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1月
264.サイネリア紫
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1月29日 日曜日
あの時の空気をなんと表現したらいいのか、冷ややかな視線で源川先輩を見つめる雪ちゃんの手がとってもシッカリと腕を掴んでいて。私は何か既視感に襲われる。いや、さっきのは保住先輩で超爪が食い込んでて痛かったけど、今の雪ちゃんの手は痛くはない。だけど、その顔は悩める思い出の中の高校生の雪ちゃんと重なってしまう。源川先輩は驚いたように目を丸くしたけど、雪ちゃんに向かって凄く朗らかに笑いかける。いやーっ!!なんなのこの状況?!私なんにも悪いことしてない!してない筈なのに、何か悪いことしたみたいになってる!雪ちゃんの冷ややかな声がこぼれ落ちる。
「君、……榊さんの知り合いの…。」
「宮井さんの1個上の源川と言います。すみません、俺のせいで宮井さんが騒動に巻き込まれたみたいで、偶々通りかかったんですけど、彼氏さんが傍にいたんなら任せればよかった。」
賑やかに笑顔でそう言う先輩の顔に、雪ちゃんの顔が困惑に変わる。何しろ源川先輩が雪ちゃんを彼氏と認識してて、ちゃんと誤ってくれたから、どう判断するべきなのか困ってしまったみたい。しかも、源川先輩は雪ちゃんが来たから安心って、それじゃ俺は約束あるからここでって。どうみてもその約束の方が大切ってあからさまに分かる喜び満載の後ろ姿で去ってしまった訳で。あれ絶対これから、お相手と待ち合わせだと思う。
混乱してるよね…?
って思ったら雪ちゃんは私の腕をとったまま、何故か唐突に電話を始めた。え?!なんで電話?!
「あ、衛?悪いけど今日麻希ちゃん家に泊まってくれる?うん、そう、一人でいける?ごめんな、後でちゃんと埋め合わせするから。うん、気をつけてな。」
あれ?なに?お家帰らないの?その格好ってお仕事終わりって感じに見えますが。って思ってたら雪ちゃんは空かさず次の電話をし始めてる。
「叔母さん、はい、僕です。すみません、今夜衛を預かってもらえますか?後ですね、麻希子は今晩僕の家に泊めます。」
「え?!」
っていった瞬間雪ちゃんは電話を切っていて、スタスタと私の腕を腕をひいて歩き出してしまった。あ、あのママにそれでオッケーなんでしょうか?というか、雪ちゃん顔が固まってるよ?あの……雪ちゃん?声をかけても何にも返答してくれない雪ちゃんに連れられて、何でかお家まで連れていかれた私。勿論お家の中には既に衛はいなくて、しかも、そのまま寝室に連れ込まれてしまった。ってこれ駄目だよね?!これってダメな範疇だよ!!?
「それじゃ麻希子。何があったか教えて。」
ダメな範疇って抵抗しようにもガッチリ抱きかかえられえて膝を跨がされてしまって、上目遣いにそう雪ちゃんに問いかけられる。何って学校で人気者の源川先輩の事を好きな保住先輩に、最近源川先輩と話をしたせいで勘違いされたんです。源川先輩は私の事をエゾモモンガを愛でる気分で話しかけてるだけなのに、保住先輩が勝手に源川先輩の彼女なんじゃないかって最初に勘違いして。それが誤解だとわかったら、今度は私が源川先輩のポイントアップに役立つと勝手に勘違いしたんです!思う通りにならなくて腹を立てた保住先輩に絡まれて虐められそうになったところを、丁度見ていたらしい坂本先輩が源川先輩を呼んでくれて助けて貰っただけです。本当にそれだけと言うか助けて貰ったはずの源川先輩と私が口論になって、虐める気だった保住先輩に笑われてもういいわって言われたんですー!
「あの男…何で俺と麻希子のこと?」
「本命の婚約者さんとデートしてた最中に、雪ちゃんとキスしてるの見てたんだって…前月頭?の辺り。」
「そう………。婚約者がいるんだ。」
雪ちゃんっブラックが滲んでるよ?!婚約者がいるのに二股とかそう言うのじゃないの!ただ小動物を愛でてるだけだよ!源川先輩は雪ちゃんには言えないけど、雪ちゃんのお仕事の関係の人を超溺愛してるんです!その人ともう一緒に暮らしてて、ついでに3食作って主夫してますから!
