441 / 909
第二十六章 貪食者と界を守る魔性共
死霊使い
しおりを挟む姫の寝室の前。
ケイトが姫を襲撃してるという女暗殺者の言葉を聞いて心配して、駆け付けてみたが、ちょっと躊躇する。
・・・女の子の部屋に入るのはぁ~ちょっとお~という迷いが生じている場合ではないので、それは平気だ。だが、ケイトの襲撃には、二パターン考えられる。
一つ目は、姫暗殺が目的だった場合。その場合なら、この扉の向こうは、かなりの臨戦態勢。一刻も早く加勢して姫の味方に付かなければならない。
もう一つ。それだった場合は問題なのだが、ケイトの目的が、姫を懐柔して結婚しちゃえば丸く収まるんじゃない?だった場合だ。それなら、この扉の向こうは、かなりヤバイ別の意味での臨戦態勢。え、そんなの覗いたら、駄目でしょ///的な光景が広がっている可能性がある。
ま・・・覗くか。この場合、仕方ないだろう。
扉に手をかけようとすると、目の前で扉が粉々になって吹き飛ぶ。
残念。前者の暗殺パターンだったようだ。
「姫!!大丈夫か!!」
俺が、部屋に向かって叫べば、
「大変!!逃げられちゃったの!!」
と姫が叫び返す。
部屋に飛び込んで、姫の部屋の窓から外を見れば、魔法で出した馬に乗って国境に向かって走るケイトが見える。
後から、ケイトの三人の従者たちがついていっているのが見えるから、失敗したら合流して逃走することは、事前に打ち合わせていたのだろう。
「英司君も、暗殺だったの?」
いや、そんな、今からバイト?みたいな軽い聞き方。そうだけれども。
姫の話によると、扉の前に気配を感じて警戒していたら、ケイトが侵入してきたらしい。
イケメンのケイトは、爽やかな笑顔で姫を口説きにかかったのだが、姫は、気持ちは嬉しいけれども私には想う人がいるから///と、断わったのだそうだ。
そこでケイトが豹変した。
懐柔できなければ、暗殺すると最初から決めていたのだろう。
毒のついたナイフで襲い掛かってきたから、聖魔法で応戦したら、思ったよりも強い姫の魔法に怯んで、窓から逃走したのだそうだ。
とにかく、無事でよかった。
英司君は?と、姫に聞かれて、俺は、モヘット・エキスのことも含めて、部屋で起こったことを姫に説明する。
「ケイト総受・・・『マリアーヌ・金剛山』ね。ちょっと手に入れてみたいわ。」
俺の話を聞いて、考え込んでいた姫がポソリと言う。
そこ?気になるのそこ?
よかったね、暗殺者のお姉さん。三倍とはいかないけれども、読者は一人増えたようだ。
「と、とにかく、まだニセ達が帰って来ていないのだから、早く止めないと。」
「そ、そうね。追いかけましょう!!」
姫が、右手を大きく振ると、翼の生えたユニコーンが一体現れた。
「さあ、早く乗って!!」
姫に促されて、姫の後ろに俺は乗る。
ユニコーンは、一声いななくと、夜空を風のように走り出した。
0
お気に入りに追加
439
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。

固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~
うみ
ファンタジー
恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。
いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。
モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。
そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。
モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。
その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。
稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。
『箱を開けるモ』
「餌は待てと言ってるだろうに」
とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる