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第三十二章 初めから失敗を繰り返して
確かな愛情と微かなズレ
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アルが翼や毛を乾かしている間、軽く宿を回ってみたが『黒』も十六夜も居なかった。日時が少し早いというのもあるだろうが、『黒』に関しては行動に予想が付かない。
『ご主人様、ご主人様、食事は……』
「ん……部屋に持ってくるよう頼んでる。アルのは牛肉だけど、好き?」
『好きだ!』
「よしよし……可愛いね」
部屋に戻り、窓枠に腰掛け海を眺める。僕の隣に寄り添って──と言うよりは控えているアルの背を撫で、月を眺める。
「…………ねぇ、アル。ちょっとおつかい頼んでいい?」
巾着に硬貨を入れて紐を咥えさせ、冷たいジュースを買ってくるよう言った。食事の際に持ってこられるのは温かいお茶で気分には合わない。とまぁそれは方便で、僕は一人で試したいことがあった。
「……自由意志を司る天使──』
背中に重みを感じて窓枠から降り、姿見の前に立った。
『わ……飛べるのかなこれ』
白い一対の翼、髪を照らす光輪、漆器に似た赤い角。『黒』の特徴を引き継いだ姿になれた。
『ふぅっ……何か疲れた」
その特徴を出すも引っ込めるも自由自在。隠している訳でも体内に収納される訳でもなく、消えてしまう。この便利さは自由意志が故なのか、僕本来の力ではないからなのか、おそらくは前者だ。
『戻ったぞ、ご主人様』
「……おかえり、アル」
『む……湯冷めでもしたか? 表情が暗いぞ』
様々な果物に牛乳を混ぜた飲料、他の国ではあまり見られないこの国のお気に入りの一つだ。平気だと言ってそれを受け取り、また窓枠に腰掛ける。
『ご主人様……寒くはないか? 私はこの通り獣で、人間の貴方より体温は高い。翼もある。温まりたければ私を使ってくれ』
「…………遠慮するよ」
今アルに包まれたらきっと泣いてしまう。泣き喚いて、泣き叫んで、泣き疲れて寝てしまう。そんな姿今は見せたくない。
月が雲に隠れてしまって、黒い空を見続ける気にならなくて、アルに視線を落とす。残念そうに、心配そうに、耳を垂らして僕を見上げている。そんな顔を見ればますます甘えられなくなって、僕はつまらない夜空に視線を戻した。
会話が無いまま食事も終わり、僕は改めて部屋に備え付けの露天風呂に入る。アルは風呂上がりに時間がかかるからとそう何度も入る訳にはいかず、脱衣所からずっと僕を見つめている。
「…………落ち着かないなぁ」
アルに背を向け、自分の足を抱き締め、膝に額を押し付ける。胸が押されることと水面が近いことで息が苦しくなってきた。
「アルっ……助けて、アル……」
全てを捨てて泣き叫んでアルに包まれたい。何があったか全て話して同情されたい。兄が死んでしまったと八つ当たりをして、それでも僕を慰めて欲しい。
「もうやだぁ……」
前世の婚約者の名前を取り返したいだけだった。
魔物使いとして世界に求められるままに果てたかった。
それなのに僕は『黒』の名前を奪い、何者でもないモノに成り果てた。
未来が分かっているのに失敗し続けて兄を殺して、アルともあまり上手くやれずに惰性で人を救おうとしている。誰に求められるでもなく、感謝される訳でもなく、ただただ無意味に魔物の脅威を抱え込むのだ。
「なんで、なんでっ……どうして、僕が……こんな」
『ご主人様』
脱衣所から声が届いたのではない、背後に居る。
「……っ、あ、あぁ、アル……どうかした?」
弱音を聞かれたか? いや、具体的なことは声に出してはいなかったはずだ。
『動かなくなったから寝てしまったのかと……もしそうだったら危ないなと。申し訳ない、驚かせた』
「いや……ありがと。大丈夫、寝てないよ。すぐ上がるから部屋で待ってて」
アルは短い返事をして部屋に戻った。何も聞かれていなかったのだろうか……気になるが、確かめるのも不自然だ。
手早く髪と身体を洗い、風呂を上がった。
薄暗い部屋を足探りに歩き布団に辿り着く。宿の職員が用意したのだろう。
『……ご主人様』
布団に潜ると隣に控えていたアルが顔を覗き込んだ。
『私は隣に居る。気分になったら好きに使ってくれ、どう扱っても構わない』
そう言ってまた隣に横たわる。僕はしばらくの間布団の中でもぞもぞと動きながら眠気を待った。しかしいつまで経っても眠くならず、『黒』のことや兄のことが頭をよぎる。
僕は無意識にアルに手を伸ばしていた。どこのとも分からない毛を引っ張るとアルは布団に慎重に潜り込み、僕の腕の上に顎を置いた。
『……ご主人様、私は何をすればいい?』
「このまま……」
『……分かった』
アルを抱き締めていると自然と呼吸が整い、途端に眠気に襲われた。柔らかい毛の感触に石鹸の匂い、確かな獣臭に包まれ、僕の意識は闇に落ちた。
時は少し遡り、アルが脱衣所に居た頃。
アルはじっと眺めていた黒と白の後ろ頭が俯いたまま動かないのに気が付いた。
