477 / 591
二度目の5月
387.ペラルゴニウム
しおりを挟む
5月30日 火曜日
二日目は朝から首里城の見学をした後に、グループ毎に別れてコース別体験学習と水族館に行くことに。一日が盛りだくさんだよね!回りきれるのかなって感じだけど。
先ずは朝一番の首里城。
中国と日本の両方から影響を受けつつ、独自の琉球文化、琉球装飾を築きあげた首里城正殿内部と彫刻。なんて説明を艶やかなな装いでしながら、案内をしてくれるお姉さんには、正直とっても申し訳ないうちの智美君。何しろ半端ない雑学王なものだから、お姉さんより詳しい説明で、お姉さんが凄く困ってます!王家の行催事が行われた二階の御差床、国王や重臣たちが参列し重要な儀式や会議が行われた一階の御差床、そんなことを仁君に聞かれてサクサク説明しちゃったものだから、お姉さんの笑いが凍ってるよ!ひきつってるよ!!しかも金の龍と五色の雲が彩色舗装された柱が建っているのを二人で見上げて、お姉さんの説明と関係なくこんなことを話してる。
「金の龍ってどういう意図?青じゃないの?」
「龍は国王の象徴ともとれるからな、この場合は琉球王朝の国王の象徴だろうな。青の龍は青龍のことだろ?」
「違うもの?」
「四神だからな、この場合のものとは違う。」
なんか二人して意味が分からない話してるよ?龍は龍なんじゃないの?金とか青とか?青?どこに青い龍があるのかなあ?
「でも五色の雲がある。五行じゃないの?なんで雲?」
「五色の雲は仏教じゃ重要な際によく発生する現象として認識されているんだ。西方極楽浄土から阿弥陀如来が菩薩を随えて、五色の雲に載ってやってくる『来迎図』にも描かれているから、瑞相の一つとして捉えたんだろうな。現実にも彩雲なんてものがあるからな。」
「へぇ、彩雲?」
「まあ、吉兆の一つ、めでたい雲ってことだ。」
ということから首里城で最も象徴的な場所であることが分かります、なんて完全に笑顔の強ばったお姉さんが話している。ごめんなさい!うちの子が!!琉球王朝に篤い信仰があるって訳ではなくて、ただ単に凄い雑学博士なだけなんです!って香苗がフォローしてるけど、余計にお姉さんのやる気をダダ下がりさせてるーっ!智美君てば!朝一番なのに!お姉さん泣いて帰っちゃうよ!お姉さんこのあと他のクラスとか他の観光客さんにも説明するんだよね………ごめんなさい、ホントに。
その後グループ別の体験学習は琉球ガラスの製作とかマリンスポーツとか、シーサーの色つけとか、黒砂糖を作るとか。自分達で選んでいいし、他に行きたい場所がある子達は計画書を出してトレッキングに行く子達も。私達のグループは琉球ガラスの工房でグラス作りにチャレンジ!
大きな工房だから順番待ちをするために1人ずつ番号札を配られて、順番に作業を眺めてる。
「あー、ドキドキする!」
香苗が初めての緊張感にとってもジリジリしてるけど、実際には工房の人達って一日に多ければ何百人もの対応をしているんだ。だからお任せして眺めてる部分もある。ま、その分かなりの流れ作業っていう感じがあるけど、とはいえ初めての経験だもんね。先ずは丁寧にどのように空気を入れたり回したりすればいいかを、工房の人から事前に教えて貰って。全体の所要時間は見てたら実は約五分くらいなんだよ、あっという間に終了しちゃうんだけど。
火傷防止の手袋を渡されて装着して、ボーッとしていると一瞬で終わりそうなので気合を入れなおす。説明の通りに溶かしたガラスを棒に巻き付け、グラスの型に息を吹き込んでガラスを膨らませていく。グラスの底にポンテ棹っていうのをつけて、口元の棹を切り離して。
手際よく吹き棹を回せるかで形がおかしくなったりキレイになったり個性が1番出るんだって。ちなみにヤッパリ上手なのは香苗と智美君。あ、あまりに形がいびつだと割れたりするので若干手直しされるらしくて、五十嵐君と瑠璃ちゃんが手直しされてたけど。そしてそこから再加熱をして、飲み口の部分を成型。
む、むずかしーい!
グラスは時間をかけて冷まして完成なんだって。だから、後日それぞれのお家に送ってもらうことにして、(智美君のは私の家に届けるようにして貰ったのはここだけの話ね。)体験学習は終了、それぞれでお昼を食べてから集合して水族館に移動なんだけど。
ヤッパリやる気だった…チャレンジメニュー。集合場所に近いからって土鍋ソーキソバにチャレンジする三人。何やってんのかなぁ…もう。お店の人も笑ってるよ?!それにしても私達も他の料理を頼んだけど、どうみても盛りが半端ない!これチャレンジメニュー?!って位の量があるんですが。お店の人がこれが普通って笑ってるけど、本当ですか?!どうみてもどんぶり鉢ご飯ですよ?!ソーキソバ普通サイズでラーメンどんぶり?!ううう、二人で一つでもよかった。そんな矢先、うわぁ!本気で土鍋が来た!巨大オムレツ乗ってる沖縄ソバが土鍋にはいってる……。
「はーい、三十分ね。」
「いただきます。」
平然と智美君と仁君が土鍋から直に食べ始めるけど、いや随分淡々と食べてるけど……熱くないの?横で五十嵐君が熱さにジタジタしてるよ?しかも、その麺普通の中華麺とかと違ってちょっと太い?それにしても取り皿借りたら?五十嵐君。
シェア禁止ってあるから、って心配したんだけど、ホントに食べるんだなぁ二人とも。若瀬君が可笑しそうに眺めてるけど、お店の人が驚かないのは実はチャレンジメニューは店長さんが食べられる量だからなんだって。なるほど、それなら驚かないか。あ、それよりは自分達のこの山盛りも何とかしないと!!って結局、チャレンジメニューの智美君の方が先に終わってお願いして手伝って貰った私。うう、流石にどんぶり二つは無理だよう。五十嵐君は何とか三十分ギリギリで食べ終わったけど、今更だけど五十嵐君って俳優だよね?モデルだよね?なんで張り合ってるの??
「………なんで……だろう?」
あ、自分でも分かってなかった。
食べ疲れでぐったりしながら最終目的地に行ったはいいんだけど、水族館凄かったんだよ?!凄かったけどもうお腹一杯で…………ホテルに戻るまでのバスで爆睡してしまったのはここだけの話にして欲しい。
夕飯……食べられないよぉ!
二日目は朝から首里城の見学をした後に、グループ毎に別れてコース別体験学習と水族館に行くことに。一日が盛りだくさんだよね!回りきれるのかなって感じだけど。
先ずは朝一番の首里城。
中国と日本の両方から影響を受けつつ、独自の琉球文化、琉球装飾を築きあげた首里城正殿内部と彫刻。なんて説明を艶やかなな装いでしながら、案内をしてくれるお姉さんには、正直とっても申し訳ないうちの智美君。何しろ半端ない雑学王なものだから、お姉さんより詳しい説明で、お姉さんが凄く困ってます!王家の行催事が行われた二階の御差床、国王や重臣たちが参列し重要な儀式や会議が行われた一階の御差床、そんなことを仁君に聞かれてサクサク説明しちゃったものだから、お姉さんの笑いが凍ってるよ!ひきつってるよ!!しかも金の龍と五色の雲が彩色舗装された柱が建っているのを二人で見上げて、お姉さんの説明と関係なくこんなことを話してる。
「金の龍ってどういう意図?青じゃないの?」
「龍は国王の象徴ともとれるからな、この場合は琉球王朝の国王の象徴だろうな。青の龍は青龍のことだろ?」
「違うもの?」
「四神だからな、この場合のものとは違う。」
なんか二人して意味が分からない話してるよ?龍は龍なんじゃないの?金とか青とか?青?どこに青い龍があるのかなあ?
「でも五色の雲がある。五行じゃないの?なんで雲?」
「五色の雲は仏教じゃ重要な際によく発生する現象として認識されているんだ。西方極楽浄土から阿弥陀如来が菩薩を随えて、五色の雲に載ってやってくる『来迎図』にも描かれているから、瑞相の一つとして捉えたんだろうな。現実にも彩雲なんてものがあるからな。」
「へぇ、彩雲?」
「まあ、吉兆の一つ、めでたい雲ってことだ。」
ということから首里城で最も象徴的な場所であることが分かります、なんて完全に笑顔の強ばったお姉さんが話している。ごめんなさい!うちの子が!!琉球王朝に篤い信仰があるって訳ではなくて、ただ単に凄い雑学博士なだけなんです!って香苗がフォローしてるけど、余計にお姉さんのやる気をダダ下がりさせてるーっ!智美君てば!朝一番なのに!お姉さん泣いて帰っちゃうよ!お姉さんこのあと他のクラスとか他の観光客さんにも説明するんだよね………ごめんなさい、ホントに。
その後グループ別の体験学習は琉球ガラスの製作とかマリンスポーツとか、シーサーの色つけとか、黒砂糖を作るとか。自分達で選んでいいし、他に行きたい場所がある子達は計画書を出してトレッキングに行く子達も。私達のグループは琉球ガラスの工房でグラス作りにチャレンジ!
大きな工房だから順番待ちをするために1人ずつ番号札を配られて、順番に作業を眺めてる。
「あー、ドキドキする!」
香苗が初めての緊張感にとってもジリジリしてるけど、実際には工房の人達って一日に多ければ何百人もの対応をしているんだ。だからお任せして眺めてる部分もある。ま、その分かなりの流れ作業っていう感じがあるけど、とはいえ初めての経験だもんね。先ずは丁寧にどのように空気を入れたり回したりすればいいかを、工房の人から事前に教えて貰って。全体の所要時間は見てたら実は約五分くらいなんだよ、あっという間に終了しちゃうんだけど。
火傷防止の手袋を渡されて装着して、ボーッとしていると一瞬で終わりそうなので気合を入れなおす。説明の通りに溶かしたガラスを棒に巻き付け、グラスの型に息を吹き込んでガラスを膨らませていく。グラスの底にポンテ棹っていうのをつけて、口元の棹を切り離して。
手際よく吹き棹を回せるかで形がおかしくなったりキレイになったり個性が1番出るんだって。ちなみにヤッパリ上手なのは香苗と智美君。あ、あまりに形がいびつだと割れたりするので若干手直しされるらしくて、五十嵐君と瑠璃ちゃんが手直しされてたけど。そしてそこから再加熱をして、飲み口の部分を成型。
む、むずかしーい!
グラスは時間をかけて冷まして完成なんだって。だから、後日それぞれのお家に送ってもらうことにして、(智美君のは私の家に届けるようにして貰ったのはここだけの話ね。)体験学習は終了、それぞれでお昼を食べてから集合して水族館に移動なんだけど。
ヤッパリやる気だった…チャレンジメニュー。集合場所に近いからって土鍋ソーキソバにチャレンジする三人。何やってんのかなぁ…もう。お店の人も笑ってるよ?!それにしても私達も他の料理を頼んだけど、どうみても盛りが半端ない!これチャレンジメニュー?!って位の量があるんですが。お店の人がこれが普通って笑ってるけど、本当ですか?!どうみてもどんぶり鉢ご飯ですよ?!ソーキソバ普通サイズでラーメンどんぶり?!ううう、二人で一つでもよかった。そんな矢先、うわぁ!本気で土鍋が来た!巨大オムレツ乗ってる沖縄ソバが土鍋にはいってる……。
「はーい、三十分ね。」
「いただきます。」
平然と智美君と仁君が土鍋から直に食べ始めるけど、いや随分淡々と食べてるけど……熱くないの?横で五十嵐君が熱さにジタジタしてるよ?しかも、その麺普通の中華麺とかと違ってちょっと太い?それにしても取り皿借りたら?五十嵐君。
シェア禁止ってあるから、って心配したんだけど、ホントに食べるんだなぁ二人とも。若瀬君が可笑しそうに眺めてるけど、お店の人が驚かないのは実はチャレンジメニューは店長さんが食べられる量だからなんだって。なるほど、それなら驚かないか。あ、それよりは自分達のこの山盛りも何とかしないと!!って結局、チャレンジメニューの智美君の方が先に終わってお願いして手伝って貰った私。うう、流石にどんぶり二つは無理だよう。五十嵐君は何とか三十分ギリギリで食べ終わったけど、今更だけど五十嵐君って俳優だよね?モデルだよね?なんで張り合ってるの??
「………なんで……だろう?」
あ、自分でも分かってなかった。
食べ疲れでぐったりしながら最終目的地に行ったはいいんだけど、水族館凄かったんだよ?!凄かったけどもうお腹一杯で…………ホテルに戻るまでのバスで爆睡してしまったのはここだけの話にして欲しい。
夕飯……食べられないよぉ!
0
お気に入りに追加
91
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
お飾り公爵夫人の憂鬱
初瀬 叶
恋愛
空は澄み渡った雲1つない快晴。まるで今の私の心のようだわ。空を見上げた私はそう思った。
私の名前はステラ。ステラ・オーネット。夫の名前はディーン・オーネット……いえ、夫だった?と言った方が良いのかしら?だって、その夫だった人はたった今、私の足元に埋葬されようとしているのだから。
やっと!やっと私は自由よ!叫び出したい気分をグッと堪え、私は沈痛な面持ちで、黒い棺を見つめた。
そう自由……自由になるはずだったのに……
※ 中世ヨーロッパ風ですが、私の頭の中の架空の異世界のお話です
※相変わらずのゆるふわ設定です。細かい事は気にしないよ!という読者の方向けかもしれません
※直接的な描写はありませんが、性的な表現が出てくる可能性があります
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
年下の彼氏には同い年の女性の方がお似合いなので、別れ話をしようと思います!
ほったげな
恋愛
私には年下の彼氏がいる。その彼氏が同い年くらいの女性と街を歩いていた。同じくらいの年の女性の方が彼には似合う。だから、私は彼に別れ話をしようと思う。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる