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1月
256.アイビー
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1月21日 土曜日
世間もバレンタインに向けてチョコレートの話で、一杯になり始めてる。永遠の愛を捧げる人もいれば、友情の証ってこともあるから皆もソワソワしちゃうのは当然だよね。因みに家のママだって結婚してからもずっと、誠実に愛情表現一杯のパパに一番のチョコをあげている。
それにしてもこの間源川先輩騒動で貰った大量のチョコレートとクッキーが、微妙に役に立っている辺りはちょっと可笑しいかも。まあ、貰ったものだけど練習に使ったり義理チョコにするのは、良心は痛まないかな。流石に本命にあげるチョコは、貰い物で作るのは駄目だと思うけど練習に使う分には問題ない。大体にして不滅の資源って訳でもないし、有効に利用する分には正しいと思うんだよね。ただ、試作品はどうしても自分達で食べてしまうので、その点体重管理という問題が。食べても太らない体質って羨ましい…何でこんな話してるのかって?『茶樹』で久々に出会った鳥飼さんと松理さんが、衝撃的発言をしてるからです。
「鳥飼君てさぁ、あのエッセイの商品取材の時全部食べてるんでしょ?」
「まあ、そうなりますね。一応表現するには食べないと。」
実は鳥飼さんは『鳥飼澪』っていう名前の作家さんで、最近雑誌で喫茶店のエッセイを掲載してる。かくいう『茶樹』もそのエッセイで出ていて、早紀ちゃんと来るようになったんだからあのエッセイがなかったら私ここにはきっと来ていない。隣で話している松理さんの方も『奈落』っていう名前で作家さん。因みにどっちの作家さんの本も持っていたので、素直にサインを貰ったのはしばらく前の話。
「あれ、全部食べるの?一人で。一回何個くらい?」
「出していただいたものは残さない質なんで。まあ、多ければ3個位ですよ。」
サラッと答えてるけど鳥飼さんは長身の細身の抜群のスタイルの良さで、源川先輩の恋人さんを鳥飼さんみたいなと表現するくらい美形。それでもやっぱり男の人のなので、取材とはいえケーキとかパフェを食べたりしてる姿って想像が。
「なんで、それで太んないの?」
「何でと言われても、体質ですかね。親もそうなんで。」
「信じらんない、なにその魔法体質。週一でケーキ3?!マキマキどう思う?!」
「う、羨ましいです。」
マキマキっていつの間に…松理さんの渾名ってなんなんだろうか。早紀ちゃんはサッチーだし、私はいつの間にかマキマキになっている。香苗と仲良くなったら香苗は何て呼ばれるんだろうか。兎も角何で巻き込まれてるかというと、ただ単純に雪ちゃんと待ち合わせしてて。
最近太ったという松理さんの口撃に曝されている鳥飼さんに巻き込まれているわけです。もう、巻き込まれ体質とか言われても、最近仕方ない気がするんだよね。だって、そのつもりじゃなくてもこんな感じで巻き込まれるんだもん。
「羨ましいとかよりも、この面でケーキ3個食べてるのがおかしいわよ、鳥飼君。」
「顔はエッセイに出ませんから。」
「普段運動もしないんでしょ?何なのあんた、異次元胃袋なの?酒も飲むでしょ?燃費の悪い車なの?」
松理さんの絡みに鳥飼さんは平然としてるけど、半分くらい意味が分からない。異次元胃袋って食べたものが別世界にいってるって位置なんだろうけど、燃費の悪い車って何?
「燃費の悪い車っていうのはね?ガソリンを食うわりに走らないってことなのよ?マキマキ。」
はぁ、なるほど。でも、それとも鳥飼さんの体はなんの関係が?
「食べても燃費が悪いから栄養を全部活用してないって言う意味でね?松理は燃費が良いから全部活用して太ったと言いたいんだよ。つまりは遠回しな嫌みなんだよ?」
マスターさん丁寧に説明されたんだけど、あの、私何も口に出してませんが……。それにしても鳥飼さんってお酒飲むんだ。そっか、大人だもんね、衛が雪ちゃんと鳥飼さんとセンセで飲んでた話もしてたし。それにしても羨ましい体質だなぁ、食が細い訳じゃなくて食べても太んないのって。私なんか調整しないとプヨプヨになるんだよね。
「俺は女の子は少しふっくらの方が可愛いと思うよ?麻希ちゃん。」
何で今の心の声が分かりましたか?!っていうか、最近言われ続けて分かってきたけど、私って考えてること殆ど顔に出てるんだろうなぁ。もー、一番は源川先輩が宮内先輩までつれてきて、笑うので自覚させられたけど。
「乙女に体重の話はNG!鳥飼君、デリカシーのない!」
「してません、ふっくらの方が可愛いと個人的見解を言っただけです。」
「それが既にセクハラよ!鳥飼君!あんた、ウエスト何センチなのよ!せめて70センチあるでしょうね?!」
「それこそセクハラです、何で俺のウエストですか。」
「松理、自分のウエストが増えたからって八つ当たりはいけないよ。」
「惣一くん!それ以上はイエローカードよっ!」
ウエストって松理さんのウエスト細いのに、何センチなのなのか松理さんのウエストの方が知りたい。どうみたって40才の人の体型じゃないし、胸は大きいし羨ましいスタイルなのに。
「マキマキ、胸は男に揉んで貰うと大きくなるのよ?」
「何教えてんですか!可愛い麻希子にそういうこと教えないでください!」
背後からいつの間にかやって来ていた雪ちゃんが、慌てて私の耳を塞いでるけどすみません、もう聞こえてるよ?雪ちゃん。全くもうっていいながらの雪ちゃんに連れられて、挨拶してから店を後にするけど……うーん、胸もう少し成長しないかなぁ……。いや、巨乳とかになりたい訳じゃないけど、せめてもう少しだけ大きい方が服とか着てもメリハリがつくと思うんだけど。
「麻希子、頼むから胸の話は忘れなさい。」
「え?」
「じっと胸元をみてるのは、ちょっと…。」
あ、顔に出てるってこと?ほんと私って顔に全部出ちゃってるんだなぁ、もう少し顔に出さないよう気を付けないとって染々思ってしまった。
世間もバレンタインに向けてチョコレートの話で、一杯になり始めてる。永遠の愛を捧げる人もいれば、友情の証ってこともあるから皆もソワソワしちゃうのは当然だよね。因みに家のママだって結婚してからもずっと、誠実に愛情表現一杯のパパに一番のチョコをあげている。
それにしてもこの間源川先輩騒動で貰った大量のチョコレートとクッキーが、微妙に役に立っている辺りはちょっと可笑しいかも。まあ、貰ったものだけど練習に使ったり義理チョコにするのは、良心は痛まないかな。流石に本命にあげるチョコは、貰い物で作るのは駄目だと思うけど練習に使う分には問題ない。大体にして不滅の資源って訳でもないし、有効に利用する分には正しいと思うんだよね。ただ、試作品はどうしても自分達で食べてしまうので、その点体重管理という問題が。食べても太らない体質って羨ましい…何でこんな話してるのかって?『茶樹』で久々に出会った鳥飼さんと松理さんが、衝撃的発言をしてるからです。
「鳥飼君てさぁ、あのエッセイの商品取材の時全部食べてるんでしょ?」
「まあ、そうなりますね。一応表現するには食べないと。」
実は鳥飼さんは『鳥飼澪』っていう名前の作家さんで、最近雑誌で喫茶店のエッセイを掲載してる。かくいう『茶樹』もそのエッセイで出ていて、早紀ちゃんと来るようになったんだからあのエッセイがなかったら私ここにはきっと来ていない。隣で話している松理さんの方も『奈落』っていう名前で作家さん。因みにどっちの作家さんの本も持っていたので、素直にサインを貰ったのはしばらく前の話。
「あれ、全部食べるの?一人で。一回何個くらい?」
「出していただいたものは残さない質なんで。まあ、多ければ3個位ですよ。」