実兄の死を容易く克服し、死体の山を見ても動揺せず、何の躊躇もなく空き家を漁った。そんな魔王の器であろう魔物使いがご主人様。
アルは従僕となれたことに誇りを持ちつつも自分に務まるのかと不安を覚えていた。しかし、夕食前の温泉で「可愛い」と言われ、自身の役割は兵士ではないのだと認識した。
アルはゆっくりと足音を立てないように近付いた。聞こえはしても言葉にはなっていない声を漏らしている主人に声をかけると、彼は酷く驚いていた。方便を使いつつ謝って、彼の命令に従った。
『……ご主人様』
布団に潜った主人に声をかけ、自分の準備は出来ていると暗に伝えた。あんな口説き方を温泉でしたのだから、すぐに抱く気なのだろうと。
少し時間を置いて肩周りの毛を引っ張られ、外に漏れていそうな程に騒がしい鼓動に苛立ちつつ、布団に潜り込んだ。
『……ご主人様、私は何をすればいい?』
合成魔獣には発情期はおろか生殖機能も存在しない。経験は無い。しかし長く生きている分知識はある、そういった意味で獣を好む人間がいるとも知っている。
「このまま……」
その言葉にアルは困惑した。体勢の注文でも来るだろうと思っていたのだ。しかし、すぐに解釈を脳内に並べた。動かないものを抱くのが好きな人間も居るだろう、自分のペースだけで進めたいのだろう、そんな内容だ。
『……分かった』
行為を想像し、更に鼓動が早まる。どんなものだろうかと、満足させられるだろうかと──しかし、アルの妄想に反してヘルはすぐに寝てしまった。
『…………ご主人様? ご主人様……ヘル? ヘルー?』
自分に抱き着いて、寝息を立てている。
『だ、抱かない……のか?』
こちらから誘うのも品が無いかと、疲れているのだろうと自分を納得させ、アルもゆっくりと意識を闇に落とした。だが、強く毛を引っ張られて覚醒する。
『痛っ……ご主人様、どうした』
「ア……ル」
『あぁ、私は、アルは此処だ』
「ぃ、や……やだっ、もうやだ……」
『……ご主人様?』
ヘルは眠っている。魘されているのだ。アルはすぐにそれに気が付き、背中を尾で撫でて落ち着かせようとした。
「アルっ、アル……アル、アルぅ……」
毛を、いや、毛皮を掴まれる。アルは毛だけを掴まれるよりは皮ごとの方がマシだと自ら乱暴な手に擦り寄った。
「ぃ、や……行かないで、ダメ……アル」
人間の、それもヘルの力ではどれだけ抱き締めてもアルが苦痛を感じることはない。
「ここに、いてよ……アルぅ……」
アルは疑問を抱いていた。
何故寝言で自分の名を呼ぶのかと。会って数日も経っていないのに、夢にでも出ているのかと。
実は乗り越えられていなかったと兄を呼ぶならまだ分かるが、自分の名を、それも「行かないで」なんて意味が分からない。
『ヘル、私は此処に……』
それだけ自分が彼にとって魅力的ということだろうか、変わった趣味をしている。アルはそんなズレた納得の仕方をして、主人にそこまで求められるなんて……と誇らしく思った。
『ご主人様、ご主人様、食事は……』
「ん……部屋に持ってくるよう頼んでる。アルのは牛肉だけど、好き?」
『好きだ!』
「よしよし……可愛いね」
部屋に戻り、窓枠に腰掛け海を眺める。僕の隣に寄り添って──と言うよりは控えているアルの背を撫で、月を眺める。
「…………ねぇ、アル。ちょっとおつかい頼んでいい?」
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その特徴を出すも引っ込めるも自由自在。隠している訳でも体内に収納される訳でもなく、消えてしまう。この便利さは自由意志が故なのか、僕本来の力ではないからなのか、おそらくは前者だ。
『戻ったぞ、ご主人様』
「……おかえり、アル」
『む……湯冷めでもしたか? 表情が暗いぞ』
様々な果物に牛乳を混ぜた飲料、他の国ではあまり見られないこの国のお気に入りの一つだ。平気だと言ってそれを受け取り、また窓枠に腰掛ける。
『ご主人様……寒くはないか? 私はこの通り獣で、人間の貴方より体温は高い。翼もある。温まりたければ私を使ってくれ』
「…………遠慮するよ」
今アルに包まれたらきっと泣いてしまう。泣き喚いて、泣き叫んで、泣き疲れて寝てしまう。そんな姿今は見せたくない。
月が雲に隠れてしまって、黒い空を見続ける気にならなくて、アルに視線を落とす。残念そうに、心配そうに、耳を垂らして僕を見上げている。そんな顔を見ればますます甘えられなくなって、僕はつまらない夜空に視線を戻した。
会話が無いまま食事も終わり、僕は改めて部屋に備え付けの露天風呂に入る。アルは風呂上がりに時間がかかるからとそう何度も入る訳にはいかず、脱衣所からずっと僕を見つめている。
「…………落ち着かないなぁ」
アルに背を向け、自分の足を抱き締め、膝に額を押し付ける。胸が押されることと水面が近いことで息が苦しくなってきた。
「アルっ……助けて、アル……」
全てを捨てて泣き叫んでアルに包まれたい。何があったか全て話して同情されたい。兄が死んでしまったと八つ当たりをして、それでも僕を慰めて欲しい。
「もうやだぁ……」
前世の婚約者の名前を取り返したいだけだった。
魔物使いとして世界に求められるままに果てたかった。
それなのに僕は『黒』の名前を奪い、何者でもないモノに成り果てた。
未来が分かっているのに失敗し続けて兄を殺して、アルともあまり上手くやれずに惰性で人を救おうとしている。誰に求められるでもなく、感謝される訳でもなく、ただただ無意味に魔物の脅威を抱え込むのだ。
「なんで、なんでっ……どうして、僕が……こんな」
『ご主人様』
脱衣所から声が届いたのではない、背後に居る。
「……っ、あ、あぁ、アル……どうかした?」
弱音を聞かれたか? いや、具体的なことは声に出してはいなかったはずだ。
『動かなくなったから寝てしまったのかと……もしそうだったら危ないなと。申し訳ない、驚かせた』
「いや……ありがと。大丈夫、寝てないよ。すぐ上がるから部屋で待ってて」
アルは短い返事をして部屋に戻った。何も聞かれていなかったのだろうか……気になるが、確かめるのも不自然だ。
手早く髪と身体を洗い、風呂を上がった。
薄暗い部屋を足探りに歩き布団に辿り着く。宿の職員が用意したのだろう。
『……ご主人様』
布団に潜ると隣に控えていたアルが顔を覗き込んだ。
『私は隣に居る。気分になったら好きに使ってくれ、どう扱っても構わない』
そう言ってまた隣に横たわる。僕はしばらくの間布団の中でもぞもぞと動きながら眠気を待った。しかしいつまで経っても眠くならず、『黒』のことや兄のことが頭をよぎる。
僕は無意識にアルに手を伸ばしていた。どこのとも分からない毛を引っ張るとアルは布団に慎重に潜り込み、僕の腕の上に顎を置いた。
『……ご主人様、私は何をすればいい?』
「このまま……」
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時は少し遡り、アルが脱衣所に居た頃。
アルはじっと眺めていた黒と白の後ろ頭が俯いたまま動かないのに気が付いた。
実兄の死を容易く克服し、死体の山を見ても動揺せず、何の躊躇もなく空き家を漁った。そんな魔王の器であろう魔物使いがご主人様。
アルは従僕となれたことに誇りを持ちつつも自分に務まるのかと不安を覚えていた。しかし、夕食前の温泉で「可愛い」と言われ、自身の役割は兵士ではないのだと認識した。
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『……ご主人様』
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少し時間を置いて肩周りの毛を引っ張られ、外に漏れていそうな程に騒がしい鼓動に苛立ちつつ、布団に潜り込んだ。
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「このまま……」
その言葉にアルは困惑した。体勢の注文でも来るだろうと思っていたのだ。しかし、すぐに解釈を脳内に並べた。動かないものを抱くのが好きな人間も居るだろう、自分のペースだけで進めたいのだろう、そんな内容だ。
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『…………ご主人様? ご主人様……ヘル? ヘルー?』
自分に抱き着いて、寝息を立てている。
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こちらから誘うのも品が無いかと、疲れているのだろうと自分を納得させ、アルもゆっくりと意識を闇に落とした。だが、強く毛を引っ張られて覚醒する。
『痛っ……ご主人様、どうした』
「ア……ル」
『あぁ、私は、アルは此処だ』
「ぃ、や……やだっ、もうやだ……」
『……ご主人様?』
ヘルは眠っている。魘されているのだ。アルはすぐにそれに気が付き、背中を尾で撫でて落ち着かせようとした。
「アルっ、アル……アル、アルぅ……」
毛を、いや、毛皮を掴まれる。アルは毛だけを掴まれるよりは皮ごとの方がマシだと自ら乱暴な手に擦り寄った。
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人間の、それもヘルの力ではどれだけ抱き締めてもアルが苦痛を感じることはない。
「ここに、いてよ……アルぅ……」
アルは疑問を抱いていた。
何故寝言で自分の名を呼ぶのかと。会って数日も経っていないのに、夢にでも出ているのかと。
実は乗り越えられていなかったと兄を呼ぶならまだ分かるが、自分の名を、それも「行かないで」なんて意味が分からない。
『ヘル、私は此処に……』
それだけ自分が彼にとって魅力的ということだろうか、変わった趣味をしている。アルはそんなズレた納得の仕方をして、主人にそこまで求められるなんて……と誇らしく思った。
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