って思ってもなんか絶対聞こえてない気がするのは、ブラック雪ちゃんが見えてるからだよね。雪ちゃんって何がどこまで出来るのか分かんないけど、ちょっとこのままだと何かしそうで不安。
うー。こうなったらここは一つ。
思いきって私は手をあげると雪ちゃんの頬を両手で包んで、辿々しいとは分かるけど雪ちゃんの唇に唇を押し当てた。ピキッて音がする位雪ちゃんが凍りつくのが分かるけど、さっきまでのブラック雪ちゃんの気配が消し飛んだ。軽く押し当てただけのキスだったけど、離してみたら雪ちゃんが目を丸くして私のことを見つめてる。
「先輩は言われたから助けてくれに来ただけだよ?私の彼氏は雪ちゃんだからね?」
「麻希子……。名前…。」
そこは忘れないのか、恥ずかしいのに。雪ちゃんの期待満々の瞳に負けて、少し恥ずかしくて俯きながら口を開く。
「私の彼氏は……智雪、だから、…ね。」
「うん。」
そんなに嬉しそうに微笑まれると困る。何で名前でそんなに嬉しそうなのかな、そんな顔でじっと見つめられるとどんな顔してたらいいのかわからない。真っ赤になって俯いている私の耳元に、雪ちゃんの顔が寄せられる。
「今晩はもう泊まることにしたから、一緒に寝よ?麻希子。」
「え?!」
「衛もいないから、声だしても平気だよ。」
「えええ?!」
耳元で擽るように囁く声に驚いて体を離そうとしたけど、腕の中にガッチリ押さえ込まれている体はビクともしなかった。いや、坂本先輩の自分が動かないと相手は奥手だからとかって言葉が頭の中を掠めるけど、これってそう言う問題じゃないのかな?アワアワしてる私の耳朶を雪ちゃんが吐息で擽ったかと思うと、唐突に耳朶を噛んでくる。
「ひゃ!」
「好き……だよ、麻希子…。」
ふええ?!耳元で低く囁きながら耳朶を噛むの何か変!突っ張ろうとしても全然力が入らないし、体の中がゾワゾワする感じ。それなのに雪ちゃんてば全く止める気もなくって腰を抱き寄せた大きな掌で腰を撫でたりする。
「や、ひゃうっ!」
スルリと引っ張り出した服の下に滑り込んだ熱い手が簡単に背中を撫で上げて、耳朶から喉や唇に口付けながら雪ちゃんが何度も麻希子って囁く。雪ちゃんの体を突き放したいのか縋りたいのか分かんない体勢の私が、一瞬雪ちゃんの肩に頭を乗せた途端背中で下着のホックを雪ちゃんの片手が外してしまう。
「きゃ、やっ!」
何とかそれを押さえようとしたら体勢が崩れるみたいに、そのままベットに雪ちゃんに覆い被さられるみたいに倒れこんだ。体勢が崩れたとしか思わなかったのに、それはまるで押し倒されたみたいに雪ちゃんの腕の中にスッポリと落ちていて。雪ちゃんは覆い被さって耳朶や首や唇に何度も触れてくる。
「ん、……と、……ゆきっ……や……っん。」
「麻希子、可愛い……。」
気が付いたら意図も簡単に前のボタンが幾つか外されてて、スルリと前をはだける掌が肌を撫でてくる。乙女らしくないひゃあって言う声に、雪ちゃんは嬉しそうに笑いながら可愛いってまた言う。可愛くないです、キャーとかキャッて言うなら兎も角。大体にして胸もそれほど大きくないですし!
