186 / 909
第十五章 惨劇の舞台は獣人の国
草食の本能
しおりを挟む
アルは外にいて、青年は僕の方を見ようともしない。つまり話し相手がいなくて、寂しい。
青年に許可を取ってはいないが、勝手にしろとは言われたので隣に座った。淡い茶色のソファはとても座り心地が良く、そのまま眠ってしまいそうだった。
だが僕が座った直後に青年が立ち上がったことで眠気は吹き飛ぶ。
……厚かまし過ぎたか。
青年は流し台横の棚を漁り、手のひら程の大きさの四角い何かを持ってきた。ムラのある緑色のレンガに似た物だった。
「な、何ですか。これ」
「……石鹸。お風呂入ってきて。早く。向こうにあるから」
「今からですか?」
「早く。お前、肉食野郎の匂いが染み込んでるんだよ」
「わ、分かりました……けど、肉食野郎って何ですか?」
「肉食野郎は肉食野郎、肉食ってる奴。大っ嫌いな匂いなんだよ。早く風呂入れ、念入りに洗え」
長い前髪から覗く黄色い目は明らかな敵意に満ちていた。
断る勇気もなく……そもそも断る理由もない、石鹸を受け取って風呂に向かった。緑色の石鹸から出るのは薄い緑色の泡、少々気味が悪い。言われた通りに念入りに洗うと、身体中から青臭い葉の匂いがする。
この村には電気も水道もない。風呂場から青年に沸かせという勇気がなく、汲み置きの水で泡を流し、身体は冷えてしまった。
風呂を出て、毛布を借り、ソファに座る。
「………ん、及第点」
僕の髪に鼻を埋めて、青年は満足そうな顔をした。
「はぁ……そうですか」
目の前で振られる立派な角に気を散らされる。
今まで気がつかなかったが、耳も少し違う。耳の位置は同じだが、その耳は鹿のように長くふわふわの毛が生えている。
「えっと……鹿の、獣人?」
「だったら何? 言っとくけど紙食べないから」
「紙食べるとか思いつきもしませんでしたよ。あの、お名前は?」
「………何で聞くの? 呪いでもかける気?」
「違いますよ! ただ、一晩お世話になるなら聞いておきたいなって」
警戒心が強いと言うべきか、被害妄想が激しいと言うべきか。青年はこちらの言葉を素直に受け取ってくれない。
「………………ハート」
「へ? 」
「ハートだ! ハート・エルラヴィクス! 何回も聞くなよ難聴野郎!」
「ご、ごめんなさい」
声が小さくて聞き取れなかっただけで、僕の耳は悪くない。そんな口答えはやめておこうか。僕の心は突然怒鳴られてすっかり萎縮してしまった。
「一人暮らしですか?」
「……ああ、一人寂しく慎ましく暮らしてるよ。だったら何? 強盗でもするの?」
「しません! 何なんですかさっきから、僕そんなことしませんから」
もう少し警戒を緩めて欲しいものだ。
しかし、本当に一人暮らしなのか? それにしては大きな家だ。隅に散らばった積み木から、勝手に子供がいると思い込んでいたのだが、これは聞かない方がいいのだろうか。
「俺からも質問いい? 嫌だって言っても聞くけど」
「……それ許可取ろうとする意味ないですよね」
「お前、肉食う? 人間って雑食だよな」
僕の返答を聞かず、青年は真剣な目で尋ねた。
「肉? まぁ、食べたことはありますけど。そんなに好きじゃないし、最近はほとんど」
「ふーん……ならいい」
「何でそんなに気にするんですか? さっきも肉食がどうとか言ってましたよね」
「本能……かな。この村は草食性の獣人ばっかりなんだよ、隣は肉食性。だから仲悪い」
動物的な食物連鎖が関係している……と? 獣人が食事のために獣人を襲うことはないと思うのだが。
そういえば亜種人類にも食人文化がある種族がいたか、今は廃れたらしいが。どういう事情があるにせよ、部外者は「本能なら仕方ない」と言うより他にない。
「あ、あと、人喰いの怪物について聞きたいんですけど」
「お前、質問ばっかだな。まぁいいけど。人喰いの怪物は最近神降の国近辺に出るようになったヤツ。あまり詳しくは知らないけど……」
ハートに怪物について聞いても特に新しい情報はなかった。
ハートが自分に関わること以外に興味がないせいもあるが、何より「見た者がいない」というのが情報不足の一番の原因だ。いないと言うよりは喰われていると言った方がいいかもしれない。
「あぁ……あと、結構な美食家らしいな。死体がほとんど残ってるって聞いた、内臓の一部だけ喰うんだって。だからちょっと怖いんだよな、肉……特に内臓は草食性の生き物の方が美味いから」
