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第十七章 滅びた国の地下に鎮座する魔王
見つからない出口
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ごつ、ごつ、と音を立てながら何かが近づいてくる。それは瓦礫をどかして進んでいるらしく、少しずつ外から入る光が増えてきた。
「今度こそ出られる……よね?」
兄は役に立たなかった。
『ぼくもだしてね』
「勝手に出なよ」
『だっこー』
「……分かったよ」
ここで断れば地上に戻った時に殺されかねない、中断していたミカのご機嫌取りもしなくてはならない。身をよじって僕の腕の中に入ってくるミカを抱きかかえ、兄の反応を伺う。
『……テけ、っとと、本当に危ない…………お腹空い……てない!』
今の兄には僕を気にしている余裕はなさそうだ。幸運と言うべきか、兄がいる時点で不幸だと思うべきか。それなら合わせて不幸中の幸いとしようか。
『ヘル! ヘル、無事か? そこに居るんだな?』
瓦礫をどかす音が止まり、代わりに低い声が降ってきた。
「……アル? アル! 来てくれたの! 良かった、アル、アル……僕を助けに来てくれたんだね!」
『当たり前だ、怪我はないか?』
「ないよ、大丈夫」
『そうか……良かった』
瓦礫の隙間は拳ほどの幅のものとなり、そこからアルの声と姿を確認できた。あと一つ、大きな瓦礫をどかせば再会出来る。
全ての不安が覆い隠されるほどの喜び、あと数秒でアルを抱き締められる。今の僕にはもうそれだけで良かった。
『アル……あの魔獣か』
幾つかに増えた眼球が全て僕を睨む。人型になられても邪魔だが、器官が透けるその姿も気味が悪く不快なものだ。
「……助けてくれるんだから、変なことしないでよね」
『へぇ? 言うようになったね…………出来損ないのくせに』
出来損ないはどっちだ。腕を喰いに来ただけで、僕を精神的に追い詰めるだけで、何も出来ていないくせにくせに。
「にいさまは何も出来なかったじゃないか。ここに来る前もあっさりやられてさ、僕が逃げられたのはアルのおかげだよ」
ずる、ずる、と頭の上の瓦礫が引き摺られる。その擦れる音に紛れてくれるようにと祈りながら、どこかで聞き取ってくれとも願いながら、兄に酷い言葉を吐いた。
「僕を助けられないにいさまなんて要らない」
言い終わったと同時に僕が通れるほどの隙間が出来る。アルの尾が隙間から差し込まれ、僕の胴に巻かれる。
引き上げられながら兄を見る。あの言葉は聞き取れただろうか、だとしたらどう思っただろうか。
『……tek…………i,肉、に、ト……ひと、ーと?』
ジェル状の液体の中に目玉が溶け、代わりに無数の牙が生える。花が開くようにして牙が整列していく。
「あ、ぁ……アル! 早く、早く引き上げて! 早く!」
『今やってる、もう少しだ』
「急いで!」
隙間は体を折りたたんで通れる広さではない。地上に肩が出てすぐに手のひらをついて肘を伸ばし、少しでも早く上がろうとする。
もう少し、というところで足に一瞬の痛みと違和感が宿った。僕を引き上げて嬉しそうに擦り寄るアルの顔が僕の右足をみて固まった。
膝から下が無くなっていた。
視認した途端に激痛が襲う。声にならない声を上げて、アルにしがみついた。
骨が伸び、肉がぽこぽこと増殖し、それを皮が覆い……足が元通りに治っていく。再生の際の奇妙な不快感は痛みに勝るとも劣らず耐え難い。
『治った……魔法か』
「…………まだ、なんか、気持ち悪い」
生えたばかりの足を擦る。手が感じる足の感触も、足に感じる手の感触も、いつも通りだ。
『大丈夫、もう元通りだ。大丈夫だよ、ヘル……』
ゆっくりと指を開き、また結ぶ。僕の考えた通りに動く足は確かに僕の足だ。
元通り、確かに元通り、だけれどやはり違和感が拭えない。痛覚を消していないと再生してもこんな感覚が残ってしまうのか。
『ね、ねぇ、ちょっと! ぼくも、ひきあげてよ! こんなのと、いっしょに、いたくない!』
ぽっかりと空いた穴からミカの声が聞こえてくる。兄はまだ僕の足を食べているのか、弱体化していても天使は食べたくないのか、ミカに牙を向けてはいないらしい。
『どうする?』
「一応上げてあげて、にいさまが邪魔するなら逃げよ」
『分かった』
アルは瓦礫の隙間に尾を落とす。僕は未だに慣れない治りたての足で立ち上がり、アルに跨る。ぎゅっと首に腕を回し、アルの胸あたりで手を組んだ。