「……そんなに胸、気になる?」
「え?!」
「俺が気になるかどうか、見てみないと分かんないよ?」
クイと服を引かれて私は真っ赤になってしまう。いや、あの胸の話は松理さんが、変なこと言うからですね。そう言いたいけど雪ちゃんの手が撫でるみたいに変な動きするから擽ったいし、何とかこのまま隠していたいのにっ。必死で服の前を合わせてるのに雪ちゃんの熱い手が、私の肩を撫でるみたいにして服を下げながら滑り込んでくる。
「色、白い……、綺麗だね。」
肩から撫で下ろす手が鎖骨を撫でて、更に服ごと下ろしながら触れてきて私はどうしたらいいか分からなくて慌てる。見えちゃう!って必死なのに雪ちゃんてば鎖骨の辺りに口付けたりして全然止める気がない。
「ま、まだ早いと思います!」
「だって、待ってたら麻希子どんどん他の男と仲良くなる。」
ええ?!何言ってますか?!っていいたいのは山々だけど、確かに最近交流が広まってるのは事実で、でも好きなのは雪ちゃんだけなんだよ?!って言うと分かってるよと賑やかに微笑まれる。でも、麻希子は無防備過ぎだから少し自覚してもらわないとって、満面の微笑みで言われてしまう。これって雪ちゃん実はすっごいお怒りなんですね?!うう、ブラック雪ちゃんは防いだつもりだったのにー!
「さ、麻希子、いい子にしてね?」
凄く爽やかにそう言われた私は必死に抵抗したけど、終いには熱烈な長いキスをされてクタクタに骨抜きにされてしまった。雪ちゃんてば何でか背中とか、私の力が抜ける場所ばっかり選んでるみたいに触るんだもん。
という事態の後。
どこまでしたのって?そんなもう成長途中の胸を見られただけで、私は悶絶して死にそうです。しかも雪ちゃんてば見た上に直に触ったんだよ?!うう、大きい手にスッポリ包み込まれてしまったら、何か小さいって言われたみたいで恥ずかしくて死にそう。それ以上のことはなかった。なかったんだけど!
雪ちゃんてば、その夜本気で私のこと抱っこして一緒に寝られてしまった。いや、ただ単にもう抱き枕状態なんだけど、腕にギュウってされたまま雪ちゃんてば本気で寝るんだもの。
雪ちゃんを怒らせると、こんな目に逢うんだって痛感しました。
あの時の空気をなんと表現したらいいのか、冷ややかな視線で源川先輩を見つめる雪ちゃんの手がとってもシッカリと腕を掴んでいて。私は何か既視感に襲われる。いや、さっきのは保住先輩で超爪が食い込んでて痛かったけど、今の雪ちゃんの手は痛くはない。だけど、その顔は悩める思い出の中の高校生の雪ちゃんと重なってしまう。源川先輩は驚いたように目を丸くしたけど、雪ちゃんに向かって凄く朗らかに笑いかける。いやーっ!!なんなのこの状況?!私なんにも悪いことしてない!してない筈なのに、何か悪いことしたみたいになってる!雪ちゃんの冷ややかな声がこぼれ落ちる。
「君、……榊さんの知り合いの…。」
「宮井さんの1個上の源川と言います。すみません、俺のせいで宮井さんが騒動に巻き込まれたみたいで、偶々通りかかったんですけど、彼氏さんが傍にいたんなら任せればよかった。」
賑やかに笑顔でそう言う先輩の顔に、雪ちゃんの顔が困惑に変わる。何しろ源川先輩が雪ちゃんを彼氏と認識してて、ちゃんと誤ってくれたから、どう判断するべきなのか困ってしまったみたい。しかも、源川先輩は雪ちゃんが来たから安心って、それじゃ俺は約束あるからここでって。どうみてもその約束の方が大切ってあからさまに分かる喜び満載の後ろ姿で去ってしまった訳で。あれ絶対これから、お相手と待ち合わせだと思う。
混乱してるよね…?
って思ったら雪ちゃんは私の腕をとったまま、何故か唐突に電話を始めた。え?!なんで電話?!
