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第1章 不穏な花
第2話 お披露目
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私の名前は『黒蜜 クロミ』
通称『クロミん』
『私立 病卐高校』
に通うどこにでもいる普通の女子高生・・・のはずだったんだけど・・・
何故か今日の朝、頭にピンクのチューリップが生えてしまった。
(やだよぉ・・・どうしよう・・・イジメとか受けたら・・・これから毎日焼きそばパン買わされるのかなぁ・・・)
そう考えながら歩いていると、案外すぐに学校に着いてしまった。
校門をくぐると、周りに歩いている生徒の視線が私の頭に向けられている事はすぐ分かった。
(こんなの・・・こんなのってあんまりだぁ!!)
シクシクと泣きながら、教室のドアを開ける。
私がドアを開けるなり、ガヤガヤと賑わっていた教室が途端にシーンとなり凍りつく。教室中のみんなの視線が一気に私に突き刺さる。そしてとても長い沈黙が走った。
そして・・・次の瞬間・・・
「・・・・・・・・・ぷっ!!」
「あっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!」
「なにそれ!!チューリップ!!?クロミんウケるんだけど!!」
「どーしたのキャラ変?コスプレ???ぷぷぷっ!!」
教室中にみんなの大爆笑の笑い声が響く、良くも悪くも注目の的だ。案の定みんなにバカにされてしまった。
みんながゾロゾロと私の周りに集まってくる。
「わぁ~、クロミん可愛い~」
「ぷぷっ、冗談抜きで割と似合ってるよ!!」
クロミん「ぐすん、やめてよぉ!!」
「別にバカにしてないよ~。ちょっと触らせて~、可愛い~♡」
周りの友達が一斉に私の頭に生えてるチューリップをなでなでしだす。
「ギャハハハハ、クロミんなんだよそれ!!頭にお花生えてる!!」
「お花生えてる、クロミんも可愛いぜ♡」
男子が指を指してくる。
クロミん「うぅ・・・。」
「ちょっと男子!!クロミんイジメないで!!」
「はいはい、悪かったよ。ぷっ!!」
「クロミん相変わらずいいキャラしてるね!!私は好きだよそーゆーの!!」
クロミん「あ・・・ありがとう・・・はは」
???「おっはよー!!クロミん!!あれれ???頭にチューリップ生えてるー!!」
茶色いセミロングのストレートヘアの元気そうな少女が話しかけてくる。
彼女は親友の『雨屋鳥 尼子』通称『あまちゃん』私の頭を見るなり近づいてくる。親友に見られた、恥ずかしさのバーゲンセールである。
クロミん「あまちゃ~ん!!だずげでぇー!!」
私は情けない声を出しながらきょんに抱きつく。
あま「ちょっとちょっと!!どうしちゃったの?別にいいじゃん!!可愛いよ!!」
クロミん「いやだ!!全然よくない!!」
あま「それコスプレじゃないの?誰かに無理やりやらされてるの?罰ゲーム?」
あまちゃんが困惑の表情を浮かべる。
クロミん「ううん・・・違うの・・・朝起きたらね、急に頭にチューリップが生えてたの!!それでね!!それでね!!・・・うぅ・・・ぐすっ・・・」
あま「ちょっと泣かないでよ!!大丈夫!!私が何とかしてあげるよ!!」
あま「ちょっとホソカ!!緊急事態!!おいで!!」
???「ん?どうした?何か問題でもおきたか?」
眉毛の薄いメガネをかけた細身の少年が近づいてくる、彼はバスケ部の『細木 和貴』通称『ホソカ』、あまちゃんと私もバスケ部でいつも3人でいるのでバスケ部三人衆と言われている。
あま「なんかね、頭からチューリップが生えて困ってるんだって!!」
ホソカ「はぁ?何言ってんの?頭大丈夫?」
あま「むー!!いつもそういう事言う!!」
クロミん「ホソカ・・・助けて・・・」
ホソカ「うわ、ほんとだ、チューリップ生えてる、おもしろ。」
あま「ちょっと!!クロミん気にしてんだよこのサイコパス!!」
ホソカ「うるさい、あとサイコパスじゃない。」
ホソカ「うーん、とりあえずハサミで切ってみようか。」
そう言うとホソカはめちゃくちゃデカいハサミを取り出す。
あま「ひぃ!!なんでそんなもんもってんの!!?やっぱサイコパスだぁ!!」
ホソカ「うるさい、殺すよ?」
あま「ひぃー!!」
ホソカが私の頭のチューリップを容赦なくちょん切る。
「・・・・・・」
案の定またチューリップがニョキニョキと生えてきた。まあ、知ってたとはいえ憂鬱になる。
ホソカ「あれ?おかしいな?切ったはずなのに?」
またホソカがチューリップを切る、そして生えてくる、またホソカが切る、そして生えてる、またホソカが切る、そして生えてくる、またホソカが切る、そして生えてくる。
