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11月
189.リコリス
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11月15日月曜日
あれから雪ちゃんとは少し気まずい感じ。だって、初めてが寝惚けてじゃ、流石の私も良い思い出とは言えない気がする。後から雪ちゃんにが覚えてないとか言い出されたら、悲しい思い出になりかねない。とは言え雪ちゃんにされたのが嫌なわけではない、なんかこう情熱っていうか、何て言うか。そう、シチュエーションって言うのに、もっとロマンチックなものが欲しい。うん、そうだ。
「麻希子?」
「何?」
「何ブチブチ言ってる?ご飯美味しくないのか?」
仁君の言葉にはたとお弁当タイムだったのを思い出す。今日は少し天気が悪くて肌寒いこともあって、教室でお弁当タイムだった。それにしてもインフルエンザはまだジワジワと広がって、今は1年生に流行の気配らしい。
「首んとこ、虫刺され?赤くなってる。」
「こんな時期に虫に刺されるなんて、宮井らしいよな。」
それってどういう意味なの?智美君と孝君に笑われるけど。それにしても頚ってどこ?別に痒くもなんともないけどなあって首の辺りを撫でる。晴れてる様子でもないしなぁって私が首を傾げてたら、突然香苗に腕をとられて教室から引きずり出された。
「な?なに?香苗、どしたの?!」
「いいから来て!!」
香苗の剣幕に大人しく従うと、香苗は女子トイレに私を引っ張りこんだ。香苗は私の首を覗きこむと目を丸くして、私に向かって声を潜めた。
「遂に麻希子と従兄さん、したの?」
「した?」
私がキョトンとするものだから、香苗は呆れたように腰に手を当てる。
「エッチ。」
「まさかぁ!」
「だって、あんた、それキスマークじゃん。」
ふえ?
私が改めてポカーンとしたものだから、香苗がしらばっくれるんじゃないのって鏡の前で私の首を指さす。確かに花弁みたいに赤くなってて、虫刺されみたいなのが一つポツンと肌にある。え?これ何?朝気がつかなかった。
「これ何?」
「だから、キスマーク。そこに従兄さんがキスした痕でしょ?」
キスした痕?そう言われればいろんなところにキスはされたけど、何でここだけこんな痕?真剣に首を捻ってたら、そういえば最後のキスの時にチリチリってした気がする。でも、香苗の言うようにエッチはしてない。断固としてしてないもん。
「そっか、寸止めか。従兄さん。」
「寸止め?」
「気にしなくて良いけど、それファンデーションとかで隠さないとなぁ。」
ええ?そんなに目立つの?絆創膏とかじゃダメかなぁって言ったら、そんなのキスマークですって宣伝してるようなもんだと呆れられてしまった。でも、ファンデーションが塗れない私はどうしたらいいの?香苗に聞いたらキスマークって内出血何だって。ぶつけたのとおんなじってこと?じゃ普段つけてる軟膏とか塗ったら早く消える?血行が良くなって内出血が早く消えるんだけどっていったら、それで良いって塗る事にした私。アトピーの私が常時持って歩いてる薬で、暫くは虫刺されで通すように香苗に言われた。
「でも、あるとよくないの?キスマーク。」
「よくない訳じゃないけど、見えるとこは止めてもらいなよ?遊んでる子だと思われやすいんだから。」
へえって感心した私に香苗は少し呆れ顔で笑う。遊んでる子だと思われるのは確かに私も嫌だなぁって素直に言うと、香苗はそれが普通だよって呟く。そっか、1時期の香苗はそういう風に周りから言われて嫌な気分だったんだろうな。その時の香苗はその言葉にどんな風に対応してたのかな。私の視線に香苗は何も言わないけど、気にかけてくれたってことなんだよね。
「香苗、ありがと。」
「何にもしてないよ。」
「教えてくれたじゃん。」
麻希子がおこちゃまだからって香苗が笑うから、私は頬を膨らませてそんなことないって不貞腐れる。早く戻らないとご飯食べれないって慌てて駆け出した香苗の背中を追いかけて駆け出す。そしたら、曲がり角で向こうから曲がって上がってきた長身に正面からぶつかってしまった。
「ごめんなさい!」
「ああ、こっちこそごめん。」
あれ、確かこの先輩って。
「あ、君確か1組だったよね、悪いけど真見塚を呼んでくれるかな?」
確か宮内慶太郎先輩。合気道部の部長さんで、生徒会の副会長さんもしている先輩だ。そういえば文化祭の時の女装コンビの一人で、校内をビラ配りで練り歩いてた先輩だった。あの時は源川先輩と一緒だったけど、今は一人で、しかも孝君ってことは生徒会のことかなぁ。
「孝くーん、宮内先輩がご用だって。」
私が戸口から声をかけると、孝君は何故か能面みたいにすうっと表情を硬くした。隣の早紀ちゃんが少し心配そうに立ち上がる孝君を見上げてるのを、戸口の私と香苗は不思議そうに眺める。席に戻った私達2人と席にいた2人が、不思議そうに早紀ちゃんに声をかけた。
「何で孝のやつ、あんなに露骨に嫌な顔?」
「うーん、孝君、あまり宮内先輩が得意じゃないみたい。」
「同族嫌悪?」
「仁、意味分かって使ってる?」