「じゃあ近いうちにこっちに来るかもってことですか?」
「怪物の好みが常識通りかは知らないけど」
「ああ、魔獣とかは魔力が強い人を狙いますもんね」
魔物使いだった頃は僕も良く狙われた。今、魔物使いの能力を失っているのは幸運とも言える。
いや、魔物使いなら人喰いの怪物にも対処出来るか? だが魔物かどうかはまだ分からない。神獣崩れや、以前希少鉱石の国に現れた怪鳥のように訳の分からないモノかもしれない。
食事はいらないなんて言ってしまったが、当然腹は減る。山道を何時間も歩いてきて食事抜きというのも残酷だ、明日も同じくらいの距離を歩くということもある。そうハートに伝えた。
「……草?」
「レタスだけど。文句ある?」
嫌そうな顔をしながらも用意してくれたのは、草──ではなく、レタス。大量に盛られたレタス単品。
「えっと、これだけですか?」
「足りないの? まだまだあるからおかわりしていいよ」
眉間に皺を寄せながら言われたら、おかわりなんて出来ない。する気もないけれど。
「ありがとうございます……じゃなくて、その、レタスだけなんですか……って」
「……文句ある?」
「…………ありません」
茶褐色の長い前髪から覗く黄色い瞳。僕のせいか生まれつきか、常に不機嫌なそれは僕を黙らせるのには十分過ぎた。
「あの、調味料とかは」
「いらないだろ、そんなの」
「………そうですね」
野菜の甘味だとか旨味だとかを感じ取れるほど繊細な味覚は持ち合わせていない。レタスなんてソースに浸して食べる物だと僕は思っている。そのせいか、アルにはよく「身体に悪い」と怒られている。
「ごちそうさまでした」
「ん」
口の中いっぱいに広がる草の匂い。
青臭いという程でもないが、気持ちの良いものではない。今日だけだからと自分に言い聞かせつつ、いつもより早く眠りについた。
青年に許可を取ってはいないが、勝手にしろとは言われたので隣に座った。淡い茶色のソファはとても座り心地が良く、そのまま眠ってしまいそうだった。
だが僕が座った直後に青年が立ち上がったことで眠気は吹き飛ぶ。
……厚かまし過ぎたか。
青年は流し台横の棚を漁り、手のひら程の大きさの四角い何かを持ってきた。ムラのある緑色のレンガに似た物だった。
「な、何ですか。これ」
「……石鹸。お風呂入ってきて。早く。向こうにあるから」
「今からですか?」
「早く。お前、肉食野郎の匂いが染み込んでるんだよ」
「わ、分かりました……けど、肉食野郎って何ですか?」
「肉食野郎は肉食野郎、肉食ってる奴。大っ嫌いな匂いなんだよ。早く風呂入れ、念入りに洗え」
長い前髪から覗く黄色い目は明らかな敵意に満ちていた。
断る勇気もなく……そもそも断る理由もない、石鹸を受け取って風呂に向かった。緑色の石鹸から出るのは薄い緑色の泡、少々気味が悪い。言われた通りに念入りに洗うと、身体中から青臭い葉の匂いがする。
この村には電気も水道もない。風呂場から青年に沸かせという勇気がなく、汲み置きの水で泡を流し、身体は冷えてしまった。
風呂を出て、毛布を借り、ソファに座る。
「………ん、及第点」
僕の髪に鼻を埋めて、青年は満足そうな顔をした。
「はぁ……そうですか」
目の前で振られる立派な角に気を散らされる。
今まで気がつかなかったが、耳も少し違う。耳の位置は同じだが、その耳は鹿のように長くふわふわの毛が生えている。
「えっと……鹿の、獣人?」
「だったら何? 言っとくけど紙食べないから」
「紙食べるとか思いつきもしませんでしたよ。あの、お名前は?」
「………何で聞くの? 呪いでもかける気?」
「違いますよ! ただ、一晩お世話になるなら聞いておきたいなって」
警戒心が強いと言うべきか、被害妄想が激しいと言うべきか。青年はこちらの言葉を素直に受け取ってくれない。
「………………ハート」
「へ? 」
「ハートだ! ハート・エルラヴィクス! 何回も聞くなよ難聴野郎!」
「ご、ごめんなさい」
声が小さくて聞き取れなかっただけで、僕の耳は悪くない。そんな口答えはやめておこうか。僕の心は突然怒鳴られてすっかり萎縮してしまった。
「一人暮らしですか?」
「……ああ、一人寂しく慎ましく暮らしてるよ。だったら何? 強盗でもするの?」
「しません! 何なんですかさっきから、僕そんなことしませんから」
もう少し警戒を緩めて欲しいものだ。
