鵺の哭く刻

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助かった…………。

解放された頃にはもう日が高く上っていて、闇は何処にもなかった。それを知ったのはせめてシャワーを使わせて貰いたかったが、文字通りシュンイチは裸でマンションの通路に放り出されたからだ。全身が軋み尻の穴からは大量の精液が溢れだしそうで、思わず扉に飛び付きドアノブをガチャガチャと回しながら声が響かないように小さく懇願した。

「お願いします、服を下さい、お願いです、誰にも言いません、お願いじまず……っ!」

泣きじゃくりながら何度も懇願した声に飽きたのか、男の一人が顔も出さずにドアを開けてシュンイチが身に着けてきたものを通路の床に放り出し再びドアを閉めると鍵とドアチェーンの音が響く。全裸で体は痣と縄や異常な跡だらけ、勿論キスマークなんてものはないし、鞭で打たれたり縄が擦れたりの跡だからマトモな行為じゃないのは一目でわかる。そんな姿でしかも口や体から男の精液の臭いをプンプンさせて、真っ昼間の高層マンションの通路にシュンイチは一人全裸でいるのだ。

誰か来たら、一貫の終わりだ!!

怯えて泣きじゃくりながら散らばった服を這いつくばってかき集め、尻の穴を必死に締め上げながら下着を身につけ、グジャグシャの服を身につけながら何故か頭の中にはアキコの泣き顔が浮かびあがるのを感じ必死に通路で身を屈めていた。

あの時アキコもこんな風に感じていたのだろうか……

誰も来ませんようにと必死に祈りながら、露出調教と称して淫らな服装で歩かせた時のアキコの苦痛そうな顔が浮かび、待ち合わせに淫らな姿をさせた年若い女子高生の二号奴隷の怯えきった青ざめた顔が脳裏に浮かぶ。いいや、あいつらはあれは喜んでいたと頭では言っても、今の自分が人目に怯えているのと変わらなかったとも冷ややかな心が言う。

あいつらが変なことを言うからだ。

最初に犬面は、これはシュンイチがしたことの罰だと言った。罰を受けると考えなかったあんたが悪いんだと。それに部屋を追い出される時に犬面が、無表情で誰かに言ったら分かってるよなと淡々とした声で囁いたのに背筋が冷たくなってもいた。

ヤクザだ。

犬面は組長がと口にしたし、こんなヤクザのやり方で自分は完全に罠に嵌まっている。まるでそれは契約書にサインをしてしまった後のように感じて、そう考えるとまた過去の奴隷契約書にサインをさせようとして断固拒否したアキコの苦悩の顔が浮かんだ。

望まない契約を拒否するのは当然の反応だったんじゃないか

お前は人の考えなんて何も気にかけもしないで好き放題してきたしなと、心が低くひっそりと囁く。しかもシュンイチが男達と結んでしまった契約を破ったら、今度は短いと扱き下ろされはしたもののそれでも大事な逸物とおさらばしないとならなくなるのだと震えが起きる。

去勢はいやだ。

それなら昨夜ここであったことなんか全部夢だと思えばいいだけだと考えているのに、罰という言葉が酷く気にかかり追い出されて見上げたマンションの一室のドアには当然のように住民の名前の表示はなかった。よろめきながらヨタヨタ内股で進み、やっとのことで一階まで降りて辺りをよく見れば人気の感じないマンスリーマンションだったのをシュンイチは今更のように知っていた。
必死だった筈なのにボンヤリしていて自分が何階から降りてきたのかも何号にいたのかも分からず、愕然としながらそのマンションを見上げる。よくある家具つきの短期契約用のマンスリー。旅行者や地方からの出張や、そんな時に使うような。

そうなるとハルの自宅というのは恐らく最初から嘘だろう。

そう今さらに気がついたら自分は最初からまんまとあの女に騙されたのだと気がついて、シュンイチは道端でよろめいてしまう。

そうだよな、イガラシなんて、何処にでもある名字だ。

つい最近ドラマに出始めた若手俳優に同じ名字がいた記憶があるくらいポピュラー。イガラシハル、芸名にでもなりそうな名前。アンザイチナミとなんらかわりがないじゃないかと思った瞬間、ゾッと再び背筋が凍りつく。

もしかしてアンザイチナミが、ヤクザ関係だったのか?

その可能性は高かった。得体の知れない身元の分からないあの女がヤクザの女だとか娘だったら、あの女なら喜んでこんな嫌がらせをするのは想像に容易い。大体にして他に想定できる相手がいるか?アキコは東北の何でもない普通の家庭の長女だったし、二号も普通の家庭の娘だ。後はあいつらも口にした自分が悪戯をした幼女は大概黒髪の美少女だったが、もう十年や二十年も経っている。

まてよ、十年や二十年たって、極道の妻になって仕返し?

連れ込んで悪戯をできたのは、ほんの数えるばかりだ。それ以外にも年単位で女を釣ってセックスして写真は撮っていたことはあるが、どれもOLとか大人しそうな女ばかりでこっちに写真があると思っているから表沙汰にはしないはず。

その女達の誰かが、極妻に?!

そう考えれば考えるほど可能性が広く高くなってしまう気がして、シュンイチは絶望的な気持ちで再びヨロヨロと道を歩き出す。自分のハンドルネームは実際には二十年も変わらないしオープンチャットに通うホームページも同じなのだから、自分を知っていれば話しかけるのは可能で浅はかだったが、それは現実のことだ。

騙された……。

歩くと衣類に擦れる尻の穴が腫れて、ジンジンと疼くようにむず痒くピリピリと鈍い痛みが走る。血が出ているかもしれないし切れているかも、歩く度に直に感じるそれにシュンイチはまた泣き出してしまいそうだ。シュンイチが長年培って来た高いプライドは、あの若い三人の男達に粉微塵にされてしまった。ずっと自分の逸物に大きく太いと自身を持っていたのに、遥かに長大なモノを反り立たせる男に小さい短い柔らかいと散々に蔑まれる。スタイルがいいと自信があったのに、中年太りで腹がたるんでるだの肌が汚いと、滑らかな肌で六つに割れた腹筋をした男に笑われ馬鹿にされた。口が臭いやらドブみたいな臭いがすると、ウンザリした顔で言われて終いに臭くて萎えるなぁと迄言われてしまう自分。
それなのにおぞましい事に、何か薬でも使われたのか、実は後半には尻を掘られるのにシュンイチは快感を覚えてしまっていた。ズブリズブリと固く熱いものを奥まで押し込まれると、腸粘膜がズリズリと怒張に擦られてジーンと痺れるような快感に変わる。遂に男達に激しく掘られながら漏らすように射精してしまった自分に、男達は残酷に笑いながら尻の穴すらだらしなく緩くて気持ちよくないと酷評された。
マンションを出て何度電話をしても性奴隷になった筈のハルの電話は、現在使われておりませんと告げるばかりで全く連絡がとれない。それは分かりきっていたことだ。何しろ最初から騙されたのだから。

「よぉ、ハル!」
「おはよーっす。」

不意に目の前で聞こえた声にシュンイチはギクリと凍りつきながら、目の前で和やかに話す二人の青年を穴の開くほどの視線で見つめた。どう見ても二十代の若い青年二人、イガラシハルではないしハルは男女関係なく付けられる名前でもある。
目の前の青年達はシュンイチの若い頃より、遥かにスタイルもよくしかも遥かに若々しい。然り気無く無造作に着ただけの服ですら若さに合間って色気を感じさせ、人の目にも鮮やかで爽やかな姿は無意識に目を引く。
方や自分はヨレヨレの服をグジャグシャに着てヨロヨロと年寄りのように足取りもおぼつかなく、壁に縋るようによろめきながら精子の臭いまみれで歩いている草臥れた中年。彼らは自分なんか気にするわけもなく、当然のように笑いながら話している。

「昨日、時間外したんだって?」
「社長から聞いた?いやぁ俺、専門職ってすげぇなぁって感心した。」
「そうなんだ?って専門職ぅ?何?」
「はは、社長に聞いてよ、俺は説明苦手ー。」
「何だよそれ。」

二人は会社の同僚らしい上にあの年で社長と直に接するような立場で働いているのだが、あの年頃のシュンイチと言えばまだ塾講師もバイトだったかもしれないと気がついてしまう。学校の教師に意地でもなっていたら、今は違ったろうか?それとも辛くても塾講師を必死に続けていたら、全国経営の塾だとは言え地区の要職くらいにはなれたろうか。

今さらだ…………今更遅すぎる…………

和やかな会話の中で、ハルと呼ばれた青年が話しながら何気なく振り返る。呆然と突っ立って若々しさに溢れた二人を見ていた自分に、とてつもなく胡散臭そうな視線を投げつけてその青年はもう片方に声を潜めて何かを囁く。

なんか、あのおっさんキモい、こっち見てる

聞こえてなんかいないのに、何故かそんな風に自分の無様さを嗤われたような気がしてシュンイチは思わず二人から顔を背けていた。顔を向けていただけで男にやられた精液の臭いがばれてしまいそうで、それも酷く恐ろしい。
やがて彼らは颯爽と笑いながらあっという間に歩きだしシュンイチから距離を作って軽やかに立ち去っていく。自分にはそれすら出来ないと吐き気を催しそうな気持ちになりながらヨロヨロと再び歩き出したシュンイチの耳に、若い彼らの声をあげて笑う張りのある声が突き刺さってくる。

若さ………………

失ってしまったものをどうにかしようにも、もうシュンイチには方法が分からない。そんな絶望にうちひしがれて尻を必死の思いで締めよろめきながら何とか道を進むシュンイチに、更なる悲劇が襲いかかったのはそれから僅か数分の後のこと。
不意に襲いかかった腹痛に脂汗を滲ませたシュンイチは、遥か昔に似たような出来事経験したのを虚ろな頭の中で思い出していた。その時には既にアキコが傍に居てくれたから、当然のように助けを求めたことを今更のように思い出す。実は急な腹痛で失禁してしまって最寄りのファーストフード店のトイレに立て籠ったシュンイチは、夜勤明けで帰宅したばかりで休んでいるアキコを再三の電話で叩き起こして怒鳴り付け下着を持参させた。あまりにも恥ずかしい汚点なので記憶から抹消してきたが、あの時ありがとうの一言もアキコには言わなかったし、アキコがファーストフードの店員に頭を下げるのに罵声を浴びせかけたのだ。だが今同じ事になったら助けてくれる人間は、シュンイチにはもう誰もいない。

………………誰も助けてくれない。

そう考えた途端シュンイチは無様だと理解しながらも、再び鼻水を滴らせ歩きながら嗚咽を溢して泣き始めていた。既に腹痛は今にも臨界点に達しそうになっていて、シュンイチはそれが男達が中に大量に注ぎ込んだ精液のせいだとは考えることもできない。何とか誰かに助けてもらう方法を考えないとと、シュンイチはヨロヨロと先を進みながらそれだけしか考えられないでいたのだった。



※※※



あの出来事のせいでシュンイチは完全に引きこもりになっていた。
勿論生きるのに必要だからバイトはするが、それ以外には誰とも交流しないし女漁りもしない。何しろ今のシュンイチは、心が傷つきすぎていて性欲なんて一つも沸かないのだ。それにもし性行為をしてまた部屋の隅からあの化け物がやって来たらと、思うと気が気ではなかった。それに何もすることがなくてもネットワークを覗き歩いていれば時間も潰せる。そんな風に過ごしていた矢先だった、シュンイチがあのニュースを目にして愕然としたのは。

《莫大な財産を寄付!クラハシ一族の嫁。》

なんだそりゃと思うような作り物めいた題名だが、金銭的にこんなにも苦しんでいる自分には羨ましい話だ。そんな風に考えて何気なく開いたページの写真に、シュンイチは完全に凍りついていた。そこに写っているのは、何をどうしても見間違うわけがないあのアキコだったのだ。

《…………の遺言により、クラハシ一族の莫大な遺産を受け取ったクラハシアキコさんは、その遺産のほぼ全てを一族の経営する法人を経由してDV被害者のシェルターや性的虐待の被害者の支援団体などへ寄贈。より支援の幅を広げて…………》

莫大な
クラハシアキコ
莫大な遺産
遺言
チカチカと訳の分からない感情に眩暈がするようだった。見ず知らずの人間に囲まれて困惑した様子のアキコがモニターの画像に写っている。それ以上に驚くのはアキコは別れたあの時と恐ろしいほどに変わらず、相変わらず艶やかな黒髪をして、しかも赤い縁の眼鏡で、困ったようにはにかんで美しい卵形の顔にエクボを浮かべている。いや、自分がこんなに落ちぶれ苦しんでいるのに、アキコはあの最後の時の綺麗だと思わせた凛とした姿より、遥かに幸せそうに美しくなっていて。

腹立たしい

シュンイチは彼女が幸せそうに暮らしていることにホッとする処か、目が眩むような凄まじい怒りに飲まれたのだ。全身が震えるような怒りに飲まれてそのニュースを出来る限り調べ尽くしていく。アキコが嫁いだクラハシというのが、この街にいるクラハシ一族で総合病院の院長や何かの施設経営なんかを手広くやっているクラハシだと知った時は怒りで窒息しそうだった。クラハシ家は今の住みかの目と鼻の先の豪邸で、やはりアキコはずっとここら辺にいたのだと気がついてしまったからだ。

それで……なんで俺を探さない。

それがとんでもない言いがかりだと頭の何処かでは思うが、それでも苛立ちは収まらなかった。こんなに直ぐ傍にいるのだから、一度連絡を寄越してもいいのではないか?十年も経ったのだから、少しは態度を改めてもいいのでは?自分の我儘で去ったのだから、少しは謝罪の気持ちを持つくらいが奴隷だったんだから当然なんじゃないのか?
その中身が異常なほど利己的だと、それを考えているシュンイチはもう何故か気がつかない。気がつかないままに奥歯を噛みしめ歯軋りしながら怒りにブルブルと手を震わせている。

あれは自分の性奴隷なのに、他の男に嫁いだ。

そえ思った瞬間、怒りに力一杯手近な床を殴り付けていた。本当ならパソコンを殴り付けたいし、アキコを直に殴り付けてやりたい。でもパソコンは大事だしアキコは目の前にいないから、出来たのはそれくらいでギチギチと割れるような歯軋りの音だけを部屋に響かせている。おぞましい程の自分勝手な怒り、それが体に満ちていくのが分かる。
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