あきらめ半分で話をしてる孝君の事を眺めながら、みんなで勝手なことを言っている。それにしても先輩はなんのようなんだろう。
あれから雪ちゃんとは少し気まずい感じ。だって、初めてが寝惚けてじゃ、流石の私も良い思い出とは言えない気がする。後から雪ちゃんにが覚えてないとか言い出されたら、悲しい思い出になりかねない。とは言え雪ちゃんにされたのが嫌なわけではない、なんかこう情熱っていうか、何て言うか。そう、シチュエーションって言うのに、もっとロマンチックなものが欲しい。うん、そうだ。
「麻希子?」
「何?」
「何ブチブチ言ってる?ご飯美味しくないのか?」
仁君の言葉にはたとお弁当タイムだったのを思い出す。今日は少し天気が悪くて肌寒いこともあって、教室でお弁当タイムだった。それにしてもインフルエンザはまだジワジワと広がって、今は1年生に流行の気配らしい。
「首んとこ、虫刺され?赤くなってる。」
「こんな時期に虫に刺されるなんて、宮井らしいよな。」
それってどういう意味なの?智美君と孝君に笑われるけど。それにしても頚ってどこ?別に痒くもなんともないけどなあって首の辺りを撫でる。晴れてる様子でもないしなぁって私が首を傾げてたら、突然香苗に腕をとられて教室から引きずり出された。
「な?なに?香苗、どしたの?!」
「いいから来て!!」
香苗の剣幕に大人しく従うと、香苗は女子トイレに私を引っ張りこんだ。香苗は私の首を覗きこむと目を丸くして、私に向かって声を潜めた。
「遂に麻希子と従兄さん、したの?」
「した?」
私がキョトンとするものだから、香苗は呆れたように腰に手を当てる。
「エッチ。」
「まさかぁ!」
「だって、あんた、それキスマークじゃん。」
ふえ?
私が改めてポカーンとしたものだから、香苗がしらばっくれるんじゃないのって鏡の前で私の首を指さす。確かに花弁みたいに赤くなってて、虫刺されみたいなのが一つポツンと肌にある。え?これ何?朝気がつかなかった。
「これ何?」
「だから、キスマーク。そこに従兄さんがキスした痕でしょ?」
キスした痕?そう言われればいろんなところにキスはされたけど、何でここだけこんな痕?真剣に首を捻ってたら、そういえば最後のキスの時にチリチリってした気がする。でも、香苗の言うようにエッチはしてない。断固としてしてないもん。
「そっか、寸止めか。従兄さん。」
「寸止め?」
「気にしなくて良いけど、それファンデーションとかで隠さないとなぁ。」
ええ?そんなに目立つの?絆創膏とかじゃダメかなぁって言ったら、そんなのキスマークですって宣伝してるようなもんだと呆れられてしまった。でも、ファンデーションが塗れない私はどうしたらいいの?香苗に聞いたらキスマークって内出血何だって。ぶつけたのとおんなじってこと?じゃ普段つけてる軟膏とか塗ったら早く消える?血行が良くなって内出血が早く消えるんだけどっていったら、それで良いって塗る事にした私。アトピーの私が常時持って歩いてる薬で、暫くは虫刺されで通すように香苗に言われた。
「でも、あるとよくないの?キスマーク。」
「よくない訳じゃないけど、見えるとこは止めてもらいなよ?遊んでる子だと思われやすいんだから。」
へえって感心した私に香苗は少し呆れ顔で笑う。遊んでる子だと思われるのは確かに私も嫌だなぁって素直に言うと、香苗はそれが普通だよって呟く。そっか、1時期の香苗はそういう風に周りから言われて嫌な気分だったんだろうな。その時の香苗はその言葉にどんな風に対応してたのかな。私の視線に香苗は何も言わないけど、気にかけてくれたってことなんだよね。
「香苗、ありがと。」
「何にもしてないよ。」
「教えてくれたじゃん。」
麻希子がおこちゃまだからって香苗が笑うから、私は頬を膨らませてそんなことないって不貞腐れる。早く戻らないとご飯食べれないって慌てて駆け出した香苗の背中を追いかけて駆け出す。そしたら、曲がり角で向こうから曲がって上がってきた長身に正面からぶつかってしまった。
「ごめんなさい!」
「ああ、こっちこそごめん。」
あれ、確かこの先輩って。
「あ、君確か1組だったよね、悪いけど真見塚を呼んでくれるかな?」
確か宮内慶太郎先輩。合気道部の部長さんで、生徒会の副会長さんもしている先輩だ。そういえば文化祭の時の女装コンビの一人で、校内をビラ配りで練り歩いてた先輩だった。あの時は源川先輩と一緒だったけど、今は一人で、しかも孝君ってことは生徒会のことかなぁ。
「孝くーん、宮内先輩がご用だって。」
私が戸口から声をかけると、孝君は何故か能面みたいにすうっと表情を硬くした。隣の早紀ちゃんが少し心配そうに立ち上がる孝君を見上げてるのを、戸口の私と香苗は不思議そうに眺める。席に戻った私達2人と席にいた2人が、不思議そうに早紀ちゃんに声をかけた。
「何で孝のやつ、あんなに露骨に嫌な顔?」
「うーん、孝君、あまり宮内先輩が得意じゃないみたい。」
「同族嫌悪?」
「仁、意味分かって使ってる?」
あきらめ半分で話をしてる孝君の事を眺めながら、みんなで勝手なことを言っている。それにしても先輩はなんのようなんだろう。
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