鵺の哭く刻

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潜伏期

47.★

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こんなことを繰り返して意図して成長させていたら蛇はやがて増殖したりはしないのだろうかと不安にもなる。しかし、アキコ自身が繰り返されドンドン強くなる快楽に溺れてもいた。それが相手のシュンイチにも作用していないとは、アキコにも言い切れなくなってきているのに気がついてもいる。シュンイチが旅先だから羽目を外しているだけなのか、あからさまにこんなにも恋人同士の行動をするのも人目につきそうな場所で淫らな悪戯も行為を繰り返すのも今までと違い過ぎた。

「誰もいない。おいで。」

他の年配の夫婦の泊まり客達が寝静まったのを見計らって、川縁にある混浴に向かったのは夜半過ぎだ。浴室の中からシュンイチに手招かれ、アキコは戸惑いながら脱衣場から顔を覗かせる。ほらと手を差し出されオズオズと従うと、ここはアキが予約したんだよとシュンイチに笑われてしまうが、それとこれとはまた違う話だ。流石に若い人は混浴は入らないわよねと老夫婦から言われもしたが、シュンイチが混浴と聞いて男女別の内風呂だけで満足する筈がなかった。

「川が見える、おいでよ。」

タオルは入れちゃ駄目と片手で胸元を抑え白濁の湯に浸かったはいいが、手を引かれ川縁に近づくと岩風呂の縁で何でかその膝に座らされてしまう。困ったように俯くアキコに、背後からシュンイチが耳元に顔を寄せる。

「そんなに恥ずかしがって、可愛いな、アキは。」

耳元でそう囁かれて胸から手を退かすように命令されてしまうと、アキコにはもうシュンイチに従うしかなくて胸元が湯船に揺れる。背後から両手で包み込まれて乳房を持ち上げられるのに戸惑いながら肩越しに見ると、悪戯にシュンイチの指先が先端を摘まみクニクニと擦りたてた。

「や……っんっ。」
「アキ、胸のサイズは幾つ?」

何で今さらそんなことを聞くのかと戸惑うアキコの視線に、湯の中でヤワヤワと揉みたてられていた乳房がキツく握られ先端を潰す勢いで擦り上げ始める。しかも愛撫めいた刺激より痛みの方がアキコの反応がいいのにシュンイチは尚更喜び、更に強く痛め付けて楽しむ。

「アキは痛いのが好きだし、恥ずかしいのも好きだね。」
「そ、れは、んんっ、くぅん、」
「悪い子だけど、俺には最高に良い子だよ?アキ。」

ネットリ耳朶を噛みながら低く囁かれる言葉に、久々に許される歓喜に頭の芯があっという間に溶けてしまう。再び良い子だねと囁かれるとアキコは何も逆らう事も出来ずに、更に府設楽な行為を強いられる。アキコは言われるまま男の目の前に腰かけて足を大きく開いて見せていた。

「ああ、恥ずかしい格好だね?真っ赤にして、トロトロにして、今日は沢山ここに俺のチンポ咥えたんだもんね?気持ちよかった?何回いったかな?アキ。」

羞恥に真っ赤になってプルプルと俯き頭をふるアキコに、充血して真っ赤になっている陰核を指で弄くりながらシュンイチがアキコの顔を覗きこむ。摘ままれ揉まれるだけでアキコの膣がヒクヒクと蠢くのを、眺めていたシュンイチが低い声で囁いてくる。

「エロいマンコ……、沢山チンポ突っ込まれて……ヒクヒクして。また、ほしくないか?チンポ。」

陰核を強く親指で左右に揉まれながら、中に指を捩じ込まれて掻き回されると絶頂に足がピンッと宙に浮かぶ。必死に声を堪えるアキコの頬を撫でて、シュンイチがそのまま怒張を押し当てて一気に奥まで捩じ込んでいた。誰かが来てもおかしくない場所で貫かれ必死に声を殺す様子に、シュンイチは尚更興奮して激しく腰を獣のように振り立ててくる。サラサラと川のせせらぎの響く闇の中でジュッポジュッポと卑猥な音をたてて貫きながら、シュンイチは暗い目をして微笑みながら耳元に囁く。

