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4月
327.クローバー 四ツ葉
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4月2日 日曜日
昨日はそう言えばエイプリルフールだったんだよね。ちなみにケーキバイキング状態だった話しはしたけど、ええ、ケーキは残りませんでした。うん、今日はエイプリルフールじゃないんで、本当の話。一体どこにあの量の食べ物が入るんだろう?最後まで食べてたのは智美君と仁君で、他の人は後半はお腹一杯だったんだけど。しかも鈴徳さんってば、残らないと予測してたみたいに帰りにお持ち帰り用ケーキまで私にくれたんですが……採算度外視過ぎる……大丈夫なのかな?『茶樹』の経営って。その上家に帰って開けたら、ケーキバイキングのケーキとは全く別物が入ってて。鈴徳さん、一体何時からこの準備をしていたんだろうと心配してしまった。本当に鈴徳さんは厨房に1人なんだろうか……なんか本当に3人くらい密かにいる気がする。今度試しにマスターさんにお願いして、1度覗かせてもわらないと。兎も角絶対また来てねーってお店の皆から賑やかに言われたから、3年生になってもご贔屓のお店にしておかないとっていうかしないと逆に申し訳なくなってくるよね。それどころかクラスの皆に紹介した方がいいのかな?でも、既に人気のお店だからいいのか。そうだった、忘れそうになるけど『茶樹』は密かな人気店だったんだった。
そんな帰りの道すがらに衛に快気祝いってなーに?って聞かれたから、病気から元気になったお祝いだよって教えたら、衛は目を丸くしてまーちゃんはもう元気なの?って。
「うん、もう元気になったんだよ。」
「そっかぁ!元気なんだね!良かったぁ!!」
衛が嬉しそうに言いながらギュウッて手を握って来たのに、ああ・そうか、衛は私がまだ病気なのかもって心配してたんだって思ったんだ。元気そうに見えても衛のお母さん・静子さんみたいに、また病院に行ってしまってもう家に帰ってこないかもって心配してたんだって。それでこんなに、必死にずっとくっついてたのかぁ。衛のお母さんの変わりって言うことでは全くないんだろうけど、今更ながらに衛なりに凄く私のこと心配してくれてたんだなぁって気がついたんだ。
「じゃ、元気になったから、今度は私が衛が食べたいお菓子作ってあげようか?」
「ほんとぉ?!じゃ!僕まーちゃんとね、カステラ作るぅ!」
カステラかぁ、最近確かに作ってないなぁ。じゃ久しぶりに作ろうかって言ったら衛はうんって目をキラキラさせて大きく元気なお返事してくる。
「じゃ、一緒にカステラ作ろうね。」
「はーい!」
流石に今日明日はケーキだらけだからもう少し経ってからねって言っても、それでも衛は満足なのか満面のニコニコ顔だ。って言うのも私が作るカステラは簡単だから、衛でも一緒に出来ることが多いの。それにカステラ用の焼き型をね、実は自分で作っちゃうんだけど。それも簡単で衛が作れるから、きっと一緒に出来ることが多くてお気に入りなんだろうなぁ。
そんなわけで昨日から一気にご機嫌の衛は、不意に起こしていたやだもん期間を終了したみたい。あまりの唐突さに雪ちゃんもママも一体何が起きたのって顔。んー、説明がちょっと難しいけど衛なりの不安の表現だったんだよね。それにしてもっとずっと大きくなってから反抗期が来たら、雪ちゃん大変そうな気がしてきた。だって今回の初の衛の反抗期は凄く驚いたみたいだし、全然対応しきれてなかったもん。これで智美君位に成長して反抗期が来たら、絶対雪ちゃん勝てない気がするなぁ私。普段が大人しくて良い子だから、中学とか高校で反抗期になったら衝撃強そうだよね。
そんな訳で今朝もすっかり元通りいい子の衛に、朝一番に起きてきてポカーンとしてる雪ちゃん。
「なにやってんの?雪、早く顔洗ってきなさーい。」
あはは、戸口でポカーンとしてたものだから、衛に呆れられてそんなこと言われてるけど。まぁ昨日までは雪ちゃんの事を完全無視だったんだから、確かにこの差には驚いちゃうよね。この変わり様にママも苦笑いしながら、朝食の準備をしてるくらいだもの。まるで何か幸運の種でも拾ったみたいにニコニコしてるもんなぁ、衛。
「まーちゃん、智美君と仁君って凄いよねぇ!」
「うん?何が?」
「だって、凄い一杯食べるんだよ!!」
確かに、普通の人に比べたら凄い量だったねぇって言うと、衛は嬉しそうに昨日の話をしている。あは、私もずっと一緒にいたんだけどね、でもそれくらい楽しかったんだなって話を聞いてあげることにして、何だか可愛くて頭を撫でてしまう。
「まーちゃん1個食べる間に、智美君は4個食べるんだよ?」
何ですと?!4倍速?!智美君って何で太んないんだろう……そう言われれば衛も食べるわりに太んないなぁ。雪ちゃんも体型変わんない……何なの?その羨ましい体質?血筋なの?私なんか昨日の夜体重計にのってだいぶ衝撃受けたのに。まだ入院前にまでは戻ってないけど1日でだいぶ盛り返しちゃったし、香苗からも衝撃の2キロ増ってLINEが来たのに。
昨日はそう言えばエイプリルフールだったんだよね。ちなみにケーキバイキング状態だった話しはしたけど、ええ、ケーキは残りませんでした。うん、今日はエイプリルフールじゃないんで、本当の話。一体どこにあの量の食べ物が入るんだろう?最後まで食べてたのは智美君と仁君で、他の人は後半はお腹一杯だったんだけど。しかも鈴徳さんってば、残らないと予測してたみたいに帰りにお持ち帰り用ケーキまで私にくれたんですが……採算度外視過ぎる……大丈夫なのかな?『茶樹』の経営って。その上家に帰って開けたら、ケーキバイキングのケーキとは全く別物が入ってて。鈴徳さん、一体何時からこの準備をしていたんだろうと心配してしまった。本当に鈴徳さんは厨房に1人なんだろうか……なんか本当に3人くらい密かにいる気がする。今度試しにマスターさんにお願いして、1度覗かせてもわらないと。兎も角絶対また来てねーってお店の皆から賑やかに言われたから、3年生になってもご贔屓のお店にしておかないとっていうかしないと逆に申し訳なくなってくるよね。それどころかクラスの皆に紹介した方がいいのかな?でも、既に人気のお店だからいいのか。そうだった、忘れそうになるけど『茶樹』は密かな人気店だったんだった。
そんな帰りの道すがらに衛に快気祝いってなーに?って聞かれたから、病気から元気になったお祝いだよって教えたら、衛は目を丸くしてまーちゃんはもう元気なの?って。
「うん、もう元気になったんだよ。」
「そっかぁ!元気なんだね!良かったぁ!!」
衛が嬉しそうに言いながらギュウッて手を握って来たのに、ああ・そうか、衛は私がまだ病気なのかもって心配してたんだって思ったんだ。元気そうに見えても衛のお母さん・静子さんみたいに、また病院に行ってしまってもう家に帰ってこないかもって心配してたんだって。それでこんなに、必死にずっとくっついてたのかぁ。衛のお母さんの変わりって言うことでは全くないんだろうけど、今更ながらに衛なりに凄く私のこと心配してくれてたんだなぁって気がついたんだ。
「じゃ、元気になったから、今度は私が衛が食べたいお菓子作ってあげようか?」
「ほんとぉ?!じゃ!僕まーちゃんとね、カステラ作るぅ!」
カステラかぁ、最近確かに作ってないなぁ。じゃ久しぶりに作ろうかって言ったら衛はうんって目をキラキラさせて大きく元気なお返事してくる。
「じゃ、一緒にカステラ作ろうね。」
「はーい!」
流石に今日明日はケーキだらけだからもう少し経ってからねって言っても、それでも衛は満足なのか満面のニコニコ顔だ。って言うのも私が作るカステラは簡単だから、衛でも一緒に出来ることが多いの。それにカステラ用の焼き型をね、実は自分で作っちゃうんだけど。それも簡単で衛が作れるから、きっと一緒に出来ることが多くてお気に入りなんだろうなぁ。
そんなわけで昨日から一気にご機嫌の衛は、不意に起こしていたやだもん期間を終了したみたい。あまりの唐突さに雪ちゃんもママも一体何が起きたのって顔。んー、説明がちょっと難しいけど衛なりの不安の表現だったんだよね。それにしてもっとずっと大きくなってから反抗期が来たら、雪ちゃん大変そうな気がしてきた。だって今回の初の衛の反抗期は凄く驚いたみたいだし、全然対応しきれてなかったもん。これで智美君位に成長して反抗期が来たら、絶対雪ちゃん勝てない気がするなぁ私。普段が大人しくて良い子だから、中学とか高校で反抗期になったら衝撃強そうだよね。
そんな訳で今朝もすっかり元通りいい子の衛に、朝一番に起きてきてポカーンとしてる雪ちゃん。
「なにやってんの?雪、早く顔洗ってきなさーい。」
あはは、戸口でポカーンとしてたものだから、衛に呆れられてそんなこと言われてるけど。まぁ昨日までは雪ちゃんの事を完全無視だったんだから、確かにこの差には驚いちゃうよね。この変わり様にママも苦笑いしながら、朝食の準備をしてるくらいだもの。まるで何か幸運の種でも拾ったみたいにニコニコしてるもんなぁ、衛。
「まーちゃん、智美君と仁君って凄いよねぇ!」
「うん?何が?」
「だって、凄い一杯食べるんだよ!!」
確かに、普通の人に比べたら凄い量だったねぇって言うと、衛は嬉しそうに昨日の話をしている。あは、私もずっと一緒にいたんだけどね、でもそれくらい楽しかったんだなって話を聞いてあげることにして、何だか可愛くて頭を撫でてしまう。
「まーちゃん1個食べる間に、智美君は4個食べるんだよ?」
何ですと?!4倍速?!智美君って何で太んないんだろう……そう言われれば衛も食べるわりに太んないなぁ。雪ちゃんも体型変わんない……何なの?その羨ましい体質?血筋なの?私なんか昨日の夜体重計にのってだいぶ衝撃受けたのに。まだ入院前にまでは戻ってないけど1日でだいぶ盛り返しちゃったし、香苗からも衝撃の2キロ増ってLINEが来たのに。
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