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第二部
第四幕 詳細不明
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何も感じられない場所だった。
光も熱も、何一つ感じ取ることの出来ない場所。耳鳴りがしそうな程、音もなく何かの動く気配すら感じ取れない。そこでは足元が確かに地面を踏んでいるのかさえ、正直なところわからないでいる。そこに何時からいるのかを、どれくらいの間いるのかも分からない。寒さも暑さもなく、もしかしたら何年もここにいるのかと錯覚しそうになる。いや、錯覚ではなく本当に何年もここにいるのかもしれない。空間は閉じられていた。
閉じられている…。
その表現は正しいのか間違いなのか、正確には分からない。自分にとっては閉じられているようでも、周りの闇にとってはそうではないかもしれないからだ。
閉じられた空間は漂い続けた空気でどんよりと濁っているかの様な気配を放ち、それでも空気はまるで零下を感じさせる冷たさをもっている。そこから這い出すのは酷く難しい事だった。何処から入ったかも分からないのに、何処から出ればいいかなんて分かる筈もない。そう理解しているから、膝を抱えて出口が開くのを待つしかない。それだけはここにいても理解することができる。
《愚かな事をしたな。娘。》
そう耳元で何かが低く囁きかける。相手の言う愚かなこととは何を指すのだろうと、膝を抱えたまま虚ろに思考していた。その声は深く淀むように蠢きながら、その更に深い闇を湛えた瞳で内側を覗くように膝を抱えた抱える者の姿を眺めた。
《お前があれらに告げた言葉で、お前はまた弟から遠退いたのだ。娘。》
おとうと……
虚ろで何も感じない闇に溢れたその空間は、まるで常に閉じられた雨戸と遮光のカーテンでもひかれているように闇よりもなお暗い。それでも、その闇に浮かぶ瞳はその中にある全てのものを見透かす事が出来た。闇の塊は微かに身を震わせて笑うと、地の底から響くような声音を再び放つ。
≪愚かな娘だ…お前の願いを叶えてやろうとしているのに。≫
願い……?
膝に顔を埋めたままの足元に闇の中から、足が浮かぶ。闇を掻き分けるように、不意に白い肌が浮かび上がり歩み寄る。闇の底から姿を見せる姿は何もない筈の空間に腰掛け、膝を抱えたままの姿を冷ややかな視線で見下ろす。
闇の塊にしか見えないその姿は、フワリと被さるように闇の中で身じろぎもしないその姿に歩み寄った。膝に埋められていた柔らかく冷たい頬に、伸ばされた無機質にも感じる手を添えた。その存在は微かに笑みをしいたようにすら見える唇からフゥと息を吐き散らし、その空間を更に濃い闇で満たす。満たされた闇はまるで体にまとわりつき、密度を増して更に空間を凍りつかせるように冷やしていく。
≪…お前が願った真実を教えてやるといっただろう?娘。≫
その言葉に不意に人形のように身じろぎもしなかった視線がふと揺れて目の前の闇を見つめた。その声音は酷く甘く耳を擽るかのように響き、そのものの言葉の全てを受け入れるしかない。そう思わせる何かがあった。だからこそ、その人形のような者はその言葉を信じ受け入れ、相手の思うがままに動き続けたのだ。
『彼らは…一体何ナノ?』
ぎこちない言葉の先を塞ぐように闇は、その口元に手を当てて言葉を遮った。
そう、けしてそのモノは彼女に問う事を許しはしない。
はるか以前から、彼女にいつか真実を教えるという言葉だけを与えて彼女を意のままに動かし続けている。弟を探すという言葉に、彼女は与えられた技能を使い様々な場所にいた。できる筈のない事も知らない筈の事も目の前の者が与えてくれる。同時にそれを与えられると何らかの対価を求められるのは、力の代償だと囁かれれば納得するしかない。求めていない技能を与えられても、対価は対価なのだ。そしてやっと弟の足取りを掴みここまで来た。
やっとあの男の心を揺らした……
だが今夜の彼女には違った結果が舞い込んだ。弟の居場所を知っている男の隣に立つ青年。あの時闇の中でみたもう一人の青年の姿は、彼女が追い求めていた者と余りにも酷似していたのだ。
