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2月
267.シダレウメ
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2月1日 水曜日
あ、そうそう、もう随分前の話になっちゃうけど、黒木君とか鈴木君とか智美君に絡んでいた人達はちゃんと約束を守って謝りに来ていたんだ。智美君はもういいよと賑やかに答えたけど、智美君の矜持に忠実なんだろうな、杖の音が何時もより高かったのと彼らの前で杖の持ち手が何時もと変わったのは皆気がついていた。皆心の中で、智美君!忍耐だよ!忍耐!怒っちゃ駄目と呼び掛けていたのは言うまでもない。
この話を思い出したのは2月早々だと言うのに、もうそろそろ学期末テストが近くなってきているから。先生達はバタバタしてるし、センセは未だ坂本先輩の騒動に振り回されているみたい。因みに坂本先輩は土曜日が結納だったんだって。結納に向かっている最中に、私と保住先輩を見かけて源川先輩に連絡してくれたみたい。日曜日の昼にお礼のLINEしたら、そう教えてくれたんだ。
それにしても結納ってどんなことをするんだろう。
あんまりそう言うことって知らないと思わない?だって、基本的には結納って一生に一度しかないわけで。まあ、高潔な儀式のように感じてしまう訳なんだけども。
「ねぇ、智美君、結納ってどんなことするの?」
何でも知ってそうな智美君にそう問いかけたら、智美君の顔が珍しくギョッとして見る間に赤くなった。あれ?おかしな事聞いた?横で聞いてた香苗がとっても残念な目で私の事を見ている。
「麻希子…それって香坂に聞くこと?」
「え?だって智美君なら知ってそうだなって。」
知らなくはないけどもと智美君が、溜め息をついているのは何で?って思ったら男の子に聞くことじゃないでしょ、彼氏ならともかくと香苗に何故かデコピンされる。そ、そうなの?
それはさておき、智美君はちゃんと結納の事は教えてくれた。
結納って、将来的な結婚すなわち婚約の成立を確約する意味で品物などを取り交わす日本の習慣なんだって。
本人の婚姻により両家が親類として「結」びつくことをお祝いし、贈り物を「納」め合う儀式だから、結納っていうそうだ。一般的なのは新郎家から、新婦家へ結納の品を納めるらしいんだけど。本来は帯や着物地などに縁起物を添えて贈ってたんだって反物とか鯛とかだって言うけど、現代じゃそんなの贈られても対処できないでしょ?だから、今では帯や着物の代わりに結納金を贈るんだって。そのお金でお嫁さんの結婚式の衣装を作ってくださいってことみたい。
結納は普通は公の場で人前ではしないもので、両家の間の私的な儀式なんだって。だから、あんまり普通の人は知らないんだろうけど、まあ見るとすれば皇室の納采の儀が基本なんだよねと智美君が言ってる。あ、なーるほど、ニュースで見たことあるかも。
ま、ともかく結納により「結婚をします」という約束を正式に交わしたことになるそうだけど、結婚は新郎&新婦が主役とは言え親から親へのご挨拶って意味が強いんだって。坂本先輩もいってたけど、晴れて婚約者ってことはそう言うことなんだろうなぁ。
昔は一大行事で大々的にやるのがお家が裕福な証だったみたいだけど、今では現代生活に合ったコンパクトな結納品が主流とみたい。最近では結納金を包まなかったり、婚約記念品の指輪や時計だけで結納品を準備したり、食事会だけでその席で簡単に婚約の挨拶をして済ませる場合もあるんだって。結納にも昔は仲人さんがついていたらしいんだけど、最近では立てない場合が殆どだっていってる。まあ、結婚式でも仲人さんがいないことが多いって言うから、そうなんだろう。
「つまりは、プロポーズの後で家族同士が二人が結婚するのを認めましたよって儀式ってこと。」
「ふぅん、そう言うことなんだぁ。」
何でか他の女の子達まで聞いてるけど、一先ず謂れは理解できた訳でどんなことするの?って香苗が聞いてる。あれ?香苗が聞くのはいいの?なんでよ。
基本的には大切な贈り物の観点から婿側がお嫁さんの自宅へお届けするものなんだけど、同時に祝宴の持て成しとかの段取りからホテルや料亭で取り交わすケースもあるらしい。もしかしたら坂本先輩が外にいたのもそれでなのかな?終わった後のお祝いに行く途中だったとか?
一応縁起物の性格から吉日【大安・友引・先勝】を選んでするらしいけど、人間の体調が整う最良の時間11時頃に執り行うのが最善なんだって。時間指定ありなんだ?!ってことはあればお家で結納して、お祝いに移動してたんだろうなぁ。私が保住先輩に捕まったのは午後のはなしだもん。
結納の出席者は新郎・新婦、両家親が基本であるが、兄弟や祖父母も同席するケースもあるみたい。なんと結納の席順も決まっていて西日本式は父親、母親、本人。東日本式は父親、本人、母親って何で全国統一じゃないの?!じゃお婿さんが西日本でお嫁さんが東日本の人だったら?!って夏帆ちゃんが詰めよったら、智美君は平然と嫁の家に行くのが基本なら嫁側の並びに会わせるんだろうって。なーるほどー、勉強になる!それにしても、そうやってきちんと結納するって凄いなぁ。坂本先輩ってちゃんとそういう段取りとって、お嫁さんになるんだぁって一人で染々していたら、何でこの話なんだと智美君に何故か詰め寄られてしまっていた。
あ、そうそう、もう随分前の話になっちゃうけど、黒木君とか鈴木君とか智美君に絡んでいた人達はちゃんと約束を守って謝りに来ていたんだ。智美君はもういいよと賑やかに答えたけど、智美君の矜持に忠実なんだろうな、杖の音が何時もより高かったのと彼らの前で杖の持ち手が何時もと変わったのは皆気がついていた。皆心の中で、智美君!忍耐だよ!忍耐!怒っちゃ駄目と呼び掛けていたのは言うまでもない。
この話を思い出したのは2月早々だと言うのに、もうそろそろ学期末テストが近くなってきているから。先生達はバタバタしてるし、センセは未だ坂本先輩の騒動に振り回されているみたい。因みに坂本先輩は土曜日が結納だったんだって。結納に向かっている最中に、私と保住先輩を見かけて源川先輩に連絡してくれたみたい。日曜日の昼にお礼のLINEしたら、そう教えてくれたんだ。
それにしても結納ってどんなことをするんだろう。
あんまりそう言うことって知らないと思わない?だって、基本的には結納って一生に一度しかないわけで。まあ、高潔な儀式のように感じてしまう訳なんだけども。
「ねぇ、智美君、結納ってどんなことするの?」
何でも知ってそうな智美君にそう問いかけたら、智美君の顔が珍しくギョッとして見る間に赤くなった。あれ?おかしな事聞いた?横で聞いてた香苗がとっても残念な目で私の事を見ている。
「麻希子…それって香坂に聞くこと?」
「え?だって智美君なら知ってそうだなって。」
知らなくはないけどもと智美君が、溜め息をついているのは何で?って思ったら男の子に聞くことじゃないでしょ、彼氏ならともかくと香苗に何故かデコピンされる。そ、そうなの?
それはさておき、智美君はちゃんと結納の事は教えてくれた。
結納って、将来的な結婚すなわち婚約の成立を確約する意味で品物などを取り交わす日本の習慣なんだって。
本人の婚姻により両家が親類として「結」びつくことをお祝いし、贈り物を「納」め合う儀式だから、結納っていうそうだ。一般的なのは新郎家から、新婦家へ結納の品を納めるらしいんだけど。本来は帯や着物地などに縁起物を添えて贈ってたんだって反物とか鯛とかだって言うけど、現代じゃそんなの贈られても対処できないでしょ?だから、今では帯や着物の代わりに結納金を贈るんだって。そのお金でお嫁さんの結婚式の衣装を作ってくださいってことみたい。
結納は普通は公の場で人前ではしないもので、両家の間の私的な儀式なんだって。だから、あんまり普通の人は知らないんだろうけど、まあ見るとすれば皇室の納采の儀が基本なんだよねと智美君が言ってる。あ、なーるほど、ニュースで見たことあるかも。
ま、ともかく結納により「結婚をします」という約束を正式に交わしたことになるそうだけど、結婚は新郎&新婦が主役とは言え親から親へのご挨拶って意味が強いんだって。坂本先輩もいってたけど、晴れて婚約者ってことはそう言うことなんだろうなぁ。
昔は一大行事で大々的にやるのがお家が裕福な証だったみたいだけど、今では現代生活に合ったコンパクトな結納品が主流とみたい。最近では結納金を包まなかったり、婚約記念品の指輪や時計だけで結納品を準備したり、食事会だけでその席で簡単に婚約の挨拶をして済ませる場合もあるんだって。結納にも昔は仲人さんがついていたらしいんだけど、最近では立てない場合が殆どだっていってる。まあ、結婚式でも仲人さんがいないことが多いって言うから、そうなんだろう。
「つまりは、プロポーズの後で家族同士が二人が結婚するのを認めましたよって儀式ってこと。」
「ふぅん、そう言うことなんだぁ。」
何でか他の女の子達まで聞いてるけど、一先ず謂れは理解できた訳でどんなことするの?って香苗が聞いてる。あれ?香苗が聞くのはいいの?なんでよ。
基本的には大切な贈り物の観点から婿側がお嫁さんの自宅へお届けするものなんだけど、同時に祝宴の持て成しとかの段取りからホテルや料亭で取り交わすケースもあるらしい。もしかしたら坂本先輩が外にいたのもそれでなのかな?終わった後のお祝いに行く途中だったとか?
一応縁起物の性格から吉日【大安・友引・先勝】を選んでするらしいけど、人間の体調が整う最良の時間11時頃に執り行うのが最善なんだって。時間指定ありなんだ?!ってことはあればお家で結納して、お祝いに移動してたんだろうなぁ。私が保住先輩に捕まったのは午後のはなしだもん。
結納の出席者は新郎・新婦、両家親が基本であるが、兄弟や祖父母も同席するケースもあるみたい。なんと結納の席順も決まっていて西日本式は父親、母親、本人。東日本式は父親、本人、母親って何で全国統一じゃないの?!じゃお婿さんが西日本でお嫁さんが東日本の人だったら?!って夏帆ちゃんが詰めよったら、智美君は平然と嫁の家に行くのが基本なら嫁側の並びに会わせるんだろうって。なーるほどー、勉強になる!それにしても、そうやってきちんと結納するって凄いなぁ。坂本先輩ってちゃんとそういう段取りとって、お嫁さんになるんだぁって一人で染々していたら、何でこの話なんだと智美君に何故か詰め寄られてしまっていた。
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