『っと、たすかったよ』
ミカはすぐに引き上げられた。兄の妨害は無かったらしい。
『感謝しろ』
『……ありがと』
「ミカ、にいさまはどうなってるの?」
『きみの、あし、とかしてたよ。ちょっと、なにいってるかは、わからなかったけど、なにかいってた』
まだ僕の足の消化中か。ミカは兄の食の好みに合うのだろうか、だとしたら、この先の時間稼ぎに使え…………いや、これは思考してはいけない。僕はそこまで堕ちた人間ではないはずだ。
「そっか……まだ動かない?」
『たぶん。でも、すぐだとおもうよ』
「よし、アル、逃げられる?」
『ああ』
アルが翼を広げると、ミカは慌てて僕の胴に腕を回した。ミカは僕の思考なんて当然知らない、だから無警戒に僕に触れられる。
『まってまって、ぼくも、のせてよ』
『……駄目だと言いたいところだが』
アルは僕の顔を見上げて指示を仰ぐ。
「乗せてあげて」
『分かった』
ミカは僕を包むように翼を丸め、アルは正反対に翼を広げる。
少しの助走、数秒の滑空、そして羽ばたく。
『出口はまだ分からない。取り敢えず上を目指すぞ』
「任せる。あ、ミカは出方とか分かる?」
『あんまり。うえにいく、ってことだけは、わかるけど。それいがいは、しらない』
ミカの拙い話し方は今のような一刻を争う事態では忌避すべきものだ。
「そっか……アル、出来るだけ早く飛んでね」
僕は苛立ちを隠して、アルだけに意識を集中して気持ちを落ち着かせる。
『分かっている』
天井付近まで辿り着くと、アルは壁に爪を引っ掛け周囲を観察し始めた。
『穴などは見当たらないな。階段……か、一体何処に…………私が魔界出身の魔物なら、こんな……』
『やっぱり、サタンにいうのが、ちかみちかな。つうこうどめ、だけど』
「今は何かと……戦ってる、のかな?」
『何故かは知らんがトールが来ている、彼奴がサタンの気を引いているうちに逃げ出したい』
とん、とん、と跳び、出っ張った岩を足場に隙間を探す。
魔界には幾重もの結界が張ってあり、その結界には僅かに薄くなっている部分があるのだと。そしてそこを階段と呼ぶのだと。
「穴は開けられないかな」
『私には無理だ。厚みも分からんし、トンネルを掘るような時間はない』
「そっか……」
役に立たない、足でまとい、その上アイデアも出せない。僕は本当に価値のない人間だ。
『でいりぐちは、あるはずだよ。けっかい、はったのは、神様だけど、サタンに、えっけんする悪魔が、つくってるはず』
『分かっている』
『なら、はやく、みつけてよ』
『今やっている』
アルの声が少し声が低くなる。ミカを背に乗せている時点で相当頭に来ているだろうに、その上急かされたのでは不機嫌になるのも無理はない。
そっと頭を撫でてアルを宥める、探索を邪魔しないように、優しく静かに。地の底から吹き出す黒い液体から目を逸らしながら。
「今度こそ出られる……よね?」
兄は役に立たなかった。
『ぼくもだしてね』
「勝手に出なよ」
『だっこー』
「……分かったよ」
ここで断れば地上に戻った時に殺されかねない、中断していたミカのご機嫌取りもしなくてはならない。身をよじって僕の腕の中に入ってくるミカを抱きかかえ、兄の反応を伺う。
『……テけ、っとと、本当に危ない…………お腹空い……てない!』
今の兄には僕を気にしている余裕はなさそうだ。幸運と言うべきか、兄がいる時点で不幸だと思うべきか。それなら合わせて不幸中の幸いとしようか。
『ヘル! ヘル、無事か? そこに居るんだな?』
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「……アル? アル! 来てくれたの! 良かった、アル、アル……僕を助けに来てくれたんだね!」
『当たり前だ、怪我はないか?』
「ないよ、大丈夫」
『そうか……良かった』
瓦礫の隙間は拳ほどの幅のものとなり、そこからアルの声と姿を確認できた。あと一つ、大きな瓦礫をどかせば再会出来る。
全ての不安が覆い隠されるほどの喜び、あと数秒でアルを抱き締められる。今の僕にはもうそれだけで良かった。
『アル……あの魔獣か』
幾つかに増えた眼球が全て僕を睨む。人型になられても邪魔だが、器官が透けるその姿も気味が悪く不快なものだ。
「……助けてくれるんだから、変なことしないでよね」
『へぇ? 言うようになったね…………出来損ないのくせに』
出来損ないはどっちだ。腕を喰いに来ただけで、僕を精神的に追い詰めるだけで、何も出来ていないくせにくせに。