「あ、衛?悪いけど今日麻希ちゃん家に泊まってくれる?うん、そう、一人でいける?ごめんな、後でちゃんと埋め合わせするから。うん、気をつけてな。」
あれ?なに?お家帰らないの?その格好ってお仕事終わりって感じに見えますが。って思ってたら雪ちゃんは空かさず次の電話をし始めてる。
「叔母さん、はい、僕です。すみません、今夜衛を預かってもらえますか?後ですね、麻希子は今晩僕の家に泊めます。」
「え?!」
っていった瞬間雪ちゃんは電話を切っていて、スタスタと私の腕を腕をひいて歩き出してしまった。あ、あのママにそれでオッケーなんでしょうか?というか、雪ちゃん顔が固まってるよ?あの……雪ちゃん?声をかけても何にも返答してくれない雪ちゃんに連れられて、何でかお家まで連れていかれた私。勿論お家の中には既に衛はいなくて、しかも、そのまま寝室に連れ込まれてしまった。ってこれ駄目だよね?!これってダメな範疇だよ!!?
「それじゃ麻希子。何があったか教えて。」
ダメな範疇って抵抗しようにもガッチリ抱きかかえられえて膝を跨がされてしまって、上目遣いにそう雪ちゃんに問いかけられる。何って学校で人気者の源川先輩の事を好きな保住先輩に、最近源川先輩と話をしたせいで勘違いされたんです。源川先輩は私の事をエゾモモンガを愛でる気分で話しかけてるだけなのに、保住先輩が勝手に源川先輩の彼女なんじゃないかって最初に勘違いして。それが誤解だとわかったら、今度は私が源川先輩のポイントアップに役立つと勝手に勘違いしたんです!思う通りにならなくて腹を立てた保住先輩に絡まれて虐められそうになったところを、丁度見ていたらしい坂本先輩が源川先輩を呼んでくれて助けて貰っただけです。本当にそれだけと言うか助けて貰ったはずの源川先輩と私が口論になって、虐める気だった保住先輩に笑われてもういいわって言われたんですー!
「あの男…何で俺と麻希子のこと?」
「本命の婚約者さんとデートしてた最中に、雪ちゃんとキスしてるの見てたんだって…前月頭?の辺り。」
「そう………。婚約者がいるんだ。」
雪ちゃんっブラックが滲んでるよ?!婚約者がいるのに二股とかそう言うのじゃないの!ただ小動物を愛でてるだけだよ!源川先輩は雪ちゃんには言えないけど、雪ちゃんのお仕事の関係の人を超溺愛してるんです!その人ともう一緒に暮らしてて、ついでに3食作って主夫してますから!
って思ってもなんか絶対聞こえてない気がするのは、ブラック雪ちゃんが見えてるからだよね。雪ちゃんって何がどこまで出来るのか分かんないけど、ちょっとこのままだと何かしそうで不安。
うー。こうなったらここは一つ。
思いきって私は手をあげると雪ちゃんの頬を両手で包んで、辿々しいとは分かるけど雪ちゃんの唇に唇を押し当てた。ピキッて音がする位雪ちゃんが凍りつくのが分かるけど、さっきまでのブラック雪ちゃんの気配が消し飛んだ。軽く押し当てただけのキスだったけど、離してみたら雪ちゃんが目を丸くして私のことを見つめてる。
「先輩は言われたから助けてくれに来ただけだよ?私の彼氏は雪ちゃんだからね?」
「麻希子……。名前…。」
そこは忘れないのか、恥ずかしいのに。雪ちゃんの期待満々の瞳に負けて、少し恥ずかしくて俯きながら口を開く。
「私の彼氏は……智雪、だから、…ね。」
「うん。」
そんなに嬉しそうに微笑まれると困る。何で名前でそんなに嬉しそうなのかな、そんな顔でじっと見つめられるとどんな顔してたらいいのかわからない。真っ赤になって俯いている私の耳元に、雪ちゃんの顔が寄せられる。
「今晩はもう泊まることにしたから、一緒に寝よ?麻希子。」
「え?!」
「衛もいないから、声だしても平気だよ。」
「えええ?!」
耳元で擽るように囁く声に驚いて体を離そうとしたけど、腕の中にガッチリ押さえ込まれている体はビクともしなかった。いや、坂本先輩の自分が動かないと相手は奥手だからとかって言葉が頭の中を掠めるけど、これってそう言う問題じゃないのかな?アワアワしてる私の耳朶を雪ちゃんが吐息で擽ったかと思うと、唐突に耳朶を噛んでくる。
