてもダメなら、何をやっても無駄なら、諦めるしかない。気持ち悪いものにいつまでも抱き着かれているのも不快だろうとそっと腕を離した。
ベルゼブブは僕をじっと見ながら立ち上がり、今度は彼女の方から抱き着いてきた。
『…………嫌いになった訳じゃないってのは覚えておいてくださいね。いつか、そのうち、美味しければ革靴でもいいかなって気分になれたら戻りますから。魔王補佐の座は開けておいてください。私以上に補佐が上手い悪魔は居ませんからね』
『……戻ってきてくれるの?』
『誰が二度と会わないなんて言いましたか? 喰えないと分かってても齧りついちゃうくらい美味しそうになってくれたら、早めに戻れますよ』
『分かった……美味しく、なるから…………絶対戻ってきてね』
そんな不思議な会話を終えて、目の前で飛び回り柱を作る無数の蝿を見つめる。最後の一匹が消え、手を振るのをやめ、床にペタンと座り込む。
『……なんだよそれっ……嫌いな訳じゃないなら、美味しそうなら、居てくれてもいいじゃん……食べていいのにぃっ……』
『ああいう奴だから気にすんなよ』
『マンモンさん……マンモンさんは…………僕のこと嫌いになったりしてませんよね?』
ベルゼブブも嫌いになってはいないなんて言っていたけれど、食欲が基礎として強固過ぎると言うべきか意味の分からない思考を披露されて、僕は勝手に彼女に嫌われた気分になっていた。
『はぁ? はぁ……ったく……変質じゃなく成り代わりだから忌避する悪魔は相当増えるが、人格としては変わってねぇんだからさ、関係ねぇだろ。ずっと変わらず、息子にしたぁいって思ってるわ?』
『……マンモンさん』
『娯楽の国とこの国の呪い、兼業でかなり忙しいけどよ、何かあったら相談くらいにゃ乗ってやるぜ? 鞄も使ってあげるからぁ、遠慮しないでね、魔物使いくん』
『…………声変わりすぎて話に集中できません』
『悪かったな、癖なんだよ』
集中は出来なかったが、励ましてくれているのは伝わった。
兄が居なくなって家が燃えてベルゼブブもどこかへ行ってしまって──悪いことが続くけれど、きっと皆この手に戻ると信じて力を付けよう。
「おはよぉー……あー寝過ぎた……ぁ? 何この墓場みたいな空気」
『……おはよ、アザゼル』
乱れた寝間着とボサボサの髪に、グロルならある程度整えてから来るのにな……と笑みが零れた。
「あれ、ベルゼブブ様居ねぇじゃん。もう出かけたのか」
『うん……結構長いみたい。しばらく戻らないって』
「は? マジで? 何しに行ったんだよ……戦力激減じゃね? やべぇなー」
ベルゼブブが座っていた椅子に座り、アザゼルを抱き上げ膝に乗せる。フェルが朝食を作ってくれているはずだ。
『ぁ、お兄ちゃん達今から食べる? 待ってね、今…………あれ?』
鍋を覗き、冷蔵庫を開け、トースターを覗き、フェルは顔をどんどんと青白く変えていく。
『そういや便所蝿さっきその辺でガサガサやってたぞ』
『嘘ぉ! ど、どうしよ……冷蔵庫空っぽだよ、カボチャの皮すらないよ……』
マンモンはため息をついて鞄をひっくり返し、大量の野菜や肉などの食材を床に山盛りにすると部屋を出て行った。鞄の影に丸々と肥えた蝿を隠し持って。
『……ったく、面倒臭ぇよなぁ?』
『ですよねー……ま、仕方ありません』
その蝿はベルゼブブの分身で、全体の三分の一程度の力を持つものだ。彼女はヘルが起きてくる前にいくつかの分身に分かれており、中でも最も強力なのが邸宅に潜む用のコレだ。
『マンモンさん、貴方ちょっと優し過ぎたんじゃないですか?』
『てめぇもな、もっと突き放せよ。なんだそのうち帰ってくるってよぉ』
『……だってあの方、帰るって言っておかないと次会った時に殺しにかかってくるでしょ』
『はぁ……? んなわけねぇだろ』
玉藻を取り逃し、元アシュ邸に戻り、ヘルが部屋に居た間。彼らはアスタロトからサタンの命令を聞いていた。
その内容は「魔物使いの精神を壊さない程度に弱らせること」だ。魔力を支配する魔物使いの存在は悪魔にとって大きい。人界で悪魔の軍が不自由無く動くためには魔物使いが必要不可欠だが、魔物使いが居れば束縛感がつきまとう。いつ魔力を封じられるか、吸い取られるか、そんな可能性が常にあるのだ、安心して動き回ることは出来ない。
