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9月
136.ヒガンバナ
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昨日のホームルームは文化祭の出し物を話し合い中だ。うちの学校は生徒の独立心が高いのか、文化祭の話し合いも生徒の自主性に任されている。やる気があればやれることはやっちゃおう的なノリなんだけど、予算設定とかもしなきゃいけないから実行委員になると大変そう。とは言え皆の思い出にもなるから、手が抜けないって言うのも本心だ。
やっぱり喫茶店案は出るんだけど、そうなると設備投資に予算が大分とられてしまうのは否めない。勿論設備投資以上に儲かればいいんだろうけど、設備以外に材料費もかかるのは大きいのだ。簡単に使える機械ならいいんだけど、喫茶店として種類を増やすのは難しくなってくる。あきらめて一種類だけで模擬店っていうのも案では出るけど、そうなると他のクラスと被ったらアウトだし、お客さんの集客力が下がりそうな気がする。秋口だって言うのも大きいんだよね、冷たいものが売れるかどうかが微妙な時期なんだ。下手に冷たいものだけにしちゃうと、寒くて売れない危険もあるし、逆に凄く売れる可能性だってある。
喫茶店以外の案としては、お化け屋敷は勿論上がったけど、変わり種はジェットコースターってのもあった。
作るのは大変そうだけど、それもありなのかなぁ?
コースターっていってもただ坂を下るだけだから、木枠とかの設営だけですむって言うのがポイントらしい。毎回スタート地点までは人力で戻すことにはなるけど、悪い案ではないと思う。あとは科学実験室なんて、頭がいい人が考え付いちゃうような案もでてる。ビックリハウスって言ってる子もいるけど、ミラーハウスみたいなの?って聞いたら、それもありかなって言われてしまった。あれ?ミラーハウスじゃないんだ、ビックリハウスって何?どうやら錯覚を使う奴のことみたいで、よく部屋の中に入ると大きくなったみたいに見えたりするのの事みたい。
「智美君、何か案ある?」
「んー、そうだなぁ、脱出ゲームみたいな?」
「脱出ゲーム?!」
予想外の言葉に思わず大きな声になって、周りの視線がちょっと痛い。智美君は苦笑いしてるけど、つまりは迷路にクイズを足したみたいな感じらしい。脱出ゲームかぁ、クイズを解かなきゃ出られないなら飽きられなくていいかもなぁって感心してしまう。出られたら景品って言うのもありだとか、お化け屋敷と合体しちゃえとか皆が結構盛り上がって来てる。お化け屋敷から脱出ゲームってちょっとというか、かなり嫌かも…でも、やってる方は楽しいだろうなぁ。智美君がお化け屋敷ねぇと呟いて、何やらニヤってしたのがちょっと怖い。なんかとんでもないこと考え出しそうな気がする。私が早紀ちゃんにそう言うと、何故か早紀ちゃんは賑やかに微笑んでやるならとことんやらなきゃねと笑う。
あれ?案外早紀ちゃんが、こういうの情熱的な感じ?
驚いている間に多数決で2年1組の出し物は、お化け屋敷からの脱出ゲームに決定。うちのクラスは3階の一番はしっこ。先生に廊下を占拠してもいいかと聞くと、土志田センセは悪戯っ子のようにニヤリと笑う。
「あー、授業に問題にならないものは先生は許容範囲だ。」
あーあ、センセが廊下を使って良いって言質とらせてる。またそんなことしてたら土志田センセ、教頭先生に睨まれるんだと思うけど、ここは生徒の味方ってことで良いことにしよう。
しかし、うちのクラスってばやる気になってるなぁ。大道具とか小道具担当は得意な人が率先して手を上げてるし、全体の手配とかは孝君が押し付けられて実行委員にされた。迷路の図案係は若瀬君が得意なパソコンで作ってくれるらしい。皆得意な分野があるんだなぁって感心してたら、いつの間にか脱出ゲーム作成班に香苗と私と智美君がなってるのは何故?!孝君と早紀ちゃんは実行委員で脱出ゲーム作成補佐って?!
何か凄い智美君が邪悪な笑顔してるんだけど。
悲しい思い出にならない程度にしてくれるよね?誰も脱出できないお化け屋敷なんてトラウマだよ?!思わずそう言うと智美君が更に楽しそうにしてる。孝君が最低限クラスメイトがチャレンジしてクリアできるものって言ってるのに智美君の笑顔が怖い。
「麻希がクリアできればいいんだろ?」
えええ?!なんで私が第一脱出しなきゃなんないの?!絶対怖いでしょ?智美君泣かす気で作るでしょって食い下がったら、何故か香苗も巻き込まれて2人でチャレンジすればいいじゃんって。
「何で私?!香坂は?!」
「作った人間じゃクリアできて当然だろ?そのための問題作成班。」
「えーっ!!!」
そういう意味だったのか?!この班って!!香苗と私が頭を抱えているのに、皆が大笑いしている。うー、馬鹿にしてっ!絶対クリアしてやるっ!
「ゼ、絶対クリアするもん!」
「よし!頑張れ!麻希子!」
香苗が他人事みたいに言うけど、香苗も一緒に解くんだからねって私か突っ込む。素知らぬふりしてるけど、2人係でも智美君が作った脱出ゲームってクリアできる気がしないのは何でだろう。お化け屋敷の中って言うのが、正直更に不安で仕方がないのは気のせいだろうか。
やっぱり喫茶店案は出るんだけど、そうなると設備投資に予算が大分とられてしまうのは否めない。勿論設備投資以上に儲かればいいんだろうけど、設備以外に材料費もかかるのは大きいのだ。簡単に使える機械ならいいんだけど、喫茶店として種類を増やすのは難しくなってくる。あきらめて一種類だけで模擬店っていうのも案では出るけど、そうなると他のクラスと被ったらアウトだし、お客さんの集客力が下がりそうな気がする。秋口だって言うのも大きいんだよね、冷たいものが売れるかどうかが微妙な時期なんだ。下手に冷たいものだけにしちゃうと、寒くて売れない危険もあるし、逆に凄く売れる可能性だってある。
喫茶店以外の案としては、お化け屋敷は勿論上がったけど、変わり種はジェットコースターってのもあった。
作るのは大変そうだけど、それもありなのかなぁ?
コースターっていってもただ坂を下るだけだから、木枠とかの設営だけですむって言うのがポイントらしい。毎回スタート地点までは人力で戻すことにはなるけど、悪い案ではないと思う。あとは科学実験室なんて、頭がいい人が考え付いちゃうような案もでてる。ビックリハウスって言ってる子もいるけど、ミラーハウスみたいなの?って聞いたら、それもありかなって言われてしまった。あれ?ミラーハウスじゃないんだ、ビックリハウスって何?どうやら錯覚を使う奴のことみたいで、よく部屋の中に入ると大きくなったみたいに見えたりするのの事みたい。
「智美君、何か案ある?」
「んー、そうだなぁ、脱出ゲームみたいな?」
「脱出ゲーム?!」
予想外の言葉に思わず大きな声になって、周りの視線がちょっと痛い。智美君は苦笑いしてるけど、つまりは迷路にクイズを足したみたいな感じらしい。脱出ゲームかぁ、クイズを解かなきゃ出られないなら飽きられなくていいかもなぁって感心してしまう。出られたら景品って言うのもありだとか、お化け屋敷と合体しちゃえとか皆が結構盛り上がって来てる。お化け屋敷から脱出ゲームってちょっとというか、かなり嫌かも…でも、やってる方は楽しいだろうなぁ。智美君がお化け屋敷ねぇと呟いて、何やらニヤってしたのがちょっと怖い。なんかとんでもないこと考え出しそうな気がする。私が早紀ちゃんにそう言うと、何故か早紀ちゃんは賑やかに微笑んでやるならとことんやらなきゃねと笑う。
あれ?案外早紀ちゃんが、こういうの情熱的な感じ?
驚いている間に多数決で2年1組の出し物は、お化け屋敷からの脱出ゲームに決定。うちのクラスは3階の一番はしっこ。先生に廊下を占拠してもいいかと聞くと、土志田センセは悪戯っ子のようにニヤリと笑う。
「あー、授業に問題にならないものは先生は許容範囲だ。」
あーあ、センセが廊下を使って良いって言質とらせてる。またそんなことしてたら土志田センセ、教頭先生に睨まれるんだと思うけど、ここは生徒の味方ってことで良いことにしよう。
しかし、うちのクラスってばやる気になってるなぁ。大道具とか小道具担当は得意な人が率先して手を上げてるし、全体の手配とかは孝君が押し付けられて実行委員にされた。迷路の図案係は若瀬君が得意なパソコンで作ってくれるらしい。皆得意な分野があるんだなぁって感心してたら、いつの間にか脱出ゲーム作成班に香苗と私と智美君がなってるのは何故?!孝君と早紀ちゃんは実行委員で脱出ゲーム作成補佐って?!
何か凄い智美君が邪悪な笑顔してるんだけど。
悲しい思い出にならない程度にしてくれるよね?誰も脱出できないお化け屋敷なんてトラウマだよ?!思わずそう言うと智美君が更に楽しそうにしてる。孝君が最低限クラスメイトがチャレンジしてクリアできるものって言ってるのに智美君の笑顔が怖い。
「麻希がクリアできればいいんだろ?」
えええ?!なんで私が第一脱出しなきゃなんないの?!絶対怖いでしょ?智美君泣かす気で作るでしょって食い下がったら、何故か香苗も巻き込まれて2人でチャレンジすればいいじゃんって。
「何で私?!香坂は?!」
「作った人間じゃクリアできて当然だろ?そのための問題作成班。」
「えーっ!!!」
そういう意味だったのか?!この班って!!香苗と私が頭を抱えているのに、皆が大笑いしている。うー、馬鹿にしてっ!絶対クリアしてやるっ!
「ゼ、絶対クリアするもん!」
「よし!頑張れ!麻希子!」
香苗が他人事みたいに言うけど、香苗も一緒に解くんだからねって私か突っ込む。素知らぬふりしてるけど、2人係でも智美君が作った脱出ゲームってクリアできる気がしないのは何でだろう。お化け屋敷の中って言うのが、正直更に不安で仕方がないのは気のせいだろうか。
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