「ひゃ!」
「好き……だよ、麻希子…。」
ふええ?!耳元で低く囁きながら耳朶を噛むの何か変!突っ張ろうとしても全然力が入らないし、体の中がゾワゾワする感じ。それなのに雪ちゃんてば全く止める気もなくって腰を抱き寄せた大きな掌で腰を撫でたりする。
「や、ひゃうっ!」
スルリと引っ張り出した服の下に滑り込んだ熱い手が簡単に背中を撫で上げて、耳朶から喉や唇に口付けながら雪ちゃんが何度も麻希子って囁く。雪ちゃんの体を突き放したいのか縋りたいのか分かんない体勢の私が、一瞬雪ちゃんの肩に頭を乗せた途端背中で下着のホックを雪ちゃんの片手が外してしまう。
「きゃ、やっ!」
何とかそれを押さえようとしたら体勢が崩れるみたいに、そのままベットに雪ちゃんに覆い被さられるみたいに倒れこんだ。体勢が崩れたとしか思わなかったのに、それはまるで押し倒されたみたいに雪ちゃんの腕の中にスッポリと落ちていて。雪ちゃんは覆い被さって耳朶や首や唇に何度も触れてくる。
「ん、……と、……ゆきっ……や……っん。」
「麻希子、可愛い……。」
気が付いたら意図も簡単に前のボタンが幾つか外されてて、スルリと前をはだける掌が肌を撫でてくる。乙女らしくないひゃあって言う声に、雪ちゃんは嬉しそうに笑いながら可愛いってまた言う。可愛くないです、キャーとかキャッて言うなら兎も角。大体にして胸もそれほど大きくないですし!
「……そんなに胸、気になる?」
「え?!」
「俺が気になるかどうか、見てみないと分かんないよ?」
クイと服を引かれて私は真っ赤になってしまう。いや、あの胸の話は松理さんが、変なこと言うからですね。そう言いたいけど雪ちゃんの手が撫でるみたいに変な動きするから擽ったいし、何とかこのまま隠していたいのにっ。必死で服の前を合わせてるのに雪ちゃんの熱い手が、私の肩を撫でるみたいにして服を下げながら滑り込んでくる。
「色、白い……、綺麗だね。」
肩から撫で下ろす手が鎖骨を撫でて、更に服ごと下ろしながら触れてきて私はどうしたらいいか分からなくて慌てる。見えちゃう!って必死なのに雪ちゃんてば鎖骨の辺りに口付けたりして全然止める気がない。
「ま、まだ早いと思います!」
「だって、待ってたら麻希子どんどん他の男と仲良くなる。」
ええ?!何言ってますか?!っていいたいのは山々だけど、確かに最近交流が広まってるのは事実で、でも好きなのは雪ちゃんだけなんだよ?!って言うと分かってるよと賑やかに微笑まれる。でも、麻希子は無防備過ぎだから少し自覚してもらわないとって、満面の微笑みで言われてしまう。これって雪ちゃん実はすっごいお怒りなんですね?!うう、ブラック雪ちゃんは防いだつもりだったのにー!
「さ、麻希子、いい子にしてね?」
凄く爽やかにそう言われた私は必死に抵抗したけど、終いには熱烈な長いキスをされてクタクタに骨抜きにされてしまった。雪ちゃんてば何でか背中とか、私の力が抜ける場所ばっかり選んでるみたいに触るんだもん。
という事態の後。
どこまでしたのって?そんなもう成長途中の胸を見られただけで、私は悶絶して死にそうです。しかも雪ちゃんてば見た上に直に触ったんだよ?!うう、大きい手にスッポリ包み込まれてしまったら、何か小さいって言われたみたいで恥ずかしくて死にそう。それ以上のことはなかった。なかったんだけど!
雪ちゃんてば、その夜本気で私のこと抱っこして一緒に寝られてしまった。いや、ただ単にもう抱き枕状態なんだけど、腕にギュウってされたまま雪ちゃんてば本気で寝るんだもの。
雪ちゃんを怒らせると、こんな目に逢うんだって痛感しました。
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