クロミん「無限ループじゃん!!」
ホソカ「あれ?おかしいな?ちゃんと切ってるよねこれ、結構根元からいってるはずなんだけどなぁ。」
床にホソカの切ったチューリップが沢山落ちていく。
あま「ちょっと!!チューリップが可哀想だよ!!人の心ないの!!サイコパス!!」
ホソカ「うるさーい!!誰がサイコパスだぁ!!」
あま「これやっぱ引っこ抜くしかないんじゃない?」
クロミん「でも、どんなに引っ張っても抜けないよ?」
あま「やってみないとわかんないよ!!いけ!!ホソカ!!」
ホソカ「あいあいさー!!」
ホソカが頭のチューリップを引っ張る。しかし抜ける様子はない。
ホソカ「ん!!んーー!!おらっ!!せいっ!!そいやっ!!ぐぐぐぐ!!」
あま「はぁ・・・ホソカそれでも男?力ないね~・・・」
あまがため息をつき呆れ顔をする。
ホソカ「いや、結構全力でやったよ。」
あま「ホソカはもういい!!もっと力のある人に頼んでみよっか。ついてきてるとちゃん!!」
クロミん「力のある人・・・???」
とりあえずあまとホソカについて行く。
廊下を歩くとゾロゾロと他の生徒達が物珍しいものを見るかのようにこちらに視線を向ける。どうやらもう学校中の噂になってしまってるようだ。
クロミん「うぅ・・・もうお嫁にいけない・・・。」
あま「大丈夫だよクロミん!!最悪私が貰ってあげるから!!」
クロミん「ふふ・・・ありがとう・・・。」
あま「それにもう恥ずかしい時間は終わり!!力自慢の人にお願いするからね!!」
先生「ちょっとそこ、止まりなさい。」
クロミん「あっ、先生、おはようございます。」
先生「クロミん君、なんだそのチューリップは?君はそんな子じゃなかったはずだぞ。もっと真面目だったはずだ。てかそもそもなんでチューリップなんだ。嫌な事でもあったのか、グレたんですか?ささやかな反抗ですかコノヤロー。」
クロミん「違います・・・そんなんじゃないです・・・。」
先生「とにかく、明日もまたチューリップつけて登校してきたら、風紀委員会に言いつけるからなー。」
あま「ひどーい先生!!なんでそんな事するんですか。」
ホソカ「いや、まあ先生の反応は普通でしょ。」
クロミん「うぅ・・・今日中に取らないと大変な事になっちゃうよぉ・・・。」
あまちゃんが先生にあっかんべーをしている。
あま「ふん!!行こう!!クロミん!」
そのままスタスタと廊下を歩いていった。
通称『クロミん』
『私立 病卐高校』
に通うどこにでもいる普通の女子高生・・・のはずだったんだけど・・・
何故か今日の朝、頭にピンクのチューリップが生えてしまった。
(やだよぉ・・・どうしよう・・・イジメとか受けたら・・・これから毎日焼きそばパン買わされるのかなぁ・・・)
そう考えながら歩いていると、案外すぐに学校に着いてしまった。
校門をくぐると、周りに歩いている生徒の視線が私の頭に向けられている事はすぐ分かった。
(こんなの・・・こんなのってあんまりだぁ!!)
シクシクと泣きながら、教室のドアを開ける。
私がドアを開けるなり、ガヤガヤと賑わっていた教室が途端にシーンとなり凍りつく。教室中のみんなの視線が一気に私に突き刺さる。そしてとても長い沈黙が走った。
そして・・・次の瞬間・・・
「・・・・・・・・・ぷっ!!」
「あっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!」
「なにそれ!!チューリップ!!?クロミんウケるんだけど!!」
「どーしたのキャラ変?コスプレ???ぷぷぷっ!!」
教室中にみんなの大爆笑の笑い声が響く、良くも悪くも注目の的だ。案の定みんなにバカにされてしまった。
みんながゾロゾロと私の周りに集まってくる。
「わぁ~、クロミん可愛い~」
「ぷぷっ、冗談抜きで割と似合ってるよ!!」
クロミん「ぐすん、やめてよぉ!!」
「別にバカにしてないよ~。ちょっと触らせて~、可愛い~♡」
周りの友達が一斉に私の頭に生えてるチューリップをなでなでしだす。
「ギャハハハハ、クロミんなんだよそれ!!頭にお花生えてる!!」
「お花生えてる、クロミんも可愛いぜ♡」
男子が指を指してくる。
クロミん「うぅ・・・。」
「ちょっと男子!!クロミんイジメないで!!」
「はいはい、悪かったよ。ぷっ!!」
「クロミん相変わらずいいキャラしてるね!!私は好きだよそーゆーの!!」
クロミん「あ・・・ありがとう・・・はは」
???「おっはよー!!クロミん!!あれれ???頭にチューリップ生えてるー!!」
茶色いセミロングのストレートヘアの元気そうな少女が話しかけてくる。
