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おまけ11.定番デートにおける女子トーク
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「それでさ、デートに行ったわけ!悌さんと!でさ!」
そう力一杯に告げたのは言う迄もなく須藤香苗で、ここは言うまでもなくこの系統の話を自由に出来る皆の憩いの場所『茶樹』の片隅だったりもする。とは言え最近の『茶樹』はマスターの久保田惣一が奥さんの松理の様子を心配して時々不在になることも多く、店内には以前からのホールスタッフの松尾さつきともう一人黒髪の佐倉という女性が新たにスタッフとして働き始めたところ。艶々の黒髪の佐倉はまだそれほど期間が経っていないが、仕事は順調にこなしているそう。
兎も角普段と変わらず『茶樹』の片隅のソファに陣取って、恋愛談義に盛り上がる女子高生三人組・言うまでもなく宮井麻希子に志賀早紀、須藤香苗だ。流石に香坂智美がいたらこの話をすることも出来ない訳なのは、これが完璧な女子トークだからだ。その話題は定番デートについてで、女の子としてつれていって貰って嬉しいデートスポットの話だったりもする。女子が喜ぶデートスポットのトップ3は、3位からドライブ、水族館、季節のイベントなのだそうで、そういわれれば確かにそのデートに彼氏から誘われたら嬉しいに決まっている。
「でさぁ!運転してるとこってキュンキュンするよね!」
「分かる!!」
そう珍しく食いぎみに麻希子が香苗に力強く同意したのは、一度麻希子は彼氏の宇野智雪とドライブデートからの一泊にしけ込んでいるからだったりもする。二人きりの空間で二人きりで話をしながら、しかも時にはナビゲーションしたりして、そんなイチャイチャした空気を堪能できるのはドライブデートならでは。しかも彼氏が運転している姿は普段はみられない大人の男の姿な訳で、それを見られるのだから恋人としては胸キュンしてもおかしくない。
「孝……も、免許取りに行こうかなって言ってるのよね…………。」
「えー、そうなの?じゃ、ドライブデートだね?!」
年上彼氏二人に幼馴染みの真見塚孝と交際中の早紀がウーンと考えながら言うが、高校三年で免許を取り始めている同級生と何人かはいるようだ。既に大学が決まった同級生は、密かに今度は免許取得に活動しているわけ。
「それにしてもさ?車庫入れとかってカッコいいよね?あの助手席に片手を乗せてさ?」
「わっかるぅ!!」
「ギアチェンジの手付きもカッコいいよね!」
女のコ的にスマートに運転している男性の姿は萌えポイントが高いみたいで、思わず三人が盛り上がっている。それを佐倉と松尾が温かい視線で眺めているのは言うまでもないけれど、最近始めたアフタヌーンティーセットを片手に姿を表した鈴徳良二がオヤオヤという顔を浮かべた。
「ハムちゃんも香苗ちゃんも早紀ちゃんも女のコかー。」
二人から頼めるアフタヌーンティーセットは、イギリス発祥の喫茶習慣アフタヌーン・ティー(Afternoon tea)を基盤にしているのは言うまでもない。アフタヌーン・ティーは紅茶と共に軽食や菓子を摂る習慣。日本だと英国の上流階級文化の精髄の一つとして認識されている。『茶樹』では紅茶等のドリンクの他に、サンドイッチ軽食や、スコーンやケーキ類といったお菓子が供されていて、皿に盛った軽食・菓子が三段段重ねの金のティースタンドに載せられて出てくる。勿論乗せられている物はショーケースには言っているものよりは一回り小さめ、でも良二がそれらに手を抜く筈もないのは言うまでもない。
「本当…………調理一人でされてるんですよね?」
「んー、まぁ基本ね。ドリンクは表に殆ど任せてるからねー。」
アフタヌーン・ティーには象徴的なティースタンドでの提供がうけていて午後のアイドルタイムにお客さんが増えたらしいのは流石だけど、一回り小さめのサンドイッチやスコーンだけでなくケーキやタルトもショーケースのものより小さめ。つまりそれ用に別に作っているわけなのだが、アフタヌーンティーセットを始めた理由がまた凄い。
実は鈴徳良二は妊娠初期の悪阻で食事がままならない久保田松理の食事を作りに、短時間とは言え仕事を抜ける時間を作るために始めたのだった。え?手間を増やしたのに仕事を抜けるとは?と思うが、ティーセットに乗せる提供品は午前中に規定個数作っておけるので、午後のアイドルタイム中はホールスタッフだけでも対応できるようにしたということのようだ。とはいえ最近では松理の悪阻は期間を越えて大分おさまっているそうで、久保田は兎も角こうして良二は店にそのままいることも増えてきている。
「それにしても久保田さんって凄い松理さんのこと大事にしてるよね。」
「そうだねぇ、マスターの溺愛ってハムちゃんの彼氏並だからねー。」
香苗の感嘆に早紀も完全同意しているところなんなのだが、あれ?そこ同率なのは何故ですかと麻希子の目が真面目に訴えている。とは言え早紀と香苗は何故かそれで非常に納得しているし。
それにしても定番デートの中には一応喫茶店なんてランクインも世の中にはあるそうだけど、この場合デートで『茶樹』というよりは皆の憩いの場感が強いなんて話をしてしまう。
「あー、まぁねぇー。でも割りとデートかなってお客さん多いんだけどね。」
笑いながら言う松理と横で微笑みながら頷く佐倉に、そうなんだーと三人は納得の声をあげている。高校生の出入りが増えたらデートしにくいんじゃ?と問いかけたくなるが、それは大した問題にはなっていないようなので安心してアフタヌーン・ティーを楽しむことにする三人なのだった。
そう力一杯に告げたのは言う迄もなく須藤香苗で、ここは言うまでもなくこの系統の話を自由に出来る皆の憩いの場所『茶樹』の片隅だったりもする。とは言え最近の『茶樹』はマスターの久保田惣一が奥さんの松理の様子を心配して時々不在になることも多く、店内には以前からのホールスタッフの松尾さつきともう一人黒髪の佐倉という女性が新たにスタッフとして働き始めたところ。艶々の黒髪の佐倉はまだそれほど期間が経っていないが、仕事は順調にこなしているそう。
兎も角普段と変わらず『茶樹』の片隅のソファに陣取って、恋愛談義に盛り上がる女子高生三人組・言うまでもなく宮井麻希子に志賀早紀、須藤香苗だ。流石に香坂智美がいたらこの話をすることも出来ない訳なのは、これが完璧な女子トークだからだ。その話題は定番デートについてで、女の子としてつれていって貰って嬉しいデートスポットの話だったりもする。女子が喜ぶデートスポットのトップ3は、3位からドライブ、水族館、季節のイベントなのだそうで、そういわれれば確かにそのデートに彼氏から誘われたら嬉しいに決まっている。
「でさぁ!運転してるとこってキュンキュンするよね!」
「分かる!!」
そう珍しく食いぎみに麻希子が香苗に力強く同意したのは、一度麻希子は彼氏の宇野智雪とドライブデートからの一泊にしけ込んでいるからだったりもする。二人きりの空間で二人きりで話をしながら、しかも時にはナビゲーションしたりして、そんなイチャイチャした空気を堪能できるのはドライブデートならでは。しかも彼氏が運転している姿は普段はみられない大人の男の姿な訳で、それを見られるのだから恋人としては胸キュンしてもおかしくない。
「孝……も、免許取りに行こうかなって言ってるのよね…………。」
「えー、そうなの?じゃ、ドライブデートだね?!」
年上彼氏二人に幼馴染みの真見塚孝と交際中の早紀がウーンと考えながら言うが、高校三年で免許を取り始めている同級生と何人かはいるようだ。既に大学が決まった同級生は、密かに今度は免許取得に活動しているわけ。
「それにしてもさ?車庫入れとかってカッコいいよね?あの助手席に片手を乗せてさ?」
「わっかるぅ!!」
「ギアチェンジの手付きもカッコいいよね!」
女のコ的にスマートに運転している男性の姿は萌えポイントが高いみたいで、思わず三人が盛り上がっている。それを佐倉と松尾が温かい視線で眺めているのは言うまでもないけれど、最近始めたアフタヌーンティーセットを片手に姿を表した鈴徳良二がオヤオヤという顔を浮かべた。
「ハムちゃんも香苗ちゃんも早紀ちゃんも女のコかー。」
二人から頼めるアフタヌーンティーセットは、イギリス発祥の喫茶習慣アフタヌーン・ティー(Afternoon tea)を基盤にしているのは言うまでもない。アフタヌーン・ティーは紅茶と共に軽食や菓子を摂る習慣。日本だと英国の上流階級文化の精髄の一つとして認識されている。『茶樹』では紅茶等のドリンクの他に、サンドイッチ軽食や、スコーンやケーキ類といったお菓子が供されていて、皿に盛った軽食・菓子が三段段重ねの金のティースタンドに載せられて出てくる。勿論乗せられている物はショーケースには言っているものよりは一回り小さめ、でも良二がそれらに手を抜く筈もないのは言うまでもない。
「本当…………調理一人でされてるんですよね?」
「んー、まぁ基本ね。ドリンクは表に殆ど任せてるからねー。」
アフタヌーン・ティーには象徴的なティースタンドでの提供がうけていて午後のアイドルタイムにお客さんが増えたらしいのは流石だけど、一回り小さめのサンドイッチやスコーンだけでなくケーキやタルトもショーケースのものより小さめ。つまりそれ用に別に作っているわけなのだが、アフタヌーンティーセットを始めた理由がまた凄い。
実は鈴徳良二は妊娠初期の悪阻で食事がままならない久保田松理の食事を作りに、短時間とは言え仕事を抜ける時間を作るために始めたのだった。え?手間を増やしたのに仕事を抜けるとは?と思うが、ティーセットに乗せる提供品は午前中に規定個数作っておけるので、午後のアイドルタイム中はホールスタッフだけでも対応できるようにしたということのようだ。とはいえ最近では松理の悪阻は期間を越えて大分おさまっているそうで、久保田は兎も角こうして良二は店にそのままいることも増えてきている。
「それにしても久保田さんって凄い松理さんのこと大事にしてるよね。」
「そうだねぇ、マスターの溺愛ってハムちゃんの彼氏並だからねー。」
香苗の感嘆に早紀も完全同意しているところなんなのだが、あれ?そこ同率なのは何故ですかと麻希子の目が真面目に訴えている。とは言え早紀と香苗は何故かそれで非常に納得しているし。
それにしても定番デートの中には一応喫茶店なんてランクインも世の中にはあるそうだけど、この場合デートで『茶樹』というよりは皆の憩いの場感が強いなんて話をしてしまう。
「あー、まぁねぇー。でも割りとデートかなってお客さん多いんだけどね。」
笑いながら言う松理と横で微笑みながら頷く佐倉に、そうなんだーと三人は納得の声をあげている。高校生の出入りが増えたらデートしにくいんじゃ?と問いかけたくなるが、それは大した問題にはなっていないようなので安心してアフタヌーン・ティーを楽しむことにする三人なのだった。
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