サラッと答えてるけど鳥飼さんは長身の細身の抜群のスタイルの良さで、源川先輩の恋人さんを鳥飼さんみたいなと表現するくらい美形。それでもやっぱり男の人のなので、取材とはいえケーキとかパフェを食べたりしてる姿って想像が。
「なんで、それで太んないの?」
「何でと言われても、体質ですかね。親もそうなんで。」
「信じらんない、なにその魔法体質。週一でケーキ3?!マキマキどう思う?!」
「う、羨ましいです。」
マキマキっていつの間に…松理さんの渾名ってなんなんだろうか。早紀ちゃんはサッチーだし、私はいつの間にかマキマキになっている。香苗と仲良くなったら香苗は何て呼ばれるんだろうか。兎も角何で巻き込まれてるかというと、ただ単純に雪ちゃんと待ち合わせしてて。
最近太ったという松理さんの口撃に曝されている鳥飼さんに巻き込まれているわけです。もう、巻き込まれ体質とか言われても、最近仕方ない気がするんだよね。だって、そのつもりじゃなくてもこんな感じで巻き込まれるんだもん。
「羨ましいとかよりも、この面でケーキ3個食べてるのがおかしいわよ、鳥飼君。」
「顔はエッセイに出ませんから。」
「普段運動もしないんでしょ?何なのあんた、異次元胃袋なの?酒も飲むでしょ?燃費の悪い車なの?」
松理さんの絡みに鳥飼さんは平然としてるけど、半分くらい意味が分からない。異次元胃袋って食べたものが別世界にいってるって位置なんだろうけど、燃費の悪い車って何?
「燃費の悪い車っていうのはね?ガソリンを食うわりに走らないってことなのよ?マキマキ。」
はぁ、なるほど。でも、それとも鳥飼さんの体はなんの関係が?
「食べても燃費が悪いから栄養を全部活用してないって言う意味でね?松理は燃費が良いから全部活用して太ったと言いたいんだよ。つまりは遠回しな嫌みなんだよ?」
マスターさん丁寧に説明されたんだけど、あの、私何も口に出してませんが……。それにしても鳥飼さんってお酒飲むんだ。そっか、大人だもんね、衛が雪ちゃんと鳥飼さんとセンセで飲んでた話もしてたし。それにしても羨ましい体質だなぁ、食が細い訳じゃなくて食べても太んないのって。私なんか調整しないとプヨプヨになるんだよね。
「俺は女の子は少しふっくらの方が可愛いと思うよ?麻希ちゃん。」
何で今の心の声が分かりましたか?!っていうか、最近言われ続けて分かってきたけど、私って考えてること殆ど顔に出てるんだろうなぁ。もー、一番は源川先輩が宮内先輩までつれてきて、笑うので自覚させられたけど。
「乙女に体重の話はNG!鳥飼君、デリカシーのない!」
「してません、ふっくらの方が可愛いと個人的見解を言っただけです。」
「それが既にセクハラよ!鳥飼君!あんた、ウエスト何センチなのよ!せめて70センチあるでしょうね?!」
「それこそセクハラです、何で俺のウエストですか。」
「松理、自分のウエストが増えたからって八つ当たりはいけないよ。」
「惣一くん!それ以上はイエローカードよっ!」
ウエストって松理さんのウエスト細いのに、何センチなのなのか松理さんのウエストの方が知りたい。どうみたって40才の人の体型じゃないし、胸は大きいし羨ましいスタイルなのに。
「マキマキ、胸は男に揉んで貰うと大きくなるのよ?」
「何教えてんですか!可愛い麻希子にそういうこと教えないでください!」
背後からいつの間にかやって来ていた雪ちゃんが、慌てて私の耳を塞いでるけどすみません、もう聞こえてるよ?雪ちゃん。全くもうっていいながらの雪ちゃんに連れられて、挨拶してから店を後にするけど……うーん、胸もう少し成長しないかなぁ……。いや、巨乳とかになりたい訳じゃないけど、せめてもう少しだけ大きい方が服とか着てもメリハリがつくと思うんだけど。
「麻希子、頼むから胸の話は忘れなさい。」
「え?」
「じっと胸元をみてるのは、ちょっと…。」
あ、顔に出てるってこと?ほんと私って顔に全部出ちゃってるんだなぁ、もう少し顔に出さないよう気を付けないとって染々思ってしまった。
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