彼女は親友の『雨屋鳥 尼子』通称『あまちゃん』私の頭を見るなり近づいてくる。親友に見られた、恥ずかしさのバーゲンセールである。
クロミん「あまちゃ~ん!!だずげでぇー!!」
私は情けない声を出しながらきょんに抱きつく。
あま「ちょっとちょっと!!どうしちゃったの?別にいいじゃん!!可愛いよ!!」
クロミん「いやだ!!全然よくない!!」
あま「それコスプレじゃないの?誰かに無理やりやらされてるの?罰ゲーム?」
あまちゃんが困惑の表情を浮かべる。
クロミん「ううん・・・違うの・・・朝起きたらね、急に頭にチューリップが生えてたの!!それでね!!それでね!!・・・うぅ・・・ぐすっ・・・」
あま「ちょっと泣かないでよ!!大丈夫!!私が何とかしてあげるよ!!」
あま「ちょっとホソカ!!緊急事態!!おいで!!」
???「ん?どうした?何か問題でもおきたか?」
眉毛の薄いメガネをかけた細身の少年が近づいてくる、彼はバスケ部の『細木 和貴』通称『ホソカ』、あまちゃんと私もバスケ部でいつも3人でいるのでバスケ部三人衆と言われている。
あま「なんかね、頭からチューリップが生えて困ってるんだって!!」
ホソカ「はぁ?何言ってんの?頭大丈夫?」
あま「むー!!いつもそういう事言う!!」
クロミん「ホソカ・・・助けて・・・」
ホソカ「うわ、ほんとだ、チューリップ生えてる、おもしろ。」
あま「ちょっと!!クロミん気にしてんだよこのサイコパス!!」
ホソカ「うるさい、あとサイコパスじゃない。」
ホソカ「うーん、とりあえずハサミで切ってみようか。」
そう言うとホソカはめちゃくちゃデカいハサミを取り出す。
あま「ひぃ!!なんでそんなもんもってんの!!?やっぱサイコパスだぁ!!」
ホソカ「うるさい、殺すよ?」
あま「ひぃー!!」
ホソカが私の頭のチューリップを容赦なくちょん切る。
「・・・・・・」
案の定またチューリップがニョキニョキと生えてきた。まあ、知ってたとはいえ憂鬱になる。
ホソカ「あれ?おかしいな?切ったはずなのに?」
またホソカがチューリップを切る、そして生えてくる、またホソカが切る、そして生えてる、またホソカが切る、そして生えてくる、またホソカが切る、そして生えてくる。
クロミん「無限ループじゃん!!」
ホソカ「あれ?おかしいな?ちゃんと切ってるよねこれ、結構根元からいってるはずなんだけどなぁ。」
床にホソカの切ったチューリップが沢山落ちていく。
あま「ちょっと!!チューリップが可哀想だよ!!人の心ないの!!サイコパス!!」
ホソカ「うるさーい!!誰がサイコパスだぁ!!」
あま「これやっぱ引っこ抜くしかないんじゃない?」
クロミん「でも、どんなに引っ張っても抜けないよ?」
あま「やってみないとわかんないよ!!いけ!!ホソカ!!」
ホソカ「あいあいさー!!」
ホソカが頭のチューリップを引っ張る。しかし抜ける様子はない。
ホソカ「ん!!んーー!!おらっ!!せいっ!!そいやっ!!ぐぐぐぐ!!」
あま「はぁ・・・ホソカそれでも男?力ないね~・・・」
あまがため息をつき呆れ顔をする。
ホソカ「いや、結構全力でやったよ。」
あま「ホソカはもういい!!もっと力のある人に頼んでみよっか。ついてきてるとちゃん!!」
クロミん「力のある人・・・???」
とりあえずあまとホソカについて行く。
廊下を歩くとゾロゾロと他の生徒達が物珍しいものを見るかのようにこちらに視線を向ける。どうやらもう学校中の噂になってしまってるようだ。
クロミん「うぅ・・・もうお嫁にいけない・・・。」
あま「大丈夫だよクロミん!!最悪私が貰ってあげるから!!」
クロミん「ふふ・・・ありがとう・・・。」
あま「それにもう恥ずかしい時間は終わり!!力自慢の人にお願いするからね!!」
先生「ちょっとそこ、止まりなさい。」
クロミん「あっ、先生、おはようございます。」
先生「クロミん君、なんだそのチューリップは?君はそんな子じゃなかったはずだぞ。もっと真面目だったはずだ。てかそもそもなんでチューリップなんだ。嫌な事でもあったのか、グレたんですか?ささやかな反抗ですかコノヤロー。」
クロミん「違います・・・そんなんじゃないです・・・。」
先生「とにかく、明日もまたチューリップつけて登校してきたら、風紀委員会に言いつけるからなー。」
あま「ひどーい先生!!なんでそんな事するんですか。」
ホソカ「いや、まあ先生の反応は普通でしょ。」
クロミん「うぅ・・・今日中に取らないと大変な事になっちゃうよぉ・・・。」
あまちゃんが先生にあっかんべーをしている。
あま「ふん!!行こう!!クロミん!」
そのままスタスタと廊下を歩いていった。
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