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大根王子Ⅰ
一
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世界中の悪党が大根を見て震えあがる時代がやって来た。
一度でも彼を目にした者は大根の白さに恐怖し、食事が喉を通らなくなる。世界のパワーバランスはもはや彼を除いて語る事はできない。栄光の時代。私が書いたこの本で、あなたもこの時代の素晴らしさを少しでも感じてくれれば幸いだ。
さあ、我らが王、アルベルト・ファルブルとその一族、ファルブル家の物語を始めよう。
「緊張してますか王子?」
アルベルトの髪の毛を櫛で整えながら従者のクリフが尋ねた。
「いや、ただ楽しみでなかなか眠れなかったんだ。どんな力を授かるのかな」
「きっと驚くような力でございますよ。国民一同が楽しみにしておりました」
世界で唯一、女神から強力な魔法を一つ授かることができる一族ファルブル家は、その力で国家を築き繁栄してきた。十六代目の長男アルベルトは今日行われる降魔の儀式で一つ魔法を得られるのだ。アルベルトの祖父であるガラフは石を黄金に変える魔法で凄まじい富を得た。父のヴォルグは雨雲を自在に操り、国の発展、外交にも大きな影響を与えてきた。そんな光景を目の当たりにしてきたアルベルトが楽しみで寝付けなかったのも無理はないだろう。
「そろそろ時間でございます」
「ああ行こう」
降魔の儀式は一般公開される前にまず王族、その従者、式を執り行う司祭、そして兵士達の前で行われる。離れの塔において台座に横たわり祈ることで女神から魔法が授けられるのだ。
アルベルトが塔に入ってくると一同は期待にざわめき立ち、騒ぎを鎮めるのに時間を要した。
「ついにアルベルト王子が世界の王になる日が来たんだな」
「ああ、真面目な王子のことだ。きっと素晴らしい時代になるに違いない」
一歩ずつ台座へ歩いていくアルベルトの耳に入ってくるのは王子を祝福する声、この国の未来を祝福する声だ。父も台座の横で誇らしそうに息子を見ていた。
「さあ王子、こちらに横になってくだされ」
司祭に導かれアルベルトは台座に横になり、目を閉じてこの国の未来を祈った。
一分ほど経っただろうか。突如暖かい光がアルベルトの意識を包み、気が付けばアルベルトは見晴らしの良い丘に立っていた。快晴の空の下、風がさわやかに吹き、草は揺れ、遠くに自分が育った王宮が見える。
大きな樹が幹を時折輝かせながらアルベルトの正面に立っている。これが父から聞いていた降魔の空間なのだろう。期待に胸が踊った。
「アルベルトですね?」
いつの間にか丘の高台で長い黒髪の女性が王宮を見ていた。アルベルトからは顔がよく見えない。
「そうです。あなたが女神なのですね?」
「はい。私はあなたの一族に魔法を授けてきました。そしてあなたにも」
「とても光栄です。私はその力を皆の役に立てたいのです」
「あなたはとても真面目な人間です。あなたの正義をきっと皆が必要とするでしょう。さあ、手を樹にかざしてください」
アルベルトは片膝をつき、樹に手をかざして、幹から光を受け取った。
「あなたに力を授けます。大根を刃に変える力を」
「え?」
「ん?」
「あ?」
思わず聞き返した声に司祭と王が反応した声が続いた。どうやら現実に戻っているらしい。
「お、王子? 魔法を授かったのですか?」
「え、いやその」
聞き間違いか? もう一度横になってみて祈ったが光は現れない。体を起こし自分の掌を見てみたが変わった所はない。それを見ていた王ヴォルグはごくりと唾を飲んだ。
「アルベルトよ。ど、どんな力を授かったのだ?」
「大根を刃に変える力です」
「は? 何を刃に変えるって?」
「大根です」
塔には大根という言葉がよく響く。
ヴォルグは息子としばし見つめ合った後急に笑い出した。
「うわははははは!!! こりゃたまらん! 真面目なアルベルトがギャグを言う力を授かったぞ! ぶはははははは!!! おい司祭聞いたか!?」
「ふはははははは!! 聞きました! 奇跡だ! まさに奇跡の力だ!! ふはははは!!」
王が司祭の肩を叩いて笑っている。兵士達もまさか土壇場でアルベルトがギャグを言うとは思っていなかったため、大爆笑が巻き起こった。
「こりゃすごい!! おいビル! 今すぐ大根持ってこい! イキのいいやつだぞ! だははははは!!」
兵士長ビルはすぐさま部下に命じてイキのいい大根を王子の前に持ってきた。
「さあアルベルト! 変えてくれ! この大根を変えてくれぇ~! だっははははは!!」
アルベルトはイキのいい大根の端を右手で持ち見つめてみた。
するとキン!という乾いた音がして、一瞬にしてイキのいい大根は見事な刀身を持つサーベルに姿を変えた。
「わはははは!! 本当に変えちゃったよ! 大根がサーベルに変わっておる!」
「ぶははははは! すごい!! こりゃイキのいいサーベルですな!」
「うはははは! 銃と大砲を使っているこの火薬の時代に大根をサーベルだと! ああ苦しい! もうおしまいだよこの国は! 私の前から消えろアルベルト!」