「中がうねうね絡み付いて、ザラザラ舐め回すみたいで……、アキのマンコは本当にイヤらしいね……チンポが好きで堪らないんだ?イヤらしい、雌犬だ……。」

その言葉に初めて相手も自分の体内の蛇を感じているのだと知って、アキコは快楽と同時におぞましさに震えていた。膣を締め付ければ体内の蛇がシュンイチの怒張も共に刺激して、互いを激しく強い快感に上り詰めさせてしまうのだ。これは良いことなのか悪いことなのか、わからないとアキコは戸惑う。蛇がいなければ最初の時、体の相性は良くないと感じた時に戻るのだろうか。そうしたらこの快楽は、この関係は終わるのだろうか。

「良い子だね、アキ。」

繰り返し褒められる言葉に頭は混乱して、キュウキュウと蛇ごと怒張を締め付け快楽に堕ちる。ヌチュヌチュと淫らな音をたてて、奥まで深く貫かれて尻に指が食い込むほど引き付けられて、しかも蛇のように男の体に脚を絡み付かせてアキコは更に快感を貪ってしまう。そうしてそのまま初めて中に直に精液を受け止めて、アキコはそのドロリとした熱に犯され凄まじい快感に酩酊していた。
その後も風呂だけでなく何度も何度も交わって、男がなすがままになっていた。
淫らに帯で手足を縛り上げ脚を開かされたまま拘束され、怒張を口に含んで熱心に舐め回し吸い上げる合間も男の精液を浴びた蛇が暴れまわってアキコを狂わせている。薄暗い部屋の中でまるで何人もの男の怒張に貫かれているように、蛇は激しく暴れ続けていつまで経っても渇望がおさまらない。そしてシュンイチも影に操られているように、いつまでも怒張を硬くいきり立たせてアキコを乱暴に犯し続ける。

「ああ、イヤらしい雌だ、アキは…………こんなに、沢山飲んでもまだ足りないのか?淫乱。」

そう低く笑いながら濡れそぼってグズグズに蕩けてしまった膣を、指で寛げられて注ぎ込まれていた大量の精液を掻き出される。精液を注がれるのは最高に気持ちがよくて、それを怒張が蛇を絡ませながら肉壁にすりこむように塗りつけるのは尚更気持ちがよかった。まるで媚薬でも塗り込まれるように、注がれると腹の奥が疼いて淫らな言葉を使い何度も強請ってしまう。

「射精がそんなに好きか?雌犬。」
「す、きぃ……奥、ジンジンする、の、もっとぉ、いっぱい、出してぇ。」
「ふふ、イヤらしい雌犬だな、チンポにメロメロだ。広げてみせろ。」

言われるがまま左右から股間を開き、淫汁を滴らせて見せる。自分が完全におかしくなっているのはわかっているのに、もっと沢山熱いドロドロの汁を注いで欲しくて堪らない。中に大量に注ぎ込まれているのがシュンイチのものなのか蛇のものなのか、影のものなのかもう理解できないのに、もっと溺れるくらいに注ぎ込んで気持ちよくなりたくて仕方がないのだ。

「下さい、もっとぉ、中に出してぇ。」

噛み千切るのではないかと思うほど乱暴に乳首を噛まれる。陰核を何度もつねられ、口にも膣にも怒張を頬張り大量に精液を浴びせかけられて、更に怒張で奥まで塗りつけられ擦り上げられる歓喜。アキコは激しい快楽に一晩中喘ぎつづけ、何度も中に精液を注いで下さいと懇願し続けていた。
ある意味で互いに草臥れきった状態の上翌朝目を覚ました時に、抱き合ったまま全裸で寝ていたのにアキコは慌ててしまっていた。目を覚ました途端に我に返り、全裸の男性の下折たったヌラヌラと光る怒張が目に入ったのだ。あわてふためいてジタバタするアキコをシュンイチは面白そうに眺めたかと思うと爽やかな顔で

「跨がるか咥えるか、どっちか。」

と命令した。キョトンとして朝日の中で意図が分からないでいるアキコに、口にするよりはと上に乗ってチンポをマンコに入れて腰を振れと命令し直したが陽射しの中のアキコは夜の淫靡さを忘れたみたいだ。咄嗟に慌てて力の入らない体で這って逃げ出そうとする。

「こら。なんで逃げる。」
「え?あのっ、でも、」

戸惑いに肌を何とか隠そうとするアキコの様子が逆にシュンイチの加虐心を煽って、這いずるアキコは足を捕まれて引き摺られ後ろから無理矢理に組み伏せられていた。一晩中……というよりも一日中弄くられ続けたアキコの陰部は目映い朝日の中でテラテラと赤く充血しきっていて、熟れた果実のようにシュンイチの目の前に曝される。そんな淫らなマンコをしているのに、初めて犯される女のようにどうにか逃げようともがく様は尚更興奮する。

「や、あ、やだっあっ。」

無理矢理腰を引き上げて下折たつ怒張を淫裂に押し付けてやると、アキコは尚更怯えたように尻をくねらせて逃げようとしている。それでも腰を掴んだままグリグリと割れ目に擦り付けてやると、充血仕切って柔らかく熟れた入り口はヌッポリと容易く亀頭の先端を飲み肉ひだで包み込む。更にグイと奥まで捩じ込むと驚くほどキツい膣が怒張全体を包み込んで、ドロドロに蕩けて熱く心地よく絡み付いてキュンキュンと締め上げてくる。

「ひぁ、あー……っあぁ……あぅうんっ……あぁー……。」

嫌がって見せた筈が捩じ込まれて腰を振り立てられ、啜り泣きが上がりウネウネと膣が快楽に蠢きだしている。名器というのはこういうのの事なのかもしれないと暗い笑顔で笑いながら、シュンイチは獣の腰つきで責め立ていく。

「嫌だったんだろ?なんで、チンポ咥えてんだ?グジュグジュじゃないか?」
「やぁ、あんんっ、あぁ、あつ、いぃ、こす、ら、焼けちゃ、うぅ。だめぇ、んひぃ」

そんな可愛い声で泣きだしたアキコの怒張に喜び絡み付く肉壁に、シュンイチは再び自分のものとして精液を吹き掛けて存分に塗り込めてやることにしていた。




※※※



帰途の新幹線に乗る予定のシュンイチと一緒に短い市内観光をして、郷土料理なんかをつまんだ時点で残り時間はもうほんの少しだった。

「ここで、いいよ?これから家まで戻るんだろ?」

新幹線の改札でアキコの体を気使うシュンイチにアキコは首を振って、新幹線のホームまで入場券を買って大人しくついていく。

「……実はさぁ。」

その姿を見ていたシュンイチが何だか面白そうな微笑を浮かべてアキコを見下ろして、思わずアキコは不思議そうに下からその顔を覗き込む。シュンイチは少し恥ずかしそうに肩をすくめると、小さな声で内緒話をするように口を開いた。

「…………そうやって入れるって初めて知った。」

その言葉に一瞬唖然としたが、小学生の時から電車で通学してなれているアキコと違って機会のない人にはそうなのかもしれないと納得した。「知ってたら俺もやったのに」と声を上げて笑う彼にアキコも小さな声を立てて楽しげに笑う。駅の新幹線ホームはお盆中だというのに意外と閑散とした様子だったが、二人はまるで人混みにいて離れないようにしているとでも言いたげに寄り添って話していた。

「…………楽しかった?」
「うん、楽しかったよ、ありがとう、アキ。」

そういって彼の視線がアキコを見つめたまま止まる。その微かな熱気を伴う周囲の空気の中でアキコはホームに滑り込んでくる新幹線に気がつきながら何か言いたげなシュンイチの視線を見上げた。戸惑いながらシュンイチが、そっと問いかけてくる。

「来月、また会える?また来てくれる?アキ。」
「うん。」

意味ありげな視線と言葉。その後にふと頬に大きな手が伸びてきて頬に振れる。何度となくこちらに来てこの仕草で頬を撫でられているのに気がつくが、アキコにはまだその意図は掴めないでいた。でもその行為はアキコの心に大きな波紋を投げかけてはいて、シュンイチがアキコに何を求めようとしているのか分からないから不安にかられもする。既に停車した新幹線に乗り込み始める乗客を気配で感じながら、未だにシュンイチが頬に振れているのを戸惑いながらアキコは見上げていた。

「…………乗らない、の?」

戸惑いながら問いかけるアキコの声に、ふと思い出したようにシュンイチの視線が動いた。頬に振れる手がアキコの顔を更に上に向けて、軽く唇を指がなぞった次の瞬間シュンイチの唇がそれに重なる。
何が起きたか分からないでいるアキコを残して、木霊のように響く発射音を聴きながら走り去る新幹線をアキコは呆然と見送っていた。
暫くその場に呆然としたままのアキコの鞄の中で微かに携帯が振動して、アキコは無意識にそれを手にすると表示を確認する。混乱して何が起きてるのか分からないでいるのは、確かにシュンイチの方からアキコに口づけた筈だけれど、それは便宜上の彼女には決して相応しくはないと思うからで

《好きだよ、アキ。》

メールの文字を読んだアキコは、改めてポカーンとしてしまう。そしてこれは何が起きているのだろうと独り首を捻ってしまったのだった。
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