五代 武
彼だけが炎の中で生き残った。
だから彼に会いたかった。
彼の口から話を聞きたかった、あの夜の真実を。何故彼だけが炎の中で無傷で生き残ったのかを。そして、彼が何を知って、一人過ごしているのかを分かち合いたい。分かち合って、そして可能なら彼に教えてやりたいのだ、自分の存在を。
なのに、最初彼女が探し始めた時には、彼は何故か擦り付けて見つけ出すことが出来なかった。やっとの事で彼の住んでいた場所を突き止めた時には、既に真実は闇に消えていた。彼が今も生きているのか、そうでないのかすら分からない。他の事は鮮明に知ることができるのに、彼の事だけが霞んで見えないのだ。そしてその真実をこの闇は教えてくれる筈だったのだ。 その代償として…
≪教えてあげるよ…時が着たら必ず。≫
疑念が心の中に湧きあがる彼女の自分の心を、見透かしたかのように闇は密やかに蠢きながら囁きかける。そうして闇はまるで滑り込むかのように外界の闇の中に潜り込んだかと思うと、彼女の胸の奥底にある暗く深い闇の中に手を伸ばす。そうして彼女の内側から焼き尽くすかのような更に重く暗い闇で満たしていくのだ。
彼は何故、似ているの…?夜の光の中でまるであの青年は…。
その思考を遮るように闇は彼女の心を包み閉じていく。似ていると感じること自体が、矛盾していると弱く心が訴えかける。まだ、五代武に会ったことはない筈なのに、何故似ていると感じるのか。その矛盾を問いかけようにも、闇は自分の心の中からその疑問を握りつぶしていく。
まるで炎のようだったわ……。
記憶の中で、白く輝くような姿の横に不意に現れた青年の姿はまるで炎のように緋色に揺らめいて見えた。そんな姿を何処かで、彼女は見たような気がする。それなのにその記憶ごと闇は簡単に、彼女の疑問を手でクシャリと握りつぶしてしまう。眼で見たというよりは感じたという方が正しいのかもしれないと彼女はボンヤリと残された意識で考えるが、それすらもやがて闇に握り潰される。
《困ったものだ、まだ残っている…。》
楽しげに聞こえる声で呟きながら、ドンドンと握り潰されていく自分の何か。それに抵抗しようにも、彼女には闇に逆らう術もない。何故逆らえないのかと疑問に思うことすら許されず、竜胆貴理子の意識は糸が切れたかのようにフツリと闇の奥底にかき消していく。そうして再び人形のように瞬きもせずに凍りついたその姿の直ぐ傍で、深く暗い深遠の淵の様な瞳は酷く冷ややかな笑みを口元に貼り付け彼女の姿を見下ろしていた。
※※※
心の中の記憶の断片が、まるで淡雪の様に溶けて音もなく消えていくのが分かった。
自分の中に眠る自分がずっと過ごしていたはずの過去。
自分が知っているはずの場所。
そして……大事だった何か。
それらは深淵の縁の底に砕けた氷片のように、キラキラと光りながら落ちていき滲んで溶ける。手を伸ばせば今にも掴めそうなのに、全ては自分の手からスルリと逃げてあっという間に溶けて消え去っていく。
駄目…駄目だ。返して……。
自分の言葉は声にもならずに虚しく闇に落ちていく。足掻いても取りこぼした断片よりも早く声は溶けて消え、全ては深淵に消えさってしまう。そこに残るのは何時も自分という存在の不確かさだけだった。
そして深淵の闇の中で自分ははるか彼方に光る眩い光の存在を意識の中に感じ始める。光の塊は音もなく自分に滑りより、やがては自分に覆いかぶさろうとしているかの様な気がした。覆いかぶさり自分を喰らい尽くそうとしている。それが全ての原因で、自分を貪っていく者でもあると自分は心の何処かで知っていた。
安寧をもたらすようでいて、全てを奪う様なその存在。
だから自分は、それを拒否したいのだ。
それがたとえ許されない事であったとしても……。
そうして目覚めると全ては記憶の彼方にかき消して、残るのは後味の悪い夢の残り香だけだった。目を開き自分の中に残る残り香から何かを思い出そうとしても、全ては記憶の彼方に淀むかのような闇の中に溶けてすくい上げる事も出来ない。そう分かっていながらも、何時も自分は夢の中身を思い出そうと戸惑い続けている気がした。
光も熱も、何一つ感じ取ることの出来ない場所。耳鳴りがしそうな程、音もなく何かの動く気配すら感じ取れない。そこでは足元が確かに地面を踏んでいるのかさえ、正直なところわからないでいる。そこに何時からいるのかを、どれくらいの間いるのかも分からない。寒さも暑さもなく、もしかしたら何年もここにいるのかと錯覚しそうになる。いや、錯覚ではなく本当に何年もここにいるのかもしれない。空間は閉じられていた。
閉じられている…。
その表現は正しいのか間違いなのか、正確には分からない。自分にとっては閉じられているようでも、周りの闇にとってはそうではないかもしれないからだ。
閉じられた空間は漂い続けた空気でどんよりと濁っているかの様な気配を放ち、それでも空気はまるで零下を感じさせる冷たさをもっている。そこから這い出すのは酷く難しい事だった。何処から入ったかも分からないのに、何処から出ればいいかなんて分かる筈もない。そう理解しているから、膝を抱えて出口が開くのを待つしかない。それだけはここにいても理解することができる。
《愚かな事をしたな。娘。》
そう耳元で何かが低く囁きかける。相手の言う愚かなこととは何を指すのだろうと、膝を抱えたまま虚ろに思考していた。その声は深く淀むように蠢きながら、その更に深い闇を湛えた瞳で内側を覗くように膝を抱えた抱える者の姿を眺めた。
《お前があれらに告げた言葉で、お前はまた弟から遠退いたのだ。娘。》
おとうと……
虚ろで何も感じない闇に溢れたその空間は、まるで常に閉じられた雨戸と遮光のカーテンでもひかれているように闇よりもなお暗い。それでも、その闇に浮かぶ瞳はその中にある全てのものを見透かす事が出来た。闇の塊は微かに身を震わせて笑うと、地の底から響くような声音を再び放つ。
≪愚かな娘だ…お前の願いを叶えてやろうとしているのに。≫
願い……?
膝に顔を埋めたままの足元に闇の中から、足が浮かぶ。闇を掻き分けるように、不意に白い肌が浮かび上がり歩み寄る。闇の底から姿を見せる姿は何もない筈の空間に腰掛け、膝を抱えたままの姿を冷ややかな視線で見下ろす。
闇の塊にしか見えないその姿は、フワリと被さるように闇の中で身じろぎもしないその姿に歩み寄った。膝に埋められていた柔らかく冷たい頬に、伸ばされた無機質にも感じる手を添えた。その存在は微かに笑みをしいたようにすら見える唇からフゥと息を吐き散らし、その空間を更に濃い闇で満たす。満たされた闇はまるで体にまとわりつき、密度を増して更に空間を凍りつかせるように冷やしていく。
≪…お前が願った真実を教えてやるといっただろう?娘。≫
その言葉に不意に人形のように身じろぎもしなかった視線がふと揺れて目の前の闇を見つめた。その声音は酷く甘く耳を擽るかのように響き、そのものの言葉の全てを受け入れるしかない。そう思わせる何かがあった。だからこそ、その人形のような者はその言葉を信じ受け入れ、相手の思うがままに動き続けたのだ。
『彼らは…一体何ナノ?』
ぎこちない言葉の先を塞ぐように闇は、その口元に手を当てて言葉を遮った。
そう、けしてそのモノは彼女に問う事を許しはしない。
はるか以前から、彼女にいつか真実を教えるという言葉だけを与えて彼女を意のままに動かし続けている。弟を探すという言葉に、彼女は与えられた技能を使い様々な場所にいた。できる筈のない事も知らない筈の事も目の前の者が与えてくれる。同時にそれを与えられると何らかの対価を求められるのは、力の代償だと囁かれれば納得するしかない。求めていない技能を与えられても、対価は対価なのだ。そしてやっと弟の足取りを掴みここまで来た。
やっとあの男の心を揺らした……
だが今夜の彼女には違った結果が舞い込んだ。弟の居場所を知っている男の隣に立つ青年。あの時闇の中でみたもう一人の青年の姿は、彼女が追い求めていた者と余りにも酷似していたのだ。
五代 武
彼だけが炎の中で生き残った。
だから彼に会いたかった。
彼の口から話を聞きたかった、あの夜の真実を。何故彼だけが炎の中で無傷で生き残ったのかを。そして、彼が何を知って、一人過ごしているのかを分かち合いたい。分かち合って、そして可能なら彼に教えてやりたいのだ、自分の存在を。
なのに、最初彼女が探し始めた時には、彼は何故か擦り付けて見つけ出すことが出来なかった。やっとの事で彼の住んでいた場所を突き止めた時には、既に真実は闇に消えていた。彼が今も生きているのか、そうでないのかすら分からない。他の事は鮮明に知ることができるのに、彼の事だけが霞んで見えないのだ。そしてその真実をこの闇は教えてくれる筈だったのだ。 その代償として…
≪教えてあげるよ…時が着たら必ず。≫
疑念が心の中に湧きあがる彼女の自分の心を、見透かしたかのように闇は密やかに蠢きながら囁きかける。そうして闇はまるで滑り込むかのように外界の闇の中に潜り込んだかと思うと、彼女の胸の奥底にある暗く深い闇の中に手を伸ばす。そうして彼女の内側から焼き尽くすかのような更に重く暗い闇で満たしていくのだ。
彼は何故、似ているの…?夜の光の中でまるであの青年は…。
その思考を遮るように闇は彼女の心を包み閉じていく。似ていると感じること自体が、矛盾していると弱く心が訴えかける。まだ、五代武に会ったことはない筈なのに、何故似ていると感じるのか。その矛盾を問いかけようにも、闇は自分の心の中からその疑問を握りつぶしていく。
まるで炎のようだったわ……。
記憶の中で、白く輝くような姿の横に不意に現れた青年の姿はまるで炎のように緋色に揺らめいて見えた。そんな姿を何処かで、彼女は見たような気がする。それなのにその記憶ごと闇は簡単に、彼女の疑問を手でクシャリと握りつぶしてしまう。眼で見たというよりは感じたという方が正しいのかもしれないと彼女はボンヤリと残された意識で考えるが、それすらもやがて闇に握り潰される。
《困ったものだ、まだ残っている…。》
楽しげに聞こえる声で呟きながら、ドンドンと握り潰されていく自分の何か。それに抵抗しようにも、彼女には闇に逆らう術もない。何故逆らえないのかと疑問に思うことすら許されず、竜胆貴理子の意識は糸が切れたかのようにフツリと闇の奥底にかき消していく。そうして再び人形のように瞬きもせずに凍りついたその姿の直ぐ傍で、深く暗い深遠の淵の様な瞳は酷く冷ややかな笑みを口元に貼り付け彼女の姿を見下ろしていた。
※※※
心の中の記憶の断片が、まるで淡雪の様に溶けて音もなく消えていくのが分かった。
自分の中に眠る自分がずっと過ごしていたはずの過去。
自分が知っているはずの場所。
そして……大事だった何か。
それらは深淵の縁の底に砕けた氷片のように、キラキラと光りながら落ちていき滲んで溶ける。手を伸ばせば今にも掴めそうなのに、全ては自分の手からスルリと逃げてあっという間に溶けて消え去っていく。
駄目…駄目だ。返して……。
自分の言葉は声にもならずに虚しく闇に落ちていく。足掻いても取りこぼした断片よりも早く声は溶けて消え、全ては深淵に消えさってしまう。そこに残るのは何時も自分という存在の不確かさだけだった。
そして深淵の闇の中で自分ははるか彼方に光る眩い光の存在を意識の中に感じ始める。光の塊は音もなく自分に滑りより、やがては自分に覆いかぶさろうとしているかの様な気がした。覆いかぶさり自分を喰らい尽くそうとしている。それが全ての原因で、自分を貪っていく者でもあると自分は心の何処かで知っていた。
安寧をもたらすようでいて、全てを奪う様なその存在。
だから自分は、それを拒否したいのだ。
それがたとえ許されない事であったとしても……。
そうして目覚めると全ては記憶の彼方にかき消して、残るのは後味の悪い夢の残り香だけだった。目を開き自分の中に残る残り香から何かを思い出そうとしても、全ては記憶の彼方に淀むかのような闇の中に溶けてすくい上げる事も出来ない。そう分かっていながらも、何時も自分は夢の中身を思い出そうと戸惑い続けている気がした。
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