エデンの花園

モナカ(サブ)

文字の大きさ
上 下
8 / 13
第1章 不穏な花

第8話 反逆

しおりを挟む
指導室の中を扉の隙間からこっそり覗く、中でクロミんとみじゅが話しているのが聞こえるし見える。

クロミん「あの・・・話ってなんですか・・・?」

みじゅ「・・・簡単に話そう、残念だが黒蜜クロミ、貴様は今日を持ってこの学校を退学とするっ!!」

クロミん「えええええ!!そ、そんなっ!!なんでですか!!?」

あま(・・・は?クロミんが・・・退学!?)

あま(なんで!?頭にチューリップが生えてるから・・・!?でも、いくらなんでもそれは酷すぎるよ!!)

みじゅ「なんでって分かっているだろう、とぼけるな、貴様の頭のソレだ!!このまま貴様に学校に居られても困るのだ!!風紀委員全員で決めた決定事項だ!!今すぐ荷物をまとめてこの学校から出ていくがよいっ!!」

クロミん「・・・・・・酷いです・・・わざとじゃないのに・・・ぐすっ・・・」

みじゅ「泣いても無駄だ、自分の行動を後悔して反省する事だな。」

クロミん「これはわざとじゃないんですぅ!!朝起きたら頭に生えてて、切っても引っこ抜いてもまた生えてくるんです!!」

みじゅ「なにをファンタジーみたいな事をほざいているんだ貴様は!!そんな言い訳が通ると思うのか?それともゲームのやり過ぎで頭がおかしくなったか!!」

そりゃそうだ、普通こんな話をしたら頭にお花が咲いてると思われてしまう。実際問題咲いているのだが。

クロミん「違うんですううううううう!!ホントなんですうううううう!!信じて下さァァァァい!!」

私はだらしなく泣きべそをかいて土下座する。

みじゅ「とにかく貴様は退学だっ!!この事実が曲がる事はないっ!!そもそもそんな事この我が許さん!!学校の風紀の為にっ!!」

あま「ちょっと待ったぁぁぁぁぁ!!」

クロミん「きょ、あまちゃん!!?」

あま「みじゅ!!いくらなんでも酷すぎない!?クロミんはわざと頭にチューリップ付けてる訳じゃないんだよ!!?本当に頭から取れなくて困ってるのに、事情も聞き入れようともしないで偏見だけで決めつけて勝手に決定事項とか言って学校から追い出そうなんて悪魔だよ!!るとちゃんの苦労もしらないで!!少しはクロミんの事を信じあげてもいいんじゃないの!?」

みじゅ「ダメだ、それにこれは話してなかったが、退学の理由は頭のチューリップの話だけではないっ!!」

クロミん「どういう事ですか?私他に何か悪い事しちゃいました?」

みじゅ「無論!!しているとも!!噂は我の耳にも流れてくるのだ!!あのガオを筆頭とした悪党4人組とつるんでいるらしいな!!私はアイツらは絶対に許す事はない!!悪だ!!犯罪を犯し、捕まりもせず、散々悪い事を繰り返しておき、反省もせず地獄にも落ちずのうのうと生きているアイツらを我は許す事はできない!!そんな奴らとつるんでる貴様も同罪だ!!さぁ出ていけ!!この学校を汚す前に!!」

あま「待ってよみじゅ!!別にクロミんはまだ悪い事をした訳じゃ・・・」

みじゅ「・・・だからなんだ?あの4人組とつるんでいたらいつ悪に堕ちるか分かったもんではないだろう?ん?そうだろうあま、絶対に無いと言いきれるのか?ん?否!!この世に絶対など有り得ない!!摘めるべき芽は今摘んでおくべきなのだ!!」

あま「そんな事・・・あるわけないっ!!クロミんを信じあげてよ!!」

クロミん「・・・・・・あまちゃん。」

あま「・・・ね?ほら!!クロミん!!一緒に教室に帰ろう!!みんなまってるよ!!」

クロミん「・・・・・・・・・」

あま「・・・・・・ねぇ?なんでそんな顔してるの?・・・・・・ヤダよ・・・私はクロミんが居なくなるなんて絶対やだよ!!」

クロミん「あまちゃん・・・もういいよ・・・」

あれ?私・・・泣いてる?なんだだろう・・・こんなの分かってたはずなのに・・・なんでこんなに苦しくて悲しいんだろう・・・。

あま「みじゅ!!クロミんの話を信じてあげてよ!!ほんとに悪い事なんてしないし、チューリップだってわざとじゃないんだよ!!」

あまちゃんがみじゅの襟首を掴んで喚き出す。なんで私なんかの為にこんなにも必死になってくれるのだろう?友達だから?もう何もかも分からなくなってきた。

みじゅ「離せ、制服が汚れるだろう。」

みじゅ「それに、黒蜜クロミを信じろと言うのなら『証人』が必要だな、貴様も社会のルール位分かるだろう。タダで信じろなど無理な話なのだ。物事には必ず証人や証拠、証言等、確実に信じられるモノが必要なのだ!!それが社会というものだっ!!」

あま「・・・・・・証人って言ったって。」

ホソカ«・・・俺はいいや、めんどくさいし»

あま「もう・・・ホソカが居れば証人になったかもしれないのに!!なんで肝心な時にいないんだよあいつ!!」

あまちゃんが壁を怒りに任せて叩く。

あま「うわーーーーーーん!!ホソカのバカヤローーーーーー!!」
















ホソカ「誰が、馬鹿だって?」









あま「・・・・・・・・・ホソカ?」







ホソカがいつの間にか指導室の中に入って扉の前にいた。

ホソカ「そんな事だろうと思って、証人集めてたんだよ、クロミんの事よく知ってる奴らをね。大変だったよ、学校中の生徒かき集めるの。」

ホソカがニヤニヤとしている。やってやった顔だ。

あま「ホソカ・・・嘘でしょ・・・来てくれたの・・・???」

ホソカ「俺がクロミを裏切るわけないじゃん?卒業まで一緒って約束しただろ。」

クロミん「・・・・・・ホソカ」

涙が溢れそうになる。みんな来てくれた。私の為だけに・・・。

黒木「なーに大騒ぎしてる思って駆けつけてみよったら、みじゅに詰められとったんか?可哀想やなぁ。みじゅ、お前はいつも厳し過ぎんねん。なーにが風紀や!!生徒いてこその学校やろが!!その生徒追い出そうなんで自分どんな根性しとんねん!!」

クロミん「黒木先輩!!」

みじゅ「なっ、なんだ貴様ら!!これは決定事項なのだぞ!!取り消す訳にはいかない!!それに何だこの数は!!100人以上居るではないかっ!?こんなに指導室に集まったら他の生徒や先生に迷惑だ!!帰れっ!!」

テキちゃん「だぁ~れが帰るかよ!!ゴラ!!大切な後輩が困ってんだ!!どんな時でも駆けつけて助けてやるのが先輩の役目ってもんだろーが!!クロミん!!もう大丈夫だぜ!!テキちゃんの参上だ!!」

るたん「やっほ~!!るたん見参♡テキちゃんのいる所にるたんあり~!!みじゅちゃん♡確かにみじゅちゃんはセクシーでキュートだけど、これはやり過ぎなんじゃな~い?何もしてない生徒を退学させるなんて、こんな事が他の生徒にバレたら風紀委員会潰れちゃうかもね~♡」

るーちゃんがスマホで写真をパシャリと撮る。

るたん「みじゅ~♡このクロミんを理不尽に詰めてる写真を学校中の生徒にばら撒かれたくなかったら!!クロミんの退学を取り消せ~!!」

「そうだーーー!!取り消せーー!!」

「デカ乳の癖に卑怯な事すんなー!!みじゅー!!」

「風紀委員辞めちまえー!!」

「クロミんが可哀想だろおおおおおおがぁ」

「クロミん可愛いいいいいいいい」

「とーり消せ!!とーり消せ!!とーり消せ!!とーり消せ!!とーり消せ!!とーり消せ!!」

クロミん「・・・みんなっ!!私は辞めたくないよ!!この学校!!」

ホソカ「いいぞーお前らー、もっとみじゅに言ってやれー!!」

取り消せコールが鳴り止まない。何人もの人が私の為に抗議してくれている。有り難すぎて何も言葉が出ない。

みじゅ「貴様らぁ!!なにを考えている!!全員退学にするぞっ!!それと鞠城ルーニャ!!そんな写真をばらまくんじゃない!!風紀委員会のメンツが潰れるだろっ!!」

テキちゃん「ごちゃごちゃうるせーなぁ!!そんなんで潰れるメンツなら最初からねぇのと同じなんだよ!!潰れちまえ風紀委員会!!卑怯な事してクロミんいじめてんじゃねーぞ!!テキちゃんが許さねぇからなぁゴラァ!!」

るたん「よかったね~みじゅちゃん♡風紀委員会大ピンチ!!でもほら見てご覧、今の状況、どう見てもみじゅちゃんが悪者だけど?」

みじゅ「我が・・・悪者・・・だと・・・?ふざけるなぁ!!」

黒木「別に退学でもええで、ここに居るこいつら全員退学覚悟で来とるんやからな!!クロミんが退学するなら全員そろって辞めたるわこんなクソ学校!!困るのはそっちやで?生徒こんなに減ってこれからどう経営してくんかお空から眺めさせてもらうわ!!はははっ!!」

みじゅ「ぐ・・・ぐぬぬぬ・・・ぬぬぬぬ・・・」

あた「みじゅちゃん、もう一度よく考えてあげたら?」

クロミん「あたさんまで!?」

みじゅ「あた!!貴様も裏切る気か!?貴様は保健委員長だろう?学校側を裏切ればどうなるか・・・・・・」

あた「うるせええええええええええええぇぇえええええええええええええええええええええええええおっらーーーーーーーん!!」

あたさんが指導室の机をひっくり返す。凄い勢いだ、あたさんのこんな姿見た事ない・・・てゆうかあんまり見たくなかった。

みじゅ「指導室を荒らすんじゃない!!」

あた「もう一度言うよ、みじゅ。あたとみじゅは長い付き合いなんだから分かるよね?少しは・・・か、ん、が、え、て、み、た、ら?」

あたさんが笑っている。目が全く笑っていないが。みじゅを笑顔で威圧している。この距離からでも分かるほど凄い覇気だ・・・。

みじゅ「し、しかし・・・」

先生「少しは考えてやってもいいんじゃないか、御堂。黒蜜もそれなりに事情があるんだろう。」

みじゅ「せっ、先生!!?」

先生「こんなに沢山の生徒が反対してるんだ、今回は風紀委員会のやり過ぎだと思うぞ。退学はやり過ぎだ。御堂、黒蜜を不正に退学させたらお前もタダじゃすまないぞ・・・。」

みじゅ「くっ・・・・・・わかりました先生。黒蜜退学を取り消しましょう・・・。」

クロミん「・・・・・・本当ですか???」

あた「よかったね~、クロミん♪」

あま「やったぁぁぁぁぁぁ!!クロミん!!よかったね!!本当によかった!!あま嬉しいにゃ!!サイコーにゃ!!」

ホソカ「急に猫になるな。」

あまちゃんが私に思いっきり抱きついてくる。なんだか恥ずかしい。

ホソカ「よかったな、クロミんが頑張ったからだよ。」

黒木「なに言うてんねん、大体お前のお陰やでホソカ。」

テキちゃん「ホソカすげーなお前!!こんな人数この短時間で集めてくるなんて。冴えない奴だと思ってたけど見直したぜ!!」

るたん「ホソカファインプレーだね♡ご褒美にキスしてあげよっかぁ~?ぬふふ・・・♡」

テキちゃん「ダメーーー!!テキちゃん以外とキスしないでぇぇぇ!!」

るたん「えー!! 別にいいじゃ~ん!!」

テキちゃん「やだやだぁ!!」

黒木「何イチャイチャしとんねん!!道頓堀に突き落としたろか!!」

あた「ふふふ・・・お祭り騒ぎだね、ある意味いい思い出になるかもね~♪」

遠くから指導室を見つめる4人組の影がある。

ガオ「どうやら解決したみたいだね、あたいとつるんだ事でクロミんが退学になるなら、どんな手使ってでも阻止して落とし前つけなきゃいけないと思ったけど、どうやらその必要は無くなったみたいだね。」