だから悪魔は魔物使いを『王』ではなく『道具』として扱いたい。王として持ち上げて力を付けさせ、頃合いを見て自我を破壊しサタンの操り人形とする。それがサタンが前例を鑑みて出した結論だ。
『…………便所蝿、情湧いてねぇだろうな』
『貴方、食材を愛玩します?』
『家畜を可愛がり過ぎて食肉として扱えなくなったって人間の話はたまに聞くぜ?』
サタンは孤独を演出するためにベルゼブブが見限るような演技をすることを命令した。マンモンには無関心を演じることを命令した。人間が孤独を感じるのは嫌悪よりも無関心、そうサタンは考えている。
『……まぁ、情だとかはそもそも悪魔には存在しませんよ。それより、これからの動きを確認しましょう』
『てめぇは気付かれないように警護するだけだろ? 楽だよなぁ、魔物使いくんもそろそろ何に殺されるってこたねぇだろうしよ』
『貴方は裏から手を回して精神的に揺さぶりかけるんでしたっけ?』
『そーそ。そういう細けぇ作業苦手なのよねー』
マンモンは手の上の蝿を床に叩きつけると蝶を模した怪しげな仮面を被った。
『とりあえず娯楽の国帰るわ。じゃあねん、ベルゼブブ様?』
『……お元気で』
身体の割に小さな四枚の翅を震わせ、蝿は柱の影になった壁に止まる。
触角を揺らし、翅を震わせ、腹を不気味に収縮させる。
『…………サタン様、ちゃんと出来たら褒めてくれますかね』
ボソリとそう呟き、数秒後には前言撤回だとでも言いたげに喧しく翅を鳴らした。
0
あなたにおすすめの小説
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
ゴミスキル【生態鑑定】で追放された俺、実は動物や神獣の心が分かる最強能力だったので、もふもふ達と辺境で幸せなスローライフを送る
黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティの一員だったカイは、魔物の名前しか分からない【生態鑑定】スキルが原因で「役立たず」の烙印を押され、仲間から追放されてしまう。全てを失い、絶望の中でたどり着いた辺境の森。そこで彼は、自身のスキルが動物や魔物の「心」と意思疎通できる、唯一無二の能力であることに気づく。
森ウサギに衣食住を学び、神獣フェンリルやエンシェントドラゴンと友となり、もふもふな仲間たちに囲まれて、カイの穏やかなスローライフが始まった。彼が作る料理は魔物さえも惹きつけ、何気なく作った道具は「聖者の遺物」として王都を揺るがす。
一方、カイを失った勇者パーティは凋落の一途をたどっていた。自分たちの過ちに気づき、カイを連れ戻そうとする彼ら。しかし、カイの居場所は、もはやそこにはなかった。
これは、一人の心優しき青年が、大切な仲間たちと穏やかな日常を守るため、やがて伝説の「森の聖者」となる、心温まるスローライフファンタジー。
屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)
わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。
対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。
剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。
よろしくお願いします!
(7/15追記
一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!
(9/9追記
三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン
(11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。
追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる