GATEKEEPERS  四神奇譚

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第二部

第五幕 都立第三高校

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溜息混じりに書類を捲り、眼を細めるその姿に気がついて黒曜石の瞳は微かに震えた。目の前の青年は食事中だと言うのにその視線は資料から眼を話すこともしない。思わず溜息混じりに口を開きかけた礼慈の姿を、まるで知っているかのように彼は箸を咥えながら口を開く。

「あの話し、どう思った?礼慈。」
「そうですね……。一先ず食事か資料かどっちかにしてください。」

はいはいと返事をしながら、その返事が全くその意思がない事に呆れながら礼慈は一足先に終えた食事を示すかのように箸をお膳にそっと置いて眼の前の朝日に照らされた青年を見やる。視線はこちらには向いていないがその明晰な頭脳はこちらを言葉を促しているのに気がついて、彼は微かに迷うように口を開いた。

「予期せぬ力には代償が必要なのかもしれませんね。善くも悪しくも。」

その言葉の意味を問うかのようにレンズ越しの理知的な光が、彼を僅かに見やる。礼慈は膳を一度廊下にいる者に渡して、再びもとの場所に優雅な音を立たない動きで腰を下ろす。洋装でのその動きは酷く洗練されたものを感じさせ、普段のゆったりした動きでは分からない彼自身が身につけているものを微かに感じさせる。

「四神に成る者ですら大きな代償を払う力を、僅かでも普通の人間が持つとしたら何が代償でしょうか?」
「…記憶って事?礼慈。」

その言葉に彼は静かに目を伏せたかと思うと、違うと思いますと静かに答えた。

「…その者にとっての普通である事全て…ではないでしょうか?」

普通。
その言葉は酷く簡素でいて単純なのに、彼らにとっても難しい言葉でもあり四神にとっても酷く縁遠い言葉だ。それはまさに自分達すらも含めて、何らかの形を示すかのような気がして思わず智美は、その綺麗で可愛らしくも見える表情を歪めた。正直なところ礼慈の言葉は酷く的を得ているものだったが、それを認めたくもなかったのだ。



※※※


週明けの爽やかな穏やかな日差しの溢れる最中。酷く不機嫌なわりに驚くほど見目麗しい面持ちの智美は、普段であれば適当にあしらう筈の者に囲まれていた。
時間はもうあと少しで午後の授業開始。
後、ほんの僅かな時間で授業という状況が智美自身に隙を生んだのは事実だが、ここまでしつこく絡まれるとは思ってもいなかったのも事実だ。実際にはここ数日は教科書の糊付けに始まり、上履きの紛失や新しい教科書の紛失と地味な嫌がらせが続いていたのだ。最初の教科書の糊付けは正直なところ斬新過ぎて、持ち帰って礼慈に見せてしまった。

こんなバカな事に時間を費やせる集中力があるもんなんだな。

そういった智美に礼慈は呆れたように教科書の手配をしながら、そこは普通困るんですと言ったものだが。個人の持ち物の紛失はクラスメイトには言わないでおいたが、はっきり言うとつまらない。既に教科書は記憶してあるからなくても代わりないのだが、形上はあった方がいいのはわかる。しかし、ノートもないし体操着もない智美にする嫌がらせは、教科書と上履き位なのだ。無くなっても困るわけでもないとなると、紛失しても慌てるわけでもないし金銭としても、まあ困らないものが消えても対してダメージがない。

もう少し斬新な方法はないのかね?

そう思っていた矢先囲まれるのはこれで二度目。二度目なのが不思議なぐらいだが、地味な嫌がらせでは智美が何ともないのに痺れがきれたのだろう。何しろ教科書程度の新調は大したことではない。正直なところ智美にとっては、面倒なのは学校迄新しい教科書を持って来ることの方なのだ。
相変わらずの黒木を先頭にした面々に、冷ややかな視線を向けながら彼は静かに杖を硬く握り佇んでいる。彼自身に自制心がない訳ではなかったが、それでもやはりどれだけその環境に居たとしてもまだ十七年しか生きていない人生はどうしようもない。友村礼慈の言葉が的を得ていると理解しているのに、何処かで納得できないという感情が自制心を普段よりはるかに弱めていた。

「今日は邪魔も来ないぞ?香坂ぁ?」

以前指摘してやったが、名前を呼ばれる侮蔑の声に苛立ちが募る。そうか、名前で言われると余計腹が立つのか、と改めて智美は納得すらした。こちらはそんなお前達の安寧のために、日夜睡眠を削って活動しているのだ。子供にしか過ぎない自分達の安寧の生活が何によって成り立っているかも知らずに、自分だけが正しいというようなその態度が酷く癇に触った。

「邪魔がなければなんだって?」
「はぁ?」

不意に口を開いた彼の言葉を馬鹿にするような声が上がり、その頭脳はその人を馬鹿にする態度に不快感を訴える。成る程人を馬鹿にする言葉は、それだけで不快なのか理解した。今度友達と話す時は気をつけて、精々馬鹿にしたい奴には力一杯馬鹿にしてみよう。それにしても一応足の悪い人間を、八人も体格のいい人間で囲む神経も疑う。

「金持ちだってひけらかして、楽しかったかよ?香坂。」
「札束をひけらかしたことなんかないけど?」
「同じ事なんだよ、毎日教科書新調しやがって!」

こいつは自分がそれを破損したり隠したと白状している事に気がついているだろうか。心の中で馬鹿の一言ではすまない奴だなと、侮蔑の感情が沸き上がった。

こういう奴が成長して権力をもつから、世の中ダメになるんじゃないのか?

普段とは違う彼の氷のような視線に気がついた黒木佑が、智美が足が不自由だという事を理解しながら彼を突き飛ばそうと手を上げた。視界の隅でそれ捕らえた瞬間、不意に怒りが凍りついた刃物の様な鋭さで閃く。
ほぼ同時に智美と同級生が教室にいないのに気がつき、その場を発見した孝が目にしたのは酷く鮮やかな弧線を描く杖のしなりだった。まるで隙の無い鮮やかな剣舞にも似た杖の一撃に、黒木佑は無様に足をすくわれ床に転がる。その場から一歩も足を動かす事も無く智美はしなる杖を再びもとの用途に戻して酷く冷ややかな眼でその姿を見下すように見つめた。

「智美!」

不意にその影が自分に鋭く声をかけながら、背後から掴みかかろうとしていた他の取り巻きの同級生の一人の腕を掴む。そして勢いを流すようにその体をくるりと返したかと思うとその姿はまるでコマのように回転して床に落ちた。その行為の先で、普段は見せない涼やかなな優等生の表情の下で孝は呆れたようにその場にいる同級生達を冷ややかに見回す。恐らく明日からの期末テストの前に、香坂智美を脅かしておくつもりだったのだろう。それにしても足の悪いというハンデのある人間を、八人も柔道部やらレスリング部やらで囲む神経を疑う。

「呆れるな、ちょっと時間が空くとこんな事ばかりするのか?愚行にも程がある。」

冷やりとする様な気配を持った穏やかな声音に、逆に馬鹿にされたと煽られたように同級生達の眼の色が変わった。流石に投げ飛ばした位では、直ぐ様起き上がった二人も加えてジリと囲みが狭まる。二人は殆ど同時に背中合わせのまま、酷く冷たい視線で囲む者を見渡した。

自分たちが不可侵領域に手を出したと今更気がついた同級生達は、既に引き返しようのない状態に落ちいていた。最初に掴みかかった柔道部の手を、しなやかに回された杖の柄が鉄パイプのような固さで払いのけたかと思うと杖とは思えない動きで叩き伏せられる。背後で掴みかかろうとしたレスリング部の手に腕を絡ませるようにして、僅かに半身をずらした青年の動きにまるで前のめりになった体が勢いよく回転し頭から床に叩きつけられた。一瞬で二人が戦意を喪失するほどの勢いで叩き伏せられ、残りの六人は唖然とした顔を今更浮かべる。
今迄一度も反抗すらしなかった人間が実は鋭い牙を持っていたという事と、こういう事態には感知しない顔をしていた筈の優等生がその流れを変えて自分たちの前に立ちふさがっている。
ほんの数分後。
傷だらけで血すら滲ませた同級生を、埃一つ被らぬ様子で二人の青年は見下ろしている。呻きながら床から見上げる黒木は、その冷ややかな視線に不意に恐怖が沸き上がった。八対二で柔道部やら運動部の体格のいい絡んだ側の全員が、ものの数分で床に這いつくばり涙を滲ませて呻いているのだ。

「たいしたことなかったな、頭数ばかり多くて。」

しかも、呆れたようにそう冷たく言いはなったのは智美ではなく、優等生で有名な孝の方だった。騒ぎにつられた生徒の人垣の向こうに慌てた教師達の気配がして、人垣の中の智美達と仲のいい学年でも可愛いと有名な女子三人がオロオロしながらこの場をどうしたらいいか考えている。

「孝君…。」
「大丈夫だよ。早紀、心配しなくて良い。」

幼馴染みで彼女でもある志賀早紀に声をかけられた孝が、朗らかにすら聞こえる声で告げる。人垣を掻き分けて何人か教師が姿を見せ、その場の状態にあんぐりと口をあけているのに気がつく。一足先に割れに帰った養護教諭の大浦が、倒れている生徒の打ち身の具合を調べている。その横で他の教師が人垣を散らし、苦い表情の悌順が無傷のままの二人を生徒指導室に促した。

「……なんだって叩きのめしたんだ。」
「手加減はしてるだろ?骨は折らなかった。」

小さな声で悌順に問いかけられた智美が平然とそう言うのに、孝は智美も手加減はしていたことに今更ながらに気がつく。以前も杖を使って絡んできた上級生を返り討ちにしていたことがあったが、香坂智美の使う杖はどうやら普通の歩行目的だけのものでは無さそうだ。



※※※



午後の授業が外で始まる気配を感じながら、並んで座らされた二人の話を聞いた土志田悌順は思わず机に頬杖をつく。香坂智美がここ暫く七組の黒木佑から、嫌がらせを受けていたのは分かっている。

「……まぁ、経緯は分かった。」

微かに呆れ顔で悌順は教師の顔で、目の前に並んで座った二人の生徒の顔を眺めた。
方や品行方正、成績優秀の学級委員長。
方や足が不自由というハンデは在りながらも成績優秀な病弱なはずの生徒。
二人が起こした問題としてはある意味初めてではあるが、相手の方がはるかに多人数であるとは言え、結局叩きのめした訳で思わず彼は溜め息をつく。

「しかし、あそこまですることは無かったな。」
「やらないとやられそうだったんで、無我夢中だったんです。」

しれっとした顔で言い放つ智美を何かいいたげな瞳で一瞬見ながらも悌順は、もう一人の澄ました顔も一緒に眺める。どちらにせよ保護者に連絡は取らないといけない訳なのだが、クラスの生徒は香坂が嫌がらせを受けていたと既に声をあげ始めている。結果としては彼らがきっかけを作った訳ではないが、彼ら二人にも非はあるのだ。

「一先ずあいつ等の傷もそう酷くないから、後で話し合いだ。」

反撃するのは間違いではないが、叩きのめすまではする必要がない。しかも、担任の悌順は既に分かっているが、相手の生徒はこの二人がそれぞれに特殊な武術を身に付けているとは知らないのだろう。

せめて先月の騒動を黒木が知ってればなぁ、孝が参戦した時点で引っ込んだかもしれないが。

それをひけらかせと言う訳ではないが、八人相手の喧嘩は流石に喧嘩両成敗ともいかない。叩きのめされた方も一人の足の悪い生徒を八人で囲むとは、まともな考えでないのは明らかだ。それに関しては相手側の話も聞かなければならないが、話し合いは必要になる。

「一先ず、今日は保護者を呼ぶからな。」

保護者という言葉に思わず智美の表情が曇る。そしてその隣に座っていた孝も生まれて初めての事態に思わず自分のしたことを反省しながら同じように表情を曇らせていた。



※※※



担任の姿なのない生徒指導室に二人ん並んで座りながら、孝は微かに溜め息をついた。それに気がついた智美が微かに表情を変えて、彼の顔を覗き込む様に見あげる。

「悪かったな、孝。とばっちりで巻き込んで。」

その綺麗な少女の様な表情を苦笑交じりに見やりながら、孝は肩を竦めた。

「いや、僕も少し苛々してたんだ。同罪だよ。」
「それにしても、思った以上に弱かったな。」
「本当に。頭数だけだったな。」

お互いに顔を見合わせた二人は思わず苦笑を浮かべ、小さく声を立てて笑う。八人の内七人が重量級だった割には、動きが直線的すぎて単調だった。

「しかし、思ってた以上に強かった、智美が。」
「思ってたより?」

冷ややかに細められた智美の視線に苦笑いして、孝が古武術っぽいけど居合か抜刀術なのかと問いかける。その言葉に予想外だと智美が目を丸くして、何処となくその青年の中に自分の兄にも似た独特の雰囲気を感じながらも微笑む。

「動作がね…、何か武術をしてるんだなとは思って前からみてたけど。」
「へぇ、そう言うもの?見て分かるんだ?」
「長くやってるしな。うちの古武術も組討だけじゃないし。」

夕闇が迫り始めた校内は大分静まり返り、人も気配も遠く微かに感じる。感心したように自分を見る智美に向かって小さい頃からの癖かなと孝が苦笑を浮かべた。

「居合じゃない、杖術ってのを習ったんだ。」
「なるほど、そっちか。」

予想外の部分で会話が成り立つのに気がついて、思わず微笑みながら二人は自分の身に付けている武術の話で盛り上がる。こんな風に自分の出来ることで話すことは滅多になくて、智美は微かに目を細める。お互いに時間をつぶす様に言葉を交わしている最中、一旦戻って来た悌順が呆れ顔を浮かべながらも珍しい交流を深める二人の姿を好ましい思いで眺めていた。
そして、結局二人とも午後の授業には出ないまま、放課後までそこに待機させる事になっていたのだ。





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