王の笑いながら怒る姿がサーベルの刀身に反射していた。
一度でも彼を目にした者は大根の白さに恐怖し、食事が喉を通らなくなる。世界のパワーバランスはもはや彼を除いて語る事はできない。栄光の時代。私が書いたこの本で、あなたもこの時代の素晴らしさを少しでも感じてくれれば幸いだ。
さあ、我らが王、アルベルト・ファルブルとその一族、ファルブル家の物語を始めよう。
「緊張してますか王子?」
アルベルトの髪の毛を櫛で整えながら従者のクリフが尋ねた。
「いや、ただ楽しみでなかなか眠れなかったんだ。どんな力を授かるのかな」
「きっと驚くような力でございますよ。国民一同が楽しみにしておりました」
世界で唯一、女神から強力な魔法を一つ授かることができる一族ファルブル家は、その力で国家を築き繁栄してきた。十六代目の長男アルベルトは今日行われる降魔の儀式で一つ魔法を得られるのだ。アルベルトの祖父であるガラフは石を黄金に変える魔法で凄まじい富を得た。父のヴォルグは雨雲を自在に操り、国の発展、外交にも大きな影響を与えてきた。そんな光景を目の当たりにしてきたアルベルトが楽しみで寝付けなかったのも無理はないだろう。
「そろそろ時間でございます」
「ああ行こう」
降魔の儀式は一般公開される前にまず王族、その従者、式を執り行う司祭、そして兵士達の前で行われる。離れの塔において台座に横たわり祈ることで女神から魔法が授けられるのだ。
アルベルトが塔に入ってくると一同は期待にざわめき立ち、騒ぎを鎮めるのに時間を要した。
「ついにアルベルト王子が世界の王になる日が来たんだな」
「ああ、真面目な王子のことだ。きっと素晴らしい時代になるに違いない」
一歩ずつ台座へ歩いていくアルベルトの耳に入ってくるのは王子を祝福する声、この国の未来を祝福する声だ。父も台座の横で誇らしそうに息子を見ていた。
「さあ王子、こちらに横になってくだされ」
司祭に導かれアルベルトは台座に横になり、目を閉じてこの国の未来を祈った。
一分ほど経っただろうか。突如暖かい光がアルベルトの意識を包み、気が付けばアルベルトは見晴らしの良い丘に立っていた。快晴の空の下、風がさわやかに吹き、草は揺れ、遠くに自分が育った王宮が見える。
大きな樹が幹を時折輝かせながらアルベルトの正面に立っている。これが父から聞いていた降魔の空間なのだろう。期待に胸が踊った。
「アルベルトですね?」
いつの間にか丘の高台で長い黒髪の女性が王宮を見ていた。アルベルトからは顔がよく見えない。
「そうです。あなたが女神なのですね?」
「はい。私はあなたの一族に魔法を授けてきました。そしてあなたにも」
「とても光栄です。私はその力を皆の役に立てたいのです」
「あなたはとても真面目な人間です。あなたの正義をきっと皆が必要とするでしょう。さあ、手を樹にかざしてください」
アルベルトは片膝をつき、樹に手をかざして、幹から光を受け取った。
「あなたに力を授けます。大根を刃に変える力を」
「え?」
「ん?」
「あ?」
思わず聞き返した声に司祭と王が反応した声が続いた。どうやら現実に戻っているらしい。
「お、王子? 魔法を授かったのですか?」
「え、いやその」
聞き間違いか? もう一度横になってみて祈ったが光は現れない。体を起こし自分の掌を見てみたが変わった所はない。それを見ていた王ヴォルグはごくりと唾を飲んだ。
「アルベルトよ。ど、どんな力を授かったのだ?」
「大根を刃に変える力です」
「は? 何を刃に変えるって?」
「大根です」
塔には大根という言葉がよく響く。
ヴォルグは息子としばし見つめ合った後急に笑い出した。
「うわははははは!!! こりゃたまらん! 真面目なアルベルトがギャグを言う力を授かったぞ! ぶはははははは!!! おい司祭聞いたか!?」
「ふはははははは!! 聞きました! 奇跡だ! まさに奇跡の力だ!! ふはははは!!」
王が司祭の肩を叩いて笑っている。兵士達もまさか土壇場でアルベルトがギャグを言うとは思っていなかったため、大爆笑が巻き起こった。
「こりゃすごい!! おいビル! 今すぐ大根持ってこい! イキのいいやつだぞ! だははははは!!」
兵士長ビルはすぐさま部下に命じてイキのいい大根を王子の前に持ってきた。
「さあアルベルト! 変えてくれ! この大根を変えてくれぇ~! だっははははは!!」
アルベルトはイキのいい大根の端を右手で持ち見つめてみた。
するとキン!という乾いた音がして、一瞬にしてイキのいい大根は見事な刀身を持つサーベルに姿を変えた。
「わはははは!! 本当に変えちゃったよ! 大根がサーベルに変わっておる!」
「ぶははははは! すごい!! こりゃイキのいいサーベルですな!」
「うはははは! 銃と大砲を使っているこの火薬の時代に大根をサーベルだと! ああ苦しい! もうおしまいだよこの国は! 私の前から消えろアルベルト!」
王の笑いながら怒る姿がサーベルの刀身に反射していた。
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