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二度目の6月
409.シルクジャスミン
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6月21日 水曜日
再びシトシト雨降りで確実にウンザリする湿度に負けそうな今の私。もー熱いし蒸れる……もう夏だよ、エアコンもっと強くして欲しい……。弱じゃもう全然間に合ってない。そんなことを考えても仕方がないけど、今日は仁君も智美君もお休みしてるんだ。ちなみに今日は五十嵐君もお仕事の都合でお休みなので教室は静か。あ、五十嵐君が煩いってことじゃないよ?最近次のドラマの告知が出たから、また五十嵐君の追っかけが五十嵐君ウォッチングにくるってだけなの。それでも以前と違って早々に五十嵐君が対応して、さっとはけてくれるようにはなったので最初のようにワイワイ窓辺に鈴なりってことはなくなったんだけどね。因みに智美君はLINEで声かけたら即既読になった上に風邪と言い切っているから、たぶん八割がたずる休み。雨降りの日がお休み率高いって皆も気がついてるよってLINEしたら、
風邪って言ったら風邪!
だって。ね?元気な風邪でしょ?
仁君の方は週末にバスケ部で練習試合に出たらしいから、もしかするとオーバーヒートしたのかも知れない。っていうのは仁君は今日で実は三日目のお休みだからだ。センセにもどうしたのか聞いたけどまだ熱が出てるって言うし、もし風邪だとうつると面倒だから見舞いは控えとけとも言われてる。
夏風邪なのかなぁ。
純真な心の塊みたいな仁君は、実は記憶喪失で自分の体の限界が今一つわからないって問題を持ってる。だから気がつくと全力を本当に使い果たして倒れるまでやってしまうらしくて、去年は部活には入れなかったし今も朝練にはあえて出ないで調整をかけているんだよね。部活にはストッパー役の鈴木君と久保ちゃんがいるんだけど、練習中に時計を見ろ!!と鈴木君が何時も仁君に怒ってるから、最近では後輩から鈴木君はタイマー先輩なんて呼ばれていて。地味にこの間、それを知った鈴木君が凹んでた。確かにその渾名は嫌かも。まあスッカリ世話役なものだから練習中は止められるけど、流石に練習試合中かぁ
「流石に試合中の全力は難しいねぇ。」
「うーん、男子だからねぇ、貴寛も頑張ったんだけどね。」
久保ちゃんが言うには、何度か引き下げてと鈴木君はお願いしてたんだって。そうだよねぇ、試合に出ててコーチが止めなかったら、チームメイトには流石に止められないよね。流石に見ていて余りにも全力疾走だから鈴木君から何回か少し休ませた方がいいとは進言したらしいんだけど、仁君が余りにも動きがよくてコーチも下げられなかったらしい。勿論うちのセンセからコーチも部活の先生も言われてるんだよ?仁君は加減が理解できないから、他の人間が止めないと倒れてしまうって。かなり何度もお願いしているらしいのは、仁君の様子を聞いたときに
内川のやろう、何回も言ってんだよ。
と、センセが地味に苛立って言ったので分かった。センセと内川先生は、なんだかそりが合わなそうだよね。センセは熱血教師タイプだけど、内川先生は少しチャラッとしてる感じだもんね。そうそうその内川先生がバスケ部の顧問なんだけど、試合は内川先生も見てはいたんだって。内川先生って担当教科は体育じゃなくて数学なんだけど、あんまり教科以外で突出して接してる訳じゃないからよく分かんないないんだよなぁ、私も。噂によると今年のうちのクラスの担任を拒否したのは内川先生だとか、そんなに恐れられることして……なくもないのか、他のクラスにしてみたら。どうやら内川先生は佐藤すみれちゃんの片想いの相手らしいけど、そういえば他の子達から色々貰ったりしてるのはチョコチョコみてるなぁ。
「基本コーチ任せだからなぁ、内川。」
「そっかぁ。」
「今年のインターハイ出れそうだって嬉々としてたけど、仁聖的にはどうなのかなぁ。」
鈴木君が心配そうに言うけど今回の練習試合は最初っから最後まで、ぜーんぶ全力で走り回ってたんだって。えええ?おおよそ一時間全力疾走?!それは流石にきついでしょ。インターバル二分でハーフタイム十分あるっていうけど、延長もあったから十分走って二分休んで十分走って、十分休んで?また十分走って二分休んで十分走って、延長五分?!きつい!!無理!文化部の私にはむーりー!!普通の人なら少し緩急つけられるんだろうけど、仁君だからなぁ……なんか目に見える気がする。
一先ず今回のは無理なレベルって分かったから、次からは仁君も少し判断できるんじゃないかな?って言ったら、あいつ楽しくなると周りが見えてないんだよなぁって鈴木君が笑う。あーだよね、鈴木君が散々時計って叫んでるんだもんね!何となくわかる、子供が楽しくなっちゃうと完全にそれしか見えなくなる感じねー。そうなったら後半だけとかにして貰った方がいいんじゃないだろうか……それとも出た瞬間からフルパワーで走るのかなぁ……、自分の体の限界ストッパー何処かに売ってたら良いのにね。じゃなきゃ何処かに落ちてるかもしれないなんて思っちゃうって言ったら、久保ちゃんが笑いだしてる。
「おやつでつってよ、宮井さん。」
「あー、それいい案。宮井ちん、試合の時は差し入れーっ!」
「えー、試合の最中モグモグタイムあるの?」
「ないなぁー。」
「ダメじゃん!」
バスケのハーフタイムで物を食べてるなんて見たことないしって笑ってると、香苗と早紀ちゃんが何事って話に加わりはじめていた。
再びシトシト雨降りで確実にウンザリする湿度に負けそうな今の私。もー熱いし蒸れる……もう夏だよ、エアコンもっと強くして欲しい……。弱じゃもう全然間に合ってない。そんなことを考えても仕方がないけど、今日は仁君も智美君もお休みしてるんだ。ちなみに今日は五十嵐君もお仕事の都合でお休みなので教室は静か。あ、五十嵐君が煩いってことじゃないよ?最近次のドラマの告知が出たから、また五十嵐君の追っかけが五十嵐君ウォッチングにくるってだけなの。それでも以前と違って早々に五十嵐君が対応して、さっとはけてくれるようにはなったので最初のようにワイワイ窓辺に鈴なりってことはなくなったんだけどね。因みに智美君はLINEで声かけたら即既読になった上に風邪と言い切っているから、たぶん八割がたずる休み。雨降りの日がお休み率高いって皆も気がついてるよってLINEしたら、
風邪って言ったら風邪!
だって。ね?元気な風邪でしょ?
仁君の方は週末にバスケ部で練習試合に出たらしいから、もしかするとオーバーヒートしたのかも知れない。っていうのは仁君は今日で実は三日目のお休みだからだ。センセにもどうしたのか聞いたけどまだ熱が出てるって言うし、もし風邪だとうつると面倒だから見舞いは控えとけとも言われてる。
夏風邪なのかなぁ。
純真な心の塊みたいな仁君は、実は記憶喪失で自分の体の限界が今一つわからないって問題を持ってる。だから気がつくと全力を本当に使い果たして倒れるまでやってしまうらしくて、去年は部活には入れなかったし今も朝練にはあえて出ないで調整をかけているんだよね。部活にはストッパー役の鈴木君と久保ちゃんがいるんだけど、練習中に時計を見ろ!!と鈴木君が何時も仁君に怒ってるから、最近では後輩から鈴木君はタイマー先輩なんて呼ばれていて。地味にこの間、それを知った鈴木君が凹んでた。確かにその渾名は嫌かも。まあスッカリ世話役なものだから練習中は止められるけど、流石に練習試合中かぁ
「流石に試合中の全力は難しいねぇ。」
「うーん、男子だからねぇ、貴寛も頑張ったんだけどね。」
久保ちゃんが言うには、何度か引き下げてと鈴木君はお願いしてたんだって。そうだよねぇ、試合に出ててコーチが止めなかったら、チームメイトには流石に止められないよね。流石に見ていて余りにも全力疾走だから鈴木君から何回か少し休ませた方がいいとは進言したらしいんだけど、仁君が余りにも動きがよくてコーチも下げられなかったらしい。勿論うちのセンセからコーチも部活の先生も言われてるんだよ?仁君は加減が理解できないから、他の人間が止めないと倒れてしまうって。かなり何度もお願いしているらしいのは、仁君の様子を聞いたときに
内川のやろう、何回も言ってんだよ。
と、センセが地味に苛立って言ったので分かった。センセと内川先生は、なんだかそりが合わなそうだよね。センセは熱血教師タイプだけど、内川先生は少しチャラッとしてる感じだもんね。そうそうその内川先生がバスケ部の顧問なんだけど、試合は内川先生も見てはいたんだって。内川先生って担当教科は体育じゃなくて数学なんだけど、あんまり教科以外で突出して接してる訳じゃないからよく分かんないないんだよなぁ、私も。噂によると今年のうちのクラスの担任を拒否したのは内川先生だとか、そんなに恐れられることして……なくもないのか、他のクラスにしてみたら。どうやら内川先生は佐藤すみれちゃんの片想いの相手らしいけど、そういえば他の子達から色々貰ったりしてるのはチョコチョコみてるなぁ。
「基本コーチ任せだからなぁ、内川。」
「そっかぁ。」
「今年のインターハイ出れそうだって嬉々としてたけど、仁聖的にはどうなのかなぁ。」
鈴木君が心配そうに言うけど今回の練習試合は最初っから最後まで、ぜーんぶ全力で走り回ってたんだって。えええ?おおよそ一時間全力疾走?!それは流石にきついでしょ。インターバル二分でハーフタイム十分あるっていうけど、延長もあったから十分走って二分休んで十分走って、十分休んで?また十分走って二分休んで十分走って、延長五分?!きつい!!無理!文化部の私にはむーりー!!普通の人なら少し緩急つけられるんだろうけど、仁君だからなぁ……なんか目に見える気がする。
一先ず今回のは無理なレベルって分かったから、次からは仁君も少し判断できるんじゃないかな?って言ったら、あいつ楽しくなると周りが見えてないんだよなぁって鈴木君が笑う。あーだよね、鈴木君が散々時計って叫んでるんだもんね!何となくわかる、子供が楽しくなっちゃうと完全にそれしか見えなくなる感じねー。そうなったら後半だけとかにして貰った方がいいんじゃないだろうか……それとも出た瞬間からフルパワーで走るのかなぁ……、自分の体の限界ストッパー何処かに売ってたら良いのにね。じゃなきゃ何処かに落ちてるかもしれないなんて思っちゃうって言ったら、久保ちゃんが笑いだしてる。
「おやつでつってよ、宮井さん。」
「あー、それいい案。宮井ちん、試合の時は差し入れーっ!」
「えー、試合の最中モグモグタイムあるの?」
「ないなぁー。」
「ダメじゃん!」
バスケのハーフタイムで物を食べてるなんて見たことないしって笑ってると、香苗と早紀ちゃんが何事って話に加わりはじめていた。
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