しかし、本当に一人暮らしなのか? それにしては大きな家だ。隅に散らばった積み木から、勝手に子供がいると思い込んでいたのだが、これは聞かない方がいいのだろうか。
「俺からも質問いい? 嫌だって言っても聞くけど」
「……それ許可取ろうとする意味ないですよね」
「お前、肉食う? 人間って雑食だよな」
僕の返答を聞かず、青年は真剣な目で尋ねた。
「肉? まぁ、食べたことはありますけど。そんなに好きじゃないし、最近はほとんど」
「ふーん……ならいい」
「何でそんなに気にするんですか? さっきも肉食がどうとか言ってましたよね」
「本能……かな。この村は草食性の獣人ばっかりなんだよ、隣は肉食性。だから仲悪い」
動物的な食物連鎖が関係している……と? 獣人が食事のために獣人を襲うことはないと思うのだが。
そういえば亜種人類にも食人文化がある種族がいたか、今は廃れたらしいが。どういう事情があるにせよ、部外者は「本能なら仕方ない」と言うより他にない。
「あ、あと、人喰いの怪物について聞きたいんですけど」
「お前、質問ばっかだな。まぁいいけど。人喰いの怪物は最近神降の国近辺に出るようになったヤツ。あまり詳しくは知らないけど……」
ハートに怪物について聞いても特に新しい情報はなかった。
ハートが自分に関わること以外に興味がないせいもあるが、何より「見た者がいない」というのが情報不足の一番の原因だ。いないと言うよりは喰われていると言った方がいいかもしれない。
「あぁ……あと、結構な美食家らしいな。死体がほとんど残ってるって聞いた、内臓の一部だけ喰うんだって。だからちょっと怖いんだよな、肉……特に内臓は草食性の生き物の方が美味いから」
「じゃあ近いうちにこっちに来るかもってことですか?」
「怪物の好みが常識通りかは知らないけど」
「ああ、魔獣とかは魔力が強い人を狙いますもんね」
魔物使いだった頃は僕も良く狙われた。今、魔物使いの能力を失っているのは幸運とも言える。
いや、魔物使いなら人喰いの怪物にも対処出来るか? だが魔物かどうかはまだ分からない。神獣崩れや、以前希少鉱石の国に現れた怪鳥のように訳の分からないモノかもしれない。
食事はいらないなんて言ってしまったが、当然腹は減る。山道を何時間も歩いてきて食事抜きというのも残酷だ、明日も同じくらいの距離を歩くということもある。そうハートに伝えた。
「……草?」
「レタスだけど。文句ある?」
嫌そうな顔をしながらも用意してくれたのは、草──ではなく、レタス。大量に盛られたレタス単品。
「えっと、これだけですか?」
「足りないの? まだまだあるからおかわりしていいよ」
眉間に皺を寄せながら言われたら、おかわりなんて出来ない。する気もないけれど。
「ありがとうございます……じゃなくて、その、レタスだけなんですか……って」
「……文句ある?」
「…………ありません」
茶褐色の長い前髪から覗く黄色い瞳。僕のせいか生まれつきか、常に不機嫌なそれは僕を黙らせるのには十分過ぎた。
「あの、調味料とかは」
「いらないだろ、そんなの」
「………そうですね」
野菜の甘味だとか旨味だとかを感じ取れるほど繊細な味覚は持ち合わせていない。レタスなんてソースに浸して食べる物だと僕は思っている。そのせいか、アルにはよく「身体に悪い」と怒られている。
「ごちそうさまでした」
「ん」
口の中いっぱいに広がる草の匂い。
青臭いという程でもないが、気持ちの良いものではない。今日だけだからと自分に言い聞かせつつ、いつもより早く眠りについた。
0
お気に入りに追加
436
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
御機嫌ようそしてさようなら ~王太子妃の選んだ最悪の結末
Hinaki
恋愛
令嬢の名はエリザベス。
生まれた瞬間より両親達が創る公爵邸と言う名の箱庭の中で生きていた。
全てがその箱庭の中でなされ、そして彼女は箱庭より外へは出される事はなかった。
ただ一つ月に一度彼女を訪ねる5歳年上の少年を除いては……。
時は流れエリザベスが15歳の乙女へと成長し未来の王太子妃として半年後の結婚を控えたある日に彼女を包み込んでいた世界は崩壊していく。
ゆるふわ設定の短編です。
完結済みなので予約投稿しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる