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二度目の5月

387.ペラルゴニウム

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5月30日 火曜日
二日目は朝から首里城の見学をした後に、グループ毎に別れてコース別体験学習と水族館に行くことに。一日が盛りだくさんだよね!回りきれるのかなって感じだけど。
先ずは朝一番の首里城。
中国と日本の両方から影響を受けつつ、独自の琉球文化、琉球装飾を築きあげた首里城正殿内部と彫刻。なんて説明を艶やかなな装いでしながら、案内をしてくれるお姉さんには、正直とっても申し訳ないうちの智美君。何しろ半端ない雑学王なものだから、お姉さんより詳しい説明で、お姉さんが凄く困ってます!王家の行催事が行われた二階の御差床、国王や重臣たちが参列し重要な儀式や会議が行われた一階の御差床、そんなことを仁君に聞かれてサクサク説明しちゃったものだから、お姉さんの笑いが凍ってるよ!ひきつってるよ!!しかも金の龍と五色の雲が彩色舗装された柱が建っているのを二人で見上げて、お姉さんの説明と関係なくこんなことを話してる。

「金の龍ってどういう意図?青じゃないの?」
「龍は国王の象徴ともとれるからな、この場合は琉球王朝の国王の象徴だろうな。青の龍は青龍のことだろ?」
「違うもの?」
「四神だからな、この場合のものとは違う。」

なんか二人して意味が分からない話してるよ?龍は龍なんじゃないの?金とか青とか?青?どこに青い龍があるのかなあ?

「でも五色の雲がある。五行じゃないの?なんで雲?」
「五色の雲は仏教じゃ重要な際によく発生する現象として認識されているんだ。西方極楽浄土から阿弥陀如来が菩薩を随えて、五色の雲に載ってやってくる『来迎図』にも描かれているから、瑞相の一つとして捉えたんだろうな。現実にも彩雲なんてものがあるからな。」
「へぇ、彩雲?」
「まあ、吉兆の一つ、めでたい雲ってことだ。」

ということから首里城で最も象徴的な場所であることが分かります、なんて完全に笑顔の強ばったお姉さんが話している。ごめんなさい!うちの子が!!琉球王朝に篤い信仰があるって訳ではなくて、ただ単に凄い雑学博士なだけなんです!って香苗がフォローしてるけど、余計にお姉さんのやる気をダダ下がりさせてるーっ!智美君てば!朝一番なのに!お姉さん泣いて帰っちゃうよ!お姉さんこのあと他のクラスとか他の観光客さんにも説明するんだよね………ごめんなさい、ホントに。
その後グループ別の体験学習は琉球ガラスの製作とかマリンスポーツとか、シーサーの色つけとか、黒砂糖を作るとか。自分達で選んでいいし、他に行きたい場所がある子達は計画書を出してトレッキングに行く子達も。私達のグループは琉球ガラスの工房でグラス作りにチャレンジ!
大きな工房だから順番待ちをするために1人ずつ番号札を配られて、順番に作業を眺めてる。

「あー、ドキドキする!」

香苗が初めての緊張感にとってもジリジリしてるけど、実際には工房の人達って一日に多ければ何百人もの対応をしているんだ。だからお任せして眺めてる部分もある。ま、その分かなりの流れ作業っていう感じがあるけど、とはいえ初めての経験だもんね。先ずは丁寧にどのように空気を入れたり回したりすればいいかを、工房の人から事前に教えて貰って。全体の所要時間は見てたら実は約五分くらいなんだよ、あっという間に終了しちゃうんだけど。
火傷防止の手袋を渡されて装着して、ボーッとしていると一瞬で終わりそうなので気合を入れなおす。説明の通りに溶かしたガラスを棒に巻き付け、グラスの型に息を吹き込んでガラスを膨らませていく。グラスの底にポンテ棹っていうのをつけて、口元の棹を切り離して。
手際よく吹き棹を回せるかで形がおかしくなったりキレイになったり個性が1番出るんだって。ちなみにヤッパリ上手なのは香苗と智美君。あ、あまりに形がいびつだと割れたりするので若干手直しされるらしくて、五十嵐君と瑠璃ちゃんが手直しされてたけど。そしてそこから再加熱をして、飲み口の部分を成型。

む、むずかしーい!

グラスは時間をかけて冷まして完成なんだって。だから、後日それぞれのお家に送ってもらうことにして、(智美君のは私の家に届けるようにして貰ったのはここだけの話ね。)体験学習は終了、それぞれでお昼を食べてから集合して水族館に移動なんだけど。

ヤッパリやる気だった…チャレンジメニュー。集合場所に近いからって土鍋ソーキソバにチャレンジする三人。何やってんのかなぁ…もう。お店の人も笑ってるよ?!それにしても私達も他の料理を頼んだけど、どうみても盛りが半端ない!これチャレンジメニュー?!って位の量があるんですが。お店の人がこれが普通って笑ってるけど、本当ですか?!どうみてもどんぶり鉢ご飯ですよ?!ソーキソバ普通サイズでラーメンどんぶり?!ううう、二人で一つでもよかった。そんな矢先、うわぁ!本気で土鍋が来た!巨大オムレツ乗ってる沖縄ソバが土鍋にはいってる……。

「はーい、三十分ね。」
「いただきます。」

平然と智美君と仁君が土鍋から直に食べ始めるけど、いや随分淡々と食べてるけど……熱くないの?横で五十嵐君が熱さにジタジタしてるよ?しかも、その麺普通の中華麺とかと違ってちょっと太い?それにしても取り皿借りたら?五十嵐君。
シェア禁止ってあるから、って心配したんだけど、ホントに食べるんだなぁ二人とも。若瀬君が可笑しそうに眺めてるけど、お店の人が驚かないのは実はチャレンジメニューは店長さんが食べられる量だからなんだって。なるほど、それなら驚かないか。あ、それよりは自分達のこの山盛りも何とかしないと!!って結局、チャレンジメニューの智美君の方が先に終わってお願いして手伝って貰った私。うう、流石にどんぶり二つは無理だよう。五十嵐君は何とか三十分ギリギリで食べ終わったけど、今更だけど五十嵐君って俳優だよね?モデルだよね?なんで張り合ってるの??

「………なんで……だろう?」

あ、自分でも分かってなかった。
食べ疲れでぐったりしながら最終目的地に行ったはいいんだけど、水族館凄かったんだよ?!凄かったけどもうお腹一杯で…………ホテルに戻るまでのバスで爆睡してしまったのはここだけの話にして欲しい。
夕飯……食べられないよぉ!
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