「にいさまは何も出来なかったじゃないか。ここに来る前もあっさりやられてさ、僕が逃げられたのはアルのおかげだよ」
ずる、ずる、と頭の上の瓦礫が引き摺られる。その擦れる音に紛れてくれるようにと祈りながら、どこかで聞き取ってくれとも願いながら、兄に酷い言葉を吐いた。
「僕を助けられないにいさまなんて要らない」
言い終わったと同時に僕が通れるほどの隙間が出来る。アルの尾が隙間から差し込まれ、僕の胴に巻かれる。
引き上げられながら兄を見る。あの言葉は聞き取れただろうか、だとしたらどう思っただろうか。
『……tek…………i,肉、に、ト……ひと、ーと?』
ジェル状の液体の中に目玉が溶け、代わりに無数の牙が生える。花が開くようにして牙が整列していく。
「あ、ぁ……アル! 早く、早く引き上げて! 早く!」
『今やってる、もう少しだ』
「急いで!」
隙間は体を折りたたんで通れる広さではない。地上に肩が出てすぐに手のひらをついて肘を伸ばし、少しでも早く上がろうとする。
もう少し、というところで足に一瞬の痛みと違和感が宿った。僕を引き上げて嬉しそうに擦り寄るアルの顔が僕の右足をみて固まった。
膝から下が無くなっていた。
視認した途端に激痛が襲う。声にならない声を上げて、アルにしがみついた。
骨が伸び、肉がぽこぽこと増殖し、それを皮が覆い……足が元通りに治っていく。再生の際の奇妙な不快感は痛みに勝るとも劣らず耐え難い。
『治った……魔法か』
「…………まだ、なんか、気持ち悪い」
生えたばかりの足を擦る。手が感じる足の感触も、足に感じる手の感触も、いつも通りだ。
『大丈夫、もう元通りだ。大丈夫だよ、ヘル……』
ゆっくりと指を開き、また結ぶ。僕の考えた通りに動く足は確かに僕の足だ。
元通り、確かに元通り、だけれどやはり違和感が拭えない。痛覚を消していないと再生してもこんな感覚が残ってしまうのか。
『ね、ねぇ、ちょっと! ぼくも、ひきあげてよ! こんなのと、いっしょに、いたくない!』
ぽっかりと空いた穴からミカの声が聞こえてくる。兄はまだ僕の足を食べているのか、弱体化していても天使は食べたくないのか、ミカに牙を向けてはいないらしい。
『どうする?』
「一応上げてあげて、にいさまが邪魔するなら逃げよ」
『分かった』
アルは瓦礫の隙間に尾を落とす。僕は未だに慣れない治りたての足で立ち上がり、アルに跨る。ぎゅっと首に腕を回し、アルの胸あたりで手を組んだ。
『っと、たすかったよ』
ミカはすぐに引き上げられた。兄の妨害は無かったらしい。
『感謝しろ』
『……ありがと』
「ミカ、にいさまはどうなってるの?」
『きみの、あし、とかしてたよ。ちょっと、なにいってるかは、わからなかったけど、なにかいってた』
まだ僕の足の消化中か。ミカは兄の食の好みに合うのだろうか、だとしたら、この先の時間稼ぎに使え…………いや、これは思考してはいけない。僕はそこまで堕ちた人間ではないはずだ。
「そっか……まだ動かない?」
『たぶん。でも、すぐだとおもうよ』
「よし、アル、逃げられる?」
『ああ』
アルが翼を広げると、ミカは慌てて僕の胴に腕を回した。ミカは僕の思考なんて当然知らない、だから無警戒に僕に触れられる。
『まってまって、ぼくも、のせてよ』
『……駄目だと言いたいところだが』
アルは僕の顔を見上げて指示を仰ぐ。
「乗せてあげて」
『分かった』
ミカは僕を包むように翼を丸め、アルは正反対に翼を広げる。
少しの助走、数秒の滑空、そして羽ばたく。
『出口はまだ分からない。取り敢えず上を目指すぞ』
「任せる。あ、ミカは出方とか分かる?」
『あんまり。うえにいく、ってことだけは、わかるけど。それいがいは、しらない』
ミカの拙い話し方は今のような一刻を争う事態では忌避すべきものだ。
「そっか……アル、出来るだけ早く飛んでね」
僕は苛立ちを隠して、アルだけに意識を集中して気持ちを落ち着かせる。
『分かっている』
天井付近まで辿り着くと、アルは壁に爪を引っ掛け周囲を観察し始めた。
『穴などは見当たらないな。階段……か、一体何処に…………私が魔界出身の魔物なら、こんな……』
『やっぱり、サタンにいうのが、ちかみちかな。つうこうどめ、だけど』
「今は何かと……戦ってる、のかな?」
『何故かは知らんがトールが来ている、彼奴がサタンの気を引いているうちに逃げ出したい』
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