ねむ「まあ、なにはともあれ結果オーライじゃないですかね?平和に終わってよかったですよ本当に。」

あすぴよ「はぁ~、つまんないっすねぇ。久しぶりに指導室で思いっきり暴れまくって、気に入らないみじゅの奴をギャフンと言わせるチャンスだったっすのに。」

白濁子「せっかく戦闘準備してきたのに~。だくこのワクワク返してよぉ~。」

ガオ「まあ解決したからな、仕方ねえ。よし!お前ら帰るぞ!!」

白濁子「へへ・・・帰ったら強いのキメちゃお~っと♡」

あすぴよ「またオシッコ漏らすのは勘弁っすよ白濁子ちゃんwww」

白濁子「うん~、次はおもらししないように頑張るね~」

ねむ「頑張るんじゃなくて漏らさないのが普通なんですよ・・・・・・」

ガオ「おい、無駄話すんな。センコーとかみじゅの奴にバレたらダルいからね。ほら、退散退散。」

あま「やったやった!!クロミんと一緒~♡いえーい!!」

みじゅ「先生・・・これで良かったのですか?」

先生「大丈夫だろう、生徒を信じてやる事も大切だと思うぞ、風紀委員長としてな。精進したまえ。」

みじゅ「はっ!!肝に銘じておきます!!」

クロミん「先生・・・ありがとうごさいます!!」

先生「黒蜜、退学は取り消しだ、よかったな!!」

















先生「じゃあこれから無期限謹慎になるけど、ちゃんと勉強がんばれよ!!」
















クロミん「・・・・・・・・・・・・へ?」









一同「・・・・・・・・・・・・は?」



先生「ん?別に退学は取り消しになったが、そのチューリップ頭のまま学校に来られても困るからな、それが取れるまで無期限謹慎だぞ~。」


一同「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?!?!?!?!?」

クロミん「そ・・・そ・・・そ・・・」

クロミん「そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・ァァァ」

テキちゃん「おい先生!!話が違うだろ!!話の流れ的にまた明日から学校に来ていいぞじゃねーのかよぉ!!」

黒木「空気読めやセンコー!!なんやねんその悪い意味での上げて落とすテクニック!!どこぞの漫才師や!!」

みじゅ「うるさいぞ貴様ら!!文句を言うな!!先生の決めた事だ!!素直に従うんだ!!退学じゃなかっただけマシだと思え!!」

クロミん「・・・うぅ・・・無期限謹慎・・・うわーん!!」

あた「まあ、家でゆっくり心を落ち着かせて休んだ方がいいよ・・・きっとすぐ戻れるよ。だから・・・ねっ?がんばろう?」

あたさんが優しく頭を撫でてくる。なんだかまた涙が溢れてきた。

あま「クロミんとお別れなんてあまやだよぉ~・・・う゛う゛ぅ・・・あまの事絶対忘れないでね!!約束だよ!!またいつか会おうね!!絶対だからね!!」

ホソカ「なんで卒業式みたいになってんの。」

ホソカ「まあ、俺達にできる事はここまでだから、後はもう自分で頑張ってくれクロミん、俺は応援してるからな。」

クロミん「うぅ・・・・・・・・・うわーーーーーん!!もうやだ!!こんな世界無くなっちゃえばいいんだぁ!!もうやだぁ!!死にたい!!死にたいよぉ!!まぢ無理!!病む!!病む!!病んだ!!うわーー!!リスカするもんまぢ無理!!」

あま「クロミんがメンヘラになっちゃった・・・・・・」

ホソカ「まあ大丈夫だろ、家でゆっくりしてればそのうち治るさ。」

先生「黒蜜、今日はもう家に帰りなさい。親御さんには先生から伝えておくから。」

クロミん「・・・・・・・・・はーい」

みじゅ「よかったな黒蜜クロミ!!勉学に勤しむのだぞ!!」

あま「ちょっと!!みじゅちゃん空気読んでええええええ!!」

それからはよく覚えていない、みんなに悲しい目で見送られたのだけは覚えてる。もう明日から大好きなあまちゃんにもホソカにも、優しかったあたさんにも、私を庇ってくれた黒木やテキちゃん、るーちゃんにも、それにせっかく友達になれたガオちゃん達とも会えないのだ。そう考えると鬱になる。

勉強なんてちっともする気になれない、ゆっくりとひとりぼっちで涙目で家に帰るのだった、帰ったらリスカでもしよう・・・。

そよそよと頭のチューリップが虚しく風に揺れる、元はと言えばこのチューリップのせいなのだが、なんだか憎めない。やり場のない怒りと悲しみが心を襲う。

あーる「あっ!!クロミんお姉ちゃんだ~!!」

みーこ「わぁーい!!久しぶり~!!あたち達と遊ぼ~!!」キャッキャ

黒いミニボブの髪型でハートのピン留めをした、白と黒のシマシマシャツの女の子。

それと茶髪で刈り上げソフトモヒカンで、タンクトップのいかにもなやんちゃ坊主な男の子。

そんな二人組がこちらへ駆け寄ってくる。

クロミん「久しぶり・・・『あーる君』『みーこちゃん』2人とも・・・。」

あーる「クロミんお姉ちゃんこんな時間に何してるの~?学校じゃないの~?」

みーこ「なんが学校でよくない事でもあったです?」

クロミん「ちょっとね・・・色々・・・あってね・・・疲れてるんだ・・・」

あーる「てかなんで頭にチューリップ生えてるの?おもしろーい!!」

みーこ「あー!!ほんとだ!!チューリップ生えてる!!クロミ姉おもしろーい!!」

クロミん「こ、これは特に深い意味はないから気にしなくていいよ・・・」

みーこ「クロミ姉チューリップ星人だったのかー!!」

あーる「チューリップ星人と遊んでみたい!!」

クロミん「・・・ちょっと今日は疲れてるんだ・・・また今度ね・・・ごめんね・・・」

みーこ「やだやだ!!あたちクロミ姉と一緒に遊びたい~!!」

みーこちゃんが駄々をこねてくる。相変わらず可愛い、大きくなったらきっと美人さんになるに違いない。

あーる「俺も遊びたい!!クロミんお姉ちゃんとお馬さんごっこしたい!!」

クロミん「う・・・うん、そうゆう遊びはもっと大人になってからね///大人になったらヤッテアゲルヨ!」

あーる「うわーい!!やったー!!クロミんお姉ちゃんとお馬さんごっこできる!!早く大人になりたいなー!!」

多分この子は意味を分かっていない・・・。そう願いたい・・・。

みーこ「ずるい!!みーこもクロミ姉とお馬さんごっこするの!!」

みーこちゃんが足元に抱きついてくる。

クロミん「お馬さんごっこは・・・女の子同士じゃ出来ないかな・・・あはは・・・」

みーこ「えー!!なんでー!!?ならみーこも男の子になるです!!クロミ姉とお馬さんごっこするのです!!」

クロミん「お、大人になったらね・・・///」

こんな小さな女の子とお馬さんごっこなんてしたら私は捕まってしまう、それでこそ学校退学である。

あーる「みーこだけずるいぞ!!お馬さんごっこは三人でヤッたほうが楽しいんだぞ!!」

ると「・・・さ、三人でヤるの?///」

本当はあーる君意味わかってて聞いてるんじゃないか・・・。このエロガキ・・・。

みーこ「今ここでお馬さんごっこしよーよー!!いいでしょクロミ姉!!」

あーる「いえーい!!お馬さんごっこ~!!」

クロミん「そっ、そんな・・・//////今・・・///ここで!?///」

あーる「じゃあクロミんお姉ちゃんお馬さんねー!!」

みーこ「私もクロミ姉に乗るー!!」

仕方なく私は道路の真ん中でお馬さんごっこをする・・・。

クロミん「は・・・恥ずかしすぎる・・・//////」

「ママ~何あれ~?」

「しっ!!見ちゃいけません!!」

あーる「いけー!!クロミシップ~!!」

みーこ「なんか遅い~、お馬さんってお尻叩くと早くなるってよ~!!」

あーる「そーなんだ!!じゃあ叩くー!!」

クロミん「!?!?ちょ、ちょっとまっ・・・」

あーる「えいっ!!」バシーン

クロミん「ひうううううん///」ビクッ

みーこ「おおー!!お馬さん鳴いたー!!すごーぃ!!」

あーる「もっといっぱい叩こ!!」

あーる「えいっ!!えいっ!!えいっ!!」バシバシ

クロミん「んひいいいいい///もうムリ~///もうやめて~///」ビクンビクン

そのまま私は道路の真ん中でくたばってしまった・・・。

あーる「あはは~、楽しかった~、また遊ぼうねクロミんお姉ちゃん!!」

みーこ「またお馬さんごっこしようね!!」

クロミん「・・・・・・・・・」チーン

あーる&みーこ「ばいばーい!!」

クロミん「・・・・・・バイバイ」

子供の純粋さとは時に残酷なものなのだと改めて感じさせられる。お尻がヒリヒリして痛い。

クロミん「うぅ・・・足と心だけじゃなくてお尻も痛いよぉ・・・うぅ・・・頭も痛くなってきた気がするぅ~・・・」

クロミん「まぢ無理!!もうやだ!!私の人生どーせこんなもんなんだ!!みんなにバカにされて子供にお馬さんにされて!!一生虐げられる人生なんだぁ!!うわーーーーん!!病む~!!」




そのまま私は速攻で家に帰り

病んで自分の部屋に閉じこもった

そして、私は部屋に引きこもったまま

半年が過ぎようとしていた・・・。
しおりを挟む

処理中です...